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- 1年目の仕事の多さや人間関係につらさを感じている方
- 行動計画や目標設定の具体的な立て方を知りたい方
- 今の職場を続けるか退職・転職すべきか悩んでいる方

新人看護師がつらいと感じる7つの理由
新人看護師は、覚えることの多さや責任の重さ、人間関係など、さまざまな理由から「仕事がつらい」と感じることがあります。つらさの原因を整理することで、自分の悩みを客観的に把握できます。
なお、つらさを抱えるのは珍しいことではありません。公益社団法人日本看護協会「2025年(令和7年)病院看護実態調査」によると、2024年度(令和6年度)における新卒採用者の離職率は8.4%でした。
覚える仕事や勉強が多く余裕を持てない
新人看護師は、日々の業務をこなしつつ、疾患や治療、薬剤、看護技術などの幅広い専門的な知識を習得しなければなりません。勤務先によっては、院内研修への参加やレポートの提出も求められます。
新人看護師が覚えることの例は、以下のとおりです。
- 患者の状態観察やバイタルサイン測定
- 採血や点滴などの基本的な看護技術
- 疾患や治療、薬剤に関する知識
- 電子カルテの操作や看護記録の書き方
- 医師や先輩看護師への報告・連絡・相談
- 病棟ごとの業務手順やルール
勤務中だけでは十分に理解できず、帰宅後や休日に勉強する新人看護師も少なくありません。最初から完璧を目指さず、優先順位を決めて一つずつ身につけましょう。
知識や技術に自信がなくミスが怖い
新人看護師は、学校で学んだ知識があっても、実際の医療現場では判断や看護技術に自信を持てないことがあります。採血や点滴、患者の状態観察など、一つひとつの業務に緊張する人もいるでしょう。
特に、以下のような場面では不安を感じやすくなります。
- 初めて一人で看護技術を行う場面
- 患者の状態に普段と異なる変化が見られた場面
- 複数の業務を同時に進める必要がある場面
- 医師や先輩看護師への報告を要する場面
- 自分の判断に自信が持てない場面
「ミスをして患者に影響を与えたらどうしよう」という不安から、必要以上に自分を責めてしまう場合もあります。自己判断せず、先輩看護師に確認しながら経験を重ねることが自信につながります。
先輩看護師からの指導や人間関係にストレスを感じる
新人看護師にとって、先輩看護師との人間関係は働きやすさを左右する要素の一つです。忙しい職場では質問するタイミングをつかめなかったり、指導を厳しいと感じたりすることがあります。
次のような状況もストレスの原因となります。
- 先輩によって指導内容や仕事の進め方が異なる
- 忙しそうな先輩に質問しづらい
- 注意や指摘を受けることが続く
- 同期と成長スピードを比較してしまう
- 職場の人間関係になじめない
一人で抱え込むのではなく、プリセプター(新人を個別に指導する先輩看護師)や教育担当者、師長など相談しやすい人を見つけておくことが大切です。人間関係の悩みが深刻な場合は、職場の相談窓口の利用も検討しましょう。
患者の命を預かる責任の重さにプレッシャーを感じる
看護師の仕事は、患者の健康や命に関わるものです。新人であっても、患者の状態を観察し、異変があれば適切に報告・対応することが求められます。
責任の重さを感じやすいのは、次のような場面です。
- 患者の状態に急な変化があったとき
- 投薬や点滴など安全確認が重要な業務を行うとき
- 患者から症状について相談されたとき
- 自分で優先順位を判断する必要があるとき
- 先輩看護師から独り立ちを求められたとき
学校での実習とは異なり、看護師として責任を持って患者に接することに怖さを感じる場合もあるでしょう。すべてを一人で判断する必要はなく、迷ったときは先輩看護師に報告・相談することが重要です。
夜勤や不規則な勤務で心身の疲労がたまりやすい
病棟勤務では、日勤だけでなく夜勤を含む交代制勤務になることがあります。新人看護師は仕事そのものに慣れていないうえ、勤務時間も不規則になりやすいため、疲労がたまりやすい傾向があります。
不規則な勤務によって、以下のような負担を感じることがあります。
- 睡眠時間や起床時間が一定になりにくい
- 夜勤後に十分な睡眠を取れない
- 休日を休養だけで過ごしてしまう
- 食事の時間や生活リズムが乱れる
- 疲労によって集中力が低下する
勤務前後の睡眠時間を確保し、休日には意識して休息を取ることが大切です。疲労が強い状態が続く場合は、無理をせず上司などに相談しましょう。
行動計画や行動目標の作成が負担になる
新人看護師は、日々の業務に加えて、行動計画や行動目標の作成を求められることがあります。「今日は何を目標にすればよいのか」と悩む人もいるでしょう。
行動目標は、その日の業務で実践・振り返りができる内容にすることがポイントです。
抽象的な目標 | 具体的な目標の例 |
|---|---|
患者をよく観察する | バイタルサインと患者の訴えを確認し、変化があれば報告する |
ミスをしない | 投薬前に患者・薬剤・用量など必要な確認を行う |
適切に報告する | 患者の状態変化を整理し、先輩看護師へ報告する |
効率よく仕事をする | 業務開始前に優先順位を整理して行動する |
看護技術を身につける | 指導を受けながら手順を確認し、安全に看護技術を実施する |
目標の水準についても、公的な考え方が示されています。厚生労働省のガイドラインでは、到達目標として「1年以内に目指す項目」と達成の目安が示されています。目標は1年かけて段階的に達成するものであり、入職直後から高い水準を設定する必要はありません。
迷った場合は、その日に取り組める具体的な内容にしたうえで、先輩看護師と相談しながら設定しましょう。
理想としていた看護師像と現実にギャップがある
看護学生の頃に思い描いていた仕事と、実際に働き始めてからの現実にギャップを感じることもあります。患者とじっくり向き合いたいと思っていても、記録や処置、ナースコールへの対応に追われることがあります。
新人看護師が感じやすい理想と現実のギャップには、以下のようなものがあります。
- 患者と話す時間を十分に確保できない
- 想像以上に記録や事務作業が多い
- 毎日の業務をこなすだけで精一杯になる
- 思い描いていた看護を実践できない
- 自分の知識や技術不足を実感する
新人の時期は業務を覚えることに精一杯になりやすく、理想の看護を実践する余裕がないこともあります。経験を積むにつれて仕事の進め方が身につき、患者と向き合える場面が増える可能性があります。

新人看護師がつらいと感じやすい1年間の流れ
新人看護師の1年目は、入職直後の研修から始まり、少しずつ担当する業務が増えていきます。あらかじめ1年間の流れを知っておくと、自分が置かれている状況を整理しやすくなります。
入職直後は研修と新しい環境への適応で疲れやすい
入職直後は、新人研修を受けながら、配属先の業務やルール、人間関係にも慣れる必要があります。学生時代とは生活環境も大きく変化するため、新しい環境に適応すること自体が負担になる場合があります。
入職直後は、特に以下のようなことを覚える必要があります。
- 病院や病棟のルール
- 電子カルテや医療機器の使い方
- 基本的な看護技術や業務手順
- 先輩看護師への報告・連絡・相談の方法
- 患者とのコミュニケーション方法
研修や業務中は緊張が続き、帰宅すると何もする気になれないほど疲れることもあるでしょう。入職直後は完璧な仕事を目指すのではなく、基本的な業務を一つずつ身につけていくことが大切です。
独り立ちが進む時期は業務量と責任が増えやすい
入職から一定期間が経過すると、先輩看護師のサポートを受けながら行っていた業務を、一人で担当する機会が増えていきます。できることが増える一方で、責任の重さを実感しやすい時期でもあります。
独り立ちが進むと、以下のような変化が起こることがあります。
- 受け持つ患者数が増える
- 一人で行う看護技術が増える
- 自分で業務の優先順位を判断する場面が増える
- 状態変化への報告や対応を求められる
- 先輩から求められる仕事の水準が高くなる
独り立ちの時期や基準は職場によって異なります。厚生労働省のガイドラインでも達成時期の判断は各施設に委ねられており、同期や他院と比較する必要はありません。
夜勤開始後は生活リズムの変化が負担になりやすい
病棟によっては、日勤の業務に慣れてきた頃から新人看護師の夜勤が始まります。夜勤では日勤とは異なる業務の流れを覚える必要があるうえ、睡眠や食事の時間も変化します。
夜勤が始まると、以下のような悩みが生じやすくなります。
- 夜勤前にうまく眠れない
- 夜勤中に眠気や疲労を感じる
- 夜勤後に睡眠を取っても疲れが残る
- 食事や睡眠の時間が不規則になる
- 日勤と夜勤の切り替えが難しい
慣れないうちは、自分に合った睡眠の取り方がわからず、疲労が蓄積する場合があります。夜勤前後はできるだけ休息を確保し、自分に合った生活リズムを少しずつ見つけることが大切です。
同期との差を意識すると焦りや自信喪失につながる
入職から数か月が経過すると、同期の新人看護師との成長スピードに違いが見え始めることがあります。「同期はすでにできているのに、自分はまだできない」と比較してしまうケースもあります。
特に、以下のような場面では同期との差を意識しやすくなります。
- 同期が先に独り立ちした
- 自分だけ未経験の看護技術がある
- 同期が先輩から評価されている
- 夜勤の開始時期に差がある
- 自分だけ注意や指導を受けることが多いと感じる
配属先や担当する患者によって経験できる業務は異なり、成長のペースにも個人差があります。同期との比較ではなく、「以前できなかったことができるようになったか」という視点で振り返ることが大切です。

新人看護師がつらいときに実践したい乗り越え方
つらい状態が続くときは、すべてを一人で解決しようとしないことが大切です。ここでは、新人看護師がつらいときに実践したい5つの方法を紹介します。
できないことではなく成長した部分にも目を向ける
新人看護師は覚えることが多いため、「まだできない」「また注意された」と自分のできない部分に意識が向きやすくなります。しかし、入職直後と現在を比較すれば、できるようになった業務もあるはずです。
たとえば、以下のような変化も成長の一つです。
- 一人でできる看護技術が増えた
- 患者への声かけに慣れてきた
- 報告・連絡・相談がスムーズになった
- 業務の流れを理解できるようになった
- 指摘されたことを次の業務で改善できた
その日にできたことをメモするなど、小さな成長を振り返る習慣をつくるのもおすすめです。他人と比較するのではなく、過去の自分と比較することで成長を実感しやすくなります。
一人で抱え込まずプリセプターや上司に相談する
仕事がつらいと感じたときは、一人で悩みを抱え込まず、プリセプターや教育担当者、師長などに相談することが大切です。相談することで、業務量や指導方法を調整してもらえる可能性があります。
相談する際は、悩みをできるだけ具体的に整理しておくと伝わりやすくなります。
- 何に困っているのか
- いつ頃からつらいと感じているのか
- どのような場面で負担を感じるのか
- 自分で試した対処法はあるか
- どのようなサポートを希望しているのか
「迷惑がかかる」とためらう必要はありません。状況の早期共有は、安全な業務遂行にも不可欠です。
業務を振り返って優先順位と行動計画を整理する
新人看護師は、複数の患者への対応や処置、記録などが重なると、「何から手をつければよいかわからない」と混乱することがあります。業務に追われていると感じる場合は、一日の仕事を振り返ってみましょう。
たとえば、業務を以下のように整理します。
分類・項目 | 振り返りのポイント |
|---|---|
時間の決まっている業務 | 検査・処置・投薬などの時間を確認する |
優先度の高い業務 | 患者の状態や緊急性を考えて判断する |
時間を要した業務 | 手順や準備に改善できる部分がないか考える |
完了できなかった業務 | 原因を確認し、次回の行動計画に反映する |
最初から効率よく動くことは簡単ではありません。先輩看護師にも優先順位を確認しながら振り返りを重ねることで、少しずつ自分で行動計画を立てやすくなります。
達成可能な行動目標を設定して小さな成功を積み重ねる
新人看護師が成長するためには、行動目標を設定することも有効です。ただし、「すべての業務を完璧に行う」といった高すぎる目標は、達成できなかったときに自信を失う原因になります。
行動目標は、以下のように具体的で達成可能な内容にすることがポイントです。
- 患者の状態変化を確認し、先輩に報告する
- 処置前に必要な物品と手順を確認する
- 午前中の業務の優先順位を勤務開始時に整理する
- わからないことを放置せず先輩に確認する
- 指導された内容を振り返り、次の業務で実践する
達成できた目標を一つずつ積み重ねることで、自分の成長を確認しやすくなります。目標を達成した後は次の課題を設定し、無理のないペースでステップアップしましょう。
睡眠や食事を整え仕事から離れる時間をつくる
慣れない業務や勉強によって帰宅時間が遅くなったり、夜勤によって生活リズムが乱れたりすることがあります。疲労した状態が続けば集中力が低下し、仕事がさらに負担に感じられる可能性があります。
心身の回復のためには、以下のような過ごし方を意識しましょう。
- 必要な睡眠時間を確保する
- 食事を抜かず、栄養バランスを意識する
- 夜勤前後は無理に予定を詰め込まない
- 同期や友人と食事をしたり趣味を楽しんだりする
- 仕事に関係する勉強をしない時間をつくる
- 疲れている日は勉強より休息を優先する
同期と話すことで、「自分だけが悩んでいるわけではない」と気づける場合もあります。新人の時期は焦ることもありますが、十分な休息も仕事を続けるために必要です。強い疲労や不調が続く場合は、職場の上司や医療機関などに相談しましょう。

新人看護師がつらいときの行動計画と目標の立て方
行動計画や行動目標の作成は、自分の課題を整理し、成長につなげるうえで重要です。ここでは、負担になりにくい計画と目標の立て方を解説します。
新人看護師の行動計画を具体化する方法
行動計画を立てるときは、「頑張る」などの抽象的な内容ではなく、「いつ・何を・どのように行うか」まで具体的にすることが大切です。計画を具体化すると、勤務中に次の行動を判断しやすくなります。
たとえば、以下のように整理してみましょう。
抽象的な計画 | 具体化した行動計画 |
|---|---|
効率よく業務を行う | 勤務開始時に処置や検査の時間を確認し、業務の順番を決める |
患者をしっかり観察する | バイタルサインと患者の訴えを確認し、前回の状態と比較する |
適切に報告する | 状態の変化を整理し、必要な情報を先輩看護師へ報告する |
ミスを防ぐ | 処置や投薬の前に必要な確認を行い、不明点は先輩に相談する |
看護技術を身につける | 実施前に手順を確認し、指導を受けながら安全に実践する |
一日の業務をすべて細かく計画する必要はありません。まずは優先度の高い業務や苦手な業務から整理すると、取り組みやすくなります。
無理なく達成できる行動目標を設定するポイント
行動目標は、その日の勤務で達成できたかどうかを振り返れる内容にすることが大切です。「一人前の看護師になる」といった大きな目標だけでは、何をすればよいのかわかりにくくなります。
行動目標を設定するときは、以下のポイントを意識しましょう。
- その日の勤務で実践できる内容にする
- 自分の経験や習熟度に合わせる
- 具体的な行動で表現する
- 達成できたか振り返れる内容にする
- 一度に多くの目標を設定しすぎない
たとえば、「報告を上手にする」ではなく、「患者の状態変化を整理して先輩看護師へ報告する」とすると、取るべき行動が明確になります。達成可能な目標を一つずつクリアし、習熟度に合わせて難易度を上げていくことが成長につながります。
行動計画シートを振り返りと成長につなげるコツ
行動計画シートは、予定を書いて終わりにするのではなく、勤務後の振り返りに活用することが重要です。計画どおりにできなかった場合も、その理由と次回の改善方法まで整理しましょう。
振り返る際は、以下のようにまとめると課題を把握しやすくなります。
振り返る項目 | 記載する内容の例 |
|---|---|
できたこと | 患者の状態変化を確認して報告できた |
できなかったこと | 記録に時間がかかり、予定より業務が遅れた |
できなかった理由 | 情報整理に時間がかかってしまった |
学んだこと | 記録する内容を事前に整理すると進めやすい |
次回の行動 | ケア後に必要な情報を整理してから記録する |
過去の行動計画シートを見返せば、自分の成長や繰り返し生じている課題を把握しやすくなり、次の目標設定にも活用できます。
集合研修やOJTで学んだ内容を実務に生かす方法
新人看護師は、集合研修やOJT(職場内訓練)を通じて、看護技術や医療安全、患者対応など多くのことを学びます。ただし、研修で理解できても、実際の患者を前にすると手順や注意点を思い出せないこともあるでしょう。
学んだ内容は、次のような手順で整理すると実務に生かしやすくなります。
- 研修で学んだ重要なポイントを整理する
- 実務のどのような場面で活用できるかを考える
- 実施前に手順や注意点を確認する
- 必要に応じて先輩看護師の指導を受けながら実践する
- 実践後にできたことや課題を振り返る
- 課題を次回の行動目標に反映する
「学ぶ→実践する→振り返る→次の行動につなげる」という流れを繰り返すことで、知識と実務を結びつけやすくなります。

新人看護師がつらい状況でも今の職場を続けるメリット
つらさの原因が新人の時期特有のものであれば、今の職場で経験を重ねることで自信やスキルの向上につながる場合があります。ただし、無理をして働き続ける必要はありません。
1年間の経験が看護技術と判断力の土台になる理由
新人看護師の1年間は、学校で学んだ知識を実際の看護に結びつけながら、基本的な業務を身につけていく時期です。患者の状態観察や看護技術、報告・連絡・相談などを繰り返し経験することで、一人で対応できる業務が増えていきます。
1年間の経験を通じ、以下のような力が身につきます。
- 基本的な看護技術
- 患者の状態を観察する力
- 業務の優先順位を判断する力
- 医師や先輩看護師への報告・連絡・相談
- 患者や家族とのコミュニケーション
- 多職種と連携して業務を進める力
入職直後には難しかったことでも、経験を重ねることで落ち着いて対応できるようになる場合があります。こうした経験は、今後のキャリアを築く強固な土台となります。
教育・研修を受けながら経験を積めるメリット
新人看護師向けの教育体制が整っている職場では、集合研修やOJT、プリセプター制度などを通じて、基礎的な知識や看護技術を学べます。先輩看護師から指導を受けながら実践経験を積めることは、新人の時期ならではのメリットです。
こうした教育体制には、法令上の裏づけもあります。2009年(平成21年)7月に、保健師助産師看護師法及び看護師等の人材確保の促進に関する法律が改正されました。これにより2010年(平成22年)4月1日から、新たに業務に従事する看護職員の臨床研修等が努力義務となっています。新人看護職員の研修は、個々の病院の方針だけでなく、法令上の努力義務を踏まえて実施されています。
職場によって異なりますが、新人教育では以下のようなサポートを受けられる場合があります。
- 採血や点滴などの看護技術研修
- 医療安全や感染対策に関する研修
- プリセプターや教育担当者による指導
- 定期的な面談や振り返り
- 夜勤や独り立ちに向けた段階的な教育
- 院内の集合研修や勉強会
今の職場の教育体制が充実している場合は、利用できる研修やサポートを活用しながら経験を積むのもよいでしょう。
一時的なつらさなら経験とともに軽減する可能性がある
新人看護師が感じるつらさのなかには、仕事や職場環境に慣れていないことが原因となっているものもあります。入職直後は一つひとつ確認しながら行っていた業務でも、繰り返し経験することで負担を感じにくくなる場合があります。
たとえば、以下のような悩みは経験を積むことで変化する可能性があります。
- 業務の流れを覚えられない
- 看護技術に自信を持てない
- 先輩への報告で緊張する
- 優先順位をつけられない
- 患者への対応に戸惑う
ただし、つらさのすべてが時間の経過によって解決するとは限りません。強い心身の不調やハラスメント、過度な業務負担などがある場合は、「1年間は続けなければならない」と無理をする必要はありません。

新人看護師がつらいときに退職・転職を検討したいサイン
心身の不調が続いていたり、職場環境そのものに問題があったりする場合は、無理に働き続ける必要はありません。ここでは、退職や転職を検討したい4つのサインを解説します。
心身の不調が続いて日常生活にも影響している
仕事のつらさによって心身の不調が続き、勤務時間以外の生活にも影響している場合は注意が必要です。「新人だからつらくて当然」と我慢を続けるのではなく、自分の状態を確認することが大切です。
たとえば、以下のような変化が続いていないか確認してみましょう。
- 十分に休んでも疲労感が取れない
- なかなか眠れない、途中で何度も目が覚める
- 食欲が大きく変化している
- 休日でも仕事のことが頭から離れない
- 出勤前になると強い不安や体調不良を感じる
- これまで楽しめていたことを楽しめない
心身の不調が続く場合は、無理に勤務を続けるのではなく、上司や職場の相談窓口、医療機関などに相談しましょう。必要に応じて、休職や勤務調整で負担を軽減することも検討してください。
ハラスメントや過度な叱責など職場環境に問題がある
新人看護師への指導では、安全な看護を行うために注意や指摘を受けることがあります。しかし、人格を否定する発言や必要以上の叱責が繰り返されている場合は、単なる指導として受け入れる必要はありません。
職場環境について悩んでいる場合は、以下のような状況がないか確認しましょう。
- 人格や能力を否定するような発言を繰り返される
- 大勢の前で必要以上に叱責される
- 無視や仲間外れなどの行為を受ける
- 新人という理由だけで過度な業務を任される
- 質問や相談をしても取り合ってもらえない
- ハラスメントについて相談しても適切に対応されない
「自分が新人だから仕方ない」と一人で抱え込まないことが大切です。プリセプターや師長、人事担当者、職場の相談窓口などに状況を伝え、対応を求めましょう。それでも改善が期待できない場合は、異動や転職も選択肢に入れましょう。
相談しても業務量や教育体制が改善されない
新人看護師が安全に業務を行うためには、習熟度に応じた業務量や適切な教育・サポートが必要です。負担が大きいことを相談しても状況が改善されない場合は、現在の職場が自分に合っているかを見直す必要があります。
たとえば、以下のような状態が続いていないか確認してみましょう。
- 習熟度に対して業務量が過多になっている
- 十分な説明がないまま一人で業務を任される
- 質問や確認ができる先輩看護師が不在である
- 教育担当者によって指導内容が大きく異なる
- 悩みを相談しても具体的な対応をしてもらえない
- 面談や指導体制の見直しを依頼しても状況が変わらない
まずは具体的に困っている内容を伝え、業務量や教育方法を調整できないか相談することが重要です。それでも改善されない場合は、部署異動や転職も検討しましょう。
部署異動で解決できる悩みか転職が必要かを見極める
現在の仕事がつらいからといって、必ずしも看護師そのものが向いていないとは限りません。特定の部署に関する問題であれば、院内での部署異動によって状況が改善する可能性があります。
部署異動と転職のどちらが適しているかは、悩みの原因を整理して考えましょう。
悩み・希望 | 検討できる選択肢 |
|---|---|
特定の部署の人間関係がつらい | 部署異動を相談する |
現在の診療科が自分に合わない | 別の診療科への異動を検討する |
夜勤による負担が大きい | 夜勤回数の調整や日勤中心の部署を相談する |
病院の教育方針が自分に合わない | 教育体制の異なる職場への転職を検討する |
病院全体の職場環境に問題がある | 転職を含めて環境を変えることを検討する |
働き方そのものを変えたい | 希望する勤務形態で働ける職場を探す |
院内での調整では改善が難しい場合は、転職によって環境を変える方法もあります。自分が何につらさを感じているのかを整理して判断しましょう。

新人看護師がつらい状況から転職するときのポイント
新人看護師でも転職は可能ですが、経験が浅い段階で職場を変える場合は、退職理由を整理したうえで次の職場を慎重に選ぶことが大切です。ここでは、転職時に押さえたい4つのポイントを解説します。
新人看護師でも転職できるが、短期離職の理由整理が重要
新人看護師でも転職することは可能です。ただし、入職から短期間で転職活動を始める場合、採用面接では退職・転職の理由について質問されることがあります。
転職活動を始める前に、以下の点を整理してみましょう。
- 現在の職場で何をつらいと感じているのか
- 自分で改善するために取り組んだことはあるか
- 転職によって何を変えたいのか
- 次の職場ではどのように働きたいのか
- 今までの経験から学んだことは何か
前職への不満だけを伝えるのではなく、経験から学んだことや今後の目標につなげて説明することがポイントです。
教育体制やプリセプター制度が整った職場を選ぶ
経験の浅い新人看護師が転職する場合は、給与や勤務地だけでなく、教育体制も確認することが重要です。十分な研修やサポートがない職場に転職すると、再び仕事への不安が大きくなる可能性があります。
転職先を比較するときは、以下の項目を確認してみましょう。
確認項目 | チェックするポイント |
|---|---|
新人・若手向け研修 | 経験の浅い看護師も研修を受けられるか |
プリセプター制度 | 個別に相談・指導を受けられる体制があるか |
OJT | 実務を通じて段階的に学べるか |
独り立ちの基準 | 経験や習熟度に合わせて判断されるか |
面談・フォロー | 定期的に悩みや課題を相談できるか |
中途入職者への教育 | 新卒以外にも教育・研修が用意されているか |
求人情報のみでは教育体制の詳細まで把握しきれない場合もあります。面接や職場見学の機会を活用し、入職後のスケジュールやフォロー体制を具体的に確認しましょう。
仕事内容・勤務体制・人間関係などつらい原因から希望条件を決める
転職先を選ぶ前に、現在の職場で何がつらかったのかを整理することが重要です。原因が明確になれば、転職後に同じ悩みを抱えるリスクを抑えられます。
たとえば、つらさの原因と希望条件は以下のように整理できます。
現在の職場でつらいこと | 転職先で確認したい条件 |
|---|---|
夜勤による負担が大きい | 夜勤回数や勤務形態の確認 |
業務量が多すぎる | 人員配置や残業実態の把握 |
教育体制に不満がある | 研修・OJT・フォロー体制の有無 |
現在の診療科が合わない | 興味や適性に合った診療科 |
人間関係で悩んでいる | 職場の雰囲気や相談体制の確認 |
通勤の負担が大きい | 勤務地や通勤時間 |
すべての希望を満たす職場を探すのが難しい場合は、「必ず満たしたい条件」と「できれば満たしたい条件」に分けて優先順位を決めましょう。
転職先を決めてから退職するなど、焦らず準備を進める
心身の状態に余裕があり勤務を続けられる場合は、転職先を決めてから退職する方法もあります。収入が途切れる期間を抑えられるほか、焦って転職先を決めるリスクも減らせます。
転職を検討するときは、以下のような流れで準備を進めましょう。
- 現在の職場を辞めたい理由を整理する
- 転職先に求める条件と優先順位を決める
- 求人を比較して応募先を検討する
- 面接や職場見学で教育体制や働き方を確認する
- 内定後に入職日と退職時期を調整する
- 就業規則を確認して退職手続きを進める
ただし、心身の不調が強い場合や安全に働き続けることが難しい場合は、転職先が決まるまで無理に勤務を続ける必要はありません。自分の状態を優先し、休職や退職を含めて適切な方法を検討しましょう。

まとめ
新人看護師の1年目は、さまざまな負担が重なりやすい時期です。覚えることの多さや看護技術への不安、先輩看護師との人間関係、命を預かる責任、夜勤、行動計画の作成、理想と現実のギャップなどが挙げられます。公益社団法人日本看護協会の「2025年(令和7年)病院看護実態調査」によると、病院に勤務する正規雇用の新卒採用者における2024年度の離職率は8.4%でした。つらさを感じるのは自分だけではありません。
厚生労働省のガイドラインでは、到達目標は1年以内の達成を目指すものとされ、その時期は各施設の判断に委ねられています。つまり、入職直後から高い水準を求められているわけではありません。同期と比べるのではなく、過去の自分と比較しながら、達成可能な行動目標を一つずつ積み重ねることが成長につながります。
一方で、心身の不調が日常生活にも影響している場合や、ハラスメント、相談しても改善されない業務量や教育体制といった問題がある場合は、無理に働き続ける必要はありません。部署異動で解決できるのか、転職が必要なのかを整理し、必要に応じて上司や相談窓口、医療機関に相談しながら、自分に合った選択肢を検討しましょう。
よくある質問
Q.新人看護師が一番つらい時期はいつ?
新人看護師が一番つらいと感じる時期は人によって異なります。特に、入職直後や業務量が増える時期、夜勤・独り立ちが始まる時期は負担を感じやすいでしょう。
時期によって、つらさの原因も変化します。
時期・タイミング | つらいと感じやすい理由 |
|---|---|
入職直後 | 新しい環境への適応や研修で疲れやすい |
業務を覚え始めた頃 | 覚えることが多く、知識・技術不足を感じやすい |
受け持ちが増えた頃 | 業務量や責任が増える |
夜勤開始後 | 睡眠や生活リズムが乱れやすい |
独り立ちが進む頃 | 自分で判断する場面が増える |
「何月が一番つらい」と一概には言えません。まずはつらさの原因を整理し、プリセプターや上司へ相談してみましょう。
Q.新人看護師はいつ頃から独り立ちする?
新人看護師が独り立ちする時期に、一律の基準はありません。厚生労働省のガイドラインにおいても到達時期の一律の指定はなく、各施設の判断に委ねられています。
また、「独り立ち」といっても、すべての業務を一人で行える状態を意味するとは限りません。独り立ちに向けては、以下のような点が確認されることがあります。
- 基本的な看護技術を安全に実施できる
- 患者の状態を観察できる
- 業務の優先順位を考えて行動できる
- 必要なタイミングで報告・連絡・相談ができる
- わからないことを自己判断せず確認できる
同期より独り立ちが遅くても、必要以上に焦る必要はありません。自分の課題を確認しながら、安全に業務を行えることを優先しましょう。
Q.仕事でつまずきやすい新人看護師の行動傾向とは?
「仕事ができない新人看護師」に明確な基準があるわけではありません。新人の時期は経験が少ないため、仕事を覚えるまでに時間がかかったり、先輩より対応に時間を要したりすることがあります。
一方で、仕事を覚えるうえで改善を意識したい行動には、以下のようなものがあります。
改善を意識したい行動 | 意識したいポイント |
|---|---|
わからないまま自己判断する | 不明点は先輩に確認する |
同じ指摘を繰り返し受ける | 指摘された内容をメモして振り返る |
優先順位をつけられない | 勤務開始時に業務を整理する |
報告が遅れてしまう | 状態変化があれば早めに相談する |
一人で問題を抱え込む | プリセプターや上司に相談する |
新人看護師は、最初からすべての業務をこなせる必要はありません。できないことを一つずつ振り返り、次の行動に生かしていくことが成長につながります。
Q.新人看護師が辞めたいと思うのは甘え?
新人看護師が「辞めたい」と思うからといって、甘えと判断する必要はありません。慣れない業務や人間関係、責任の重さ、夜勤など、さまざまな負担が重なることで仕事を続けることがつらくなる場合があります。
日本看護協会の調査によると、2024年度(令和6年度)の新卒採用者の離職率は8.4%でした。新卒で入職した看護職員の一定割合が1年目で職場を離れており、辞めたいと感じること自体は特別なことではありません。
辞めたいと思ったときは、その気持ちを否定するのではなく、原因を整理してみましょう。
- 仕事を覚えることへの不安
- 看護技術や知識への自信のなさ
- 業務量や勤務時間の負担
- 夜勤による心身の疲労
- 上司や先輩との人間関係
- 職場の教育・サポート体制
原因がわかれば、上司への相談や業務調整、部署異動などによって改善できる可能性があります。一方、心身の不調やハラスメントなどが続いている場合は、無理に働き続けず、休職や退職、転職なども含めて検討することが大切です。
Q.新人看護師でも1年未満で転職できる?
新人看護師が「辞めたい」と思うからといって、甘えと判断する必要はありません。慣れない業務や人間関係、責任の重さ、夜勤など、さまざまな負担が重なることで仕事を続けることがつらくなる場合があります。
日本看護協会の調査によると、2024年度(令和6年度)の新卒採用者の離職率は8.4%でした。新卒で入職した看護職員の一定割合が1年目で職場を離れており、辞めたいと感じること自体は特別なことではありません。
辞めたいと思ったときは、その気持ちを否定するのではなく、原因を整理してみましょう。
- 仕事を覚えることへの不安
- 看護技術や知識への自信のなさ
- 業務量や勤務時間の負担
- 夜勤による心身の疲労
- 上司や先輩との人間関係
- 職場の教育・サポート体制
原因がわかれば、上司への相談や業務調整、部署異動などによって改善できる可能性があります。一方、心身の不調やハラスメントなどが続いている場合は、無理に働き続けず、休職や退職、転職なども含めて検討することが大切です。
[メディルン]編集部
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