CMSとは?Webサイト更新を社内で回す仕組みと導入時の注意点

CMSとは?Webサイト更新を社内で回す仕組みと導入時の注意点

更新日:2026/08/28

CMS(コンテンツ管理システム)を導入すると、専用の管理画面からWebサイトを直接更新できます。専門的なコードを毎回編集する必要がないため、社内で更新を進める体制を作りたい企業にも適しています。

しかし、CMSを導入しただけでWebサイトの運用がスムーズになるとは限りません。複数の担当者が更新に関わるなら、誰がどこまで操作できるのか、公開前に誰が承認するのか、システム更新を誰が担うのかまで決める必要があります。

こうした運用ルールが曖昧なままだと、更新作業が滞ったり、新たな負担が生じたりする可能性があります。本記事では、CMSの基本から種類、メリット、失敗例、選び方、導入手順まで解説します。

1. CMSとは

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CMSとは、Content Management System(コンテンツ管理システム)の略で、Webサイトの文章や画像などを管理し、ページの作成・編集・公開をするためのシステムです。管理画面からコンテンツを扱えるため、Webサイトを継続して更新する運用に用いられます。

CMSで扱える主な情報や機能は次のとおりです。

管理対象

主な操作

利用者

出力

文章、見出し、リンク

作成、編集、分類

Web担当者、各部門の執筆者

記事、ニュース、製品ページ

画像、動画、PDF

登録、検索、差し替え

Web担当者、広報担当者

ページ内の画像、配布資料

テンプレート、共通部品

設計、更新、適用

制作担当者、開発担当者

ページのレイアウト、ヘッダー

下書き、承認、公開状態

差し戻し、承認、公開予約

執筆者、承認者、公開担当者

公開ページ、非公開ページ

利用者、権限、操作履歴

登録、変更、追跡

管理者、情報システム担当者

役割に応じた管理環境、操作記録

静的なHTMLファイルを直接管理するWebサイトの場合、更新のたびにHTMLを編集し、その内容をサーバーへ反映します。CMSでは管理画面から文章や画像を更新できるため、HTMLを直接編集しない担当者もコンテンツ更新に参加できるようになります。

具体例を挙げると、新しい製品ページを公開する際、製品部門が文章を入力し、広報担当者が画像やPDFを登録し、公開権限を持つWeb担当者がページを公開するといった運用ができます。

2. CMSがWebページを生成・公開する仕組み


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CMSによるWebページの生成を理解するうえで、まず押さえたいのが「コンテンツ」「テンプレート」「ページ生成」「公開制御」の4つです。

項目

役割

例

コンテンツ

ページに掲載する情報を保持する

本文、見出し、画像、カテゴリー

テンプレート

コンテンツの表示方法を定める

レイアウト、ヘッダー、メニュー

ページ生成

コンテンツとテンプレートを組み合わせる

記事ページ、製品ページ

公開制御

作成したページの公開を管理する

公開設定、権限、承認

従来型のCMSでは、コンテンツとテンプレートを組み合わせてページを生成し、公開状態や権限を管理します。一方、ヘッドレスCMS(表示画面の生成機能を分離したCMS)では、CMSがコンテンツ管理とAPI配信を担い、画面生成は外部のWebアプリ側で行います。

つまり、管理画面に文章や画像を登録して終わるのではなく、表示形式の適用からページ生成、公開までを一連の流れとして扱うのがCMSの仕組みです。

ここからは、CMSで利用できる主な機能を解説します。

3. CMSの主な機能


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CMSで利用できる機能には、コンテンツ編集、テンプレート管理、メディア管理、権限管理などがあります。承認ワークフロー、履歴、公開予約、プレビューの対応範囲は、製品やプランによって異なります。

3-1. コンテンツ編集

Webページに掲載する文章や見出し、リンク、表などを管理画面から作成・編集する機能です。HTMLを直接書かなくても、入力欄や編集画面を使ってページの内容を更新できます。

編集方法はCMSによって異なります。文章や画像などをブロック単位で配置する形式のほか、タイトル・本文・製品名・価格など、あらかじめ用意された項目へ情報を入力する形式もあります。後者では、入力した内容をテンプレートと組み合わせて、決められた構成のページとして表示します。

3-2. テンプレート管理

Webページのレイアウトや、ヘッダー・フッターなど複数ページで使用する共通部分を管理する機能です。文章や画像などのコンテンツと表示形式を分けて扱うことで、同じ構成を複数のページで使用できます。

たとえば、製品ページ用、ニュース用、記事用といったページ種別ごとにテンプレートを用意し、それぞれに共通する配置やデザインを設定できます。ヘッダーやフッターなどを共通部品として管理できるCMSでは、その部品を使用している複数のページへ変更内容を反映できます。

3-3. メディア管理

メディア管理は、Webサイトで使用する画像や動画、PDFなどのファイルをCMSへ登録して管理するための機能です。登録したファイルは記事や固定ページなどから呼び出して使用できるため、同じ素材を複数のコンテンツで利用できます。

CMSによっては、ファイル名や種類から登録済みの素材を検索したり、画像にタイトル・説明・代替テキストなどの情報を付けたりできます。代替テキストは画像の内容を文字で伝える情報で、画像を認識できない利用者が内容を把握するためにも使われます。

3-4. 承認ワークフロー

承認ワークフローは、コンテンツの作成から公開までの流れを、状態とルールで管理する機能です。下書き・レビュー・承認・公開といった段階を設定し、コンテンツがどの状態にあるかをCMS上で管理できます。

この機能により、利用者ごとに「どの状態へ進められるか」「どこまで操作できるか」を制御できます。たとえば執筆者は下書きまで、承認者はレビューや承認まで、公開担当者は公開処理までといった役割分担が可能です。公開中のコンテンツとは別に新しい版を作成し、その版だけを承認プロセスに回す運用もできます。

3-5. 権限管理

CMSを利用する人ごとに、実行できる操作の範囲を設定する機能です。コンテンツの閲覧・作成・編集・公開、利用者管理、システム設定などの操作について、誰に許可するかを設定します。

多くのCMSでは、編集者・執筆者・管理者などの役割に必要な権限をまとめ、その役割を利用者へ割り当てます。製品によっては、利用者単位やコンテンツ単位で操作範囲をさらに調整できます。

3-6. 履歴と公開予約

コンテンツを変更した際に過去の内容を版として残す機能です。現在の内容とは別に以前の版を保持し、変更内容を参照したり、過去の版へ戻したりできるCMSがあります。

公開予約は、作成したコンテンツをすぐに公開せず、指定した日時に公開するための機能です。公開前のコンテンツを下書きとして保存し、設定した日時になると公開状態へ切り替えます。履歴として保存される情報や予約できる公開状態の範囲は、CMSによって異なります。

3-7. プレビュー・公開前表示

プレビューは、未公開の文章や画像をテンプレートと組み合わせ、実際のWebページに近い状態で表示する機能です。編集画面だけでは分からないページ全体の配置や表示を公開前に確認できます。

4. CMSの主な種類


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CMSを比べていると、「クラウドサービス型」「商用パッケージ型」「オープンソース型」「独自開発型」といった呼び方が出てきます。

本記事では便宜上、提供形態・ライセンス・構築方法という異なる観点から、クラウドサービス型、商用パッケージ型、オープンソース型、独自開発型を説明します。これらは明確に分かれるものではなく、ひとつのCMSが複数の特徴を併せ持つこともあります。

種類

主な分類軸

導入方法

CMS・基盤の管理

カスタマイズ

クラウドサービス型

提供形態

事業者が提供する環境を利用

サービス基盤は主に提供事業者が管理

サービスの仕様に沿って対応

商用パッケージ型

製品・ライセンス

商用CMSを自社や委託先の環境へ導入

CMS本体のサポート範囲と利用環境の担当を決める

製品の機能や開発方法に応じて対応

オープンソース型

ライセンス

公開されているCMSをサーバーへ導入

ホスティングや保守の契約内容によって異なる

テーマや拡張機能、開発によって対応

独自開発型

構築方法

要件に合わせてCMSを開発

開発・保守体制に応じて決まる

設計した範囲で個別に実装

各CMSは提供形態によって導入方法や運用体制が異なります。以下では、代表的な種類ごとに特徴を解説します。

4-1. クラウドサービス型

クラウドサービス型では、提供事業者が用意した環境にアクセスしてCMSを利用します。CMS用サーバーを自社で構築する必要がなく、基盤の保守やセキュリティ対応を提供事業者が担うサービスもあります。

注意点として、クラウドサービス型でも運用作業をすべて提供事業者へ任せられるとは限りません。機能追加の自由度やバックアップの扱いを確かめ、アップデートの範囲と自社が担う作業も把握しておきましょう。

4-2. 商用パッケージ型

ベンダーが販売するCMSのライセンスを契約し、自社や委託先の環境へ導入して使う形態です。製品の更新やテクニカルサポートを受けられる範囲は、契約内容によって決まります。

ポイントは、CMSのサポート元とサーバーの管理者が同じとは限らないことです。CMS本体の更新を誰が担うかを決めたうえで、サーバー運用と追加開発の担当も決めておきましょう。

4-3. WordPress|オープンソース型

WordPressはGPLv2以降で公開されているオープンソースCMSです。テーマによる表示変更やプラグインによる機能追加に対応しています。

WordPress.orgからソフトウェアを入手して自分で導入する場合は、まずホスティング環境を用意する必要があります。運用開始後は、WordPress本体・テーマ・プラグインの更新管理を、自社とホスティング事業者・保守事業者のどこが担うのか決めます。自動更新を利用する場合も、更新が適用されたかを確認する担当者を定めておきましょう。

一方でWordPress.comを利用するなら、ホスティング環境の提供に加えて、アップデート、セキュリティ対策、バックアップまでをサービス側がまとめて管理します。

4-4. 独自開発型

独自開発型は、Webサイトや業務の要件に合わせてCMSの機能を設計・開発する方法です。入力画面や承認方法を要件に応じて作り、必要に応じて外部システムとの連携も組み込めます。

そのぶん、公開後の機能追加や不具合修正にも開発体制が関わります。開発会社へ継続して委託するのか、自社で保守できる体制を持つのかまで決めておく必要があります。

5. CMSとHTML編集・Webサイト作成サービス・DXPの違い


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CMSとHTML編集、Webサイト作成サービス、DXP(デジタル体験基盤)は、いずれもWebサイトの制作や運用に関わります。

ただし、4つは同じ種類の仕組みではありません。

区分

位置づけ

主に扱う範囲

更新・公開

ポイント

CMS

コンテンツ管理システム

コンテンツの保存・管理・配信

管理画面やAPIなどを利用

更新担当者、公開手順、必要な機能

HTML編集

Webサイトの更新方法

HTML・CSS・JavaScriptなどのファイル

ファイルを編集して公開環境へ反映

技術担当者、更新頻度、公開手順

Webサイト作成サービス

制作・公開環境を提供するサービス

契約したサービス内のページや機能

サービスの編集画面から公開

機能範囲、外部連携、データの持ち出し

DXP

デジタル体験を扱う基盤

コンテンツ管理に加え、分析やパーソナライゼーションなど

複数の機能や接点を連携して運用

対象チャネル、扱うデータ、社内の運用体制

CMSはあくまでもコンテンツを管理するシステム、HTML編集はファイルを直接扱う更新方法です。そしてWebサイト作成サービスは制作・公開機能を一体で提供するサービス、DXPはCMSを含む機能を組み合わせてデジタル体験全体を扱う基盤の位置づけです。

より詳しい違いを見ていきます。

5-1. HTML編集との違い|CMSを介さずファイルを更新する

技術担当者がWebサイトを管理できるなら、CMSを使わず、HTML・CSS・JavaScriptなどのファイルを直接変更して公開する方法があります。Webサーバーへ変更を反映する方法には、SFTPやrsyncを使う方法のほか、ソースコードを保存するリポジトリとCI/CD(変更内容を自動で検証・反映する仕組み)を組み合わせる方法があります。

HTMLを直接編集する場合、CMSの管理画面を使わずにWebサイトを更新できます。その代わり、誰がファイルを変更するのか、どの版を公開するのか、公開前に誰が内容を確かめるのかといった運用を自社側で決めるのが一般的です。

更新担当者が限られ、技術担当者が公開まで担える体制ならHTML編集を採用できるでしょう。ただ、更新者や更新件数が増えているなら、コンテンツ管理をCMSへ移すかどうかを検討する段階です。

5-2. Webサイト作成サービスとの違い|制作から公開までをひとつのサービスで進める

CMSは、Webサイトのコンテンツを管理する仕組みです。一方、Webサイト作成サービスは、ページの制作から公開までをひとつのサービス内で完結させられます。

両者は、中心となる役割が異なります。CMSはコンテンツ管理、Webサイト作成サービスは制作から公開までの一体運用を中心に据えます。

たとえば、代表的なWeb作成サービスのWixでは、Webサイトの作成機能に加え、ホスティング(Webサイトをインターネット上に公開する仕組み)やCMS機能も提供されています。このように、Webサイト作成サービスは複数の機能をまとめて提供するため、CMSと一部機能が重なることがあります。

5-3. DXPとの違い|コンテンツ以外の機能も組み合わせて運用する

一般に、DXP(デジタル体験基盤)は、CMSなど複数の機能を組み合わせ、Webサイトやアプリなど複数のデジタル接点を運用するための基盤を指します。構成機能やCMSとの関係は製品によって異なり、パーソナライゼーションやコマースなどを組み合わせる製品もあります。

ただし、こうした機能の一部はCMSにも搭載されています。CMSはコンテンツ管理を中心に使い、DXPは複数の機能を連携させてデジタル体験まで扱うと考えれば分かりやすいでしょう。

6. CMSを活用するメリット


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CMSを活用すると、Webサイトの更新を一部の技術担当者だけに頼らず、各部門で進められる体制を作れます。

また、CMSによってはコンテンツを項目単位で管理し、同じ情報を複数のページや表示先で利用できます。ここでは、企業におけるCMSの導入メリットを解説します。

6-1. サイト更新を現場で完結できる

管理画面から文章や画像を登録できるCMSなら、HTMLを直接編集しなくてもWebサイトを更新できます。商品情報は事業部、採用情報は人事部といった形で、内容を把握している部門が原稿を登録できれば、技術担当者へ依頼する作業を減らせます。

ただし、更新できる人を増やすときは、権限と公開責任も決めておく必要があります。複数人で運用する場合は、原稿登録、内容審査、公開承認の役割と問い合わせ先を定めます。同じ担当者が複数の役割を兼ねる場合も、公開前の確認手順を明確にしておきましょう。

6-2. 公開までの時間を短縮できる

更新のたびに制作会社へ修正を依頼する運用では、作業の依頼から納品まで待ち時間が発生します。CMS上で原稿登録から承認まで進められる体制を作れば、営業時間や募集要項など、早めの更新が求められる情報を社内で反映できます。

導入後は、CMSへの登録時間だけを測るのでは足りません。原稿作成から承認、公開までにかかった時間を把握し、どの工程で更新が止まっているかを確かめると、改善すべき箇所を特定しやすいです。

6-3. ページの表示を統一できる

見出しや本文、画像などの入力項目とページのテンプレートを設定すると、更新者が変わっても基本的な構成や配置をそろえられます。担当者がページごとに文字サイズや余白を調整する作業も減らせるため、サイト全体で一定の表示ルールを保てます。

6-4. 承認と変更の履歴を残せる

承認機能やバージョン管理機能を備えたCMSでは、公開前の内容を審査したり、変更前の状態を履歴として残したりできます。誰がいつ更新したかを追える製品なら、公開後に誤りが見つかったときも変更の経緯を把握できます。

設定できる承認段階や記録される操作、履歴の保持方法はCMSによって異なります。自社で必要な承認の流れを決め、差し戻しや代理承認、過去版への復元に対応できるかを試してから採否を決めましょう。

6-5. コンテンツを再利用できる

商品名や価格、説明文などを項目単位で管理できるCMSの場合、一度登録した情報を一覧ページや詳細ページなどで利用できます。同じ内容を複数のページへ手作業で転記する量を減らせるため、更新漏れや表記の食い違いを抑えられます。

7. CMSの導入で起こりやすい失敗


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CMSを導入した直後は、問題なく更新できるかもしれません。しかし、担当者やページ数が増えるにつれて運用上の課題が表れることがあります。誰がページを管理するのか決まっていない、更新作業が止まっている、必要以上の権限が残っているといった状態は、CMSの機能だけでは解消できないでしょう。

導入前には代表ページで実際の更新作業を試し、公開後に必要となる担当者や保守手順まで決めておきましょう。

7-1. 更新責任が曖昧になる

複数部門がページを更新できても、担当者が決まっていなければ古い情報が残るおそれがあります。とくに料金や制度、募集条件など、内容が変わるページは更新漏れに注意が必要です。

対策として、ページごとに担当部門と責任者を決め、見直す時期や更新期限も設定します。異動時の引継ぎ先まで決めておけば、担当者が変わっても更新を続けられます。

7-2. 更新遅れで脆弱性が残る

脆弱性(攻撃などに悪用されるおそれがあるセキュリティ上の弱点)への修正版が公開されても、CMS本体や拡張機能などを更新しなければ修正内容を反映できません。

CMS本体・拡張機能・テーマについて、更新情報を把握する担当者と適用時期を決めておきましょう。

7-3. 権限が広すぎる

更新担当者へ管理者権限まで与えると、本来の業務に必要のない設定変更や利用者管理まで操作できてしまいます。

CMSの権限管理者は、担当者の業務に必要な範囲だけ権限を付与します。異動・退職・委託終了時には、不要なアカウントや権限を速やかに削除・無効化し、管理者権限は必要な担当者に限定しましょう。

7-4. テンプレートが増えすぎる

似たテンプレートを増やし続けると、更新時にどれを使うか迷いやすくなり、仕様変更時の修正箇所も増えます。

新設前に既存の形式で対応できるかを確かめ、共通する部分は再利用できる部品にします。使われなくなったテンプレートを廃止する基準も決めておきましょう。

7-5. 移行でURLが変わる

CMSへの移行でURLが変わると、旧URLへアクセスした利用者が新しいページへたどり着けなくなることがあります。

旧ページに対応する新しいページがある場合は、旧URLから新URLへ301または308の恒久リダイレクトを設定します。移行先がないページは404(ページが見つからない)または410(ページを削除した)を返し、無関係なページへ一律に転送しないようにします。

7-6. 本番環境だけで変更を試す

本番環境に変更を直接入れると、不具合がそのまま公開サイトへ影響します。

影響の大きい変更は、ステージング環境(本番サイトを複製した試験用の環境)で主要機能を試してから反映します。更新前にはバックアップを取り、問題が起きたときに以前の状態へ戻せるようにしておきましょう。

8. CMSの導入を検討すべき企業

CMSの導入が向いているのは、Webサイトの更新に負担や停滞が生じている企業です。更新頻度や更新に関わる人数に加え、共通して使う情報の量や公開前の承認工程も踏まえて、CMSの必要性を判断します。

検討の方向

当てはまりやすい状態

CMSの導入を検討したい

更新が頻繁、複数人・複数部門が更新する、同じ形式のページが多い、公開前の承認が必要

導入を急がなくてもよい

更新が少ない、更新担当者が限られる、ページ構成がほぼ固定されている、現行運用で大きな支障がない

一方、更新回数が少なく、現在の方法で問題なく運用できている企業は、CMSの導入を急ぐ必要はありません。CMSを導入しても、利用者や権限の管理、更新ルールの運用など、自社側で担う作業は残ります。現在のサイト運用で何に負担が生じているかを把握したうえで、導入の要否を決めましょう。

8-1. CMSの導入を検討したい企業

更新作業の停滞や複数人での管理に課題がある企業では、CMSを活用できる場面が増えます。次のような状態に当てはまる企業は、現在の運用とCMS導入後の流れを比べてみましょう。

8-1-1. Webサイトを頻繁に更新する企業

商品・サービス情報やニュース、採用情報などを継続的に更新する企業は、CMSを検討する余地があります。更新のたびに制作会社や技術担当者へ依頼し、公開までに待ち時間が生じているなら、管理画面から社内で更新できるCMSによって依頼工程を減らせます。

8-1-2. 複数人・複数部門でサイトを更新する企業

複数人・複数部門がサイト更新に関わり、担当範囲や公開権限を管理する必要がある企業もCMSの導入を検討したい企業です。権限管理に対応するCMSでは、利用者の役割に応じて編集や公開などの操作範囲を設定できます。

担当者が増えたことで重複修正や公開版の取り違えが起きているなら、権限と更新経路をCMS上で管理する意義が大きくなります。

8-1-3. 同じ形式のページを多数管理する企業

商品詳細や店舗案内など、共通項目を持つページを多数管理する企業では、CMSのテンプレートや項目管理を活用できます。コンテンツを項目ごとに管理して再利用できる仕組みを採用すれば、同じ情報を複数のページに入力する作業を減らせます。

単純なページ数だけで導入を決める必要はありません。共通して使う情報が多く、同じ修正を複数ページへ反映する作業が負担になっているかを基準に判断しましょう。

8-1-4. 公開前の承認が必要な企業

法務審査やブランド審査など、公開前に複数の担当者が内容を審査する企業では、承認ワークフローに対応するCMSを検討できます。DrupalのContent Moderationのように、コンテンツの状態と遷移を設定し、権限に応じて公開までの工程を管理できるCMSもあります。

メールや表計算ソフトで承認状況を追うことに負担が生じているなら、自社の審査工程をCMS上で管理できるかを製品選定時に確かめましょう。

8-2. CMSの導入を急がなくてもよい企業

現在のサイト管理に大きな負担がなく、CMSの機能を使う場面も少ない企業は、導入を急がず現行の方法を続けてもよいでしょう。

ただし、今後の更新量や担当者数が増えれば、適した管理方法も変わります。現時点の運用だけで決めず、今後のサイト運用も踏まえて導入時期を判断します。

8-2-1. Webサイトの更新頻度が低い企業

会社概要や固定的なサービス案内が中心で、更新機会が少ない企業では、CMSを日常的に使う場面も限られます。現在の方法で公開の遅れや作業負担が生じていないなら、CMS導入の優先度は高くありません。

今後、更新件数が増えたり、情報を素早く公開する必要が出てきたりした段階で導入を検討できます。

8-2-2. 限られた担当者で問題なく管理できている企業

限られた担当者だけで更新を完結でき、公開版の取り違えや権限管理にも困っていない企業は、CMSの導入を急がなくてもよいでしょう。複数人向けの権限管理や承認機能を使う機会が少なければ、現在の管理方法を変える利点も限られます。

担当者や更新部門が増え、役割や公開権限の管理に負担が出てきた段階で、CMSの必要性を改めて判断します。

8-2-3. ページ数が少なく構成がほぼ固定されている企業

ページ数が少なく、各ページの構成がほぼ固定されているサイトでは、テンプレートやコンテンツ再利用を活用する機会も限られます。新規ページの追加や共通情報の修正が少なく、現在の方法で問題なく管理できているなら、現行運用を続ける方法もあります。

一方、ページ数が少なくても、更新のたびに手間がかかっていたり、管理方法が複雑になっていたりする企業はCMSを検討する余地があります。ページ数だけで決めず、現在の更新業務にどれだけ負担が生じているかを基準に判断しましょう。

9. 自社に合うCMSを選ぶポイント


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自社に合うCMSを選ぶには、必要な機能に加え、更新・承認、外部連携、移行、保守まで含めて導入後の運用を考える必要があります。候補を絞ったら、自社でよく使うページや更新作業を実際に試しましょう。

ポイント

主に見る内容

導入前に試すこと

サイト要件

必要なページ・機能

代表ページを作成する

更新・公開

編集画面、権限、承認経路

更新から公開まで進める

外部連携

API、データ連携

必要なデータを送受信する

個人データの管理

アクセス権、委託範囲

権限と取扱い方法を確かめる

サイト移行

URL、本文、画像など

一部のデータとURLを移行する

費用・保守

導入費、運用費、支援範囲

見積もりと担当範囲を比べる

複数のCMSを比べるときは、同じ条件下でデモ版を試します。以下では、6つのポイントを順に解説します。

9-1. 必要なページや機能を実現できるか

まず、自社サイトで必要なページや機能を候補のCMSで実現できるかを確かめます。フォームやサイト内検索、多言語対応など、現在必要な機能に加えて、今後追加する予定の機能も含めて検討しましょう。

代表的なページを実際に作り、標準機能で対応できる範囲と追加開発が必要な範囲を把握します。導入前に試しておけば、構築段階で想定外の開発が増えるリスクを抑えられます。

9-2. 担当者が更新から公開まで進められるか

日常的にCMSを使う担当者が、文章や画像の変更から承認・公開まで進められるかを試します。複数人で運用するなら、編集・承認・公開を担当者ごとに設定できるかも見ておきましょう。

9-3. 必要な外部システムと連携できるか

顧客管理や商品管理など別のシステムとCMSをつなぐなら、APIやファイル連携への対応を見ます。

導入前には実際に使うデータを送受信し、必要な項目が正しく反映されるかを試しましょう。連携が止まったときの対応や、どのシステムのデータを基準に更新するかも決めておきます。

9-4. 個人データを安全に管理できるか

CMSで個人データを扱うなら、アクセス権やデータの取扱いに加え、提供事業者や運用会社へ任せる範囲も確かめます。個人情報保護委員会は、個人データの取扱いを委託するとき、委託先に対する必要かつ適切な監督を求めています。

9-5. 既存サイトのデータとURLを移行できるか

既存サイトからCMSへ移行するなら、本文・画像・URLの移行可否を確認します。移行前に旧URLと新URLの対応表を作り、転送設定とリンク切れを試験環境で確かめましょう。

9-6. 導入後の費用と保守体制を継続できるか

CMSの費用を比べるときは、導入時の構築や移行だけで判断せず、利用料や追加開発、保守など導入後に発生する費用も含めて見積もります。

あわせて、製品の更新や障害対応、問い合わせ対応を自社と提供事業者のどちらが担うかも確かめましょう。費用と担当範囲の両方を比べ、自社の予算と体制で継続して運用できるCMSを選びます。

10. CMSの導入手順


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CMSの導入は、現行サイトの調査から始め、要件と担当範囲を決めたうえで、情報設計・試作・移行・公開前試験へ進みます。本番公開前には担当者が必要な操作を習得し、公開条件を満たしているかを判定します。

工程

成果物

主な判断者

完了条件

次工程へ進まない条件

現行サイトの調査

ページ・機能・URL一覧

サイト責任者

移行対象と廃止対象が確定

重要なページや機能を把握できていない

要件と責任の決定

要件一覧、役割分担表

事業・IT責任者

必須要件と担当範囲に合意

保守や障害対応の担当が決まっていない

情報設計

サイト構成、項目定義

各部門の責任者

ページ構成と共通項目が確定

必要な業務や情報を新CMSで扱えない

試作

代表ページ、操作手順

更新担当者

日常更新と承認を一通り実行できる

必須操作を完了できない

移行

移行データ、検証記録

移行責任者

件数・URL・内容に問題がない

欠損や文字化けなどが解消していない

公開前試験

試験結果、障害対応表

サイト・IT責任者

表示・操作・復旧試験が完了

公開を妨げる不具合が残る

担当者教育

操作手順、問い合わせ先

更新・管理責任者

担当者が必要な業務を完了できる

必須操作や連絡経路が定着していない

本番公開

公開判定記録

最終承認者

公開条件を満たし、運用体制が稼働できる

復旧や旧環境への切戻し手順を実行できない

旧環境へ戻す条件も、本番公開前に決めておきます。ここからは、CMSの一般的な導入手順を解説します。

10-1. 現行サイトを調べる

最初に、現行サイトのページやURL、画像、フォーム、外部連携、アクセス権を把握します。閲覧数だけで廃止するページを決めると、契約や法令などに関わる情報を落とすおそれがあるため、各ページの役割も確かめます。

更新担当者には、社内で行っている作業と制作会社へ依頼している作業を尋ねます。公開までに時間がかかる工程や繰り返し起きている不具合まで把握し、新CMSで優先して改善する対象を決めましょう。

10-2. 要件と責任を決める

現行サイトで抱えている課題をもとに、必要な機能や利用者数、承認段階、公開時期、予算を決めます。あわせて、CMS本体やサーバー、追加開発、コンテンツ、利用者アカウントを誰が管理するかを役割分担表に記載します。

構築や保守を外部へ委託する場合も、導入企業側に、サイト変更の承認、契約管理、障害時の連絡・判断を担う窓口を置きます。担当者と代替連絡先を決め、委託先との責任範囲を文書に残しましょう。

10-3. 情報設計を作る

サイトの階層やメニューを決め、ページごとに登録する項目を定義します。商品情報や店舗情報など、複数ページで使う情報は共通項目として扱い、どこを更新元とするかも決めます。

検索機能や外部システムが利用する項目についても、名称や入力形式をこの段階で決めておきます。画面制作を先に進めると、後からデータ構造を変更する作業が生じるため、扱う情報を定めてからページ制作へ進みましょう。

10-4. 試作環境で確かめる

代表的なページを試作し、更新担当者が実際の日常業務を操作します。原稿登録や下書き、差し戻しなどの必要な操作を一通り進め、承認者も通知や承認履歴を追えるかを試します。

問題が見つかったら、CMSの設定を変えるのか、追加開発を行うのか、社内の手順を変更するのかを決めます。必須業務を完了できない問題が残っている段階では、全ページの制作や移行へ進みません。

10-5. コンテンツを移行する

移行対象が決まったら、自動で移すデータと手作業で修正するデータを決めます。まず少量のデータで試験移行を行い、本文や画像、リンク、公開日時などが新CMSへ正しく引き継がれるかを確かめてから対象を広げます。

本番移行前には、旧サイト側の更新を止める時点も決めておきます。準備中も旧サイトを更新するなら、試験移行後に追加・変更された情報を新CMSへ反映する手順も用意します。

10-6. 公開前試験をする

公開前には、パソコンとスマートフォンで主要ページの表示やリンク、フォームを試します。利用者権限や承認の流れも動かし、検索や外部連携が想定どおり機能するかを確かめます。

あわせて、障害が起きたときの復旧手順も試します。バックアップから復元できるか、重大な問題が起きたときに旧サイトへ戻せるかを検証し、実行する担当者まで決めておきましょう。

10-7. 本番公開へ進むか判断する

公開判定の前に、更新担当者と管理者が実際の操作をし、それぞれの担当業務を完了できる状態にします。操作に迷ったときの問い合わせ先や、設定変更を外部へ依頼する経路も共有しておきます。

導入企業が定めた担当者は、受入テストの結果、移行結果、運用担当者の教育・リハーサルの状況など、事前に定めた判定基準をもとに、本番公開の可否を決めます。権限設定や問い合わせ体制、復旧手順も運用できる状態かを確かめ、公開日時と連絡方法を関係者へ共有してください。

公開直後は、主要ページの表示やフォーム、検索、外部連携などを点検します。旧サイトを一定期間残す計画なら、終了条件を満たすまでは問題発生時に戻せる状態を保ちます。

11. CMSのよくある質問

ここでは、CMSの導入前によくある質問に答えます。

11-1. WordPress以外も選べる?

選べます。WordPressはオープンソースのCMSで、ほかにもMovable Typeなど複数のCMSがあります。自社に必要な機能や保守範囲を基準に候補を比べましょう。

11-2. 既存サイトを移行できる?

移行できる範囲や手順は、現在のサイトと導入するCMSによって異なります。WordPressでは、[ツール]→[インポート]から、移行元に対応するインポーターを使い、WordPressのエクスポートファイルに含まれる投稿、固定ページ、コメント、カスタムフィールド、カテゴリーなどを取り込めます。本文や画像、URL、フォームなど、自社サイトに移す必要がある内容を決め、事前に一部のページで試してください。

11-3. 保守を社内で担える?

社内で担える範囲は、CMSの提供形態や契約内容によって変わります。MovableType.netのように、CMSやサーバーの管理、セキュリティ対策を提供側が担うサービスもあります。自社が担当する作業と外部に任せる作業を契約前に決めておきましょう。

11-4. 障害時に公開を続けられる?

必ず公開を続けられるとは限りません。システム構成や契約内容によって障害時の対応は変わるため、復旧までの目標時間やバックアップ方法に加え、緊急情報を別の手段で発信する方法も、あらかじめ検討してください。

11-5. 複数サイトをひとつのCMSで管理できる?

対応するCMSなら管理できます。WordPressには、ひとつのWordPress環境で複数サイトのネットワークを作るマルチサイト機能があります。ただし、設定には一定の技術知識が必要なため、サイトごとの担当者や権限、障害時の影響範囲も踏まえて採用を決めましょう。

12. まとめ

CMSは公開後も更新や保守が続くため、導入後の運用まで含めて考える必要があります。必要な機能を備えていても、担当者が更新できない、既存システムと連携できない、移行や保守の負担が大きいと、自社で継続して使うのが難しくなります。

選定時には代表ページや日常の更新作業を試し、安全管理や移行、費用、保守まで自社の体制で対応できるかを見極めましょう。本記事を参考に、自社の運用に最適なCMSを選定してください。

BIZNAVI編集部
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BIZNAVI編集部

株式会社DYMが運営する、法人向けサービスの比較・検索メディア「BIZNAVI byDYM」の編集部。 勤怠管理・会計・生産管理などの業務システムやSaaSに加え、営業代行・Web制作・記事作成代行・SNS運用代行といった業務支援サービスまで、幅広い領域の法人向けサービスを調査・比較し、導入検討に役立つ情報を発信している。 各サービスの機能や料金、提供形態、導入実績などの公開情報をもとに、目的や条件に応じて比較しやすい形で整理することを重視してコンテンツを制作。企業が抱える業務課題や実際の活用シーンを踏まえ、自社に合ったサービス選びと、検討から意思決定までをスムーズに進めるための情報提供を行っている。

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