コールセンターシステムとは?電話応対を支える機能と自社に合う選び方

更新日:2026/09/03
電話が集中する時間帯には、待ち時間が延び、担当者への転送も続きます。顧客対応の責任者は、回線数を増やすべきか、応対業務全体を見直すべきか迷うでしょう。
顧客情報や通話録音、着信ルールを別々に管理したままでは、システムを導入しても現場の負担を本質的に軽減できない可能性があります。
こうした課題を解決するのが、コールセンターシステムです。代表的な機能・連携要素には、IVR(自動音声応答)による案内、ACD(着信振り分け)による着信配分、顧客情報や問い合わせ履歴の表示、通話録音、応対履歴の記録・保存などがあります。
この記事では、コールセンターシステムの種類と特徴、導入メリットや失敗例、製品の選び方、導入手順を徹底解説します。
1. コールセンターシステムとは

コールセンターシステムとは、電話の受付から担当者への着信配分、顧客情報の表示、応対記録、稼働状況の分析までを支援する業務システムの総称です。電話交換やコンピューター連携を基盤に、自動音声応答、着信配分、通話録音、履歴管理などの機能を組み合わせて運用します。
各工程におけるシステム処理、担当者の役割、主な記録例は次のとおりです。
工程 | システム処理 | 担当者の役割 | 主な記録例 |
|---|---|---|---|
入電 | 電話番号や受付時間を基に着信を判定する | 受付時間や着信条件を設定 | 着信日時、発信元番号 |
用件受付 | 音声案内や番号入力で用件を受け付ける | 音声案内と分岐内容を設計 | 選択された用件 |
着信配分 | 条件に沿って待機中の担当者へ着信を配分する | 顧客の応対 | 待ち時間、応答・放棄 |
顧客確認 | 電話番号などを基に顧客情報を呼び出す | 本人情報と過去の応対履歴を確認 | 参照した顧客情報 |
応対・後処理 | 録音機能や応対内容の入力画面を提供する | 応対結果と次回対応を登録 | 通話内容、応対履歴、後処理時間 |
製品によって、対応する工程や設定範囲は異なります。導入前に現在の応対業務を書き出し、システムに任せる処理と担当者が判断する業務を分けておきましょう。
2. コールセンターシステムの主な種類
コールセンターシステムは、提供形態による「クラウド型・自社設置型」と、業務タイプによる「受電型・発信型」の2軸で分類できます。
各種類の概要を以下の表にまとめました。
分類軸 | 種類 | 概要 |
|---|---|---|
提供形態 | クラウド型 | 事業者が用意したシステム環境をインターネット経由で利用する |
提供形態 | 自社設置型 | 自社の拠点やデータセンターにサーバーや電話設備を設置する |
業務タイプ | 受電型 | 問い合わせや注文など、顧客からの着信対応を支える |
業務タイプ | 発信型 | 営業や案内など、企業から顧客への発信業務を支える |
システムを選ぶ際は、受電・発信業務に必要な機能を整理し、自社の運用体制に合う提供形態を組み合わせます。以下では、それぞれの特徴を詳しく解説します。
2-1. 提供形態|クラウド型
クラウド型は、サービス事業者が用意したシステムをインターネット経由で利用する形態です。自社でサーバーを設置せず、席数、機能、利用量など、製品ごとに定められた条件で契約・利用します。
電話番号や回線、録音容量、追加機能の範囲は製品によって異なります。利用者を増やす際の手続きや追加料金、障害発生時の対応も契約前に確認しておきましょう。
2-2. 提供形態|自社設置型
自社設置型はオンプレミス型とも呼ばれ、自社の拠点やデータセンターにサーバーや電話設備を設置する形態です。既存のネットワークや社内システムに合わせて構成を設計します。
導入時には初期費用や保守費用に加え、設備の更新・増設・障害対応を誰が担うかを定めます。自社と保守事業者の役割を分け、継続して運用できる体制を整える必要があります。
2-3. 業務タイプ|受電型
受電型は、問い合わせや注文など、顧客からの着信対応を支えるタイプです。音声案内で用件を振り分け、対応できる担当者へ着信を配分します。
このタイプを検討する場合、電話が集中したときに、担当者につながるまで待っている着信(待ち呼)をどう扱うか、折り返し受付や営業時間外の案内を設定できるかも確認しましょう。
2-4. 業務タイプ|発信型
発信型は、営業や案内など、企業から顧客へ電話をかける業務を支えるタイプです。発信リストの割り当てや通話結果、再連絡の予定を管理します。
受電と発信の両方を行う企業は、双方の履歴を顧客単位で参照できるシステムを選定します。過去の応対内容を担当者間で共有できれば、重複連絡や引き継ぎ漏れを防げます。
3. コールセンターシステムの主な機能

コールセンターシステムで用いられる代表的な機能・連携要素には、PBX(構内交換機)、CTI(電話とコンピューターの連携)、IVR(自動音声応答)、ACD(着信振り分け)、応対データ管理などがあります。製品によって、1つのサービスに含まれる場合と、別のシステムを連携して構成する場合があります。
機能 | 役割 | 主な入力 | 主な出力 | 製品資料・試行で確かめる内容 |
|---|---|---|---|---|
PBX | 外線・内線の接続と通話制御 | 電話番号、回線、着信ルール | 着信、発信、転送 | 番号・回線の対応、同時通話数、転送条件 |
CTI | 電話とコンピューターの連携 | 発信元番号、顧客データ | 顧客情報表示、発信操作 | 検索条件、画面表示、連携エラー時の処理 |
IVR | 音声案内による用件受付 | 音声、番号入力、受付時間 | 用件区分、案内、転送先 | 分岐数、変更方法、入力誤り・無操作時の処理 |
ACD | 条件に応じた着信配分 | スキル、待機状況、優先度 | 担当者への着信 | 配分条件、担当者へ配分できない着信(あふれ呼)、待ち時間の扱い |
応対データ管理 | 通話と業務結果の記録・集計 | 録音、応対結果、担当者、時間 | 履歴、集計、稼働指標 | 保存期間、権限、出力、指標の定義 |
これらの機能は、着信から応対履歴の登録まで連動して動きます。ここでは、各機能の特徴や仕組みを解説します。
3-1. PBX(構内交換機)
PBXは、外部の電話回線と社内の電話機やソフトフォン(パソコンやスマートフォンを電話端末として使うソフトウェア)を接続し、着信・発信・内線・転送を制御する機能です。コールセンターで電話を受けたり、担当者が外部へから電話をかけたりするための基盤になります。
3-2. CTI(電話連携)
CTIは、電話とコンピューターを連携する仕組みです。顧客管理システムなどと連携し、着信番号を顧客データと照合できる場合は、顧客情報を表示したり、顧客画面から電話をかけたりできます。
3-3. IVR(自動音声応答)
IVRは、担当者へつなぐ前に、音声案内や電話機の番号入力で顧客の用件を受け付ける機能です。選択された内容に応じて、流す案内や電話の転送先を分けます。
3-4. ACD(着信振り分け)
待機中の担当者へ着信を振り分ける機能です。担当者の待機状況、製品知識や言語などのスキル、着信の優先度を基に配分します。条件に合う担当者が応答できないときに備え、次の転送先を決めておくのが一般的です。
3-5. 応対データ
応対データ管理は、通話内容や担当者の応対結果を記録・集計する機能です。録音、待ち時間、通話時間、保留、応対結果、後処理時間などを記録し、混雑する時間帯や対応が長引いている業務を把握します。
4. コールセンターシステムを導入するメリット

コールセンターシステムを導入すると、着信配分、顧客情報の参照、応対履歴の共有、稼働状況の集計を一連の業務として管理できます。担当者が同じ情報と手順に沿って応対できるため、電話の取り次ぎから後処理までの流れを統一できます。
ただし、導入効果はシステムの機能だけで決まりません。着信の配分ルールや入力項目を定め、担当者が共通の手順で運用する必要があります。
4-1. 着信を適切な担当者へ配分できる
ACDを利用すると、担当者のスキルや待機状況に応じて着信を配分できます。対応できる担当者を探す手間や不要な転送が減り、着信にを対応できる担当者へスムーズにつなげられます。
4-2. 顧客情報を素早く表示できる
CTIと顧客管理システムを連携すると、着信番号を基に顧客情報や過去の応対履歴を表示できます。担当者が顧客情報を探す時間を抑え、過去の経緯を把握したうえで応対を始められます。
ただ、代表電話や家族共用番号など、電話番号と顧客が一対一に結びつかないケースもあります。受入テストにはこうした着信も含め、別の顧客情報が表示されたときの検索・切替手順を定めます。
4-3. 応対履歴を担当者間で共有できる
通話結果、問い合わせ内容、次回対応を顧客単位で記録すると、別の担当者も前回までの経緯を把握できます。担当者が変わっても、記録された内容をもとに対応を引き継げます。
記録方法を自由記述だけにした場合、担当者によって表現や情報量に差が生じます。用件区分や対応状況など、検索・集計に使う項目を定め、自由記述は補足情報として使いましょう。
4-4. 応対品質と稼働状況を測定できる
応答率、待ち時間、通話時間、保留時間、後処理時間を記録することで、着信が集中する時間帯、処理に時間がかかっている用件を把握できます。
応対品質を測る際は、通話時間の短さだけで評価しません。初回の応対で用件が解決し、追加連絡や再入電、エスカレーションを必要としなかった割合を示す「一次解決率」などの指標を用います。算定方法を統一したうえで、再入電、苦情、品質評価などと組み合わせ、応対の速さと解決状況を総合的に判断します。
5. コールセンターシステムの導入で起こりやすい失敗
必要な機能を備えていても、着信の振り分け方や顧客情報の管理ルールが曖昧だと、導入後の運用に支障が出ます。
失敗 | 原因 | 影響 | 予防策 |
|---|---|---|---|
着信ルールが複雑になる | 音声案内や転送先を追加し続ける | 顧客が窓口へ到達しにくくなる | 代表的な用件と例外的な用件の双方で着信経路を試す |
顧客情報が重複する | 電話帳、顧客管理システム(CRM)、応対履歴の更新元が不明 | 履歴が複数の顧客へ分かれる | 項目ごとに正しい情報として扱う更新元と責任者を決める |
録音管理が曖昧になる | 利用目的、権限、保存期間を定めない | 不要な閲覧や長期保存が起こる | 取扱規程と権限設定を対応させる |
障害時に受付できない | 回線やシステムに障害が起き、代替経路も利用できない | 問い合わせの受付や応対記録に支障が出る | 障害箇所ごとの代替受付・復旧手順を決める |
録音の取扱いや障害時の代替手順も含め、導入前に決めておきたい内容を上記にまとめました。詳しく見ていきます。
5-1. 着信ルールが複雑になる
音声案内の分岐や転送先が増えすぎると、顧客は目的の窓口へたどり着くまでに何度も操作を求められます。代表的な問い合わせに加え、番号の誤入力や無操作があった際の経路も試し、案内が途中で行き止まりにならないかを確かめましょう。
利用頻度の低い用件まで細かく分岐させる必要はありません。例外的な問い合わせは、担当者が内容を聞き取って転送する方法も含め、案内を必要な範囲へ絞ります。
5-2. 顧客情報が重複する
顧客情報の更新元が複数あり、照合・重複防止のルールがない場合、同じ顧客の重複登録や応対履歴の分散が生じやすくなります。氏名や電話番号などの項目ごとに、どのシステムをマスターデータとするかを決めてください。
連携エラーや重複が見つかった際に、情報を照合して修正する担当者も必要です。更新元と修正責任者を明確にし、担当者が異なる顧客情報を参照する事態を防ぎます。
5-3. 録音管理が曖昧になる
導入企業は、個人情報保護や情報セキュリティを担当する部門・責任者を明確にしたうえで、録音の対象と利用目的を定めます。閲覧・出力できる役割、保存期間、削除方法、利用状況の記録方法は、扱う情報の内容やリスク、契約条件に応じて取扱規程に反映します。
規程どおりに権限や保存設定を構成できるかも試してください。
5-4. 障害時に受付できない
回線やシステムに障害が起き、冗長化や外部転送などの代替経路も利用できないと、問い合わせを受け付けられなくなります。回線・管理画面・外部連携など、障害箇所ごとに利用できる機能を整理し、代替番号や折り返し手順を決めておきましょう。
6. コールセンターシステムの導入を検討すべき企業
コールセンターシステムの導入が向くのは、電話件数や応対人数の増加にともない、転送・折り返し・履歴共有・品質管理に支障が出ている企業です。席数は導入を考える一つの目安にすぎません。
まず、待ち時間や取りこぼし、担当者間の引き継ぎなど、現在の業務で起きている課題を洗い出しましょう。
6-1. 電話件数が多い企業
電話件数が多く、待ち時間、取りこぼし、折り返しが増えている企業は、システム導入を検討する段階にあります。特に、着信が集中する時間帯や、応答できない電話が発生する状況を把握できていない場合は、現在の着信状況から整理しましょう。
6-2. 複数人で電話応対する企業
複数人で電話応対を行い、担当者ごとに顧客情報やメモを管理している企業も、導入を検討すべき段階にあります。顧客情報と応対履歴を共通画面で参照できれば、担当者が変わっても過去の問い合わせ内容や対応状況を把握できます。
6-3. 応対品質を測りたい企業
応対品質や稼働状況を担当者の感覚だけで評価している場合、共通の指標で記録・分析できる環境が必要です。応答率、待ち時間、処理時間、保留時間、後処理時間、再入電を同じ定義で記録し、用件や時間帯、担当者ごとに分析すると、教育や人員配置を見直す候補を絞り込めます。原因を判断する際は、応対履歴や通話録音、品質評価も併せて確認してください。
7. コールセンターシステムを選ぶポイント

コールセンターシステムの選定においては搭載機能の数だけで選ばず、自社の応対業務を最後まで処理できるかで評価します。通常の応対に加え、利用可能な試用環境の範囲で、混雑時、時間外、担当者不在、連携エラーなども試してください。障害時の代替受付と復旧手順は、契約条件を確認したうえで、導入後の受入テストで検証します。
評価軸 | 試行内容 | 確かめる資料 | 合格条件 |
|---|---|---|---|
応対シナリオ | 通常、混雑、転送、時間外、折り返しのシナリオを実際に試す | 機能一覧、設定仕様、試行環境 | 代表業務と例外を定めた手順で完了できる |
顧客情報連携 | 着信表示、検索、履歴登録、重複、連携エラーを試す | 連携仕様、項目一覧、エラー仕様 | 正しい顧客情報に履歴が紐づき、誤りを修正できる |
操作性 | 応答、保留、転送、履歴登録、後処理を担当者が試す | 端末要件、操作資料 | 役割ごとの業務を無理なく完了できる |
録音・安全管理 | 閲覧、出力、削除、権限変更、操作ログを確認する | 安全管理資料、契約条件 | 社内規程に沿って役割別に制御できる |
障害対応 | 回線・画面・連携の停止を想定する | SLAなどの契約条件、障害連絡、復旧手順 | 代替受付と復旧後の記録方法が決まる |
費用・支援 | 席数と通話量をそろえて総額を試算する | 見積書、支援範囲、契約期間 | 初期・継続・追加費用と社内工数を把握できる |
資料だけで判断できない項目は、テストデータを使って業務を再現します。デモの説明を聞くだけで終えず、例外時の操作やエラー発生後の処理まで試してください。ポイントを整理します。
7-1. 応対シナリオを試す
件数の多い用件を選び、着信、音声案内、担当者への配分、保留・転送、履歴登録、後処理までを一連の流れで試します。実際に応対する担当者が操作し、設定した待ち時間や想定する操作時間の範囲で業務を完了できるかを評価します。
その際、混雑時、時間外、担当者不在の状況も再現します。通常時の応対だけが完了しても、着信が集中した場面や、転送先が応答できない場面で適切な代替処理が行われない製品は避けましょう。
7-2. 顧客情報連携を試す
着信時の顧客情報表示から検索、履歴登録までを通して操作します。登録外番号や代表番号からの着信も試し、顧客を適切に選択して応対履歴を登録できるかを評価します。
CRMなどと外部連携する場合は、顧客名や電話番号、応対履歴などの項目ごとに、どのシステムから情報を更新するかを決めます。連携が停止した場合や、データの重複・誤登録が発生した場合の復旧手順を決め、権限を持つ管理者だけで対応できるのか、サービス事業者の支援が必要なのかも確認してください。
7-3. 録音と権限を確かめる
録音の開始条件、対象となる通話、音声品質、保存期間を確認します。次に、権限設定を担当する管理者が、役割ごとの閲覧・出力・削除の可否や、削除方法を確認します。権限を変更できる利用者が、許可された管理者に限られていることも確認してください。
7-4. 障害対応を確かめる
障害が起きた際にどのような代替手段で電話受付を続けられるか、復旧後に応対記録を登録できるかを試します。回線、システム画面、顧客情報連携の停止をそれぞれ想定し、事業者が対応する範囲と自社が行う作業を整理してください。
あわせて、障害時の受付方法、応対内容を一時的に記録する場所、復旧後の登録手順を決めます。障害の発生から通常業務へ戻るまでを一連の流れで試し、担当者が手順どおりに対応できる製品を選びましょう。
7-5. 費用と導入支援の内容を確認する
費用は、各社へ同じ利用条件を伝え、導入から運用までにかかる総額で比べます。初期費用や月額費用に加え、通話料、録音容量、外部システムとの連携、設定変更などで追加料金が発生する条件も見積書で整理してください。
また、サポート内容は、問い合わせ窓口の受付時間、障害時の連絡体制、設定変更や操作に関する支援範囲で比べます。導入時に加え、運用開始後の問題へどこまで対応を依頼できるかも確認しましょう。
8. コールセンターシステムの導入手順

コールセンターシステムは、現在の応対状況を整理し、必要な機能と運用ルールを定めてから設定・試験へ進みます。
8-1. 現行応対を把握する
電話番号ごとに、着信件数・時間帯・用件・転送先・担当者・履歴の保存先を整理します。待ち時間や応対後の処理時間も測り、現在の業務にどの程度の負担が生じているかを把握してください。
通常の応対だけでなく、混雑時・営業時間外・担当者不在・緊急連絡時の流れも書き出します。ここで整理した内容が、製品選定と導入後の効果を比べる基準になります。
8-2. 応対要件を決める
現状把握の結果を基に、必要な電話番号と回線、音声案内、着信配分、保留・転送、時間外受付の条件を定めます。録音、顧客情報との連携、担当者の権限、導入効果を測るKPI(重要業績評価指標)もこの段階で決めておきます。
8-3. 設定と連携をする
決定した要件に沿って、事業者と回線・端末・着信ルール・録音・権限・帳票を設定します。外部システムと連携する場合は、受け渡す項目と、どちらのシステムから情報を更新するかも定めてください。
顧客管理システム(CRM)や応対履歴管理システムなどの外部システムとの連携は、少数の代表データを使って先に試します。電話番号や顧客情報、応対履歴が想定した顧客に結び付き、更新内容が連携先にも正しく反映される状態まで整えます。
8-4. 応対試験を行う
実際にシステムを使う担当者が、通常・混雑・転送・時間外・障害・復旧のシナリオを試します。着信から応対、録音、顧客情報の参照、履歴登録までを一連の流れで確かめます。
不具合が見つかった場合、発生条件と業務への影響を記録します。設定を変更したあとは、同じ条件で再試験し、問題が解消されたかを判断してください。
8-5. 本稼働へ移るか判断する
通話品質・着信処理・顧客情報連携・録音・権限・障害時の代替手順が、事前に定めた合格条件を満たしているかを判定します。担当者が操作手順を理解し、通常時と例外時の応対を完了できることも本稼働の条件です。
業務を止めるおそれがある問題が残っている場合は、一斉切替を避けます。対象となる電話番号や担当者を限定して試行を続け、問題を解消してから利用範囲を広げましょう。
9. コールセンターシステムのよくある質問
最後に、コールセンターシステムに関するよくある質問と回答をまとめます。
9-1. 少人数でも導入できる?
少人数から利用できる製品もあります。ただし、最低利用席数や利用できる回線・番号、初期費用、管理者にかかる負担は製品によって異なります。
電話の取りこぼしや履歴を探す時間が生じている場合は、利用人数に加え、引き継ぎや時間帯別の着信配分が必要かを整理して導入を判断してください。
9-2. 既存の電話番号を使える?
既存の電話番号を引き続き使えるかは、番号の種類や現在の回線事業者、導入するサービス、利用地域などによって変わります。
事業者へ現在の契約内容を伝え、番号を移行できるかを尋ねてください。工事の有無や切替期間、費用、旧回線との並行利用が必要かも契約前に確認します。
9-3. 通話録音を案内する必要がある?
個人情報保護法上、通話を録音していることについて相手へ伝える義務までは負いません。ただし、通話内容から特定の個人を識別できる録音は個人情報に該当します。利用目的をあらかじめ公表していない場合は、取得後速やかに本人へ通知するか、公表するのが法令上の原則です。法令上、通知・公表が不要となる例外もあります。
9-4. 障害時に電話を受けられる?
障害時に電話を受けられるかは、回線・システム・管理画面・連携のどこに障害が起きるかで変わります。代替番号への転送や折り返し受付、事業者への連絡手順を事前に決めておきましょう。
9-5. 解約後に履歴を出力できる?
解約後もデータを出力できるかは、製品や契約内容によって異なります。顧客情報や応対履歴、通話録音、集計データのうち、どこまで取り出せるかも一律ではありません。
10. まとめ
コールセンターシステムは、着信の振り分け、顧客情報の参照、通話録音、応対履歴の管理を連携させ、電話応対の流れを支えます。導入効果を高めるには、現在の応対手順を整理し、システムで処理する範囲と、担当者が判断・対応する範囲を明確にすることが重要です。
システム選定時は、通常時に加えて混雑時、時間外、障害時の応対品質を試してください。必要な機能と費用、運用体制を同一条件で比較検討し、自社の担当者が無理なく使い続けられる製品を選びましょう。
