動画制作とは?企業動画の種類と制作会社の選び方

更新日:2026/09/09
動画制作とは、目的に合わせて企画を立て、台本作成、撮影・素材制作、編集などを経て一本の動画に仕上げる一連の工程です。商品・サービス紹介や採用、社内研修など用途は幅広く、制作を始める際は「誰に何を伝えるか」「視聴後にどのような行動を促したいか」を決めます。
ただし、動画制作には、工程に応じた人員や機材、作業時間が必要です。社内で必要なリソースを確保するのが難しければ、動画制作会社へ外注する方法があります。
本記事では、企業動画の種類や制作の流れ、費用、内製・外注の選び方、制作会社を選ぶポイントを解説します。
1. 動画制作とは

企業向けの動画制作では、企画立案から台本の作成・承認、撮影・編集、検収、納品まで複数の工程を進めます。表現方法は実写に限らず、アニメーションや写真・イラストなどの素材を組み合わせることもあります。
段階 | 主に決めること | 発注企業が担う内容 |
|---|---|---|
企画 | メッセージ、構成、表現方法 | 商品・サービスの事実や優先して伝える内容を決める |
台本・制作準備 | 台本、絵コンテ、出演者、撮影場所 | 内容を確認・承認し、自社から提供する素材や撮影環境を必要に応じて用意する |
撮影・編集 | 映像、音声、字幕、デザイン | 制作途中の内容をチェックする |
検収・納品 | 修正内容、納品形式、公開可否 | 最終成果物をチェックし、公開を承認する |
公開・活用 | 公開先、掲載期間、二次利用 | 契約した範囲で動画を活用する |
表に挙げた工程をすべて内製するには、企画や撮影、編集などに対応できる体制が必要です。社内だけで進めるのが難しいときは、一部または全部の工程を動画制作会社へ依頼します。
外注する際は、完成動画の仕様に加え、依頼する業務や納品物を発注前に決めておきましょう。
使用目的、公開先、掲載期間
発注企業が支給する素材
台本・絵コンテ・仮編集を承認する担当者
修正回数、追加費用、検収の基準
納品形式
台本や制作素材、編集データを納品物に含めるか
著作権の帰属や利用許諾、二次利用の条件
企画から納品まで一括して依頼できる制作会社がある一方、撮影や編集など特定の工程だけを任せることも可能です。自社で対応できる範囲に応じて、依頼する工程を検討してください。
2. 【目的別】企業向け動画の主な種類

企業向け動画には、商品・サービスの販促、ブランド認知の向上、採用活動、業務手順の教育など、目的に応じてさまざまな種類があります。
種類 | 主な目的 | 主な視聴者 | 伝える内容 | 主な活用場面 |
|---|---|---|---|---|
プロモーション動画 | 問い合わせ・購入を促す | 見込み顧客 | 特徴、利用場面、導入メリット | Webサイト、広告、商談、展示会 |
ブランディング動画 | 企業・ブランドへの理解を深める | 顧客、取引先、生活者 | 理念、姿勢、技術、企業活動 | コーポレートサイト、SNS、イベント |
採用動画 | 仕事内容や職場への理解を促す | 求職者 | 業務内容、社員、職場環境、価値観 | 採用サイト、説明会、求人媒体 |
マニュアル動画 | 業務手順を伝える | 社員、利用者 | 操作方法、作業手順、注意点 | 社内研修、業務マニュアル、サポート |
どの動画が適しているかは、伝えたい内容や視聴者、活用場面によって異なります。以下で詳しく解説します。
2-1. 商品・サービスのプロモーション動画
商品・サービスの特徴や魅力を伝え、問い合わせや購入につなげるための動画です。新商品の紹介やサービスの使い方、導入によるメリットなど、検討段階の顧客が知りたい情報を映像でわかりやすく伝えます。
たとえば、実際の使用シーンを実写で見せたり、サービスの仕組みをアニメーションや図解で説明したりする方法が一般的です。文章や静止画では伝わりにくい動きや利用イメージを、視覚的に理解できる形で発信します。
2-2. 企業理念を伝えるブランディング動画
企業の理念や価値観、事業への姿勢などを伝え、企業やブランドへの理解を深めてもらうための動画です。特定の商品を紹介するだけではなく、「どのような企業なのか」「何を大切にしているのか」といった企業そのものの魅力を伝えます。
一般的には、経営者や社員のインタビュー、実際の仕事風景、技術や製品が生まれる過程などを通じて、文章だけでは伝えにくい企業の考え方や雰囲気を映像で表現します。
2-3. 仕事内容や社風を伝える採用動画
採用動画は、仕事内容や職場環境、社員の考え方、企業文化などを求職者へ伝えるための動画です。求人票だけでは見えにくい「実際にどのような人が働いているのか」「どのような環境で仕事をするのか」といった情報を映像で提示できます。
代表的なのは、社員インタビュー、職場紹介、1日の仕事の流れ、経営者からのメッセージなどを扱う動画です。仕事内容だけでなく、企業の価値観や職場の雰囲気を伝えることで、求職者が入社後の働き方をイメージする材料になります。
2-4. 業務手順を教えるマニュアル動画
業務や機器の操作方法、作業手順などを映像で伝えるための動画です。文章や写真では説明しにくい手の動きや操作画面、作業の順序を実際の映像で示せます。
具体的には、機械の操作、店舗での接客手順、システムの使い方、安全上の注意などを映像で伝えられます。必要な場面を繰り返し視聴できるため、業務内容を学ぶための教材にもなります。
3. 動画制作の流れ|目的設定から公開までの工程

動画制作では、途中で伝える内容や必要な素材が変わると、再撮影や追加制作が生じることがあります。各工程で判断基準を明確にし、発注企業と制作会社の間で認識をそろえながら進めることが重要です。
工程 | 主な内容 | 発注企業の承認点 |
|---|---|---|
目的設定 | 目的、視聴者 | 誰へ何を伝えるか |
公開条件 | 公開先、KPI、納品物 | 視聴後に目指す結果と必要な成果物 |
企画・構成 | メッセージ、表現、流れ | 伝える内容と優先順位 |
台本・絵コンテ | 台詞、画面、演出 | 事実と表現内容 |
撮影・制作準備 | 出演者、場所、機材、権利対応 | 撮影条件と必要な許諾 |
撮影・素材制作 | 映像、音声、各種素材 | 必要な素材がそろっているか |
編集 | 初稿、字幕、音声 | 全体の流れと内容 |
修正・検収 | 修正版、完成版 | 修正内容と納品可否 |
納品・公開 | 納品データ、公開用ファイル | 納品物と公開先の仕様 |
前の工程で決めた内容は、次の作業条件になります。目的や台本が曖昧なまま撮影へ進むと、後から変更できる範囲が狭まり、再撮影や追加制作を招きます。各工程のポイントを整理します。
3-1. 目的と視聴者を決める
動画制作の最初の工程では、何のために動画を作るのか、誰に届けるのかを決めます。目的が曖昧だと、企画案や表現方法を選ぶ基準も定まりません。
たとえば「サービスの認知を広げる」「仕事内容への理解を深める」「商品の使い方を伝える」では、必要な内容が変わります。視聴者についても、年齢や属性を定義するだけでは不十分です。動画を見る前に何を知っていて、視聴後にどのような行動や理解へ進んでほしいかまで具体化しましょう。
ポイントは、制作会社が企画へ落とし込めるところまで目的と視聴者を明文化することです。その内容が、以降の構成や表現を選ぶ基準になります。
3-2. 公開先・KPI・納品物を決める
動画をどこで公開するかによって、制作条件や成果の測り方は変わります。Webサイト、動画配信サービス、SNS、広告、展示会、社内研修など、実際に利用する場所を制作前に決めておきます。
公開先が決まったら、動画で追うKPI(重要業績評価指標)を設定します。再生数や視聴時間を追うのか、問い合わせや応募など次の行動まで対象にするのかを、動画の目的に応じて選びます。
同様に、納品物をこの段階で決めておきます。完成動画の本編に加え、縦型や短縮版、字幕データ、サムネイルなどが必要なら、制作範囲や見積もりへ反映できるよう事前に制作会社へ伝えます。
3-3. 企画・構成を作る
目的と視聴者をもとに、動画で中心となるメッセージと表現方法を決めます。実写で人物を登場させるのか、アニメーションや図解を使うのかといった方向も企画で具体化します。
構成では、動画の冒頭から終わりまでに何を伝えるかを組み立てます。情報を詰め込みすぎると中心メッセージが薄れるため、視聴者に優先して伝える内容を絞りましょう。
その際に発注企業側は、商品・サービスに関する事実、ブランドの方向性、社外へ公開できる内容かどうかを確かめます。企画の承認後に大きな方向転換が起きないよう、この工程で動画全体の軸を固めます。
3-4. 台本・絵コンテを固める
企画・構成で決めた内容を、実際に制作できる形まで具体化します。台本には、出演者の台詞やナレーション、画面に表示する文字、場面ごとに伝える情報などを記載します。
映像の構図や場面転換を事前に共有したい制作では、絵コンテを使います。必要に応じてショットリストなどを用意し、どの映像を撮影・制作するのかを制作チームで共有します。
3-5. 撮影・制作の準備を進める
撮影や素材制作へ入る前に、当日必要になる人・場所・物を手配します。実写撮影では、出演者や撮影場所、機材、衣装、小道具、商品などが主な準備です。
社内施設で撮影するなら、撮影できる場所や時間帯を決め、画面へ映り込んではいけない資料や設備も把握します。撮影当日に変更が必要になったとき、誰が判断するのかも決めておくと進行が滞りません。
なお、写真や音楽など第三者の著作物、出演者などの肖像が動画に含まれる場合、必要な権利処理を制作前から進めます。
3-6. 撮影・素材制作を行う
準備した台本や絵コンテ、撮影計画に沿って映像や音声を収録します。アニメーションや図解を使う動画では、必要なデザインや映像素材の制作を進めます。
実写撮影では、予定した場面を撮ることに加え、音声の状態や商品の映り方、背景への不要な情報の映り込みなどを現場で点検します。撮影後に必要なカットが不足していると、出演者や場所を再手配することがあります。
予定外の変更が起きたときは、台本や企画の意図を崩さない範囲で対応します。撮影中に企画・台本・契約範囲へ影響する変更が生じた場合は、発注企業の承認者へ確認することが重要です。あらかじめ、現場の判断で対応できる範囲と、発注企業の承認が必要な範囲を定めておきましょう。
3-7. 編集して初稿を作る
撮影・制作した素材を選び、構成に沿って一本の動画へ仕上げていく工程です。不要な部分を削り、必要に応じてナレーションやBGM、効果音、字幕、図版などを加えます。
初稿では、細かな表現へ入る前に動画全体の流れを把握します。伝える順番に違和感がないか、動画の目的から外れた部分がないか、台本と大きく食い違っていないかを発注企業側も点検します。
ここで構成に大きな変更が必要になると修正範囲が広がります。まず全体の方向を承認し、そのあとに字幕や音、画面表示など細部を詰めていきます。
3-8. 修正・検収で完成版を確定する

初稿へのフィードバックをもとに修正を進めます。発注企業から複数の担当者が意見を出すと、指示同士が食い違うこともあるため、制作会社へ返す内容は社内で一本化します。
修正依頼では、「何分何秒のどこを」「どのように変えるか」が分かる形で伝えます。事実関係の誤りや誤字、音声、字幕、ロゴなども完成前に点検します。
3-9. 納品・公開へ進む
検収が完了したら、契約で決めた形式のデータを受け取ります。完成動画に加えて字幕ファイル、撮影素材、編集データなどを納品対象としているなら、必要なデータがそろっているかを確かめます。
公開用の動画は、掲載する媒体の仕様に合わせます。画面比率や解像度、ファイル形式などは媒体によって条件が異なるため、実際に公開するサービスの最新情報をもとに準備します。
著作権の帰属や利用許諾についても契約内容を確かめます。公開後に短縮版を作る、別媒体へ掲載するなどの利用を予定しているなら、その使い方が契約上認められているかどうかを確認してください。
4. 動画制作の費用内訳

動画制作の費用は、主に企画・進行、撮影、編集などの工程で発生します。金額は、出演者やBGMの有無、修正回数、二次利用の条件などによっても変わります。
主な費用と、金額が変わる要因は次のとおりです。
費目 | 主な内容 | 費用が変わる主な要因 |
|---|---|---|
企画・進行費 | ヒアリング、企画、構成、台本・絵コンテ、スケジュール管理 | 企画内容、打ち合わせ回数、準備期間、制作体制 |
撮影費 | スタッフ、カメラ・照明・録音機材、撮影場所、出演者 | 撮影日数、スタッフ数、機材、ロケ地、出演者 |
編集費 | 映像編集、字幕、音声調整、BGM、ナレーション、アニメーション | 動画の尺、編集内容、字幕量、アニメーションの有無 |
追加費 | 追加修正、再撮影、別仕様への展開、二次利用、データ保管 | 修正回数、利用媒体、納品形式、契約条件 |
ここでは、動画制作を外注した際に発生する費用について解説します。
4-1. 企画・進行費:設計と管理
企画・進行費には、目的のヒアリング、企画提案、構成、台本・絵コンテの作成、スケジュール管理、スタッフや撮影場所の手配などが含まれます。
見積もりを見る際は、企画案の数や打ち合わせ回数、台本・絵コンテの作成範囲、撮影準備、進行管理まで含まれているかを確かめましょう。
発注企業が企画や台本を用意すれば、制作会社へ依頼する作業を減らせる可能性があります。ただし、撮影や編集を前提とした調整が必要になることもあるため、自社で用意する範囲と制作会社へ依頼する範囲を事前に決めておきます。
4-2. 撮影費:スタッフと機材
撮影費は、撮影スタッフの人件費やカメラ・照明・録音機材、撮影場所などにかかる費用です。制作内容によっては、出演者、ヘアメイク、美術、交通費、宿泊費などが加わります。
金額に影響しやすいのは、撮影日数やロケ地の数、必要なスタッフと機材です。複数の場所で撮影したり、遠方への移動や大がかりな照明・音響設備が必要になったりすると、作業・手配が増えます。
4-3. 編集費:映像・音声・字幕
撮影素材の選定やカット編集、色調整、字幕、BGM・効果音、ナレーション、図版、アニメーションなどの制作費が含まれます。
必要な作業量は、動画の長さだけでは決まりません。字幕やグラフィックの量、アニメーションの複雑さ、音声調整などで変わります。
また、完成後に縦型動画や短縮版を作成したり、多言語字幕を追加したりする場合、別の編集作業が必要です。複数の媒体で使う予定があるときは、必要なサイズや尺、納品形式を制作前に伝えておきましょう。
4-4. 追加費:修正・二次利用・保管
契約内容によっては、規定回数を超える修正や再撮影、仕様変更、別媒体向けの再編集、制作データの保管・再納品などに追加費用が発生します。どこまでが当初の制作費に含まれるかは、発注前に確かめておきます。
二次利用では、動画そのものだけでなく、使用しているBGMや写真、イラスト、出演者などの利用条件にも注意します。著作物の利用許諾は契約で範囲を定められるため、Webサイト用動画を広告やイベントなどに展開する場合は、契約時に利用範囲を確認しておきましょう。
5. 動画制作を外注するメリット
動画制作を外注すると、企画・撮影・編集など社内で不足する工程を、外部の制作体制で補えます。ただし、事業目的の決定、自社情報の最終確認、社内承認、成果を踏まえた次の施策の判断は発注企業が担います。制作会社へ任せる作業や分析の範囲も含め、双方の役割を明確にしましょう。
以下、動画制作を外注するメリットについて、複数の観点から解説します。
5-1. 必要な制作体制を外部で補える
動画制作には、企画や台本制作、撮影、編集、ナレーション、字幕制作、スケジュール調整など複数の業務があります。社内で対応できない工程を制作会社へ任せることで、動画ごとに必要な制作体制を補えます。
発注前には、自社で対応できる工程と外部へ任せる工程を決めます。商品やサービスの情報提供、ブランドに関する判断、完成物の承認などは発注企業が担い、制作会社の専門性を生かす範囲を明確にしておきましょう。
5-2. 制作工程を計画的に進められる
動画制作では、企画や撮影に加えて、素材準備、社内承認、修正、納品など複数の作業が並行します。進行管理まで対応する制作会社へ依頼すると、各工程の期限や承認のタイミングを決めながら制作を進められます。
5-3. 完成イメージの認識差を抑えられる
動画は、完成してから表現の方向を大きく変えようとすると修正範囲が広がり、工数やコストの増加につながります。制作会社へ依頼する際は、参考動画や構成案、絵コンテ、初稿などを活用し、制作の早い段階から完成イメージを共有することで、認識のズレを抑えられます。
「明るい雰囲気」「テンポのよい動画」といった抽象的な表現だけでは、発注側と制作側で解釈に差が生じやすくなります。参考動画を用いる場合も、構図や色味、テンポ、字幕の出し方など、どの要素を重視するのかを具体的に伝えることが重要です。
5-4. 継続制作の社内負担を抑えられる
商品紹介や採用動画などを定期的に制作すると、撮影や編集の作業が社内担当者へ集中する時期も出てきます。専門工程を継続して外注すれば、社内側は目的設定や素材提供、事実のチェック、承認など、自社で担う業務へ時間を配分できます。
5-5. 公開後の改善まで支援を受けられる
制作会社によっては、動画を納品して終えるサービスに加え、公開後の分析や改善提案まで対応しています。こうした支援を利用すると、視聴状況やクリック、問い合わせ、応募など、動画の目的に応じたデータを次回の企画・編集へ生かせます。
分析支援を依頼する場合は、対象データやレポートの内容・頻度、改善提案の有無、再編集の対応範囲を確認します。
最終的な成果の評価や次の施策の判断は発注企業側の役割です。動画単体の数値だけで判断せず、事業・採用・教育など当初の目的にどれだけ貢献したかを基準に評価しましょう。
6. 動画制作の内製・外注・部分委託の選び方

動画制作には、企画から制作までを自社で行う「内製」、制作会社へまとめて任せる「外注」、一部の工程だけを任せる「部分委託」があります。
各方法は、自社と制作会社が担う範囲が次のように変わります。
制作方法 | 自社で担う範囲 | 外部へ任せる範囲 | 向いている状況 |
|---|---|---|---|
内製 | 企画、撮影、編集などを自社で行う | 原則として自社で対応 | 継続的に動画を制作・更新したい |
外注 | 目的や内容の確認、社内承認などを担う | 企画、撮影、編集などを依頼 | 専門性の高い制作をまとめて任せたい |
部分委託 | 対応できる工程を自社で行う | 撮影や編集など不足する工程を依頼 | 自社の制作体制を生かしながら不足部分を補いたい |
ここからは、内製・外注・部分委託がそれぞれどのような企業に向いているのかを詳しく解説します。
6-1. 内製が向いている企業
企画や撮影、編集などの工程を自社で担います。制作に必要な人員や環境を社内で確保できれば、必要なタイミングで動画を制作・更新しやすく、撮影素材や編集データ、制作ノウハウも自社に残せます。
6-1-1. 継続的に動画を制作・更新している
商品紹介やSNS向けコンテンツ、社内マニュアルなど、継続的に動画を制作する企業は内製に向いています。新しい情報を反映したいときや既存動画の一部を変更したいときも、社内で対応できれば公開までの時間を短縮しやすくなります。
過去の撮影素材や編集データは、必要な利用権限があり、現在の編集環境で扱える形式なら、新しい動画へ再利用できます。制作本数や更新頻度が高いほど、社内に制作体制を持つ利点を生かせます。
6-1-2. 制作ノウハウを社内に蓄積したい
企画や撮影、編集を繰り返すことで、動画制作に関する経験を社内に蓄積できます。自社の商品や顧客を理解する担当者が制作に関わりながら、伝え方や表現を継続的に改善したい企業にも向いています。
6-1-3. 制作に必要な人員と時間を確保できる
内製には、カメラや編集ソフトなどの制作環境だけでなく、企画、撮影準備、編集、社内確認に取り組む人員と時間が必要です。
担当者がほかの業務を兼任する企業では、動画制作の頻度や1本あたりの作業量を踏まえ、継続して制作時間を確保できるかを確認しましょう。社内だけでは対応しにくい工程があるなら、その部分のみ外部へ依頼する方法があります。
6-2. 外注が向いている企業
企画や撮影、編集などの工程を動画制作会社へ依頼します。社内に制作スタッフや機材がない企業でも、制作内容に応じた人材や技術を活用できます。
6-2-1. 専門性の高い動画を制作したい
複数のスタッフや機材を使う実写撮影、アニメーション、ナレーションなど、自社だけでは対応が難しい表現を取り入れたいときは外注が適しています。
制作会社によっては、撮影や編集などの専門スタッフや協力先を組み合わせ、動画の内容に応じた制作体制を整えられます。自社で機材や専門人材を一から揃えずに済む点も、外注を選ぶ理由の一つです。
6-2-2. 社内で制作する人員や時間が不足している
動画制作には、企画、撮影準備、撮影、編集、確認、修正など複数の作業があります。制作を担当できる社員がいない、本来の業務と並行して進めるのが難しいといった企業は、制作会社への外注を検討してください。
ただし、すべての工程を制作会社へ任せるわけではありません。動画の目的や商品・サービスに関する事実、企業として伝えたい内容、最終的な公開可否などは、発注企業側で判断します。
6-2-3. 企画から制作進行までまとめて任せたい
企画から撮影、編集、納品まで複数の工程を自社で管理するのが難しいなら、外注を検討します。制作会社へ一括して依頼すれば、スタッフや機材の手配、各工程の進行などを任せられます。
発注企業側では、制作会社との窓口と承認者を決めておきます。企画や台本、仮編集などを確認するタイミングを事前に決め、社内承認に必要な期間を制作スケジュールへ含めることが重要です。
6-3. 部分委託が向いている企業
部分委託は、自社で対応できる工程を残し、撮影や編集など必要な部分だけを外部へ任せる方法です。すでにある社内の制作体制を生かしながら、不足している技術や人員を補えます。
6-3-1. 一部の制作工程を社内で対応している
企画や台本は自社で作成できるものの、撮影や編集までは対応できない企業には部分委託が向いています。反対に、自社で撮影した素材を制作会社へ渡し、編集だけを依頼する方法もあります。
すでに社内で対応できる工程まで外部へ任せる必要がないため、自社の制作体制を生かしながら必要な工程だけ専門会社へ依頼できます。
6-3-2. 特定の技術や人員が不足している
動画制作全体を外注する必要はなくても、撮影、アニメーション、ナレーションなど、特定の工程だけ自社で対応できないことがあります。
こうした不足する技術や人員を外部で補いたい企業には、部分委託が向いています。通常は内製しているものの、制作本数が増える時期だけ編集を依頼するなど、一時的な人員不足を補う方法としても活用できます。
6-3-3. 社内の制作ノウハウを生かしながら外部を活用したい
すでに動画制作の経験があり、企画やブランド表現などを自社で担いたい企業は、専門性が必要な工程だけを外部へ任せる方法があります。素材の形式や納品データ、制作会社が変更できる範囲なども共有し、自社と制作会社の担当範囲を明確にしておきましょう。
7. 動画制作の発注前に決めておくべき事項
発注条件が曖昧なまま制作会社へ相談すると、提案内容や見積もりの前提に差が出ます。動画制作の発注前に決めておきたいポイントは、以下の5項目です。
7-1. 目的・視聴者・KPIを言語化する
最初に、誰に何を伝え、視聴後にどのような行動や理解を目指すのかを一文で表します。「認知を高める」といった目的を置くなら、対象となる視聴者と視聴後に期待する変化まで具体化します。
KPIは、動画の目的と実際に取得できるデータをもとに決めます。販促ならクリックや問い合わせ、採用なら応募や説明会参加など、自社で追える指標を選びます。公開先の分析機能や社内の集計方法も把握し、公開後に評価できる状態を作っておきましょう。
7-2. 尺・用途・公開先を決める
動画をどこで、何のために使うのかを先に決めると、必要な尺や画面仕様を具体化できます。Webサイト、動画広告、SNS、展示会、社内研修など、主な公開先と用途を制作会社へ伝えます。
複数の媒体で利用する予定があるなら、横型・縦型や短縮版、字幕の要否なども発注条件へ含めます。動画広告では、フォーマットによって画面比率や長さなどの条件が異なるため、公開先を制作前に決めておく必要があります。
7-3. 支給素材と制作素材を分ける
ロゴ、商品画像、既存映像、図面、原稿など、発注企業から提供できる素材を一覧にします。そのうえで、撮影素材やイラスト、BGM、ナレーションなど、制作会社へ用意してもらうものを決めます。
支給素材は、画質やファイル形式とあわせて、動画で利用できる権限があるかを確かめます。旧版のロゴや公開前の情報が混ざらないよう、制作会社へ渡すデータと版を社内で管理しておきましょう。
7-4. 修正回数と承認者を定める
修正回数の上限や無料修正の範囲は、制作期間や追加費用に関わります。企画、台本、絵コンテ、初稿など、どの段階で何を確認・承認するのかを制作開始前に制作会社と共有しましょう。上限を超える修正や後工程での方向転換は、契約条件に応じて納期や追加費用に影響します。
複数部門が関わる制作では、各担当者が制作会社へ個別に指示すると内容が食い違うことがあります。社内の意見をまとめる窓口と最終承認者を決め、回答期限も制作スケジュールへ組み込みます。
7-5. 著作権・肖像権・二次利用を決める
納品された動画を、どこまで利用できるかは契約内容によって変わります。完成動画、台本、撮影素材、イラスト、編集データなどについて、納品対象かどうかを確かめ、著作権の帰属や利用許諾、改変・二次利用の条件を確認しましょう。
8. 動画制作サービスの選び方

動画制作サービスは、制作実績や料金だけでなく、自社が作りたい動画への対応力や依頼できる工程、制作中の進め方まで見て選びます。ポイントを以下に整理しました。
8-1. 制作したい動画に近い実績があるか
商品紹介、採用、ブランディング、マニュアルなど、動画によって求められる企画や表現は異なります。制作実績を見る際は、本数だけでなく、自社と近い目的や用途の動画を手がけているかを確認しましょう。
業界が同じであることだけにこだわらず、対象となる視聴者や公開先、動画で達成したい目的が近い実績を探します。
8-2. 必要な工程まで依頼できるか
動画制作サービスによって、対応できる範囲は異なります。自社でどこまで準備できるかを整理したうえで、「企画から任せたいのか」「素材は自社で用意できるのか」を考え、必要な工程を依頼できるサービスを選びましょう。
8-3. 見積もりの範囲と追加料金が明確か
見積もりでは総額だけでなく、企画、撮影、編集、素材、修正、納品など、料金に含まれる内容を確認します。
追加撮影や再撮影、規定回数を超える修正、別形式での納品など、追加料金が発生する条件も事前に確認しておきましょう。
8-4. 制作の進め方と確認体制が明確か
動画制作では、企画や台本、撮影、仮編集など複数の段階で発注企業の確認が必要になります。
契約後の担当者や連絡方法、制作スケジュール、修正を伝える方法などを事前に確認します。どの段階で何を確認するのかが明確なサービスほど、自社側でも承認スケジュールを組みやすくなります。
9. 動画制作のよくある質問
動画制作を検討する際に生じやすい疑問のうち、制作期間や依頼時の準備、撮影の要否、納品後の扱いについてお答えします。
9-1. 動画制作にはどのくらいの期間がかかる?
制作期間は、企画内容や撮影の有無、動画の尺、編集内容、修正回数などによって変わります。企画、台本、撮影、編集、修正と複数の工程があるため、一律の期間では決まりません。
希望する公開日があるなら、その日から逆算して制作会社へ相談します。とくに撮影をともなう動画は、出演者や撮影場所の手配、社内承認に必要な日数も含めてスケジュールを組みましょう。
9-2. 企画が決まっていなくても制作会社へ依頼できる?
企画段階から対応する制作会社であれば、目的や視聴者を伝えたうえで企画づくりから依頼できます。動画制作では、クライアントの要望を把握したあとに企画や台本を作る進め方もあります。
ただし、制作会社へ相談する前に「誰に何を伝えたいか」「動画をどこで使うか」までは社内で決めておくことが推奨されます。発注企業が目的を示すことで、制作会社も具体的な構成・表現を提案できます。
9-3. 撮影なしでも動画を制作できる?
実写撮影を行わず、アニメーションやモーションデザインなどで動画を制作する方法があります。既存の素材を活用できる制作なら、新たな撮影が不要になることもあります。
9-4. 発注企業はどこまで準備すべきか?
制作会社へ相談する時点では、少なくとも動画の目的、視聴者、用途・公開先、自社から提供できる素材をまとめつつ、社内の承認者を決めておきます。企画や台本を制作会社へ依頼するときも、自社の商品・サービスに関する事実やブランド表現は発注企業側で判断します。
9-5. 納品後に修正や別媒体向けの再編集はできる?
納品後の修正や再編集ができるかは、制作会社との契約や素材の権利条件によって変わります。短縮版の制作や別媒体への展開を予定しているなら、発注時に利用方法を伝え、再編集の可否や追加費用を確かめておきます。
10. まとめ
動画制作会社を選ぶときは、作例や見積額だけで決めると、依頼できる工程や公開後の支援にミスマッチが生じることがあります。まず自社で動画の目的、視聴者、公開先、制作会社へ任せたい範囲を決め、各社へ同じ条件を伝えます。
提案を受けたら、制作費に含まれる工程、連絡・承認の進め方、権利やデータの扱い、公開後の改善支援まで比べます。完成動画を作るところまでにとどめず、公開後にどのように活用するかも踏まえて依頼先を選びましょう。
