目標管理シートとは?書き方とテンプレート、13職種の例文・記入例を解説

目標管理シートとは?書き方とテンプレート、13職種の例文・記入例を解説

更新日:2026/10/27

目標管理シートは、目標管理制度(MBO)のもとで従業員が期初に立てた目標と達成基準、行動計画、期中・期末の振り返りと評価を1枚にまとめて記録する表です。この記事では、記載項目とテンプレートの使い方、職種別の例文、よくある失敗の直し方を解説します。

目標管理シートとは?

目標管理シートは、本人が立てた目標と達成までの計画を上司と合意し、期末の評価までの経過を書き残していく表です。このシートは目標管理制度(MBO:Management by Objectives)を運用する会社などで、評価の1周期を通して使われます。

MBOとは、従業員が自ら目標を設定し、その達成度で成果を評価する仕組みを言います。半期や1年を1周期とする運用が一例で、周期の初めに本人の目標を上司との面談ですり合わせ、終わりに達成度を評価する流れです。シートは周期ごとに新しく作り、期初から期末まで順に書き込んでいきます。

MBOのもとになったのは、経営学者のピーター・F・ドラッカーが1954年の著書『現代の経営』(原題:The Practice of Management)で示した「自己管理による目標管理」の考え方です。

1周期の中で、目標管理シートが果たす役割は次のとおりです。

・本人が目標を言葉にする場:何をいつまでにどの水準まで達成するかを書き出し、期中にやることをはっきりさせる

・上司との合意の記録:期初の面談で話し合った水準や達成基準を残し、期末の「目標が高すぎた」「そういう意味ではなかった」という食い違いを減らす

・評価の根拠:振り返り・自己評価・上司評価が1枚に並び、評価の理由を本人に説明しやすくなる

3つの役割を1枚で受け持つので、期末には、「期初に本人が書いた目標」と「上司と合意した達成基準」を参照して、その達成度を判断できます。なお、評価の項目に点数や段階を付ける人事評価シートとの違いは、記事末尾のよくある質問をご覧ください。

※参考:P.F.ドラッカー『ドラッカー名著集2 現代の経営[上]』(上田惇生訳、ダイヤモンド社)第11章「自己管理による目標管理」

目標管理シートの記載項目とテンプレート

目標管理シートとは?書き方とテンプレート、13職種の例文・記入例を解説-1

目標管理シートは、期間と所属・目標・達成基準・行動計画・期中の振り返り・期末の自己評価と上司評価の6つの欄で作ります。次のテンプレートをコピーし、自社の様式に合わせて手直ししてください。

欄

記入欄

期間と所属

対象期間: 年 月〜 年 月/所属:/等級:/氏名:

目標

目標1:(重み %)/目標2:(重み %)/目標3:(重み %)

達成基準

目標1:/目標2:/目標3:

行動計画

目標1:/目標2:/目標3:

期中の振り返り

実施日:/進み具合:/計画を変えた点:

期末の自己評価と上司評価

自己評価:/上司評価:/上司のコメント:

テンプレートは、上から期初・期中・期末に書く欄の順に並んでいます。期初は期間と所属から行動計画まで、期中は振り返り、期末は自己評価と上司評価を書きます。目標・達成基準・行動計画の3つの欄は目標1〜3で番号をそろえてあり、同じ番号どうしを見比べると、1つの目標に対する達成基準と行動計画の対応がわかる作りです。

人事がシートを配るときは、記入例を1行添えておくと書き方のばらつきを抑えやすくなります。目標の欄の重み(ウエイト)は、目標ごとの重要度に応じて、合計が100%になるように配分します。

営業職を例に、テンプレートを埋めた見本を載せます。記入例を添えて配るときの参考にしてください。

欄

記入例

期間と所属

対象期間:4月〜9月(上期)/所属:営業部 第一営業課/等級:3等級/氏名:(本人の氏名)

目標

目標1:新規顧客からの受注を増やす(重み50%)/目標2:既存顧客の契約更新を確実にする(重み30%)/目標3:提案書の型を作り直す(重み20%)

達成基準

目標1:上期の新規受注額1,200万円、新規取引先8社/目標2:担当する既存顧客の契約更新率95%以上/目標3:新しい提案書の型を4月末までに完成させ、課内の全員が使える状態にする

行動計画

目標1:毎月20社に訪問を打診する/目標2:更新月の3か月前までに担当顧客全社と面談する/目標3:受注した案件の提案書を見直し、4月中に型を作る

期中の振り返り

実施日:7月上旬/進み具合:新規受注額は計画の45%、訪問の打診は計画どおり/計画を変えた点:商談に進む割合が低いため、打診先に既存顧客からの紹介先を加える

期末の自己評価と上司評価

自己評価:目標1は新規受注額1,250万円・新規取引先7社で、受注額は達成、取引先数は未達(目標2・3も同じように記入)/上司評価:(上司が記入)/上司のコメント:(上司が記入)

各欄に何を書き、誰が記入するか、次の表にまとめました。

欄

書き方

記入者

期間と所属

評価の対象期間と所属、等級を書く

本人(人事が事前に記入する場合もある)

目標

期末に何がどうなっていたいかを1文で書き、重みを付ける

本人が書き、上司と合意する

達成基準

達成したかを判断できる数値や状態を書く

本人が書き、上司と合意する

行動計画

目標に向けて、いつまでに何をするかを書く

本人

期中の振り返り

進み具合と、計画を変えた点を書く

本人と上司

期末の自己評価と上司評価

達成基準と比べた結果と、その理由を書く

本人と上司

記入者で分けると、行動計画は本人だけ、目標と達成基準は本人が書いて上司と合意し、期中の振り返りと期末の評価は本人と上司の2人で書きます。期間と所属を人事が先に埋めている場合、本人は目標の欄から記入します。

各欄のうち、とくに時間をかけて書きたいのは、目標と達成基準です。この2つが曖昧なままだと、期末に達成したかどうかを、本人と上司が同じ基準で判断しにくくなります。

目標管理シートで目標を立てるときのフレームワークと考え方

目標管理シートとは?書き方とテンプレート、13職種の例文・記入例を解説-2

目標と達成基準を書くときは、次のフレームワークと考え方が役立ちます。

SMART:具体的で測れる目標にする

SMARTは、目標を具体的に測れる形にするための5つの観点です。各観点を表す英語の頭文字をとって名付けられています。

SMARTは、ジョージ・T・ドラン(George T. Doran)が1981年11月に米国の経営誌『Management Review』に寄せた論文で示したものが広く知られています。ドランの論文では、AはAssignable(担当者を決められる)、RはRealistic(現実的)、TはTime-related(いつ達成できるかを示す)でした。A・R・Tに当てる語は解説によって異なり、現在はAchievable・Relevant・Time-boundとする説明が一般的なため、この記事もそれに沿って説明します。

・Specific(具体的):何を、どの水準まで達成するのかがわかる

・Measurable(測定可能):達成したかを数値や状態で判断できる

・Achievable(達成可能):本人の裁量と、期間・人手・上司の支援の範囲で届く水準である

・Relevant(関連性):部署や会社の目標とつながっている

・Time-bound(期限):いつまでに達成するかがはっきりしている

目標を書いたら、各観点に当てはめて「欠けているもの」を探しましょう。書いた本人は中身をわかっているぶん、足りない観点に気付きにくいからです。

ただし、5つすべてを完璧に満たす必要はありません(ドランの論文でも、書いた目標がすべて5つの基準を満たすわけではないと述べられています)。まずは「測れるか」と「期限があるか」の2点から見直します。

たとえば「営業力を高める」という目標は、SMARTのほとんどを満たしていません。「9月末までに新しい提案書を使った商談を20件行い、受注を4件獲得する」と書き直せば、具体的で、測れて、期限のある目標になります。

※参考:George T. Doran「There's a S.M.A.R.T. way to write management's goals and objectives」(Management Review、1981年11月号)

OKR:挑戦的な目標と成果指標を組み合わせる

OKR(Objectives and Key Results)は、目指す姿を表す「目標(Objective)」と、その達成度を測る数個の「主要な成果(Key Results)」を組み合わせて目標を立てる方法です。目標管理シートで使うMBOとは、目標の水準と評価との結び付け方が異なります。

OKRを導入している海外のIT企業が公開しているガイドでは、OKRは年次と四半期ごとに設定し、達成度は0〜1.0で採点して6〜7割程度なら適切な水準とされています。また、OKRは人事評価と同じものではないと説明されています。MBOとの違いをまとめると、次のとおりです。

観点

MBO(目標管理制度)

OKR

目的

本人が立てた目標の達成度で成果を評価する

挑戦的な目標に向けて、組織の取り組みの方向をそろえる

目標の水準

期末に達成できる現実的な水準に置く

あえて高めに置き、6〜7割程度の達成でもよいとする

評価との結び付け方

達成度を賞与や昇給などの評価に結び付けることが多い

人事評価とは切り離して運用することが多い

設定の周期

半期や1年ごと

年次と四半期ごとなど、短い周期で設定・採点する例がある

評価に結び付けるMBOの目標に、6〜7割の達成でよいとする挑戦的な目標を混ぜると、期末の評価の基準がぶれやすくなります。シートにOKRの考え方を取り入れる場合は、評価に使う目標と、挑戦として掲げる目標を分けて書いておきましょう。

※参考:Google re:Work「Set goals with OKRs」

定量目標と定性目標を組み合わせる

目標は、数値で表す「定量目標」と数値化しにくい「定性目標」を組み合わせて考えます。

種類

特徴

代表例

測り方

定量目標

数値で表す

売上、件数

数値が達成基準に届いたか

定性目標

数値化しにくい

業務の改善、能力の習得

具体的に書いた達成状態になったか

定量目標は数値で達成を判断できる一方、定性目標は書き方を工夫しないと測れる形になりません。そこで定性目標は、「業務の手順書を作り、新人2名が一人で対応できる状態にする」のように、達成した状態を具体的に書きます。誰が何を見て達成とするかまで期初に合意すれば、期末に判断が割れにくくなります。

2つの比率を職種ごとに変える方法があります。営業職なら定量目標を中心に、管理部門なら手順の整備のような定性目標も組み合わせる配分が一例です。

会社の目標から個人の目標へ落とし込む

個人目標は、上位の目標を次の順に分けて立てます。

1. 会社の目標を出発点にする

2. 会社の目標を部署の目標に分ける

3. 部署の目標を個人の役割ごとの目標に分ける

たとえば部署の売上目標が前年比10%増なら、営業担当者は担当顧客からの受注額、マーケティング担当者は商談につながる問い合わせの件数を、それぞれの目標にします。

分けたあとに気を付けたいのは、個人の目標と部署の目標のつながりです。上位の目標と関係の薄い目標ばかりが並ぶと、全員が達成しても部署の目標に届かない事態が起こりかねません。個人の目標がそろったら、それぞれが部署の目標のどこを担うかを上司が見直します。

職種別の目標管理シートの書き方と例文

目標管理シートとは?書き方とテンプレート、13職種の例文・記入例を解説-3

ここからは営業職から管理職まで13職種について、目標・達成基準・行動計画の3つの欄を書いた例をご紹介します。数値はすべて一例なので、自社の実績・目標に置き換えてください。

営業職の例文

受注額や新規顧客の数で成果を表しやすいのが営業職です。

欄

記入例

目標

新規顧客からの受注を増やし、担当地域の売上を伸ばす

達成基準

上期の新規受注額1,200万円、新規取引先8社。商談から受注に至る割合を前期の20%から25%に高める

行動計画

毎月20社に訪問を打診する。提案書の型を4月中に作り直し、商談で使う

受注額のような結果の数値に、訪問の打診数のような行動の数値を添えておくと、期中に遅れが出たときに原因を探しやすくなります。

マーケティング職の例文

集客の数で終わらせず、その先の商談や売上にどれだけ貢献したかまで目標に含めるのが、マーケティング職の書き方です。

欄

記入例

目標

Webサイト経由の問い合わせを増やし、営業部の商談の数に貢献する

達成基準

上期の問い合わせ件数を月平均60件にする(前期は月平均45件)。うち商談に進む割合を30%以上にする

行動計画

比較検討中の顧客に向けた記事を月4本公開する。資料ダウンロードのフォームの項目を5月中に減らし、送信率を測る

問い合わせの件数だけを追うと、商談につながらない問い合わせまで成果に数えてしまいます。商談に進む割合を達成基準に加え、営業部と同じ数字で成果を語れるようにしましょう。

企画・広報職の例文

企画・広報職は、発信した数だけでなく、記事として取り上げられた件数や、発信をきっかけにした反応まで目標に含めると、成果を説明しやすくなります。

欄

記入例

目標

自社の取り組みを社外に伝え、報道での露出を増やす

達成基準

上期のプレスリリースを6本配信し、メディアへの掲載を12件にする(前期は8件)。配信後1か月の問い合わせの件数を記録し、配信ごとに比べられる状態にする

行動計画

配信の予定表を4月中に作り、月1本のペースで配信する。記者向けの資料を5月までに作り直し、掲載された記事を毎月まとめて社内に共有する

掲載の件数は、報道する側の判断やその時期の話題に左右されます。配信の本数や資料の整備のように自分で実行を左右できる基準を並べておくと、期末の評価の材料がそろいます。

人事職の例文

人事職は、採用や育成の成果を「何人」「いつまで」「制度をどう運用したか」に置き換えると、目標に落とし込みやすいです。

欄

記入例

目標

中途採用の充足と、入社後の定着に向けた支援を両立する

達成基準

9月末までに営業職4名を採用する。入社1か月・3か月の面談で出た課題への対応を、期末までにすべて完了する

行動計画

求人票を職種ごとに4月中に改訂する。入社者ごとに受け入れ担当を決め、入社1か月と3か月の時点で面談を行う

採用の人数は景気や他社の求人の動きに左右されるため、定着に向けた受け入れの取り組みのように、自社で実行を左右できる基準を組み合わせると、評価の納得感を得やすくなります。

経理職の例文

経理職の目標になるのは、決算や月次の締めの「早さ」と「正確さ」の2つです。

欄

記入例

目標

月次決算を早め、経営会議に数字を早く届ける

達成基準

月次決算の確定を翌月10営業日目から7営業日目にする。確定後の修正を月1件以内にする。仕訳の確認手順を文書にまとめ、担当者の誰でも月次の締めを進められる状態にする

行動計画

経費精算の締め日を各部署と調整し、5月から前倒しする。仕訳の確認手順を文書にまとめ、担当者間で共有する

締めの早さだけを目標にすると、正確さが犠牲になりかねません。早さと修正の件数を両方とも達成基準に置けば、釣り合いの取れた取り組みを促せます。

総務職の例文

社内の業務を支える総務職では、費用をどれだけ減らしたか、手続きを何日で終えたかが成果のポイントになります。

欄

記入例

目標

備品と消耗品の費用を抑え、発注から納品までを早める

達成基準

上期の消耗品費を前年同期比10%削減する。発注の依頼から納品までを平均5日以内にする

行動計画

6月までに発注先を2社に絞り、単価を見積もりで比べる。発注の依頼を社内のフォームに一本化する

総務の仕事は、成果がそのままでは数字に表れにくいものです。費用や日数に置き換えれば、改善の度合いをほかの部署にも説明しやすくなります。

事務職(一般事務・営業事務)の例文

事務職の仕事は数値にしにくいと思われがちですが、処理の期限、ミスの件数、手順の整備に置き換えると、測れる目標になります。

欄

記入例

目標

受注処理のミスを減らし、営業担当者が顧客対応に使える時間を増やす

達成基準

受注の入力ミスを月3件から1件以内にする。受注処理の手順書を7月末までに作り、課内の誰でも代わりに処理できる状態にする

行動計画

入力後の確認項目を一覧にし、4月から使う。ミスの内容を月末に記録し、手順書に反映する

ミスの件数だけを追うと、確認に時間をかけすぎて処理が遅れることがあります。手順書の整備のような定性目標を組み合わせると、担当者が不在のときも業務を止めずに済む体制づくりを評価に反映できます。

エンジニア職の例文

納期どおりに公開し、公開後も安定して動かすことが、エンジニア職に求められる成果です。

欄

記入例

目標

新機能を予定どおりに公開し、公開後の不具合を減らす

達成基準

決済機能の改修を8月末までに公開する。公開後1か月の重大な不具合を0件にする

行動計画

6月中に設計を確定し、コードのレビューを週1回行う。自動テストの対象を主要な画面の8割まで広げる

納期と品質は、片方だけを追うともう片方が崩れやすくなります。レビューやテストの頻度を行動計画に書いておくと、品質を保つ取り組みを評価に反映できます。

研究開発職の例文

研究開発職は、成果が出るまでに時間がかかり、期内に結果が出ないこともあります。そのため、期内に終える検証や報告の段階を目標にするのが書き方のポイントです。

欄

記入例

目標

新素材の試作を進め、製品化の判断に必要なデータをそろえる

達成基準

9月末までに試作品を3種類作り、耐久試験の結果を報告書にまとめる。報告書をもとに、次の段階に進むかを部内の会議で判断できる状態にする

行動計画

5月までに試験の条件を確定し、試作を月1種類のペースで進める。月1回、試験の途中結果を部内で共有する

研究の成否だけで評価すると、失敗の可能性が高い挑戦的なテーマが避けられかねません。検証の段階ごとに達成基準を置けば、結果が出る前でも取り組みを評価できます。

カスタマーサポート職の例文

カスタマーサポート職では、問い合わせへの対応の速さと顧客満足度の2つが軸です。

欄

記入例

目標

問い合わせへの回答を早め、顧客の満足度を高める

達成基準

メールの一次回答までの時間を、平均24時間から8時間以内にする。対応後のアンケートの満足度を5段階で平均4.2以上にする

行動計画

よくある質問の回答文を30件用意し、5月から使う。回答に時間がかかった問い合わせの原因を、週1回チームで共有する

回答の速さを追うと、回答の質が下がるおそれがあります。満足度のように顧客側の評価を表す指標を組み合わせ、速さと質の両方を測りましょう。

製造・品質管理職の例文

製造・品質管理職の成果は、不良率や生産効率のような工程の数値で測りやすい傾向があります。

欄

記入例

目標

検査工程からの不良の流出を防ぎ、工程内の不良を減らす

達成基準

出荷後の不良の発生を上期0件にする。工程内の不良率を1.5%から1.0%にする

行動計画

不良の多い3工程で、作業手順書を6月までに改訂する。月1回、不良の原因を分析する会議を開く

工程の改善の効果は、不良率にすぐには表れないことがあります。手順書の改訂のように期内に完了できる行動を、達成基準と並べて書いておきましょう。

販売・店舗スタッフの例文

販売・店舗スタッフの目標は、売上だけでは組み立てません。接客の質や店舗運営への貢献まで組み込むと、売上の数字に表れない働きを評価に反映できます。

欄

記入例

目標

客単価を上げて店舗の売上目標の達成に貢献し、新人の育成を担う

達成基準

担当する時間帯の客単価を前期比5%上げる。新人スタッフ1名が一人でレジと接客を担当できる状態にする

行動計画

関連商品の提案を接客の手順に加え、毎朝の朝礼で共有する。新人向けの接客の手順書を作り、週1回の練習に付き添う

店舗の売上は天候や立地の影響を受けるため、本人の取り組みと結び付きやすい客単価や後輩の育成を目標にすると、努力が評価に反映されやすくなります。

管理職の例文

管理職の目標には、部署の成果に加えて、部下の育成や組織づくりを含めるのが基本です。

欄

記入例

目標

部署の売上目標を達成し、次の管理職候補を育てる

達成基準

部署の上期売上を目標の100%以上にする。リーダー候補1名が週次の会議を一人で進行できる状態にする

行動計画

部下全員と月1回の面談を行い、目標の進み具合を共有する。リーダー候補に7月から会議の進行を任せ、終了後に助言する

部署の数字だけを目標にすると、部下の育成は後回しになりかねません。育成の目標には任せる業務と時期を具体的に書き、達成した状態を部下と共有しておきましょう。

目標管理シートの書き方でよくある失敗と直し方

目標の書き方でつまずくパターンは、「測れない」「行動が書かれていない」「本人の裁量を超えている」の3つに分けられます。それぞれの悪い例と、シートの欄に分けて直した例を表にまとめました。

よくある失敗

悪い例

直した例

直した理由

測れない

顧客満足度を高める

達成基準:対応後のアンケートの満足度を5段階で平均4.2以上にする

達成したかを数値で判断できる

行動が書かれていない

新規顧客を増やす

達成基準:新規取引先8社/行動計画:毎月20社に訪問を打診する

何をすれば届くかが具体的になる

本人の裁量を超えている

会社の利益率を改善する

目標:担当製品の原価を下げる/達成基準:前期比3%減

本人の取り組みで結果を左右できる

3つのパターンは、放っておくとそれぞれ違う問題につながります。

測れない目標は、期末の評価が上司の印象に左右されがちです。行動が書かれていない目標は、期中に何をすればよいかがわからず、振り返りの材料が残りにくくなります。そして本人の裁量を超えた目標は、努力しても結果を変えられないため、意欲を下げてしまいかねません。

期初の面談では、上司が本人の目標を各パターンと照らして、1つずつ見直すのが基本です。その際は上司の案を押し付けず、「達成したかどうかを、期末にどう判断する?」と問いかけて、本人に言葉を選んでもらいましょう。本人が自分の言葉で書き直すと、目標を期中の行動に結び付けやすくなります。

目標管理シートを運用するときの注意点

目標管理シートとは?書き方とテンプレート、13職種の例文・記入例を解説-4

期初から評価に至るまでには、半期や1年など会社ごとに定めた評価期間があります。そのあいだの運用で成果を左右するのが、期初の合意・期中の振り返り・評価との結び付けです。

期初に上司と面談して合意する

本人が書いた目標を上司が受け取るだけでは、シートは本来の役割を果たしにくくなります。面談の前に本人が下書きを用意し、上司が会社や部署の目標を伝えたうえで話し合えば、面談の時間を合意の中身に使えます。目標の水準と達成基準で合意できたら、シートに残しましょう。

期中に進み具合を振り返る

期初に立てた目標を期末まで放置すると、計画とのずれに気付くのが遅れます。月1回や四半期に1回など振り返りの頻度を定め、進み具合と計画の修正をシートに記録します。

振り返りの面談で話し合うのは、達成基準に対する現在の位置と、残りの期間でやることです。進んでいない目標があれば、原因が本人の行動にあるのか、環境の変化にあるのかを分析しましょう。

評価と処遇の結び付け方を先に決める

目標の達成度を賞与や昇給、昇格にどう反映するかは、期初の時点で本人に伝えておきます。結び付け方が曖昧だと、達成しやすい低い目標を立てる人が増え、本人の成長を促すという制度のねらいが損なわれかねません。

Excelの目標管理シートはいつシステムに移す?

システムへ移す目安は、評価の集計や過去の目標の参照に手間がかかり始めたときです。対象者が増えるほど、その手間は大きくなります。表は、部署ごとにファイルを配って回収する運用を例にしています。

状況

Excelで起きること

システムで変わること

対象者が増えた

ファイルの配布と回収に手間がかかり、版が混ざる

全員のシートを1か所で管理できる

評価の集計が負担になった

部署ごとのファイルを手で集計する

達成度や評価を自動で集計できる

過去の目標を参照したい

年度ごとのファイルを探して開く

過去の目標と評価を本人ごとにさかのぼれる

面談の記録を残したい

記録の場所が人によって違う

期中の振り返りや面談の記録をシートに残せる

表の4つの場面のどれかに心当たりがあれば、システム移行を考えてよい段階です。必要な機能を備えた人事評価システムなら、目標の設定から期中の振り返り、評価の集計までを1つの仕組みで扱えます。

反対に、対象者が少なく評価の集計に負担を感じていないなら、Excelのテンプレートで十分に運用できます。移行する場合は、Excelのシートをそのまま再現しようとせず、期中の振り返りや面談の記録をどう残すかを先に詰めておきましょう。

システムの機能や選び方は、人事評価システムの解説記事で紹介しています。

まとめ:目標管理シートは達成基準まで書いて運用しよう

目標管理シートは、6つの欄で期初の合意から期末の評価までを1枚につなぐ表で、目標と達成基準を測れる形で書くほど評価の根拠として機能します。書くときはSMARTの観点を使い、定量目標と定性目標を組み合わせましょう。

まずはテンプレートを自社の運用に合わせて作り、次の期初の面談から使ってみてください。対象者が増えて集計に手間がかかり始めたら、BIZNAVIの人事評価システムのサービス一覧で導入候補を探してみてください。

目標管理シートについてよくある質問

目標管理シートについて、よくある質問にお答えします。

目標管理シートと人事評価シートは同じ?

同じものではありません。目標管理シートは、期初に立てた目標と達成に向けた計画、振り返りを記録する様式です。人事評価シートは、能力や行動、成果などの評価項目に点数や段階を付ける様式で、目標の達成度はその一部として扱われることがあります。

目標はいくつ立てればよい?

3つ程度に絞りましょう。目標が多いと1つあたりにかけられる時間が減り、期中の振り返りも形だけになりがちです。重要度の高いものから選び、目標ごとに重みを付けると、評価の配分が明確になります。

新入社員の目標はどう立てる?

新入社員は、業務の成果より仕事を覚える過程を目標にすると立てやすくなります。「6月末までに受注処理を一人で担当できる状態になる」のように習得する業務と期限を書き、達成した状態を上司とすり合わせておきましょう。

期中に目標を変更してもよい?

組織の方針や担当業務が変わり、期初の目標が実態に合わなくなった場合は、見直して構いません。期中の面談で上司と合意したうえで変更し、変えた理由と日付をシートの「期中の振り返り」の欄に残しておくと、期末の評価で経緯を確認できます。

目標を達成できなかった場合はどう評価する?

達成基準に対する結果に加えて、行動計画をどこまで実行したかと、未達の原因が本人の行動にあるのか環境の変化にあるのかを振り返ります。評価への反映は期初に決めた結び付け方に沿って判断し、振り返った内容は次の期の目標に生かしましょう。

事務職など数値にしにくい仕事の目標はどう書く?

処理の期限、ミスの件数、手順の整備のように、回数や達成した状態に置き換えて書きます。「受注処理の手順書を7月末までに作り、課内の誰でも代わりに処理できる状態にする」のように、誰が何を見て達成とするかまで期初に上司と合意しておくと、期末に判断が割れにくくなります。

BIZNAVI編集部
執筆者

BIZNAVI編集部

株式会社DYMが運営する、法人向けサービスの比較・検索メディア「BIZNAVI byDYM」の編集部。 勤怠管理・会計・生産管理などの業務システムやSaaSに加え、営業代行・Web制作・記事作成代行・SNS運用代行といった業務支援サービスまで、幅広い領域の法人向けサービスを調査・比較し、導入検討に役立つ情報を発信している。 各サービスの機能や料金、提供形態、導入実績などの公開情報をもとに、目的や条件に応じて比較しやすい形で整理することを重視してコンテンツを制作。企業が抱える業務課題や実際の活用シーンを踏まえ、自社に合ったサービス選びと、検討から意思決定までをスムーズに進めるための情報提供を行っている。

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