この記事がおすすめな人
- 状況に応じた志望動機の書き方や具体的な例文を知りたい方
- 志望する施設(急性期・クリニック・訪問看護など)に特化したアピール方法を学びたい方
- 履歴書作成や面接での深掘り質問、NG表現への対策を万全にしたい方

看護師の志望動機で採用担当者が確認するポイント
採用担当者は志望動機から、看護師として働く意欲だけでなく、応募先を選んだ理由やこれまでの経験・強み、入職後の働き方などを確認しています。相手が何を知りたいのかを意識することが、伝わる志望動機の第一歩です。
看護師として働く意欲や仕事への価値観
採用担当者が確認するポイントの1つが、看護師として働く意欲や仕事に対する価値観です。単に「看護師として働きたい」と伝えるだけでは、仕事への熱意や考え方が十分に伝わらない可能性があります。
志望動機では、以下のような内容を具体的に伝えることが大切です。
- 看護師を目指したきっかけ
- 看護をするうえで大切にしていること
- 患者さんとどのように関わりたいか
- どのような看護師を目指しているか
- 入職後に取り組みたいこと
たとえば、「患者さん一人ひとりの不安に寄り添った看護を大切にしたい」など、自分の看護観を盛り込むと、看護師としての仕事への姿勢が採用担当者に伝わりやすくなります。また、自分の価値観と応募先の理念や看護方針を結びつけることで、入職後も意欲を持って働けることをアピールできます。
数ある病院・施設のなかから応募先を選んだ理由
採用担当者は、「なぜ数ある病院や施設のなかから応募先を選んだのか」という点も確認しています。どの応募先にも当てはまるような内容では、志望度が十分に伝わらない可能性があります。
実際、看護師が働く場は数多く存在します。厚生労働省の「令和6(2024)年 医療施設(動態)調査・病院報告の概況」によると、2024年10月1日現在の活動中の医療施設数は179,645施設で、うち病院が8,060施設、一般診療所が105,207施設、歯科診療所が66,378施設です。これだけ多くの選択肢があるなかで応募先を1つに絞った理由を示すことが、志望動機の説得力につながります。
そのため志望動機では、応募先の理念・看護方針や診療科、教育制度、地域での役割などを調べたうえで、魅力を感じた点を盛り込みましょう。具体的なつなげ方は、後述の「「なぜこの病院なのか」を理念・特徴と結びつける方法」で解説します。
経験や強みを入職後にどう活かせるか
志望動機では、これまでの経験や自分の強みを伝えるだけでなく、それらを入職後にどのように活かせるのかまで示すことが重要です。採用担当者は、応募者が入職後にどのような形で活躍できるのかを確認しています。
経験や強みとしてアピールできる内容には、以下のようなものがあります。
- 担当した診療科や病棟での実務経験
- 採血や点滴、患者さんの状態観察などの看護技術
- 患者さんや家族とのコミュニケーション能力
- 多職種と連携して業務を進めた経験
- 実習や研修を通して身につけた知識・姿勢
- 継続して学ぶ意欲や向上心
経験者であれば、担当してきた診療科や身につけた看護技術、患者さんへの対応経験などを具体的に伝えましょう。新卒や実務経験が少ない場合は、実習で学んだことやコミュニケーション能力、学習意欲などもアピール材料になります。強みを説得力につなげる具体的な手順は、後述の「自分の経験や強みを説得力につなげるコツ」で解説します。
応募先とのミスマッチがないか
採用担当者は志望動機を通して、応募者の希望する働き方やキャリアの方向性が、病院・施設の方針や職場環境と合っているかも確認しています。入職後のミスマッチは、早期離職につながる可能性があるためです。
公益社団法人日本看護協会が公表した「2025年(令和7年)病院看護実態調査」結果によると、2024年度(令和6年度)の正規雇用看護職員の離職率は11.0%、新卒採用者の離職率は8.4%、既卒採用者の離職率は16.1%でした。既卒採用者の離職率が新卒採用者を上回っていることからも、転職時に応募先の方針や業務内容を確認する重要性がうかがえます。
応募前には、以下のような項目を確認しておきましょう。
確認する項目 | チェックする内容 |
|---|---|
仕事内容 | 希望する看護や業務に携われるか |
診療科・施設形態 | 経験や目指すキャリアと合っているか |
看護方針 | 自分が大切にする看護観と合っているか |
教育体制 | 必要な知識・スキルを身につけられるか |
キャリア形成 | 将来目指す看護師像につながる環境か |
たとえば、急性期看護に携わりたい人が慢性期中心の病院に応募する場合など、希望する仕事内容と実際の業務に大きな違いがあると、採用担当者が懸念を抱くことがあります。応募前にこれらの項目を整理したうえで志望動機を作成すると、応募先への理解度や長く働く意思を伝えやすくなります。

看護師の志望動機の基本的な書き方
看護師の志望動機では、「なぜ看護師を目指したのか」「なぜその病院・施設を選んだのか」「入職後にどのように貢献したいのか」を具体的に伝えることが大切です。ここでは、その組み立て方を順に解説します。
志望理由・経験・応募先への貢献を盛り込む基本構成
看護師の志望動機は、伝えたい内容を思いつくまま並べるのではなく、順序を意識して構成すると読みやすくなります。基本的には「志望理由」「経験・強み」「応募先を選んだ理由」「入職後の貢献・目標」の順にまとめると、内容が整理されます。
志望動機の基本構成
構成 | 盛り込む内容 |
|---|---|
志望理由 | 看護師を目指した理由や応募のきっかけ |
経験・強み | 実務経験や実習経験、自分の長所 |
応募先を選んだ理由 | 理念や看護方針、診療内容などへの共感 |
入職後の貢献・目標 | 経験をどう活かし、どのような看護師を目指すか |
最初に結論となる志望理由を示し、その根拠として経験や応募先との接点を伝えると、採用担当者が内容を理解しやすくなります。最後に入職後の目標や貢献について触れることで、働く意欲まで伝わる志望動機に仕上げられます。
「なぜ看護師なのか」を具体的な経験から伝える方法
「人の役に立ちたいから」「医療に興味があるから」といった理由だけでは、ほかの応募者との差別化が難しく、看護師を目指した理由が十分に伝わらないことがあります。自分自身の具体的な経験を交えて説明しましょう。
看護師を目指すきっかけとしては、以下のような経験が挙げられます。
- 自分や家族が入院・通院した際の看護師との関わり
- 学校の授業や職場体験で医療・看護に興味を持った経験
- ボランティア活動などで人を支えた経験
- 看護実習を通じて感じたやりがいや学び
- 身近な看護師の働く姿から影響を受けた経験
大切なのは、出来事そのものではなく、その経験から何を感じ、なぜ看護師になりたいと思ったのかまで説明することです。「経験→感じたこと・学んだこと→看護師を目指した理由」という流れでまとめると、志望理由に説得力が生まれます。
「なぜこの病院なのか」を理念・特徴と結びつける方法
採用担当者に志望度を伝えるには、「ほかの病院ではなく、なぜこの病院で働きたいのか」を明確にする必要があります。そのためには、応募先の理念や看護方針、診療内容、教育制度などを事前に調べ、自分の考えや目標との共通点を見つけましょう。
応募先を調べる際は、以下のポイントを確認すると志望理由につなげやすくなります。
確認するポイント | 志望理由へのつなげ方 |
|---|---|
病院・施設の理念 | 自分が大切にする看護観との共通点を示す |
看護方針 | 実践したい看護との関連性を伝える |
診療科・医療体制 | 経験や興味のある分野と結びつける |
教育・研修制度 | 身につけたい知識や技術と関連づける |
地域での役割 | 地域医療への関心や貢献意欲を伝える |
ただし、応募先の理念をそのまま引用するだけでは十分ではありません。「理念のどこに共感したのか」「自分の経験や看護観とどうつながっているのか」まで説明すると、その病院を選んだ理由が明確になります。
自分の経験や強みを説得力につなげるコツ
自分の経験や強みをアピールする際は、「コミュニケーション能力があります」「責任感があります」と伝えるだけではなく、その強みが表れた具体的なエピソードを盛り込みましょう。根拠となる経験を示すことで、採用担当者が応募者の人物像をイメージしやすくなります。
たとえば、以下のように経験と強みを結びつけます。
- 患者さんの小さな変化に気づいた経験 → 観察力
- 患者さんや家族の話を丁寧に聞いた経験 → 傾聴力
- 医師やリハビリ職などと連携した経験 → 協調性・連携力
- 忙しい状況で優先順位を考えて対応した経験 → 判断力
- 新しい知識や技術を積極的に学んだ経験 → 向上心
さらに、その強みを応募先でどのように活かすのかまで伝えることがポイントです。「経験→身についた強み→入職後の活かし方」の順にまとめると、単なる自己PRではなく、応募先への貢献を意識した志望動機になります。
入職後の目標・キャリアプランを盛り込む方法
志望動機の最後には、入職後に取り組みたいことや将来目指す看護師像を盛り込むと、仕事への意欲や長期的に働く意思を伝えやすくなります。目標は応募先の業務内容や教育体制と関連させ、実現可能な内容にすることが大切です。
入職後の目標としては、以下のような内容が考えられます。
- 特定の診療科で専門的な知識や看護技術を身につける
- 患者さんや家族に寄り添える看護師を目指す
- 研修や資格取得を通じて専門性を高める
- 多職種との連携に積極的に取り組む
- 経験を積み、将来的に後輩の指導や育成に携わる
「成長したい」という自分の希望だけで終わらせず、身につけた知識や経験を患者さんや応募先にどう還元するかまで示しましょう。応募先で実現できる目標を具体的に伝えることで、志望理由との一貫性が生まれます。

看護師の志望動機で使える基本例文
看護師の志望動機は、応募する病院・施設や目指す看護師像によって適切な内容が異なります。ここでは、目的別の基本例文を紹介します。例文はそのまま使用せず、自分の経験や応募先の特徴を盛り込んで具体性を持たせましょう。
患者に寄り添う看護を実現したい場合の例文
患者さん一人ひとりに寄り添う看護を実現したい場合は、なぜそのような看護を大切にしたいのかを具体的な経験とともに伝えましょう。患者さんとの関わりから学んだことと、応募先の看護方針との共通点を示すと、志望理由に説得力が生まれます。
例文
私は、患者さん一人ひとりの気持ちに寄り添い、安心して治療や療養に臨めるよう支援できる看護師を目指しています。看護実習では、不安を抱えていた患者さんの話を丁寧に伺い、気持ちを受け止めることの大切さを学びました。患者さんとの信頼関係を大切にする貴院の看護方針に共感し、志望いたしました。入職後は、患者さんの小さな変化にも気づける観察力とコミュニケーション能力を身につけ、身体面だけでなく精神面にも配慮した看護を実践したいと考えています。
例文を自分用にアレンジする際は、以下の内容を盛り込むとよいでしょう。
- 患者さんに寄り添う看護を大切にしたい理由
- 患者さんとの関わりで印象に残っている経験
- 応募先の看護方針に共感した点
- 入職後に実践したい看護
専門性を高めてスキルアップしたい場合の例文
特定の診療科や看護分野で専門性を高めたい場合は、興味を持ったきっかけと将来の目標を明確にしましょう。また、「学びたい」という希望だけで終わらず、身につけた知識や技術を実際の看護にどう活かしたいのかまで伝えることが重要です。
例文
私は、急性期看護に関する専門的な知識と技術を身につけ、患者さんの状態を的確に判断して行動できる看護師を目指しています。実習を通じて、患者さんの状態が変化するなかで優先順位を判断し、多職種と連携して看護を行うことの重要性を学び、急性期看護への関心が高まりました。急性期医療に力を入れ、教育・研修制度も充実している貴院で経験を積みたいと考え、志望いたしました。入職後は積極的に知識と技術を身につけ、患者さんに対して、安全で質の高い看護を提供できるよう努めます。
スキルアップを志望理由にする場合は、以下のポイントを意識しましょう。
- 専門性を高めたい分野
- その分野に興味を持ったきっかけ
- 応募先でなければならない理由
- 習得した知識・技術をどう活かしたいか
地域医療に貢献したい場合の例文
地域医療への貢献を志望理由にする場合は、その地域や地域医療に関心を持った理由を具体的に示すことが大切です。応募先が地域でどのような役割を担っているのかを調べ、自分が目指す看護との共通点を伝えると、応募先への理解度もアピールできます。
例文
私は、患者さんが住み慣れた地域で安心して生活を続けられるよう支援し、地域医療に貢献できる看護師になりたいと考えています。実習で退院支援に関わった経験から、病院での治療だけでなく、退院後の生活まで見据えて支援することの重要性を学びました。地域の医療機関や介護事業所と連携し、切れ目のない医療・看護の提供に取り組む貴院に魅力を感じ、志望いたしました。入職後は患者さんやご家族の希望を丁寧に把握し、多職種と連携しながら地域での生活を支えられる看護師を目指します。
地域医療への貢献を伝える場合は、以下の要素を組み合わせると具体性が高まります。
- 地域医療に関心を持ったきっかけ
- 退院支援や在宅医療などに関わった経験
- 応募先が地域で担っている役割
- 地域の患者さんにどのように貢献したいか
これまでの看護経験を活かしたい場合の例文
転職や中途採用では、これまでの看護経験を応募先でどのように活かせるのかを具体的に伝えることがポイントです。経験年数や所属していた診療科を示すだけではなく、身につけた知識・技術や患者さんとの関わりから得た強みまで説明しましょう。
例文
私はこれまで急性期病棟で勤務し、患者さんの状態観察や術前・術後の看護、多職種との連携などを経験してきました。そのなかで、わずかな状態変化を見逃さず、状況に応じて迅速に対応することの重要性を学びました。これまで培った経験を活かしながら、幅広い症例に対応できる看護師としてさらに成長したいと考え、貴院を志望いたしました。入職後は、これまで身につけた観察力や対応力を活かして患者さんの安全を守るとともに、新たな知識や技術も積極的に学び、貴院の医療に貢献したいと考えています。
経験を活かした志望動機を作成する際は、以下の内容を整理しておきましょう。
- これまで勤務した診療科や担当業務
- 経験を通じて身につけた知識・看護技術
- 自分の強みとして活かせる能力
- 応募先で経験をどのように活かしたいか
- 今後身につけたい知識やスキル

新卒看護師の志望動機の書き方と例文
新卒看護師は実務経験がないため、実習で得た学びや看護師を目指したきっかけ、仕事への意欲を志望動機に盛り込むことが大切です。ここでは、新卒ならではの書き方とケース別の例文を紹介します。
実務経験がない新卒ならではのアピール方法
新卒看護師は実務経験がないため、経験者と同じように看護技術や実績をアピールする必要はありません。実習や学生生活で得た学び、看護に対する姿勢、成長意欲など、新卒ならではの強みを具体的に伝えることが重要です。
新卒看護師が志望動機でアピールしやすいポイント
- 看護実習で経験したことや学んだこと
- 患者さんとの関わりから身につけた姿勢
- 学生生活で培ったコミュニケーション能力や協調性
- 新しい知識や技術を積極的に学ぶ姿勢
- 目指している看護師像や将来の目標
たとえば、実習で患者さんとのコミュニケーションの重要性を学んだ場合は、その経験を入職後の看護にどう活かしたいのかまで伝えましょう。「経験・学び→自分の強み→入職後の目標」という流れでまとめることで、実務経験がなくても意欲や将来性を伝えられます。
実習経験を盛り込んだ新卒看護師の志望動機例文
看護実習は、新卒看護師が志望動機に盛り込みやすい具体的な経験の1つです。単に「実習で〇〇を経験した」と書くだけではなく、その経験から何を感じ、どのような看護師になりたいと考えたのかまで伝えると説得力が高まります。
例文
私は、患者さん一人ひとりの気持ちを尊重し、不安に寄り添える看護師になりたいと考え、貴院を志望いたしました。看護実習では、不安から会話が少なくなっていた患者さんに対し、毎日声をかけながら丁寧に話を伺うことを心がけました。その経験から、患者さんの思いを理解するには、相手のペースに合わせて関係を築くことが大切だと学びました。入職後は、実習で得た学びを活かしながら知識や技術を身につけ、患者さんが安心して治療に臨めるよう支援できる看護師を目指します。
実習経験を盛り込む場合は、以下の順番で整理すると書きやすくなります。
- 実習で経験した具体的な出来事
- そのとき自分が考え、行動したこと
- 経験から得た気づきや学び
- 学びを入職後の看護にどう活かすか
病院の理念・教育制度に魅力を感じた場合の例文
病院の理念や教育制度は、新卒看護師が応募先を選ぶ際の重要なポイントです。ただし、「理念に共感した」「教育制度が充実している」と伝えるだけでは、ほかの応募先にも当てはまる内容になりやすいため、自分の看護観や将来像と結びつけましょう。
例文
私は、患者さん一人ひとりを尊重した看護を実践したいと考えており、患者さん中心の医療を大切にする貴院の理念に共感し、志望いたしました。また、新人看護師への段階的な研修や現場での教育体制が整っている点にも魅力を感じています。学生時代の実習では、患者さんによって必要な支援が異なることを学び、個別性を意識した看護の重要性を実感しました。入職後は研修や日々の業務を通して基礎的な知識・技術を着実に身につけ、患者さんの状況や思いに応じた看護を実践できる看護師を目指します。
理念や教育制度を志望理由にする際は、次のように自分との接点を示すことがポイントです。
応募先の特徴 | 志望動機へのつなげ方 |
|---|---|
病院の理念 | 自分が大切にしたい看護観と結びつける |
看護方針 | 実習で得た学びや目指す看護と関連づける |
新人研修 | 身につけたい知識・技術を具体的に示す |
教育・指導体制 | 将来目指す看護師像につなげる |
教育制度について触れる場合は、「教えてもらえるから」という受け身の印象にならないよう、自ら積極的に学ぶ姿勢も伝えましょう。
急性期看護に携わりたい新卒看護師の例文
急性期看護を志望する場合は、急性期に興味を持ったきっかけや、そこでどのような知識・技術を身につけたいのかを具体的に伝えます。実習で急性期の患者さんと関わった経験がある場合は、その経験を盛り込むことで志望理由に説得力を持たせられます。
例文
私は、患者さんの状態を的確に把握し、状況に応じて迅速な看護を提供できる看護師になりたいと考え、急性期医療に力を入れている貴院を志望いたしました。実習で急性期病棟を経験した際、看護師が患者さんのわずかな変化を捉え、多職種と連携しながら対応する姿を見て、観察力や判断力の重要性を学びました。入職後は基礎的な看護技術を確実に身につけるとともに、さまざまな症例を通して知識を深めたいと考えています。将来的には、患者さんの状態変化に適切に対応し、安全で質の高い看護を提供できる看護師を目指します。
急性期看護への志望動機では、以下の要素を盛り込むと内容を具体化できます。
- 急性期看護に興味を持ったきっかけ
- 実習などで印象に残った経験
- 急性期で身につけたい知識・技術
- 観察力や判断力など伸ばしたい能力
- 将来どのような看護師になりたいか
「さまざまな経験を積みたい」という理由だけではなく、その経験を患者さんへの看護にどう活かしたいのかまで伝えることが大切です。

転職・中途採用の看護師の志望動機の書き方と例文
転職・中途採用では、これまでの経験やスキルに加えて、転職理由と応募先を選んだ理由を一貫性のある内容で伝えることが大切です。ここでは、転職理由のタイプ別に書き方と例文を紹介します。
転職理由と志望動機に一貫性を持たせる方法
中途採用では、「なぜ前職を辞めるのか」と「なぜ応募先で働きたいのか」に一貫性を持たせることが重要です。転職理由と志望動機が結びついていないと、採用担当者から「同じ理由で早期に退職するのではないか」と懸念される可能性があります。
転職理由と志望動機は、以下の流れで整理すると一貫性を持たせやすくなります。
項目 | 盛り込む内容 |
|---|---|
これまでの経験 | 前職で担当した業務や身につけたスキル |
転職を考えた理由 | 今後実現したい看護やキャリア |
応募先を選んだ理由 | 転職の目的を実現できる応募先の特徴 |
入職後の目標 | 経験を活かした貢献や将来の目標 |
たとえば、「急性期病棟での経験から退院後の生活を支える看護に関心を持ったため、在宅医療に力を入れる病院へ転職したい」のように、これまでの経験から転職理由、応募理由へとつなげます。転職を「前職を辞めたい理由」だけで考えるのではなく、「次の職場で何を実現したいのか」という視点で整理しましょう。
キャリアアップを目的に転職する場合の例文
キャリアアップを目的とする場合は、身につけたい知識やスキル、将来目指している看護師像を具体的に伝えましょう。「成長できそうだから」という理由だけではなく、応募先の診療体制や教育制度などとキャリアプランを結びつけることがポイントです。
例文
私はこれまで内科病棟で勤務し、さまざまな疾患を抱える患者さんの看護に携わってきました。経験を重ねるなかで、より専門的な知識と技術を身につけ、患者さんの状態に応じた質の高い看護を提供したいと考えるようになりました。専門分野の研修や教育体制が整っている貴院であれば、これまでの経験を活かしながら専門性を高められると考え、志望いたしました。入職後は積極的に知識と技術を習得し、将来的には後輩の育成にも携われる看護師を目指します。
キャリアアップを志望理由にする場合は、以下の点を意識しましょう。
- これまで培ってきた経験やスキル
- 今後専門性を高めたい分野
- 応募先でなければならない理由
- 身につけた能力を患者さんや職場にどう還元するか
経験・スキルを活かして転職する場合の例文
経験・スキルを活かした転職では、前職で何を経験し、どのような能力を身につけたのかを具体的に示すことが重要です。さらに、その経験が応募先の業務でどのように役立つのかまで伝えましょう。
例文
私はこれまで急性期病棟で5年間勤務し、術前・術後の看護や患者さんの状態観察、緊急時の対応、多職種との連携などを経験してきました。日々の看護を通して、わずかな状態変化を捉える観察力と、状況に応じて優先順位を判断する力を培いました。これまでの経験を活かしながら、幅広い症例に対応できる環境でさらに看護の質を高めたいと考え、貴院を志望いたしました。入職後はこれまで培った観察力や対応力を活かし、患者さんに安全で適切な看護を提供するとともに、チーム医療にも積極的に貢献したいと考えています。
経験・スキルを整理する際は、以下のような項目から応募先で活かせるものを選びましょう。
- 経験した診療科や病棟
- 担当した患者さんや症例
- 身につけた看護技術
- 急変時などへの対応力
- 患者さんや家族とのコミュニケーション能力
- 多職種との連携・調整経験
- 後輩指導やリーダー業務の経験
働き方を見直して転職する場合の例文
勤務時間や夜勤などの働き方を見直すために転職する場合は、条件面だけを志望理由にしないことがポイントです。「夜勤が少ないから」「休みが多いから」だけでは、仕事内容への関心や入職意欲が伝わりにくくなる可能性があります。
なお、働き方に関する制度は病院によって整備状況が異なります。前掲の日本看護協会の調査では、看護職員の確保に向けた取り組みとして「日勤のみの勤務」を実施している病院は54.7%、「夜勤の回数や時間の選択」は44.1%、「短時間勤務」は39.3%でした。制度の有無や運用方法は応募先ごとに異なるため、募集要項や労働条件通知書で必ず確認しましょう。
例文
私はこれまで急性期病棟で勤務し、患者さんの状態変化に対応するための観察力や判断力を培ってきました。今後の働き方を考えるなかで、これまでの経験を活かしながら、一人ひとりの患者さんとより継続的に関われる環境で看護を実践したいと考えるようになりました。患者さんの生活を長期的に支える看護に力を入れている貴院の方針に魅力を感じ、志望いたしました。入職後はこれまで培った経験を活かし、患者さんやご家族との信頼関係を大切にしながら、長く貴院に貢献していきたいと考えています。
働き方を見直す場合は、以下のように前向きな目的へつなげるとよいでしょう。
転職のきっかけ | 志望動機で伝える内容 |
|---|---|
夜勤や勤務時間を見直したい | 長期的に働きながら質の高い看護を提供したい |
家庭との両立を図りたい | 継続して看護師として経験を積みたい |
急性期から働き方を変えたい | 患者さんと継続的に関われる看護を実践したい |
業務負担を見直したい | 経験を活かせる環境で長く貢献したい |
人間関係や待遇への不満が転職理由の場合の伝え方
人間関係や給与などの待遇面への不満が、転職のきっかけになることもあります。ただし、志望動機や面接で前職への不満をそのまま伝えると、採用担当者に「入職後も不満を理由に退職するのではないか」と受け取られる可能性があります。
そのため、ネガティブな転職理由は、次の職場で実現したいことに焦点を移して前向きに言い換えることが大切です。
本来の転職理由 | 前向きな伝え方の例 |
|---|---|
人間関係に悩んでいる | チームワークを大切にする環境で働きたい |
給与に不満がある | 経験やスキルを活かし、さらに成長できる環境で働きたい |
残業が多い | 長期的に働きながら看護の質を高めたい |
教育体制に不満がある | 継続的に知識・技術を学べる環境で成長したい |
事実と異なる理由に置き換える必要はありませんが、前職や同僚への批判は避け、「転職によって何を実現したいのか」に焦点を当てましょう。たとえば、人間関係が転職のきっかけであれば、「多職種やスタッフ同士の連携を大切にする環境で、チーム医療に貢献したい」と伝えられます。

既卒・ブランクがある看護師の志望動機の書き方と例文
既卒者やブランクがある看護師は、離職期間そのものを必要以上に気にするのではなく、就職・復職への意欲やこれまでの経験、今後の目標を具体的に伝えることが大切です。ここでは、状況別の書き方と例文を紹介します。
既卒から看護師として就職する場合の例文
看護師免許を取得してから就職までに期間が空いている場合は、卒業後すぐに就職しなかった理由だけでなく、現在は看護師として働く準備ができていることを伝えましょう。応募先を選んだ理由や入職後の目標を盛り込むことで、就職への意欲を具体的に示せます。
例文
看護師免許取得後は家庭の事情によりすぐに就職することができませんでしたが、現在は就業できる環境が整ったため、看護師として患者さんを支える仕事に携わりたいと考え、就職活動を始めました。学生時代の実習では、患者さんの不安や思いを丁寧に把握し、一人ひとりに合わせて関わることの大切さを学びました。新人への教育・研修体制が整い、患者さんに寄り添う看護を大切にしている貴院に魅力を感じ、志望いたしました。入職後は基礎から知識・技術を学び、患者さんに安心していただける看護師を目指します。
既卒者が志望動機を作成する際は、以下のポイントを意識しましょう。
- 卒業後すぐに就職しなかった理由を必要な範囲で簡潔に説明する
- 現在は就職できる状況であることを示す
- 実習や学生生活で得た学びを伝える
- 応募先を選んだ具体的な理由を盛り込む
- 入職後に積極的に学ぶ姿勢を示す
既卒であることを過度に弁明するのではなく、「これからどのように働きたいのか」に重点を置くことが大切です。
育児などのブランクから復職する場合の例文
育児や介護などを理由に看護師としての仕事から離れていた場合は、離職理由を簡潔に説明したうえで、復職への意欲やこれまでの経験を伝えましょう。ブランクによる知識・技術への不安がある場合は、研修や自己学習を通して補う姿勢を示すことも重要です。
例文
私は以前、内科病棟で5年間勤務し、患者さんの状態観察や日常生活の援助、退院支援などに携わってきました。その後、育児に専念するため離職しましたが、現在は仕事と家庭を両立できる環境が整い、これまでの経験を活かして再び看護師として働きたいと考えています。復職支援や研修制度が整っている貴院で知識・技術を改めて確認しながら、患者さんに安心していただける看護を実践したいと考え、志望いたしました。入職後は積極的に学び直し、これまで培った経験を活かして貴院に貢献していきたいと考えています。
ブランクからの復職では、以下のような内容を整理しておくと志望動機を作成しやすくなります。
盛り込む内容 | 伝え方のポイント |
|---|---|
離職前の経験 | 診療科や担当業務、身につけたスキルを具体的に示す |
離職理由 | 育児・介護などの理由を簡潔に説明する |
現在の状況 | 復職できる環境が整っていることを伝える |
ブランクへの対応 | 研修や自己学習など、学び直す姿勢を示す |
入職後の目標 | 経験をどう活かして貢献するかを伝える |
ブランクを隠すのではなく、復職に向けてどのような準備をしているのかを伝えることで、仕事への前向きな姿勢を示せます。
離職期間を前向きな志望動機につなげる方法
離職期間がある場合、その理由の説明だけに多くの文章を使うと、志望動機全体が後ろ向きな印象になりかねません。離職した理由は簡潔に説明し、その期間に得た経験や復職に向けた取り組み、今後実現したいことに重点を置きましょう。
離職期間中の経験も、内容によっては以下のように志望動機につなげられます。
- 育児を通じて相手の変化に気づく力や対応力を培った
- 家族の介護を通じて患者さんや家族を支える重要性を実感した
- 看護に関する書籍や研修などで知識を学び直した
- 復職支援研修などに参加して看護技術を確認した
- 離職期間を通じて今後のキャリアや看護観を見直した
ただし、離職期間中の経験を無理に看護スキルと結びつける必要はありません。事実に基づいて、自分が学んだことや復職に向けて取り組んだことを伝えましょう。「離職した理由→離職期間中の経験・準備→復職を決めた理由→応募先を選んだ理由→入職後の目標」という流れで整理すると、一貫性のある志望動機になります。

応募先別に見る看護師の志望動機の書き方と例文
看護師の仕事内容や求められる役割は、急性期病院やクリニック、介護施設など応募先によって異なります。ここでは、就業先の分布を確認したうえで、応募先別の書き方と例文を紹介します。
看護師の就業場所別の割合から見る応募先の選び方
看護師の就業先は病院だけではありません。厚生労働省の「令和6年(2024年)衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、2024年末現在の就業看護師数は1,363,142人です。就業場所別の内訳は、病院が895,944人(65.7%)で最も多く、次いで診療所が194,665人(14.3%)、介護保険施設等が107,984人(7.9%)、訪問看護ステーションが91,022人(6.7%)となっています。
病院以外で働く看護師が全体の3割程度を占めており、応募先の種類によって求められる役割や働き方は異なります。志望動機を作成する際は、応募先がどの類型に当たるのかを踏まえ、そこで必要とされる視点に合わせて内容を組み立てましょう。
急性期病院を志望する場合の例文
急性期病院では、患者さんの状態が短期間で変化することもあるため、観察力や判断力、迅速な対応力などが求められます。志望動機では、急性期看護に興味を持ったきっかけに加えて、身につけたい能力や将来の目標を具体的に伝えましょう。
例文
私は、患者さんの状態変化を的確に捉え、状況に応じて適切な看護を提供できる看護師を目指しています。看護実習で急性期病棟を経験した際、看護師が患者さんの小さな変化を捉え、多職種と連携しながら迅速に対応する姿を見て、急性期看護に関心を持ちました。急性期医療に力を入れ、幅広い症例に対応している貴院で知識と技術を身につけたいと考え、志望いたしました。入職後は観察力や判断力を高め、患者さんに対して安全で質の高い看護を提供できるよう努めます。
急性期病院の志望動機では、以下の要素を盛り込むと具体性を高められます。
- 急性期看護に興味を持ったきっかけ
- 実習や前職での急性期看護の経験
- 観察力や判断力など身につけたい能力
- 応募先の診療体制や教育体制に魅力を感じた理由
- 急性期看護を通じて目指したい看護師像
慢性期・療養型病院を志望する場合の例文
慢性期・療養型病院では、長期的な療養が必要な患者さんと継続的に関わり、生活の質(QOL)にも配慮した看護を行います。そのため志望動機では、一人ひとりの患者さんとじっくり向き合いたいという思いや、長期的な支援への関心を伝えるとよいでしょう。
例文
私は、患者さん一人ひとりと継続的に関わり、その方らしい療養生活を支えられる看護師になりたいと考えています。これまでの看護経験を通して、治療だけでなく患者さんの日常生活や気持ちに寄り添うことの大切さを実感しました。長期療養を必要とする患者さんへの個別性を重視した看護に取り組む貴院の方針に共感し、志望いたしました。入職後は患者さんの小さな変化を丁寧に捉えるとともに、ご家族や多職種とも連携し、安心して療養生活を送れるよう支援したいと考えています。
慢性期・療養型病院では、以下のようなポイントを志望動機に盛り込めます。
- 患者さんと継続的に関わりたいという思い
- 日常生活を支える看護への関心
- 患者さんや家族とのコミュニケーションを大切にする姿勢
- 小さな状態変化を捉える観察力
- 多職種と連携して長期的に支援する意欲
クリニックを志望する場合の例文
クリニックでは、診療補助や採血、点滴、患者さんへの説明など、限られたスタッフで幅広い業務を担当することがあります。また、地域のかかりつけ医として継続的に患者さんと関わるクリニックも多いため、柔軟な対応力やコミュニケーション能力もアピール材料になります。
例文
私はこれまで内科病棟で勤務し、患者さんの状態観察や採血、点滴、服薬に関する支援などに携わってきました。今後はこれまでの経験を活かしながら、地域の患者さんと継続的に関わり、身近な立場から健康を支える看護を実践したいと考えています。地域に根ざした診療を大切にしている貴院の方針に魅力を感じ、志望いたしました。入職後は、これまで培った看護技術やコミュニケーション能力を活かし、患者さんが安心して受診できる環境づくりにも貢献したいと考えています。
クリニックを志望する場合は、応募先の診療科や業務内容を確認し、次のような強みと結びつけるとよいでしょう。
応募先の特徴 | アピールにつなげやすい内容 |
|---|---|
地域密着型 | 患者さんと継続的に関わる姿勢 |
少人数の職場 | 協調性や柔軟な対応力 |
幅広い看護業務 | 病棟などで培った看護技術 |
特定の診療科 | 関連する経験や専門分野への関心 |
介護施設・訪問看護を志望する場合の例文
介護施設や訪問看護では、利用者さんの生活を支える視点が重要です。病院とは異なり、利用者さんの生活に密接に関わるため、日常生活を含めて長期的に支援したいという思いや、多職種・家族と連携する姿勢を志望動機に盛り込むとよいでしょう。
例文
私は病棟で患者さんの退院支援に携わるなかで、退院後も住み慣れた環境で安心して生活を続けるための支援が重要だと実感しました。その経験から、利用者さんの生活により近い立場で看護を提供したいと考えるようになりました。一人ひとりの生活や希望を尊重した支援を大切にしている貴施設の方針に共感し、志望いたしました。入職後は病棟で培った観察力やコミュニケーション能力を活かし、ご家族や介護職などとも連携しながら、利用者さんが安心して生活できるよう支援したいと考えています。
介護施設・訪問看護の志望動機には、以下の内容を盛り込むと具体性が高まります。
- 利用者さんの生活を支える看護への関心
- 退院支援や在宅療養支援に関わった経験
- 利用者さんや家族との信頼関係を築く姿勢
- 介護職やリハビリ職など多職種との連携経験
- 病棟で身につけた観察力や判断力
- 地域や在宅で長期的な支援に携わりたいという目標
なお、介護施設と訪問看護では看護師の役割や働き方が異なるため、実際に志望動機を作成する際は応募先の業務内容に合わせて調整しましょう。
大学病院・総合病院を志望する場合の例文
大学病院や総合病院では、複数の診療科を備え、高度・専門的な医療やチーム医療を提供している場合があります。志望動機では、専門性を高めたい分野や幅広い症例を経験したい理由を明確にし、応募先の医療体制や教育環境と結びつけることが大切です。
例文
私は、幅広い疾患や症例に対応できる知識と技術を身につけ、患者さんの状態に応じて適切な看護を実践できる看護師を目指しています。実習を通して、さまざまな職種が専門性を活かしながら患者さんを支えるチーム医療の重要性を学びました。幅広い診療科を備え、高度な医療と看護を提供している貴院で経験を積みたいと考え、志望いたしました。入職後は教育・研修の機会も活用しながら知識と技術を高め、多職種と積極的に連携して、患者さんに質の高い看護を提供できる看護師を目指します。
大学病院・総合病院を志望する場合は、以下のポイントから応募先との接点を見つけましょう。
確認するポイント | 志望動機へのつなげ方 |
|---|---|
診療科・症例 | 経験したい分野や高めたい専門性を伝える |
高度・専門医療 | 新しい知識や技術を学ぶ意欲を示す |
教育・研修制度 | 将来のキャリアプランと結びつける |
チーム医療 | 多職種と連携して患者さんを支える姿勢を示す |
病院の役割・特徴 | その病院を選んだ具体的な理由につなげる |
単に「大きな病院だから」「多くの症例を経験できるから」とするのではなく、そこで得た経験をどのような看護につなげたいのかまで示すことで、志望動機に説得力を持たせられます。

看護師を目指す人の志望理由の考え方と例文
看護師を目指す理由は、きっかけとなった経験やそこから得た気づきまで具体的に伝えることが大切です。ここでは、志望理由の考え方と、高校生・看護学生などの立場別の例文を紹介します。
「なぜ看護師になりたいのか」を言語化する方法
看護師になりたい理由がうまく思いつかない場合は、最初から文章にしようとせず、興味を持ったきっかけや印象に残っている経験を整理してみましょう。「いつ・どのような場面で看護師に興味を持ったのか」「その経験から何を感じたのか」と順に掘り下げると言語化しやすくなります。
志望理由は、以下の流れで整理すると考えをまとめやすくなります。
順番 | 考える内容 |
|---|---|
きっかけ | 看護師や医療に興味を持った出来事 |
感じたこと | その経験で印象に残ったことや感情 |
気づき・学び | 看護師の役割について考えたこと |
志望理由 | なぜ自分も看護師になりたいと思ったのか |
将来像 | どのような看護師になりたいのか |
たとえば「家族の入院」がきっかけでも、看護師のどのような対応が印象に残ったのかによって志望理由は変わります。この流れで掘り下げることで、ありきたりな表現にとどまらない志望理由を作成できます。
高校生が看護師を目指す理由を書く場合の例文
高校生が看護学校や看護学部を受験する際は、豊富な医療経験や専門知識をアピールする必要はありません。看護師に興味を持ったきっかけや学校生活などで得た経験をもとに、自分がなぜ看護師になりたいのかを素直かつ具体的に伝えることが大切です。
例文
私は、人の不安に寄り添い、安心を与えられる看護師になりたいと考えています。高校で参加した職業体験で病院を訪れた際、看護師の方が患者さんの表情や様子を確認しながら丁寧に声をかけている姿が印象に残りました。その経験から、看護師は治療を支えるだけでなく、患者さんの不安な気持ちにも寄り添う仕事だと知り、関心を持つようになりました。進学後は看護に必要な知識と技術を積極的に学び、患者さん一人ひとりの気持ちを尊重して行動できる看護師を目指したいと考えています。
高校生が志望理由を書く場合は、以下の内容を盛り込むとまとめやすくなります。
- 看護師に興味を持った具体的なきっかけ
- 学校生活や職業体験などで印象に残った経験
- 経験を通じて感じた看護師の魅力
- 看護について学びたいという意欲
- 将来どのような看護師になりたいか
大学生・看護学生が志望理由を書く場合の例文
大学生・看護学生の場合は、授業や看護実習などで学んだことを志望理由に活かせます。特に実習経験を盛り込む場合は、患者さんとの関わりから得た気づきや、自分の看護観がどのように形成されたのかを具体的に伝えることがポイントです。
例文
私は、患者さんの身体的な状態だけでなく、不安や希望にも目を向け、一人ひとりに適した支援ができる看護師を目指しています。看護実習では、治療への不安を抱える患者さんと関わり、日々の会話を通して思いを丁寧に聞くことを心がけました。その経験から、患者さんが安心して治療に臨むためには、身体面へのケアだけでなく、気持ちを理解して支えることも重要だと学びました。今後は実習で得た学びを活かしながら知識と技術をさらに身につけ、患者さんから信頼される看護師になりたいと考えています。
大学生・看護学生は、次のような経験を振り返ると志望理由を具体化できます。
- 講義や演習で関心を持った看護分野
- 看護実習で患者さんと関わった経験
- 実習中に難しいと感じ、工夫したこと
- 看護師や多職種の働き方から学んだこと
- 学習や実習を通して形成された看護観
単に「実習でやりがいを感じた」とまとめるのではなく、どのような場面で何を学び、それが目指す看護師像にどうつながったのかまで説明しましょう。
家族の病気や看護体験をきっかけにする場合の注意点
家族の病気や入院、自分自身が看護を受けた経験は、看護師を目指すきっかけとして志望理由に盛り込めます。ただし、「家族が入院したときに看護師が優しかったから」といった内容だけでは、なぜ自分が看護師を目指すのかが十分に伝わらない可能性があります。
看護体験を志望理由にする場合は、以下の点を意識しましょう。
- 病気の詳細ではなく、看護師との関わりを中心に伝える
- 看護師のどのような行動や言葉が印象に残ったのかを示す
- その経験から看護について何を感じたのかを説明する
- 「憧れ」だけでなく、看護師の役割への理解につなげる
- 経験を将来の看護師像に結びつける
たとえば、家族の入院時に看護師が本人だけでなく家族にも丁寧に説明してくれた経験がある場合、「患者さんと家族の双方を支えられる看護師になりたい」とつなげられます。一方で、家族の病名や治療内容などを必要以上に詳しく書く必要はありません。

履歴書に書く看護師の志望動機のポイント
履歴書の志望動機は、限られたスペースのなかで応募理由や経験・強み、入職後の目標を簡潔に伝える必要があります。ここでは、履歴書に書く際のまとめ方と注意点を解説します。
履歴書の限られたスペースにまとめる方法
履歴書の志望動機欄はスペースが限られているため、伝えたい内容をすべて盛り込むのではなく、情報を絞り込みましょう。基本的には「応募先を選んだ理由」「活かせる経験・強み」「入職後の貢献・目標」の3つを軸にすると簡潔にまとまります。
履歴書に盛り込みたい内容
- 応募先のどのような点に魅力を感じたのか
- これまでに経験した診療科や業務
- 応募先で活かせる知識・看護技術
- 自分の強みや看護に対する考え方
- 入職後に取り組みたいことや目標
1つの要素を詳しく説明しすぎると、ほかの重要な情報を記載できなくなります。具体的なエピソードの詳細は面接で説明することを想定し、履歴書では結論と要点を中心にまとめましょう。
履歴書で読みやすい志望動機の文字数と構成
志望動機の適切な文字数は履歴書の記入欄によって異なるため、文字数だけで判断するのではなく、記入欄とのバランスを意識することが大切です。空白が目立つほど短くしたり、小さな文字で欄いっぱいに詰め込んだりせず、採用担当者が読みやすい分量に調整しましょう。
志望動機は、以下のような構成にすると簡潔にまとめられます。
構成 | 記載する内容 |
|---|---|
志望理由 | 応募先を選んだ理由を簡潔に伝える |
経験・強み | 応募先で活かせる経験や能力を示す |
入職後 | 経験をどう活かし、貢献したいかを伝える |
たとえば、「貴院の〇〇という看護方針に共感し、志望いたしました」と結論から書き、続けてこれまでの経験や強みを説明します。最後に入職後の目標を示せば、短い文章でも志望理由から将来像まで一貫して伝えられます。
応募先ごとに志望動機を書き分けるポイント
複数の病院や施設へ応募する場合でも、同じ志望動機をそのまま使い回すことは避けましょう。病院・施設によって理念や診療科、看護方針、求める人物像などが異なるため、応募先ごとに内容を調整することが重要です。
確認すべき項目は、前述の「「なぜこの病院なのか」を理念・特徴と結びつける方法」で挙げた理念・看護方針・診療科・教育制度・地域での役割の5点が基本になります。応募先のWebサイトに掲載されている文章をそのまま使うのではなく、「なぜその特徴に魅力を感じたのか」まで掘り下げましょう。自分の経験や目標との接点を示すことで、その応募先を選んだ理由が明確になります。
履歴書の志望動機を面接につなげる方法
履歴書の志望動機は書類選考だけでなく、面接で質問を深掘りする際の材料として使われることがあります。そのため、面接で詳しく説明できる具体的な経験や目標を盛り込んでおきましょう。
面接で質問されることを想定して、以下の内容を整理しておくと安心です。
- 応募先の理念や看護方針に共感した理由
- 志望動機に記載した経験の具体的なエピソード
- 自分の強みを発揮した具体的な場面
- 転職・就職によって実現したいこと
- 入職後に目指している看護師像
たとえば、履歴書に「患者さんに寄り添う看護を大切にしています」と書いた場合は、そう考えるようになった経験を面接で具体的に説明できるようにしておきます。履歴書と面接の関係については、次章で詳しく解説します。

面接で伝える看護師の志望動機のポイント
看護師の採用面接では、履歴書に記載した志望動機をもとに、応募理由や仕事への意欲、経験・強みなどを詳しく確認されることがあります。ここでは、面接で伝える際の考え方と回答の組み立て方を解説します。
履歴書と面接の志望動機に一貫性を持たせるコツ
面接で伝える志望動機は、履歴書に書いた内容と基本的な方向性をそろえることが重要です。履歴書と面接で異なる志望理由を伝えると、採用担当者に「本当の志望理由は何なのか」と疑問を持たれる可能性があります。
一貫性を持たせるため、面接前に以下の項目を確認しておきましょう。
- 応募先を選んだ理由
- 看護師として大切にしていること
- これまでの経験や自分の強み
- 応募先で経験・強みをどう活かしたいか
- 入職後に目指している看護師像
ただし、履歴書の文章をそのまま暗記して読み上げる必要はありません。履歴書では要点を簡潔に記載し、面接では具体的な経験やエピソードを補足する形で回答しましょう。「履歴書に書いた内容+具体的なエピソード」という形で準備しておくと、一貫性を保ちながら自分の考えを自然に伝えられます。
面接で志望動機を簡潔に伝える回答方法
面接で志望動機を聞かれた際は、伝えたい内容を詰め込みすぎず、結論から簡潔に回答することがポイントです。最初に応募先を志望した理由を示し、その根拠となる経験や応募先の特徴、入職後の目標へとつなげると、採用担当者が内容を理解しやすくなります。
回答は、以下の順番で組み立てると整理しやすくなります。
順番 | 伝える内容 |
|---|---|
1. 結論 | 応募先を志望した理由 |
2. 根拠 | 志望理由につながった経験や考え |
3. 応募先との接点 | 理念・看護方針・診療内容などに魅力を感じた理由 |
4. 入職後 | 経験をどう活かし、貢献したいか |
たとえば、「患者さんに寄り添う看護を実践したいと考え、貴院を志望しました」と最初に結論を伝え、その後にそう考えるようになった経験や応募先を選んだ理由を説明します。文章を丸暗記するのではなく、伝える要点を整理しておくと、自分の言葉で回答しやすくなります。
志望動機を深掘りされたときの答え方
面接では、志望動機を答えたあとに「なぜそう思ったのですか」「具体的な経験を教えてください」など、内容を深掘りされることがあります。これは応募者の考え方や経験、志望度などを詳しく確認するためです。
志望動機から想定される質問と、回答で意識したい内容
想定される質問 | 回答に盛り込む内容 |
|---|---|
なぜ当院を選んだのですか? | 応募先ならではの特徴と自分の経験・目標との接点 |
なぜその看護をしたいのですか? | きっかけとなった具体的な経験 |
あなたの強みはどう活かせますか? | 強みを発揮した経験と入職後の活かし方 |
入職後に何を学びたいですか? | 身につけたい知識・技術と将来像 |
将来どのような看護師になりたいですか? | 応募先での経験につながるキャリアプラン |
深掘りされた際は、履歴書や最初の回答と異なる内容を付け加えるのではなく、すでに伝えた内容を具体的に説明することが大切です。「結論→具体的な経験→そこから得た学び→入職後へのつながり」の順番を意識すると、質問が変わっても回答を組み立てやすくなります。

看護師の志望動機で避けたいNG例と改善方法
看護師の志望動機では、応募先への理解や仕事への意欲が伝わる内容にすることが大切です。ここでは、よくあるNG例とその改善方法を紹介します。
「理念に共感しました」だけで終わる志望動機
病院・施設の理念への共感は志望理由の1つになりますが、「貴院の理念に共感したため志望しました」だけでは、なぜ共感したのかが採用担当者に伝わりません。応募先のWebサイトに書かれている理念をそのまま引用するだけでは、志望動機として具体性に欠けてしまいます。
改善する際は、以下の内容を組み合わせましょう。
- 理念のどの部分に共感したのか
- 共感するようになった具体的な経験
- 自分が大切にしている看護観
- 応募先でどのような看護を実践したいのか
- 入職後にどのように貢献したいのか
NG例
患者さんに寄り添うという貴院の理念に共感し、志望いたしました。
改善例
看護実習を通して、患者さんの不安や希望を丁寧に把握し、一人ひとりに合わせて関わることの大切さを学びました。その経験から、患者さんに寄り添うことを大切にする貴院の理念に共感し、志望いたしました。入職後は患者さんとの信頼関係を大切にし、安心して治療に臨めるよう支援できる看護師を目指します。
理念と自分の経験・看護観を結びつけることで、「なぜその理念に共感したのか」が明確になります。
給料・休日・通勤距離だけを理由にした志望動機
給与や休日、通勤距離などの条件は、応募先を選ぶうえで重要な要素です。しかし、条件面だけを志望動機として伝えると、採用担当者に仕事内容への関心や入職意欲が伝わりにくくなります。
待遇や働きやすさに魅力を感じた場合でも、以下のような仕事に関する理由と組み合わせましょう。
条件面で魅力を感じた点 | 志望動機で加えたい内容 |
|---|---|
休日・勤務時間 | 長期的に働きながら質の高い看護を提供したい |
通勤しやすさ | 地域に根ざして長く働きたい |
福利厚生 | 安定して勤務しながら経験を積みたい |
勤務形態 | 希望する働き方と看護を両立したい |
NG例
自宅から近く、休日が多いため志望いたしました。
改善例
これまでの病棟経験を活かしながら、地域の患者さんと継続的に関われる看護を実践したいと考えています。地域に根ざした医療を提供する貴院の方針に魅力を感じるとともに、長期的に勤務できる環境で経験を積みたいと考え、志望いたしました。
条件面を完全に隠す必要はありませんが、それだけを志望理由にせず、「どのような看護をしたいのか」「応募先でどう貢献したいのか」を中心に伝えることが大切です。
前職や職場への不満を中心にした志望動機
転職の場合、人間関係や給与、勤務時間、業務量などへの不満が転職のきっかけになることもあります。しかし、志望動機で前職への不満や批判を中心にすると、採用担当者にネガティブな印象を与える可能性があります。前向きな言い換え方は、前述の「人間関係や待遇への不満が転職理由の場合の伝え方」で整理したとおりです。
NG例
前職は人間関係が悪く、職場の雰囲気も自分に合わなかったため転職を決めました。
改善例
これまでの経験を活かしながら、多職種やスタッフ同士の連携を大切にする環境で、患者さんをチームで支える看護に取り組みたいと考えています。チーム医療を重視する貴院の方針に魅力を感じ、志望いたしました。
事実と異なる理由を作る必要はありませんが、前職を否定するのではなく、転職によって実現したいことを中心に説明しましょう。
どの病院にも当てはまる志望動機
「患者さんに寄り添いたい」「スキルアップしたい」「地域医療に貢献したい」といった表現だけでは、ほかの病院・施設にも当てはまるため、「なぜ当院なのか」が伝わりにくくなります。
応募先ならではの情報として、以下のポイントを調べて志望動機に盛り込みましょう。
- 病院・施設の理念や看護方針
- 診療科や得意とする医療分野
- 急性期・慢性期などの医療機能
- 教育・研修制度
- 地域医療における役割
- 看護体制や取り組み
NG例
患者さんに寄り添った看護を行い、看護師として成長したいと考え、志望いたしました。
改善例
急性期病棟での実習を通して、患者さんの状態変化を的確に把握し、迅速に対応する看護の重要性を学びました。急性期医療に力を入れ、新人看護師への段階的な教育体制を整えている貴院で知識と技術を高めたいと考え、志望いたしました。入職後は観察力や判断力を磨き、安全な看護を提供できる看護師を目指します。
例文をそのままコピーした志望動機
Webサイトや書籍に掲載されている例文は、志望動機の構成や表現を考える際の参考になります。しかし、そのままコピーすると、自分自身の経験や考えが反映されず、内容が抽象的になりやすいため注意が必要です。
例文を参考にする場合は、以下の部分を自分の内容に置き換えましょう。
例文の要素 | 自分で考える内容 |
|---|---|
看護師を目指した理由 | 自分が看護師を目指したきっかけや経験 |
応募理由 | 応募先ならではの特徴 |
経験・エピソード | 実習や前職で実際に経験したこと |
強み | 自分が身につけた能力や得意なこと |
将来像 | 入職後に実現したい看護やキャリア |
特に、実際には経験していないエピソードや、応募先には存在しない制度・特徴を記載することは避けましょう。面接で詳しく質問された場合にも自分の言葉で説明できるよう、事実に基づいた経験や考えを盛り込むことが重要です。

看護師の志望動機を完成させるチェックポイント
志望動機を書き終えたら、内容が具体的に伝わるか、ほかの応募書類と矛盾がないかを確認しましょう。ここでは、提出前に確認したい4つの観点を紹介します。
応募先ならではの志望理由が含まれているか
志望動機を完成させる際は、「なぜほかの病院・施設ではなく、この応募先なのか」が伝わる内容になっているか確認しましょう。「理念に共感した」「スキルアップしたい」といった理由だけでは、ほかの応募先にも当てはまる可能性があります。
以下の項目を確認すると、応募先ならではの志望理由になっているか判断できます。
- 病院・施設の理念や看護方針に具体的に触れているか
- 診療科や医療体制などの特徴を把握しているか
- 教育・研修制度と自分の目標を結びつけているか
- 応募先の特徴と自分の看護観に共通点があるか
- 「なぜここで働きたいのか」を自分の言葉で説明できるか
志望動機を読み返し、病院・施設名を別の応募先に変更しても文章が成立する場合は、内容が抽象的な可能性があります。応募先ならではの特徴を盛り込み、志望度が伝わる内容に修正しましょう。
自分の経験・強みを具体的に伝えられているか
「コミュニケーション能力がある」「責任感が強い」といった表現だけでは、その強みを裏付ける根拠が採用担当者に伝わりにくくなります。志望動機では、実習や実務などの具体的な経験と結びつけて、自分の強みを示すことがポイントです。
経験・強みについては、以下の流れで確認すると整理しやすくなります。
確認する項目 | 内容 |
|---|---|
経験 | 実習や前職でどのような経験をしたか |
行動 | その場面でどのように考え、行動したか |
強み | 経験からどのような能力を身につけたか |
活かし方 | 応募先でその強みをどう活かすか |
たとえば、「患者さんとのコミュニケーションが得意です」とするだけではなく、「患者さんの話を丁寧に聞くことを心がけ、信頼関係を築いてきた」といった経験を加えると、強みの根拠を示せます。
入職後にどう貢献したいかが明確になっているか
志望動機では、応募先で学びたいことだけでなく、入職後にどのように貢献したいのかを示すことも大切です。「研修を受けたい」「専門的な知識を身につけたい」といった自分の希望だけでは、入職後にどのように活躍できるのかが十分に伝わらない可能性があります。
入職後の貢献としては、以下のような内容を盛り込めます。
- これまでの看護経験や技術を業務に活かす
- 患者さんや家族との信頼関係を大切にする
- 多職種との連携やチーム医療に積極的に取り組む
- 新しい知識や技術を学び、看護の質を高める
- 経験を積み、将来的に後輩指導や人材育成に携わる
新卒の場合は、即戦力としての貢献を無理にアピールする必要はありません。積極的に学ぶ姿勢や、身につけた知識・技術を患者さんへの看護に活かしたいという意欲を示すとよいでしょう。
履歴書・面接・転職理由に矛盾がないか
志望動機を完成させる前に、履歴書に記載した内容や面接で伝える予定の内容、転職理由との間に矛盾がないか確認しましょう。特に中途採用では、「なぜ転職するのか」と「なぜ応募先を選んだのか」のつながりが重要です。
提出・面接前には、以下の項目を確認しておくとよいでしょう。
- 履歴書と面接で志望理由の方向性が一致しているか
- 転職理由と応募先を選んだ理由につながりがあるか
- 経歴や経験年数などの事実に相違がないか
- 入職後の目標と応募先の仕事内容が合っているか
- 深掘りされても自分の言葉で説明できる内容になっているか
たとえば、転職理由として「専門性を高めたい」と伝えているにもかかわらず、志望動機では待遇面だけを強調すると、一貫性に欠ける印象を与える可能性があります。すべてを同じ文章にする必要はありませんが、伝え方を変えながら内容の軸をそろえることが大切です。

まとめ
看護師の志望動機では、「なぜ看護師を目指したのか」「なぜその病院・施設を選んだのか」「入職後にどのように貢献したいのか」を、自分の経験にもとづいて具体的に伝えることが基本です。採用担当者は、働く意欲や価値観に加えて、経験・強みの活かし方や応募先とのミスマッチの有無を確認しています。
看護師が働く場は病院だけでなく、診療所や介護保険施設等、訪問看護ステーションなど多岐にわたり、求められる役割も応募先によって異なります。だからこそ、応募先の理念や看護方針、診療科、教育制度、地域での役割を調べ、自分の看護観や目標との接点を示すことが欠かせません。
新卒であれば実習で得た学びと成長意欲を、転職であれば経験と転職理由の一貫性を、既卒・ブランクがある場合は復職への準備と今後の目標を、それぞれ軸に据えると内容がまとまります。一方で、理念への共感だけで終わる、条件面だけを挙げる、前職への不満を中心にする、例文をそのまま使うといった書き方は避けましょう。
履歴書では要点を簡潔に、面接では具体的なエピソードを補足し、両者の軸をそろえることが大切です。書き終えたら、応募先ならではの理由が含まれているか、強みの根拠が示せているかを読み返し、自分の言葉で説明できる状態に整えてから提出しましょう。
よくある質問
Q.看護師の志望動機は何文字くらいが適切?
看護師の志望動機に一律の文字数制限はなく、応募書類の形式や記入欄の大きさによって適切な分量は異なります。履歴書の場合は、用意された志望動機欄に読みやすく収まる分量を意識しましょう。
文字数よりも、以下の内容を過不足なく盛り込めているかが重要です。
- 応募先を選んだ理由
- 志望理由につながる経験
- 自分の強みや活かせるスキル
- 入職後に取り組みたいことや貢献
記入欄に対して文章が短すぎると志望度が伝わりにくくなる一方、細かな文字で詰め込みすぎると読みづらくなります。指定文字数がある場合はその範囲に従い、指定がない場合は記入欄とのバランスを見ながら調整しましょう。
Q.志望動機が思いつかないときはどうすればいい?
志望動機が思いつかない場合は、いきなり完成した文章を書こうとせず、「看護師を目指した理由」「応募先を選んだ理由」「自分の経験・強み」をそれぞれ分けて整理してみましょう。
たとえば、以下の質問に答えていくと志望動機の材料を見つけやすくなります。
- なぜ看護師になろうと思ったのか
- 看護で大切にしたいことは何か
- 実習や仕事で印象に残っている経験は何か
- 自分の強みを発揮した経験はあるか
- なぜこの病院・施設に興味を持ったのか
- 入職後にどのような看護をしたいのか
次に、応募先の理念や看護方針、診療科、教育制度などを調べ、自分の経験や目標との共通点を探します。最後に「自分の経験・考え→応募先に魅力を感じた理由→入職後の目標」という流れでつなげると、自分らしい志望動機を作成しやすくなります。
Q.看護師になりたい理由はどのように伝える?
看護師になりたい理由を伝える際は、「人の役に立ちたい」「患者さんを支えたい」といった抽象的な表現だけで終わらせず、そう考えるようになった具体的なきっかけを示すことが大切です。整理の手順は、前述の「「なぜ看護師になりたいのか」を言語化する方法」で示した「きっかけ→気づき→志望理由→将来像」の流れが基本になります。
たとえば、家族の入院がきっかけであれば、病気の詳細を説明するのではなく、「看護師のどのような関わりが印象に残ったのか」「その経験から看護について何を感じたのか」を中心に伝えます。具体的な経験と目指す看護師像を結びつけることで、自分自身の考えが伝わる志望理由になります。
Q. 履歴書と面接で同じ志望動機を伝えても大丈夫?
履歴書と面接の志望動機は、基本的な内容が同じでも問題ありません。むしろ、応募先を選んだ理由や目指す看護師像など、志望動機の軸を一致させることが大切です。ただし、面接で履歴書に書いた文章をそのまま暗記して読み上げる必要はありません。
履歴書 | 面接 |
|---|---|
志望理由の要点を簡潔にまとめる | 志望理由を自分の言葉で説明する |
経験・強みを短く記載する | 具体的なエピソードを補足する |
入職後の目標を示す | 目標を持った理由まで説明する |
履歴書は志望動機の「要約」、面接はその内容を詳しく説明する場と考えると整理しやすくなります。面接前には履歴書に記載した内容を読み返し、質問された場合に答えられるよう準備しておきましょう。
Q.転職理由と志望動機は同じ内容でも問題ない?
転職理由と志望動機は関連していますが、まったく同じ内容ではありません。転職理由は「なぜ現職・前職から環境を変えたいのか」、志望動機は「なぜその応募先で働きたいのか」を伝えるものです。
両者の違いを整理すると、以下のようになります。
項目 | 主に伝える内容 |
|---|---|
転職理由 | 転職を考えたきっかけや今後実現したいこと |
志望動機 | 応募先を選んだ理由や入職後の目標 |
たとえば、転職理由が「急性期病棟での経験から、退院後の生活まで支える看護に携わりたいと考えた」であれば、志望動機では「在宅復帰支援に力を入れる貴院で経験を活かしたい」とつなげられます。両者を同一にするのではなく、一貫したストーリーとしてつなげることが重要です。
Q.看護師の志望動機で待遇や福利厚生に触れてもいい?
給与や休日、福利厚生、勤務時間などに魅力を感じること自体は問題ありません。ただし、待遇面だけを志望理由にすると、仕事内容よりも条件を優先している印象を与える可能性があります。
なお、給与水準の目安として、日本看護協会の「2025年(令和7年)病院看護実態調査」結果では、新卒看護師の初任給の平均は高卒・3年課程卒で216,416円、大卒で221,883円、勤続10年の看護師では254,286円と報告されています。これは全国の病院を対象とした調査の平均値であり、実際の金額は施設・地域・勤務形態によって異なります。応募先の給与や勤務条件は、必ず募集要項や労働条件通知書で確認してください。
待遇面に触れる場合は、以下のように仕事への意欲と組み合わせることがポイントです。
- 安定した環境で長期的に勤務したい
- 仕事と生活を両立しながら看護師として経験を積みたい
- 働きやすい環境で継続的に知識・技術を高めたい
- 長く勤務しながら患者さんや組織に貢献したい
たとえば、「休日が多いから志望した」ではなく、「長期的に勤務できる環境で経験を積み、患者さんに継続して質の高い看護を提供したい」といった形で伝えます。待遇や福利厚生は応募先を選ぶ要素の1つとして扱い、看護方針や仕事内容への関心、これまでの経験、入職後の目標などを志望理由の中心にするとよいでしょう。
[メディルン]編集部
この記事の執筆者情報です
医療福祉業界に特化した情報を発信するオウンドメディア。
医療福祉に関する制度、転職・キャリアに役立つトピック、スキルアップのヒントなど、幅広いテーマを取り上げ、誰にとっても読みやすいメディア運営を目指しています。
転職活動のヒントや資格取得、スキル向上に役立つ知識まで、専門性と信頼性の高いコンテンツを目指して日々更新中です。



.webp&w=3840&q=75)

