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介護の面接に落ちた理由は?主な原因と次に受かるための対策を解説

紺色のスーツを着た女性が両手で目をこすっている。

「人手不足といわれる介護職なのに、なぜ面接に落ちたの?」「受け答えや退職理由が原因だったのかな」と、不採用の理由がわからず悩んでいる方もいるでしょう。

介護職の面接では、経験や資格だけでなく、志望動機や受け答え、協調性、勤務条件との相性など、さまざまな点が確認されています。

この記事では、介護の面接に落ちた主な理由や落ちやすい人の特徴、採用担当者が見ているポイントを解説します。頻出質問の答え方や次の面接に向けた対策も紹介するので、不採用の原因を振り返り、次の応募に活かしたい方はぜひ参考にしてください。

この記事がおすすめな人

#就労#仕事
  • 介護の面接に落ちた理由や背景を知りたい方
  • 面接での不採用が続き、具体的な改善策を探している方
  • 自分に合った職場で介護職としてリトライしたい方

「WHY?」と書かれた吹き出し型のプレートが写っている。

介護の面接に落ちたときに考えられる主な理由

介護の面接に落ちる理由は、経験や資格の不足だけとは限りません。ここでは、介護の面接に落ちたときに考えられる主な理由について解説します。

人手不足でも採用に至らないことがある背景

介護業界が人材を求めていることは、公的な統計からも確認できます。公益財団法人介護労働安定センターの2025年(令和7年)「介護労働実態調査」によると、従業員が不足していると回答した事業所の割合は65.8%でした。職種別では訪問介護員が82.9%、介護職員が69.8%と高い水準です。

一方で、同じ調査では訪問介護員と介護職員を合わせた離職率が12.4%、採用率が14.6%と報告されています。人材を募集している施設が多くても、採用はあくまで選考を経て決まるため、応募すれば必ず通るわけではありません。施設側は、採用した人が定着して働けるかどうかも含めて判断しています。

同調査では、早期離職の防止や定着促進に効果があった方策として「有給休暇等の各種休暇の取得や勤務日時の変更をしやすい職場づくり」が57.9%、「人間関係が良好な職場づくり」が54.6%と報告されています。施設側が定着を重視していることが、面接での確認事項にも表れているといえます。

出典:令和7年度「介護労働実態調査」結果の概要について|公益財団法人介護労働安定センター

志望動機が曖昧で「なぜこの施設なのか」が伝わらなかった

介護職への意欲があっても、志望動機が「人の役に立ちたい」「介護に興味がある」といった抽象的な内容だけでは、採用担当者に熱意が十分伝わらないことがあります。特に重要なのは、数ある介護施設のなかから、なぜ応募先を選んだのかを具体的に説明することです。

志望動機を考える際は、以下のポイントを盛り込むとよいでしょう。 

  • 介護職を目指した理由
  • 応募先の施設を選んだ理由
  • 施設の理念や介護方針に共感した点
  • 自分の経験や強みをどのように活かせるか
  • 入職後にどのような介護職員になりたいか

 施設の理念や介護方針、提供しているサービスなどを事前に調べ、自分の経験や価値観と結び付けて伝えることが大切です。「この施設で働きたい」という理由を明確にすることで、志望度の高さや入職後の活躍をイメージしてもらいやすくなります。

退職理由や転職理由がネガティブな印象になっていた

前職の人間関係や給与、待遇への不満などをそのまま退職理由として伝えると、採用担当者にネガティブな印象を与える可能性があります。「同じ理由ですぐに辞めてしまうのではないか」「周囲とうまく関係を築けないのではないか」と懸念されることもあるでしょう。

特に、以下のような伝え方には注意が必要です。 

  • 「上司や同僚と合わなかった」
  • 「給与が低かった」
  • 「仕事がきつかった」
  • 「職場に不満が多かった」
  • 「前の施設の方針が嫌だった」

退職理由や転職理由を伝える際は、前職への不満を中心にするのではなく、「より幅広い介護経験を積みたい」「利用者一人ひとりに寄り添える環境で働きたい」など、今後の目標につなげることが大切です。事実を曲げる必要はありませんが、今後の目標につながる前向きな表現で伝えることを意識しましょう。

コミュニケーションや受け答えに不安を持たれた

介護職では、利用者だけでなく、その家族や同僚、看護師など多くの人と関わるため、円滑に意思疎通を図る力が求められます。面接で質問に対する回答が極端に短かったり、話がかみ合わなかったりすると、業務上の意思疎通に不安を持たれる可能性があります。

面接では、特に以下のポイントを意識しましょう。

  • 面接官の質問を最後まで聞いてから答える
  • 質問された内容に沿って回答する
  • 結論から簡潔に話す
  • 適度に相手の目を見て話す
  • 聞き取りやすい声量と速さを意識する

緊張してうまく話せなくても、相手の話を最後まで聞く姿勢や落ち着いて答えようとする態度は大切です。

身だしなみ・表情・言葉遣いなど第一印象に問題があった

介護職は利用者と近い距離で接する仕事であるため、清潔感や礼儀、親しみやすさなども面接で確認されるポイントです。服装や髪型、挨拶、表情、言葉遣いが整っていないと、面接でマイナスの印象につながる場合があります。

面接前には、以下の項目を確認しておきましょう。

  • 清潔感のある服装になっているか
  • 髪型や爪などが整っているか
  • 明るく自然な表情を意識できているか
  • 入退室時にきちんと挨拶できているか
  • 丁寧な言葉遣いができているか
  • 面接中の姿勢が崩れていないか

    高価なスーツを用意する必要はありません。挨拶や表情、言葉遣いまで意識することで、利用者や職員と円滑に関われる人物だと評価されやすくなります。

介護職への理解や仕事に対する意欲が十分に伝わらなかった

「介護職は人手不足だから採用されやすい」と考え、仕事内容を理解しないまま面接を受けると、志望意欲が十分ではないと判断される可能性があります。介護職には身体介護だけでなく、さまざまな業務があります。

介護職が担当する主な業務には、以下のようなものがあります。

  • 食事・入浴・排泄などの身体介護
  • 掃除や洗濯などの生活援助
  • レクリエーションの企画・実施
  • 介護記録の作成
  • 利用者や家族とのコミュニケーション
  • 看護師やケアマネジャー(介護支援専門員)など多職種との連携

 未経験の場合も、介護について学ぶ姿勢や資格取得への意欲を具体的に示すことで、前向きな評価につながるでしょう。

勤務条件や希望する働き方が施設側と合わなかった

面接で好印象を与えていても、勤務日数や勤務時間、夜勤の可否、休日の希望などが施設側の募集条件と合わず、不採用になるケースがあります。介護施設はシフト制で運営されていることが多く、特定の曜日や時間帯に勤務できる人材を求めている場合もあります。

施設側とのミスマッチが起こりやすい条件は、以下のとおりです。

  • 勤務できる曜日
  • 早番・遅番への対応可否
  • 夜勤への対応可否
  • 土日・祝日の勤務可否
  • 希望する勤務日数や勤務時間
  • 入職できる時期

応募者の能力に問題がなくても、施設が必要とする勤務条件を満たせなければ採用が難しくなることがあります。応募前に求人票の条件を確認し、自分が対応できる範囲を整理しておきましょう。面接では無理に条件を合わせず、対応可能な働き方を正確に伝えることも重要です。

経験・資格など応募先が求める条件とのミスマッチがあった

介護業界では未経験・無資格から応募できる求人も多い一方、施設や職種によっては一定の実務経験や資格が求められます。特に即戦力を必要としている施設では、資格や介護現場での経験が採用時に重視される場合があります。

応募先とのミスマッチが生じやすい項目には、以下のようなものがあります。

  • 介護現場での実務経験年数
  • 介護福祉士などの保有資格
  • 特別養護老人ホームや訪問介護など特定分野での経験
  • 夜勤や身体介護の経験
  • リーダーや管理職としての経験
  • 応募先が求める人物像との適合度

 経験や人柄が評価されていても、ほかの応募者との比較や応募先が求める条件との違いによって、不採用になる場合があります。面接に落ちた場合は、求人票で求められている経験・資格を改めて確認し、自分の経験や強みを活かせる応募先を選ぶことも1つの方法です。

手前にグレーの服を着た人物がおり、奥で黒いスーツを着た女性が胸の上に手を置いている。

介護の面接に落ちた人に見られやすい特徴

介護の面接では、経験や資格だけでなく、受け答えの仕方や仕事への意欲、周囲と協力できる人柄なども確認されています。ここでは、介護の面接に落ちた人に見られやすい特徴について解説します。

質問に対する回答が長すぎる・短すぎる人

面接では、質問の意図を理解し、必要な情報をわかりやすく伝えることが大切です。回答が長すぎると「要点を整理して話すのが苦手なのではないか」、反対に短すぎると「意欲や考えが十分に伝わらない」と受け取られる可能性があります。

面接での受け答えでは、以下の点を意識しましょう。

  • 質問された内容に沿って回答する
  • 最初に結論を伝える
  • 結論のあとに理由や具体例を加える
  • 質問と関係のない話を広げすぎない
  • 「はい」「いいえ」だけで終わらせない

特に志望動機や自己PR、退職理由などは、事前に要点を整理しておくことが重要です。結論・理由・具体例の順番を意識して話すと、回答がまとまりやすくなります。面接官の反応も確認しながら、簡潔でわかりやすい受け答えを心がけましょう。

前職や以前の職場に対する不満を強調する人

転職理由を聞かれた際に、前職の人間関係や待遇、仕事内容への不満ばかりを話すと、採用担当者から「入職後も職場への不満を抱えやすいのではないか」と懸念される可能性があります。実際に職場への不満が退職のきっかけだったとしても、面接での伝え方には注意が必要です。

たとえば、以下のような表現はそのまま使わないほうがよいでしょう。

  • 「上司と合わなかった」
  • 「職員同士の人間関係が悪かった」
  • 「給与が低すぎた」
  • 「仕事量が多くて嫌になった」
  • 「職場のやり方に納得できなかった」

面接では前職を批判するのではなく、転職によって何を実現したいのかを中心に説明することが大切です。「より利用者に寄り添った介護に携わりたい」など、今後のキャリアや働き方につなげて説明すると、前向きな転職として伝わりやすくなります。

志望動機がどの介護施設にも当てはまる人

「人の役に立ちたい」「介護の仕事に興味がある」など、どの介護施設にも当てはまる志望動機だけでは、応募先への志望度が伝わりにくくなります。採用担当者は「なぜ介護職なのか」だけでなく、「なぜ自施設を選んだのか」も確認しています。

応募先ならではの志望動機を作るためには、以下の情報を確認しておきましょう。

  • 施設の理念や運営方針
  • 提供している介護サービス
  • 利用者層や施設の特徴
  • 研修・教育制度
  • 施設が力を入れている取り組み
  • 求人情報に記載されている人物像

「施設の〇〇という方針に共感した」など具体的な理由を盛り込むことで、応募先を選んだ理由と入職への意欲が伝わりやすくなります。

受け身で仕事への意欲や将来像が見えにくい人

面接で「特にやりたいことはない」「指示された仕事をこなしたい」といった受け身の姿勢を見せると、仕事への意欲が低いと受け取られる可能性があります。介護職では指示された業務を行うだけでなく、利用者の状態を確認し、自分で考えて行動する姿勢も求められます。

仕事への意欲を伝える際は、以下のような内容を具体的に話せるようにしておきましょう。

  • 介護職として身につけたい知識や技術
  • 挑戦してみたい業務
  • 取得を目指している資格
  • 利用者に対してどのような支援をしたいか
  • 将来どのような介護職員になりたいか

明確なキャリアプランが決まっていなくても問題ありません。「まずは基本的な介護技術を身につけたい」など、現在考えている目標を伝えることが大切です。学ぶ姿勢や将来への意欲を示すことで、入職後も成長していける人材だと評価されやすくなります。

利用者や職員との協調性に不安を感じさせる人

介護の仕事では、利用者との信頼関係に加え、介護職員や看護師、ケアマネジャーなどとの連携が欠かせません。そのため、面接では周囲と協力して仕事を進められるかどうかも確認されています。自分の考えを一方的に主張したり、周囲への配慮に欠ける受け答えをしたりすると、協調性に不安を持たれる可能性があります。

協調性を伝えるためには、以下のような経験を具体的に説明するとよいでしょう。

  • 周囲と協力して課題を解決した経験
  • 意見が異なる相手と話し合った経験
  • チームで目標を達成した経験
  • 困っている同僚をサポートした経験
  • 報告・連絡・相談を意識して行動した経験

介護現場では、自分の意見を持ちながらも、相手の考えを尊重して協力する姿勢が求められます。面接では実際のエピソードを交えて説明すると、利用者や職員と良好な関係を築ける人物であることを伝えやすくなります。

介護の面接に落ちた人が知っておきたい採用側のチェックポイント

介護の採用面接では、経験や資格だけで合否が決まるわけではありません。ここでは、介護の面接に落ちた人が知っておきたい採用側のチェックポイントについて解説します。

利用者や家族と信頼関係を築けるコミュニケーション力

介護職は、利用者の身体介助や生活援助を行うだけでなく、日々の会話を通じて気持ちや体調の変化を把握する役割も担います。また、利用者の家族と接する機会もあるため、相手の話を丁寧に聞き、状況に応じて適切に受け答えできるコミュニケーション力が求められます。

面接では、以下のような点を確認されることがあります。

  • 相手の話を最後まで聞けるか
  • 質問に対して適切に回答できるか
  • 丁寧な言葉遣いができているか
  • 表情や態度に親しみやすさがあるか
  • 相手の立場を考えて行動できるか

面接官とのやり取り自体が、コミュニケーション力を判断する材料になることもあります。緊張して流暢に話せなくても、相手の話を聞いて落ち着いて回答することが大切です。

周囲の職員と協力できる人柄と協調性

介護現場では、介護職員だけでなく、看護師やケアマネジャー、リハビリ職など、さまざまな職種が連携して利用者を支援します。そのため、個人の介護スキルだけでなく、周囲と協力して仕事を進められる人柄や協調性も採用時に重視されます。

採用担当者が確認する主なポイントは、以下のとおりです。

  • 周囲の意見を聞く姿勢があるか
  • 報告・連絡・相談を適切に行えそうか
  • 意見が異なる相手とも協力できるか
  • 困ったときに周囲へ相談できるか
  • チームの一員として行動できるか

介護未経験の場合でも、前職や学校生活などで周囲と協力した経験を交えることで、協調性をアピールできます。

長く働いてもらえるかを判断する定着性

介護施設にとって、採用した人材が長く働けるかどうかは重要なチェックポイントの1つです。短期間での転職を繰り返していたり、退職理由と志望動機に一貫性がなかったりすると、「採用してもすぐに辞めるのではないか」と懸念される場合があります。

介護労働安定センターの調査では、介護関係の仕事をやめた人がその理由として挙げた項目のうち、「職場の人間関係に問題があったため」が27.3%、「勤務先の事業理念や運営のあり方に不満があったため」が21.0%、「他に良い仕事・職場があったため」が17.2%と報告されています。施設側は、入職後に同じ理由で早期退職とならないかを、退職理由や志望動機の一貫性から確認しているといえます。

定着性を判断する際には、以下のような点が確認されます。 

  • 過去の勤務期間や転職回数
  • 前職を退職した理由
  • 今回転職しようと考えた理由
  • 志望動機との一貫性
  • 将来のキャリアに対する考え方
  • 勤務条件に無理がないか

転職回数が多い場合でも、それだけで不採用になるとは限りません。それぞれの退職理由を整理したうえで、今回の転職で実現したいことや長期的に働きたい理由を説明することが重要です。

 出典:令和7年度「介護労働実態調査」結果の概要について|公益財団法人介護労働安定センター

介護の仕事に対する理解度と志望意欲

採用担当者は、応募者が介護の仕事内容を理解したうえで応募しているかも確認しています。「人の役に立ちたい」といった理由だけでは、介護職を選んだ理由や仕事への意欲が十分に伝わらない場合があります。特に未経験者は、仕事内容について事前に調べておくことが重要です。

面接前には、以下の内容を確認しておきましょう。

  • 介護職の具体的な仕事内容
  • 応募する施設の種類や特徴
  • 施設が提供している介護サービス
  • 施設の理念や介護方針
  • 入職後に身につけたい知識や技術
  • 将来的に取得したい資格や目指すキャリア

 仕事内容への理解を深めたうえで、「なぜ介護職を選んだのか」「なぜこの施設で働きたいのか」を具体的に説明できるようにしましょう。応募先について調べた内容と自分の経験や目標を結び付けることで、志望意欲が伝わりやすくなります。

施設の採用条件と勤務希望のマッチ度

勤務条件は、面接で必ずといってよいほど確認される項目です。特にシフト制の施設では、早番・遅番・夜勤や土日勤務への対応可否が採用判断に影響する場合があります。

確認される項目

主な内容

勤務日数

週に何日勤務できるか

勤務時間

早番・遅番などに対応できるか

夜勤

夜勤が可能か、月何回程度対応できるか

休日

土日・祝日の勤務が可能か

入職時期

いつから勤務を開始できるか

雇用形態

正社員・パートなど希望する働き方が合っているか

採用されたいからといって、対応できない条件まで「可能」と答えるのは避けましょう。入職後のミスマッチや早期退職につながる可能性があります。求人票を確認して自分が対応できる条件を整理し、面接では勤務可能な範囲を正確に伝えることが大切です。

採用選考で確認してはならない事項もある

面接で不採用が続くと、「答え方が悪かったのではないか」と自分の責任として考えてしまいがちですが、採用選考には守るべきルールがあります。厚生労働省は、採用選考の基本的な考え方として「応募者の基本的人権を尊重すること」と「応募者の適性・能力に基づいた基準により行うこと」の2点を挙げています。

そのうえで、就職差別につながるおそれがある事項として、本籍・出生地に関すること、家族に関すること、住宅状況に関すること、生活環境・家庭環境などに関すること、宗教や支持政党、人生観・生活信条、思想に関することなどを示しています。適性・能力に関係のない事項を採用選考で把握することは、公正な採用選考の観点から適切ではないとされています。

また、労働施策総合推進法により、労働者の募集・採用は原則として年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならないとされています。厚生労働省は「求人票は年齢不問としながらも、実際には年齢を理由に応募を断ることや、書類選考や面接において年齢を基準に採否を判断することも、法の規定に反します」としています。

出典:公正な採用選考の基本|厚生労働省
出典:募集・採用における年齢制限禁止について|厚生労働省

「頻出」と書かれた黄色の付箋が貼られたノートが写っている。

介護の面接に落ちた後に見直したい頻出質問と答え方

介護の面接に落ちた場合は、よく聞かれる質問に対して自分の考えを適切に伝えられていたか振り返ることが大切です。ここでは、介護の面接に落ちた後に見直したい頻出質問と答え方について解説します。

「なぜ介護職を選んだのですか?」への答え方

「なぜ介護職を選んだのですか?」という質問では、介護職を志望したきっかけや仕事への理解、意欲などが確認されています。「人の役に立ちたいから」だけでは抽象的になりやすいため、自分の経験や価値観を交えて具体的に答えることが大切です。

回答を考える際は、以下の流れで整理すると伝わりやすくなります。

  • 介護職に興味を持ったきっかけ
  • 介護の仕事に魅力を感じた理由
  • 自分の経験や強みとのつながり
  • 介護職としてどのように働きたいか

たとえば、家族の介護を身近で見た経験や、人と接する仕事で培ったスキルなどを、志望理由につなげるとよいでしょう。

「なぜ当施設を志望したのですか?」への答え方

この質問では、応募先についてどの程度調べているか、本当にその施設で働きたいと考えているかが確認されます。「自宅から近い」「待遇がよい」といった条件だけを理由にすると、「ほかの施設でもよいのではないか」と受け取られる可能性があります。

回答には、以下のような内容を盛り込むとよいでしょう。

  • 施設の理念や介護方針に共感した点
  • 提供しているサービスに魅力を感じた理由
  • 研修・教育制度に関心を持った理由
  • 自分の経験や強みを活かせる点
  • 入職後に取り組みたいこと

施設の公式サイトや求人情報を確認し、その施設ならではの特徴を把握しておくことが重要です。「貴施設の〇〇という方針に共感し、自分も〇〇を大切にした介護に取り組みたい」のように説明すると説得力が高まります。

「前職を辞めた理由は?」への答え方

退職理由は、採用担当者が応募者の仕事に対する考え方や定着性を確認するための質問です。伝え方は、次のように整理できます。

避けたい伝え方

前向きな伝え方の例

人間関係が悪かった

チームで連携しながら働ける環境で経験を積みたい

給与が低かった

経験を活かしてキャリアアップを目指したい

仕事がきつかった

自分の強みをより活かせる環境で働きたい

職場の方針が合わなかった

自分が目指す介護を実践できる環境で働きたい

退職理由を無理に作り替える必要はありません。事実を簡潔に説明したうえで、「その経験から何を学んだのか」「転職先で何を実現したいのか」まで伝えると、前向きな転職理由として受け取られやすくなります。

「あなたの長所・短所は?」への答え方

長所・短所を聞く目的は、応募者が自分自身を客観的に理解できているか、長所を仕事で活かせるか、短所とどのように向き合っているかを確認することです。単に性格を答えるのではなく、介護の仕事との関連性を意識するとよいでしょう。

介護職でアピールしやすい長所には、以下のようなものがあります。

  • 相手の話を丁寧に聞ける
  • 周囲と協力して行動できる
  • 責任感を持って仕事に取り組める
  • 小さな変化に気づける
  • 粘り強く物事に取り組める

 長所は具体的なエピソードを添えて説明すると説得力が増します。一方、短所は「ありません」と答えるのではなく、自分が認識している課題と、改善のために取り組んでいることをセットで伝えましょう。

「介護職として今後どうなりたいですか?」への答え方

この質問では、介護職として働く意欲や将来像、長期的に働く意思などが確認されています。明確なキャリアプランが決まっていなくても、自分が身につけたいスキルや目指したい介護職員像を具体的に伝えることが大切です。

将来像を考える際は、以下のような視点から整理してみましょう。

  • 身につけたい介護技術や知識
  • 取得を目指したい資格
  • 経験してみたい業務
  • 利用者にどのような支援を提供したいか
  • 数年後にどのような介護職員になりたいか

たとえば、「まずは基本的な介護技術を身につけ、将来的には介護福祉士の資格取得を目指したい」と段階的な目標を伝えることで、仕事への意欲や成長する姿勢を示しやすくなります。

採用担当者への逆質問で好印象につなげる方法

面接の最後には、「何か質問はありますか?」と逆質問を求められることがあります。「特にありません」と答えても必ずしも不採用になるわけではありませんが、仕事内容や職場への関心を示せる機会として活用するのがおすすめです。

介護職の面接では、以下のような逆質問が考えられます。

  • 入職後はどのような業務から担当しますか
  • 新人職員への研修や教育体制について教えていただけますか
  • 職員同士で情報共有する際に大切にしていることはありますか
  • 入職までに勉強しておいたほうがよいことはありますか
  • 現場で活躍している職員にはどのような特徴がありますか

公式サイトや求人票を見ればわかる内容をそのまま質問するのではなく、実際に働くことを想定した質問を用意するのがポイントです。また、面接中にすでに説明された内容を繰り返し質問しないよう注意しましょう。

手前に黒いスーツを着た人物たちがおり、奥でグレーのスーツを着た男性が手を組んで座っている。

介護の面接に落ちた後から次の選考までにできる対策

介護の面接に落ちた後は、不採用という結果だけに目を向けるのではなく、今回の面接を次の選考に活かすことが大切です。ここでは、介護の面接に落ちた後から次の選考までにできる対策について解説します。

面接で聞かれた質問と自分の回答を書き出す方法

面接が終わったら、記憶が新しいうちに、聞かれた質問と自分が答えた内容を書き出してみましょう。頭のなかだけで振り返るよりも、実際に文章にすることで、回答がわかりにくかった部分を見つけやすくなります。

振り返る際は、以下の項目を整理するのがおすすめです。

  • 面接で聞かれた質問
  • 実際に自分が答えた内容
  • スムーズに回答できた質問
  • 答えに詰まった質問
  • 面接官の反応が気になった回答
  • 次回はどのように答えるか

 特に答えに詰まった質問は、次の面接でも聞かれる可能性があります。改善した回答を作成し、声に出して練習しておきましょう。

志望動機を応募先ごとに作り直すポイント

同じ志望動機を複数の介護施設で使い回すと、応募先を選んだ具体的な理由が伝わりにくくなります。次の面接に進む前に応募先について改めて調べ、その施設ならではの特徴と自分の経験や希望を結び付けて志望動機を作り直しましょう。

志望動機を作る際は、以下の項目を確認します。

  • 施設の理念や介護方針
  • 施設形態や提供しているサービス
  • 利用者層や施設の特徴
  • 研修・教育制度
  • 応募先に魅力を感じたポイント
  • 自分の経験や強みを活かせる部分

「介護職として働きたい」という理由だけで終わらせず、「なぜその施設なのか」「入職後に何をしたいのか」まで盛り込むことで、使い回しではない志望動機を作りやすくなります。

退職理由を前向きな転職理由へ言い換える方法

面接で退職理由を聞かれた際は、不満をそのまま伝えるのではなく、転職によって何を実現したいのかまで整理しておきましょう。退職のきっかけは、次のように今後の目標へ言い換えられます。

退職のきっかけ

転職理由として伝える際の考え方

人間関係に悩んだ

周囲と連携しながら介護に取り組める環境で働きたい

給与や待遇に不満があった

経験やスキルを高めながら長期的なキャリアを築きたい

仕事量が多かった

利用者と向き合いながら質の高い介護を実践したい

キャリアアップが難しかった

新しい業務や資格取得に挑戦できる環境で成長したい

施設の方針が合わなかった

自分が大切にする介護観と合う施設で働きたい

事実と異なる理由を作る必要はありません。退職した理由を簡潔に伝えたうえで、その経験から何を学び、次の職場で何を実現したいのかを説明することで、前向きな印象につなげやすくなります。

模擬面接で話し方や表情を改善する方法

回答内容を準備していても、実際の面接では緊張して早口になったり、表情が硬くなったりすることがあります。そこで有効なのが、本番を想定した模擬面接です。家族や友人などに面接官役を依頼するほか、自分の受け答えをスマートフォンで撮影して確認する方法もあります。

模擬面接では、以下のポイントをチェックしましょう。

  • 声量や話すスピードは適切か
  • 回答が長くなりすぎていないか
  • 質問に対して結論から答えているか
  • 表情が硬くなっていないか
  • 姿勢や視線に不自然なところがないか
  • 「えー」「あのー」などを多用していないか

一度にすべてを直そうとせず、「回答を短くまとめる」「相手を見て話す」など改善点を絞って練習すると取り組みやすくなります。

自分の経験や希望条件に合った介護求人を選ぶ重要性

応募先が求める経験や勤務条件と自分の希望が大きく異なっていれば、採用につながりにくくなります。不採用が続く場合は、応募する求人の選び方も見直してみましょう。

求人を選ぶ際は、以下の項目を確認することが大切です。

  • 必要とされる資格や実務経験
  • 未経験者への研修・教育体制
  • 勤務時間や勤務日数
  • 夜勤の有無や回数
  • 休日やシフトの条件
  • 仕事内容や施設形態
  • 自分が希望するキャリアとの相性

条件の合わない求人へ無理に応募するより、自分の経験や資格、希望する働き方に合った職場を選ぶほうが、ミスマッチを防ぎやすくなります。求人票を比較しながら、自分が譲れない条件と調整できる条件を整理したうえで応募先を選びましょう。

なお、介護人材へのニーズは今後も続くと見込まれています。厚生労働省の「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」によると、2022年度(令和4年度)の介護職員数約215万人に対し、必要となる介護職員数は2026年度(令和8年度)に約240万人、2040年度(令和22年度)に約272万人と推計されています。一度の不採用で介護職そのものを諦める必要はなく、自分に合う職場を探し直すことが現実的な選択肢になります。

出典:第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について|厚生労働省

手前に黒いスーツを着た女性がおり、奥で黒いスーツを着た女性が胸の上に手を当てて横を向いている。

まとめ

介護の面接に落ちる理由は、経験や資格の不足だけとは限りません。志望動機が抽象的で応募先を選んだ理由が伝わらなかった、退職理由がネガティブな印象になった、受け答えや第一印象に不安を持たれた、勤務条件や求められる経験が合わなかったなど、さまざまな要因が考えられます。

不採用となった場合は、聞かれた質問と自分の回答を書き出し、志望動機を応募先ごとに作り直す、退職理由を前向きな転職理由へ言い換える、模擬面接で話し方を確認するといった対策が有効です。あわせて、応募先が求める経験・資格や勤務条件が自分の希望と合っているかも見直しましょう。

なお、採用選考には公正に行うべきルールがあり、適性・能力に関係のない事項を把握することは適切ではないとされています。一度の不採用を必要以上に重く受け止めず、振り返りを次の応募に活かすことが大切です。

よくある質問

Q.人手不足の介護職でも面接に落ちることはある?
A.

介護業界では人材を求めている施設が多いものの、人手不足だからといって応募者全員が採用されるわけではありません。厚生労働省の資料では、介護関係職種の有効求人倍率について「依然として高い水準にあり、全職業より高い水準で推移している」とされ、2025年(令和7年)3月時点の介護関係職種の全国平均は3.97倍となっています。求人が多いことと、個別の施設で採用されることは別の問題です。

人手不足でも不採用になる主な理由には、以下が挙げられます。

  • 施設が求める勤務条件と合わない
  • 志望動機や入職意欲が十分に伝わらない
  • コミュニケーションや協調性に不安を持たれた
  • 必要な経験・資格を満たしていない
  • ほかの応募者がより採用条件に合っていた

 不採用になったからといって、介護職そのものに向いていないとは限りません。面接内容を振り返りながら次の応募先を検討しましょう。

 出典:介護人材確保の現状について|厚生労働省

Q.面接でうまく話せなかったら不採用になる?
A.

面接で緊張してうまく話せなかったからといって、それだけで不採用になるとは限りません。採用担当者は、話し方の上手さだけでなく、質問を理解して答えようとする姿勢や仕事への意欲、人柄なども確認しています。

  • 質問に対する回答ができていたか
  • 志望動機や転職理由を伝えられたか
  • 相手の話を最後まで聞けていたか
  • 丁寧な言葉遣いを意識できていたか
  • 落ち着いて答えようとする姿勢を示せていたか

回答を丸暗記するのではなく、伝えたい要点を覚えておくと自然に話しやすくなります。

Q.面接に早く着きすぎると落ちる?
A.

面接会場に早く到着したという理由だけで、不採用になる可能性は低いでしょう。ただし、予定時刻より大幅に早く受付をすると、採用担当者や施設側の準備が整っておらず、対応の負担になる場合があります。特に介護施設では、職員が通常業務と並行して面接を担当していることもあります。

面接当日は、以下のように行動するとよいでしょう。 

  • 会場周辺には余裕を持って到着する
  • 早く着きすぎた場合は近くで時間を調整する
  • 受付は面接開始の5〜10分前を目安にする
  • 遅刻しそうな場合は早めに連絡する
  • 施設内では利用者や職員への配慮を忘れない

 交通機関の遅延を考え会場周辺には早めに到着しつつ、受付のタイミングには配慮しましょう。

Q.面接後に連絡が遅いのは不採用のサイン?
A.

面接後になかなか結果の連絡が来ないと不安になりますが、連絡が遅いという理由だけで不採用とは判断できません。複数の応募者を面接している場合や、採用担当者と現場責任者の間で選考結果を調整している場合など、施設側の事情で連絡に時間がかかることがあります。

結果が届かない場合は、以下の順番で対応しましょう。

  1. 面接時に伝えられた結果連絡の期限を確認する
  2. 求人票やメールに連絡時期の記載がないか確認する
  3. 指定された期限までは待つ
  4. 期限を過ぎても連絡がなければ施設へ問い合わせる

問い合わせる際は、「○月○日に面接を受けた○○です。選考結果のご連絡時期について確認させていただけますでしょうか」など、簡潔かつ丁寧に伝えましょう。結果を待っている間に、ほかの求人を探しておくことも選択肢の1つです。

Q.無資格・未経験だと介護職の面接に落ちやすい?
A.

無資格・未経験だからといって、必ずしも介護職の面接に落ちやすいとは限りません。一方で、即戦力を募集している求人では、経験者や有資格者が優先される場合があります。応募時は以下の点をアピールしましょう。 

  • 介護職を目指した具体的な理由
  • 介護について自主的に学んでいること
  • 入職後に積極的に仕事を覚える姿勢
  • 資格取得に対する意欲
  • 前職などで培ったコミュニケーション力や協調性
  • 長期的に介護業界で働く意思

求人票に「未経験歓迎」「無資格可」などの記載があるかも確認しましょう。経験がないことを必要以上に気にするのではなく、これまでの経験から介護の仕事に活かせる強みを整理して伝えることが大切です。

Q.介護の面接に落ちた後はすぐ別の施設に応募してもいい?
A.

介護の面接に落ちた後は、すぐに別の施設へ応募しても基本的に問題ありません。一定期間を空ける決まりはありません。ただし、前回の面接を振り返らないまま次々に応募すると、改善点に気づかないまま不採用が続く可能性があります。

  • 前回の面接で答えにくかった質問
  • 志望動機が具体的だったか
  • 退職理由を前向きに説明できたか
  • 話し方や表情に改善点がなかったか
  • 応募先と自分の勤務条件が合っているか
  • 求められる資格や経験を確認したか

振り返りに長い時間をかける必要はありません。改善できるポイントを整理したうえで、次の応募先に合わせて志望動機や回答を準備し、不採用の経験を次の面接対策に活かしましょう。

執筆者

[メディルン]編集部

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