この記事がおすすめな人
- 「辞めたい」と思う自分は甘いのではないかと責めている方
- 今の職場を離れるべきか看護師自体を辞めるべきか迷っている方
- 看護師の経験や資格を活かして別の働き方を探したい方

看護師を辞めたいと思う主な理由
看護師を辞めたいと思う理由は人によってさまざまです。ここでは、離職の実態を示すデータを確認したうえで、主な理由を整理します。
離職率のデータからみる「辞めたいのは自分だけではない」という事実
「辞めたいと感じるのは自分が甘いからではないか」と考える方もいます。しかし、看護職員が実際に職場を離れている割合は、調査によって数値で示されています。
公益社団法人日本看護協会の「2025年(令和7年)病院看護実態調査」によると、2024年度(令和6年度)の離職率は正規雇用看護職員で11.0%、新卒採用者は8.4%、既卒採用者は16.1%でした。2023年度(令和5年度)と比べると、正規雇用が0.3ポイント、新卒採用者が0.4ポイント減少しています。同調査は2025年(令和7年)10月1日から11月17日に実施され、3,502施設から有効回答を得ています。
一定数の看護職員が実際に職場を離れており、辞めたいと感じること自体は特別なことではありません。その事実を踏まえたうえで、自分が何に負担を感じているのかを整理することが、次の判断につながります。
人間関係のストレスや職場の雰囲気がつらい
看護師は医師や同僚の看護師、その他の医療スタッフなど、多くの人と連携しながら働きます。そのため、人間関係によるストレスが辞めたい理由になることがあります。
人間関係でストレスを感じやすいケースとして、以下が挙げられます。
- 上司や先輩との関係がうまくいかない
- 同僚とのコミュニケーションが取りにくい
- スタッフ同士の雰囲気が悪い
- 忙しさから職場全体に余裕がない
- 他職種との連携がうまくいかない
上司や先輩との関係に悩むと、仕事内容に不満がなくても出勤すること自体がつらくなる場合があります。人間関係の悩みが長期間続くと精神的な負担が大きくなり、退職や転職を考えるきっかけになります。
夜勤や不規則な勤務による身体的負担が大きい
病院や施設によっては夜勤があり、勤務時間が不規則になりやすいことも理由の一つです。日勤と夜勤を繰り返す勤務では生活リズムを整えにくく、十分な休息を取れないケースも少なくありません。
具体的には、以下のような負担を感じることがあります。
- 睡眠時間や生活リズムが乱れやすい
- 夜勤後に十分な休息を取れない
- 長時間の立ち仕事で身体が疲れる
- 患者の移乗や介助で身体に負担がかかる
- 家族や友人と予定を合わせにくい
疲労が蓄積すると、仕事だけでなく私生活にも影響する可能性があります。年齢やライフスタイルの変化をきっかけに、夜勤のない職場への転職を検討する人もいます。
業務量が多く残業や休日出勤が負担になっている
看護師は患者へのケアだけでなく、記録の作成や申し送り、カンファレンスなど幅広い業務を担当します。勤務先の人員配置によっては業務が一人に集中し、勤務時間内に終えられないケースも生じます。
看護師が担当する主な業務
- 患者の状態観察やケア
- 点滴や投薬などの医療処置
- 看護記録の作成
- 申し送りやカンファレンス
- 委員会活動や研修への参加
家族との時間や趣味、休息を十分に確保できない状態が続くと、より負担の少ない職場への転職を考えるきっかけになります。
命を預かる責任や医療事故へのプレッシャーが重い
看護師の業務は患者の命や健康に関わる仕事であるため、大きな責任を伴います。投薬や点滴、患者の状態確認などでは、正確な判断と対応が求められます。
特にプレッシャーを感じやすい場面として、以下が挙げられます。
- 投薬や点滴を行うとき
- 患者の容体が急変したとき
- わずかな異変を見逃さないよう観察するとき
- 緊急時に迅速な判断を求められるとき
- 経験の浅い看護師を指導するとき
「ミスをしてはいけない」という緊張感を抱えながら働くことは、精神的な負担につながります。こうしたプレッシャーが長く続くと、看護師を辞めたいと考えることもあるでしょう。
仕事内容や責任に対して給与が見合わないと感じる
看護師の仕事は専門的な知識や技術が求められるうえ、患者の命に関わる大きな責任を負うものです。勤務先によっては夜勤や残業も多く、負担に対して給与が見合わないと感じることがあります。
給与への不満につながりやすい要因には、以下があります。
- 業務量が多い
- 責任が重い
- 夜勤や残業による負担が大きい
- 昇給額が少ないと感じる
- 経験やスキルが給与に反映されていないと感じる
実際の給与水準は、調査で確認できます。日本看護協会の「2025年(令和7年)病院看護実態調査」によると、2025年度(令和7年度)の新卒看護師の初任給は次のとおりです。高卒・3年課程卒の基本給は平均216,416円、大卒は平均221,883円です(税込給与総額はそれぞれ285,078円、292,527円)。また、勤続10年の非管理職の看護師は、基本給254,286円、税込給与総額340,278円となっています。
昇給の幅は緩やかで、勤続10年時点の基本給は新卒の初任給と比べて約3万〜4万円の差にとどまります。2024年度(令和6年度)の引き上げ率は、高卒・3年課程卒の新卒が3.2%、大卒の新卒が2.9%、勤続10年の看護師が1.6%でした。
なお金額は調査全体の平均であり、勤務先の規模や地域、夜勤回数、各種手当によって実際の支給額は異なります。こうした水準を踏まえ、より待遇の良い職場への転職を検討する人もいます。
患者・家族への対応で精神的に疲れている
看護師は患者のケアだけでなく、家族への説明や相談対応なども行います。日々さまざまな感情を受け止めるなかで、精神的な疲労が蓄積することがあります。
患者や家族への対応では、以下のような場面で負担を感じることがあります。
- 厳しい要望や意見を受ける
- 不安や怒りなどの感情を受け止める
- 同じ内容を繰り返し説明する
- 忙しいなかでも丁寧な対応を求められる
- 患者や家族との信頼関係を築く必要がある
丁寧な対応をしていても、必ずしも相手に納得してもらえるとは限りません。こうした状況が繰り返されると、人と接すること自体に疲れを感じることがあります。
看護師の仕事そのものに向いていないと感じる
実際に働き始めてから「自分は看護師に向いていないのではないか」と感じる人もいます。看護師には、コミュニケーションや医療処置、状況に応じた判断など、さまざまな能力が求められます。
看護師に向いていないと感じるきっかけとして、以下が挙げられます。
- ミスが続いて自信を失っている
- 患者とのコミュニケーションが苦手
- 緊急時の判断や対応に強い不安を感じる
- 周囲と比べて仕事が遅いと感じる
- 医療処置や責任の重さに負担を感じる
現在の職場や診療科が合っていないだけで、看護師そのものに向いていないとは限りません。病院以外にも、クリニックや介護施設、訪問看護ステーションなど、看護師資格を活かせる職場があります。

看護師を辞めたいと思ったときの判断基準
看護師を辞めたいと感じても、すぐに退職するべきか迷う人は少なくありません。ここでは、判断の前に整理しておきたい4つの視点を解説します。
心身の不調が続いているなら無理をしないことが重要
仕事のストレスや疲労によって心身の不調が続いている場合は、無理をして働き続けないことが重要です。「人手不足だから休めない」と考えてしまう人もいるかもしれません。
特に、以下のような状態が続いている場合は注意が必要です。
- 十分に寝ても疲れが取れない
- 眠れない日が続いている
- 食欲が大きく変化している
- 出勤前になると強い不安を感じる
- 仕事のことを考えると気分が落ち込む
不調を抱えたまま働き続けると、仕事や日常生活に影響が広がる可能性があります。退職するかどうかの判断よりも、自分の心身の状態を優先することが大切です。
職場を変えれば解決する悩みかを切り分ける方法
看護師を辞めたいと感じたときは、まず「仕事そのものが原因なのか」「今の職場環境が原因なのか」を切り分けて考えましょう。職場を変えることで解決できる悩みであれば、看護師そのものを辞める必要はない可能性があります。
たとえば、以下のように整理できます。
現在の悩み | 職場を変えることで期待できる変化 |
|---|---|
人間関係がつらい | 人間関係を一から構築できる |
夜勤がつらい | 日勤のみの職場を選べる |
残業が多い | 残業の少ない職場を探せる |
通勤が負担 | 自宅から近い職場を選べる |
診療科が合わない | 別の診療科への異動や転職を検討できる |
「環境を変えれば解消できるか」という視点で書き出すと、転職とキャリアチェンジのどちらが適しているかを判断しやすくなります。
一時的なつらさだけで退職を決めないほうがよい理由
仕事で大きな失敗をしたときなどは、「今すぐ看護師を辞めたい」と感じることがあります。しかし、一時的な感情だけで退職を決めると、状況が落ち着いたあとに後悔する可能性があります。
特に、以下のような状況では、すぐに結論を出さないことも大切です。
- 大きなミスをして落ち込んでいる
- 繁忙期で一時的に業務量が増えている
- 異動したばかりで仕事に慣れていない
- 上司や同僚と一時的なトラブルがあった
- 苦手な業務を担当した直後である
緊急性がない場合は、休暇を取ったり信頼できる人に相談したりして、気持ちを整理してから判断する方法があります。ただし、心身の不調やハラスメントなど深刻な問題がある場合は、無理に働き続ける必要はありません。
看護師そのものを辞めたいのか職場を辞めたいのかを整理する
退職を考える際は、「看護師そのものを辞めたい」のか「今の職場を辞めたい」のかを整理することが重要です。この2つを区別できると、今後のキャリアについて考えやすくなります。
まずは、現在の気持ちを以下のように整理してみましょう。
- 看護業務自体にやりがいを感じられるか
- 患者と関わる仕事を続けたいか
- 夜勤や残業がなくなれば続けられそうか
- 人間関係が変われば働き続けたいと思えるか
- 看護師以外にやりたい仕事があるか
人間関係や勤務条件に悩んでいるのであれば、転職によって状況が改善する可能性があります。一方、看護業務そのものに強い負担を感じている場合は、別職種への転職も選択肢です。

退職を検討する前に試したい対処法
職場への相談や働き方の変更によって悩みを解消できる場合もあります。ここでは、退職を決める前に試せる3つの対処法を紹介します。
信頼できる上司や同僚に悩みを相談する方法
一人で悩みを抱えている場合は、まず信頼できる上司や同僚に相談してみましょう。誰かに話すことで、状況や自分の気持ちを客観的に整理できる場合があります。
相談する際は、以下のポイントを意識すると状況を伝えやすくなります。
- 何に困っているのかを具体的に伝える
- いつ頃から悩んでいるのかを説明する
- 仕事や心身にどのような影響が出ているかを伝える
- 自分が希望する対応や働き方を伝える
- 必要に応じて相談内容を記録しておく
「仕事がつらい」と伝えるだけでなく、「夜勤が続いて疲労が取れないため回数を減らしたい」と具体的に伝えることがポイントです。直属の上司に相談しにくい場合は、人事部門や職場の相談窓口を利用する方法もあります。
休暇や休職を利用して仕事から離れる選択肢
疲労やストレスが蓄積し、冷静に考える余裕がない場合は、休暇や休職を利用して一時的に仕事から離れる方法があります。仕事から距離を置くことで、今後も看護師として働き続けたいのかを落ち着いて考えられる場合があります。
状況に応じて、以下のような制度の利用を検討しましょう。
選択肢 | 活用方法 |
|---|---|
有給休暇 | 数日間休んで心身を休める |
連休 | 勤務調整などによりまとまった休息を取る |
休職制度 | 一定期間仕事から離れて療養などに専念する |
利用できる制度や条件は勤務先によって異なるため、就業規則や担当部署で確認しておきましょう。心身に不調がある場合は、医療機関への相談も検討してください。
部署異動や勤務形態の変更で負担を減らす方法
特定の要因が負担になっている場合は、退職する前に部署異動や勤務形態の変更を相談する方法があります。環境や働き方を変えるだけで、看護師として働き続けられる可能性もあります。
たとえば、以下のような変更を検討できます。
- 別の診療科や部署への異動を希望する
- 夜勤の回数を減らしてもらう
- 日勤のみの勤務に変更する
- 短時間勤務が可能か相談する
- 業務内容や担当業務の調整を相談する
希望する働き方に変更できるかは、勤務先の人員配置や制度によって異なります。まずは上司や担当部署に相談し、どのような選択肢があるのか確認してみましょう。

看護師を辞めたいときに退職を検討したほうがいいケース
職場環境や心身の状態によっては、無理に働き続けないほうがよい場合もあります。ここでは、退職や転職を検討したい4つのケースを解説します。
ハラスメントや深刻な人間関係の問題が改善されない場合
ハラスメントや深刻な人間関係のトラブルが続いている場合は、退職や転職を検討してもよいでしょう。上司や相談窓口へ相談しても改善されない場合は、働き続けることで精神的な負担が大きくなる可能性があります。
たとえば、以下のような状況が続いている場合は注意が必要です。
- 上司や先輩から暴言や侮辱的な発言を受ける
- 無視や仲間外れなどの行為が続いている
- 必要以上に厳しい叱責を繰り返される
- 性的な言動や不快な接触を受けている
- 相談しても職場が対応してくれない
ハラスメントは自分だけで解決することが難しいため、職場内で改善が期待できないときは外部の相談窓口に相談したうえで、退職や転職を検討しましょう。
休んでも心身の状態が回復しない場合
休暇を取って十分に休んでも心身の不調が続いている場合は、現在の働き方を見直す必要があります。無理をして勤務を続けると、日常生活にも影響する可能性があります。
特に、以下のような状態が長く続いている場合は注意しましょう。
- 休んでも強い疲労感が残っている
- 睡眠や食事に影響が出ている
- 出勤することに強い不安や苦痛を感じる
- 仕事中に集中することが難しい
- 休日も仕事のことが頭から離れない
まずは十分な休息を確保し、必要に応じて医療機関を受診することが大切です。そのうえで働き続けることが難しい場合は、休職や配置転換、転職などの選択肢を検討しましょう。
労働環境に問題があり改善を期待できない場合
慢性的な人手不足や長時間労働など、労働環境そのものに問題がある場合も、退職を検討するタイミングの一つです。個人の努力だけでは解決できない問題が続くと、心身の負担が蓄積していきます。
労働環境について、以下のような問題がないか確認してみましょう。
確認するポイント | 具体例 |
|---|---|
勤務時間 | 長時間労働や残業が常態化している |
休日・休暇 | 十分な休日や休憩を確保しにくい |
人員配置 | 慢性的な人手不足で業務負担が大きい |
勤務体制 | 夜勤の回数が多く身体への負担が大きい |
職場の対応 | 相談や改善を求めても対応されない |
職場全体の問題で改善が期待できない場合は、転職を検討するのも一つの方法です。
やりたい仕事や今後のキャリアが明確になっている場合
看護師以外にやりたい仕事があり、キャリアプランが明確になっている場合は、退職やキャリアチェンジを前向きに検討してもよいでしょう。次の目標に向けた退職であれば、行動計画も立てやすくなります。
退職を決める前に、以下の点を整理しておきましょう。
- 次にやりたい仕事や職種が決まっているか
- 必要な資格やスキルを把握しているか
- 転職活動を始める時期を決めているか
- 退職後の収入や生活費を確保できるか
- 看護師資格を今後どのように活かすか
看護師として身につけたコミュニケーション能力や判断力などを活かせる仕事もあります。方向性が決まっている場合は、退職する時期や次のキャリアを具体的に検討しましょう。

看護師を辞めたい人が知っておきたい転職という選択肢
看護師を辞めたいと感じていても、看護師そのものを辞める必要があるとは限りません。ここでは、職場や働き方を変えるという選択肢について解説します。
病院を変えるだけで悩みを解消できる可能性
原因が人間関係や勤務体制、業務量などにある場合は、別の病院へ転職することで悩みを解消できる場合があります。病院によって規模や診療科、人員体制、運営方針が異なるためです。
たとえば、以下のような悩みは転職によって改善できる可能性があります。
- 人間関係や職場の雰囲気が合わない
- 夜勤の回数が多く身体的な負担が大きい
- 残業が多くプライベートの時間を確保できない
- 業務量や担当する患者数が多い
- 現在の診療科が自分に合っていない
現在の職場で何が負担になっているのかを明確にし、その問題を解消できる職場を探すことが重要です。
病院以外で看護師資格を活かせる職場とは
看護師資格を活かせる職場は病院だけではありません。病院での勤務が合わないと感じている場合でも、職場を変えることで看護師として働き続けられる可能性があります。
病院以外の主な職場には、以下のような選択肢があります。
職場 | 主な特徴 |
|---|---|
クリニック・診療所 | 日勤中心の求人を探しやすい |
介護施設 | 高齢者の健康管理や医療的ケアを行う |
訪問看護ステーション | 利用者の自宅を訪問して看護を行う |
健診センター | 健康診断や検査の補助などを担当する |
保育園 | 園児の健康管理やけが・体調不良に対応する |
企業 | 従業員の健康管理などに携わる場合がある |
仕事内容や勤務条件、求められる経験・スキルは職場によって異なります。自分が負担に感じていることを整理し、希望する働き方に合った職場を探してみましょう。
転職先でも同じ理由で辞めないための職場選び
転職で悩みを解消するには、「今の職場を辞めること」だけを目的にせず、退職したい理由を踏まえて転職先を選ぶことが大切です。
日本看護協会の「2025年(令和7年)病院看護実態調査」では、2024年度(令和6年度)の既卒採用者の離職率は16.1%でした。正規雇用看護職員全体の11.0%を上回る水準です。転職そのものが悩みの解決を保証するわけではなく、転職先の条件をどこまで確認できるかが重要になります。
転職先を探す際は、以下の項目を確認しましょう。
- 夜勤の有無や回数
- 月平均の残業時間
- 年間休日数や休暇制度
- 配属予定の部署や仕事内容
- 給与や各種手当
- 教育・研修体制
- 職場の雰囲気や人員体制
求人票だけでは分からない内容は、面接時に質問したり職場見学を利用したりして確認しましょう。
転職したばかりで辞めたい場合に確認したいポイント
転職したばかりでも、「思っていた職場と違った」などの理由から辞めたいと感じることがあります。ただし、新しい環境に慣れていないことが原因であれば、時間の経過で悩みが軽減される可能性もあります。
退職を決める前に、以下のポイントを確認してみましょう。
- 辞めたい理由は一時的なものか
- 求人や面接で聞いた条件と実際の勤務条件に違いがないか
- 教育やサポートを十分に受けられているか
- 上司への相談によって改善できる問題か
- 心身に大きな負担が生じていないか
一方、ハラスメントや著しい労働条件の相違、心身の不調などがある場合は、在籍期間の短さだけを理由に働き続ける必要はありません。

看護師を辞めたい人におすすめの別の仕事
看護師を辞めたい場合は、資格や経験を活かせる仕事だけでなく、異業種へ転職する選択肢もあります。ここでは、代表的な選択肢と仕事選びの基準を解説します。
看護師資格や医療知識を活かせる仕事
病院や施設で看護師として働くことがつらくても、資格や医療知識を活かせる仕事があります。臨床現場から離れることで、夜勤や身体的な負担などの悩みを軽減できる可能性もあります。
看護師の経験を活かしやすい仕事の例
仕事 | 主な特徴 |
|---|---|
治験コーディネーター(CRC) | 治験に参加する患者や医療機関をサポートする |
臨床開発モニター(CRA) | 治験が適切に実施されているか確認する |
医療系コールセンターの相談員 | 健康や医療に関する問い合わせなどに対応する |
医療系ライター | 医療・健康分野の記事やコンテンツを作成する |
医療機器メーカーの営業・サポート職 | 医療従事者への製品説明やサポートなどを行う |
仕事内容や応募条件は勤務先によって異なり、看護師資格以外の知識や経験を求められる場合もあります。興味のある仕事は、応募条件を確認したうえで準備を進めましょう。
一般企業など看護師以外の仕事へ転職する方法
看護師資格を直接使わず、一般企業などの異業種へ転職することも可能です。ただし、未経験の職種では、その仕事で活かせる能力を具体的に伝えることが重要になります。
異業種への転職を目指す場合は、以下の流れで準備を進めるとよいでしょう。
- 看護師を辞めたい理由を整理する
- 希望する職種や働き方を決める
- 求められるスキルや資格を調べる
- 看護師経験から活かせる能力を整理する
- 求人を比較して応募する
事務職や営業職、カスタマーサポートなど、未経験から応募できる求人もあります。必要であれば在職中からパソコンスキルなどを身につけ、転職理由と志望動機に一貫性を持たせることもポイントです。
未経験の異業種転職で評価されやすい看護師の強み
看護師として培った経験のなかには、医療業界以外でも活かせる能力があります。経歴だけでなく、仕事を通じて何を身につけたのかを整理してアピールすることが大切です。
看護師経験からアピールできる強みには、以下があります。
- 患者や家族への対応で培ったコミュニケーション能力
- 状況を把握して優先順位を決める判断力
- 複数の業務を並行して進めるマルチタスク能力
- 医師や他職種と連携する協調性
- 正確性が求められる業務に取り組んだ経験
- 緊急時にも状況に応じて対応する力
求人票から企業が求める人物像を確認し、自分の経験と結びつけて具体的なエピソードを伝えることがポイントです。
看護師を辞めた後の仕事選びで後悔しないための基準
辞めた後の仕事を選ぶ際は、給与や仕事内容だけで決めず、看護師を辞めたいと感じた理由を踏まえて条件を設定することが大切です。転職先でも同じ問題が起こると、再び退職を考える可能性があります。
仕事選びでは、以下のように条件を整理してみましょう。
確認する項目 | チェックするポイント |
|---|---|
仕事内容 | 興味や適性に合っているか |
勤務時間 | 無理なく続けられる時間帯か |
休日 | 希望する休日数や曜日を確保できるか |
給与 | 生活に必要な収入を得られるか |
職場環境 | 希望する働き方ができるか |
将来性 | 長期的なキャリアを描けるか |
すべての希望を満たす求人を探すことは難しい場合もあります。「絶対に譲れない条件」と「できれば満たしたい条件」に分けて優先順位をつけることがポイントです。

看護師を辞めたい年代・経験年数別の考え方
辞めたいと感じたときの選択肢や注意点は、年代や経験年数によって異なります。ここでは、経験年数ごとに整理しておきたい視点を解説します。
新卒・1年目で看護師を辞めたい場合の判断ポイント
新卒・1年目の看護師は、慣れない業務や人間関係、知識・技術不足への不安などから辞めたいと感じることがあります。一時的な負担なのか、働き続けることが難しいのかを整理することが大切です。
退職を決める前に、以下のポイントを確認してみましょう。
- 辞めたいと感じる一番の原因は何か
- 時間が経てば解決できそうな悩みか
- 上司や教育担当者に相談できるか
- 部署異動や勤務調整によって改善できるか
- 心身に不調が生じていないか
厚生労働省の「新人看護職員研修ガイドライン【改訂版】」では、新人看護職員の到達目標として「1年以内に到達を目指す項目」とその到達の目安が示されています。1年目に求められる水準には、段階的に到達していくものとされており、入職直後にすべてを身につけている必要はありません。
同ガイドラインは、2009年(平成21年)7月の保健師助産師看護師法などの改正を踏まえて作成されました。この改正により、2010年(平成22年)4月1日から、新たに業務に従事する看護職員の臨床研修等が努力義務となっています。
ただし、ハラスメントや心身の不調など深刻な問題がある場合は、経験年数だけを理由に無理をして働き続ける必要はありません。
2〜3年目で看護師を辞めたい場合のキャリアの考え方
看護師として2〜3年程度働くと、仕事に慣れてくる一方で、今後のキャリアについて考える機会も増えてきます。「別の分野を経験したい」と考え、転職を検討する人もいるでしょう。
今後のキャリアを考える際は、以下の項目を整理することが大切です。
確認する項目 | 考える内容 |
|---|---|
経験 | これまでに身につけた知識やスキル |
興味 | 今後経験したい診療科や仕事内容 |
働き方 | 夜勤の有無や勤務時間などの希望 |
将来像 | 数年後にどのように働いていたいか |
看護師としてキャリアを続けるのか、資格や経験を活かして別の仕事に進むのかを、中長期的な視点で考えてみましょう。
中堅看護師が辞めたいと感じたときの選択肢
経験を積んだ中堅看護師は、通常の看護業務に加えて、新人指導やリーダー業務などを任されることがあります。責任や業務量が増えたことをきっかけに、辞めたいと感じる場合もあるでしょう。
中堅看護師には、以下のような選択肢があります。
- 別の病院や診療科へ転職する
- クリニックや訪問看護などへ職場を変える
- 管理職や専門性を高めるキャリアを目指す
- 夜勤の少ない働き方へ変更する
- 看護師経験を活かせる別職種へ転職する
「今後伸ばしたい専門性」と「改善したい働き方」の両方からキャリアを考えることが大切です。これまでの経験をどのように活かしたいのかを明確にしましょう。
40代で看護師を辞めたい場合の転職・キャリア設計
40代で看護師を辞めたい場合は、これまでの経験を活かしながら、無理なく続けられる働き方を考えることが重要です。体力面や家庭との両立、収入など複数の条件を踏まえて検討する必要があります。
転職やキャリアを考える際は、以下の項目を整理してみましょう。
確認する項目 | 考えるポイント |
|---|---|
経験・スキル | これまでの臨床経験を活かせるか |
身体的負担 | 夜勤や立ち仕事を無理なく続けられるか |
収入 | 必要な収入を確保できるか |
勤務時間 | 家庭や私生活と両立できるか |
将来性 | 長く続けられる仕事か |
未経験職種へ転職する場合は、これまでより給与や待遇が下がる可能性もあります。看護師を完全に辞める以外にも、経験を活かせる職場への転職や勤務形態の変更という選択肢があります。

看護師を辞めたい人が退職で後悔しないための準備
準備をせずに退職すると、収入や転職活動で困る可能性があります。ここでは、退職後の生活や次のキャリアを見据えた準備のポイントを解説します。
勢いで退職する前に次のキャリアを考える重要性
仕事がつらいと、「できるだけ早く辞めたい」と考えることもあるでしょう。しかし、勢いだけで退職すると、離職期間が長くなったり、焦って転職先を決めたりする可能性があります。
退職を決める前に、以下のポイントを整理してみましょう。
- 看護師として別の職場で働きたいのか
- 看護師資格を活かせる別職種に進みたいのか
- 医療業界以外の仕事に挑戦したいのか
- 次の仕事で実現したい働き方は何か
- 転職のために必要な資格やスキルはあるか
「今の職場から離れること」だけでなく、「今後どのように働きたいか」という視点を持つことが重要です。
退職時期と生活費を確認しておく理由
次の仕事が決まる前に退職すると、一定期間給与収入がなくなる可能性があります。転職先がすぐに決まるとは限らないため、収入がなくても生活できる期間を事前に把握しておきましょう。
退職前には、以下の項目を確認しておくと安心です。
確認項目 | 主な内容 |
|---|---|
毎月の生活費 | 家賃・食費・光熱費・通信費など |
貯蓄 | 無収入でも生活できる期間 |
退職時期 | 賞与や有給休暇、転職時期との兼ね合い |
退職後の支出 | 税金や社会保険料など |
転職活動費 | 交通費や資格取得費など |
勤務先の就業規則を確認し、退職の申し出が必要な時期や有給休暇の残日数も把握しておきましょう。
円満退職につながる退職理由の伝え方
退職の意思を伝える際は、職場への不満をそのまま並べるのではなく、簡潔かつ前向きに伝えることがポイントです。感情的に伝えると、職場とのトラブルにつながる可能性があります。
退職理由を伝える際は、以下のポイントを意識しましょう。
- 直属の上司へ先に退職の意思を伝える
- 退職希望時期を明確にする
- 退職理由は簡潔にまとめる
- 職場や特定の人への批判を避ける
- 引き継ぎに協力する姿勢を示す
キャリアチェンジが理由であれば、「今後のキャリアを考え、新しい分野に挑戦したい」などと伝える方法があります。手続きについては就業規則も確認し、余裕を持って準備を進めましょう。
働きながら転職活動を進めるメリット
心身の状態に余裕がある場合は、現在の職場で働きながら転職活動を進める方法があります。収入を維持した状態で求人を比較できるため、焦って次の職場を決める必要がなくなります。
働きながら転職活動をする主なメリット
- 転職活動中も収入を確保できる
- 経済的な焦りを抑えて求人を比較できる
- 希望に合わなければ転職を見送れる
- 離職期間を作らずに転職できる
- 現職と転職先の条件を比較しやすい
一方、勤務と転職活動を並行することで負担が増える場合もあります。心身の不調が強い場合は、休養を優先してから今後のキャリアを考えましょう。

まとめ
看護師を辞めたいと感じる理由は、人間関係や夜勤による身体的負担、業務量、責任の重さ、給与への不満などさまざまです。公益社団法人日本看護協会の調査では、2024年度(令和6年度)の正規雇用看護職員の離職率は11.0%、新卒採用者は8.4%、既卒採用者は16.1%でした。辞めたいと感じること自体は特別なことではありません。
大切なのは、看護師という仕事そのものが原因なのか、今の職場環境が原因なのかを切り分けて考えることです。職場環境が原因であれば、上司への相談や部署異動、勤務形態の変更、転職などで改善できる可能性があります。一方、ハラスメントや心身の不調が続いている場合は、経験年数にかかわらず自分の状態を優先し、休職や退職も含めて検討してください。
退職を決める際は、次のキャリアの方向性と退職後の生活費、退職時期をあわせて確認しておきましょう。看護師資格を活かせる職場は病院以外にも複数あり、医療知識を活かせる職種や異業種という選択肢もあります。辞めたい理由を書き出して優先順位を整理し、自分が長く働き続けられる環境を選ぶことが、後悔しない判断につながります。
よくある質問
Q.看護師を辞めたいと思うのは甘え?
看護師を辞めたいと感じること自体を、甘えと決めつける必要はありません。人間関係や夜勤、業務量、責任の重さなど、辞めたいと感じる理由は人によって異なるためです。
日本看護協会の「2025年(令和7年)病院看護実態調査」によると、2024年度(令和6年度)の正規雇用看護職員の離職率は11.0%、既卒採用者は16.1%でした。実際に職場を離れる看護職員が毎年一定数いることは、調査結果として示されています。
大切なのは、辞めたいと思った自分を責めるのではなく、その理由を整理することです。一時的な疲労や仕事の失敗が原因であれば、休息や相談によって気持ちが変わる可能性もあります。一方、心身の不調やハラスメントなどがある場合は、無理に働き続けず、休職や転職も含めて検討しましょう。
Q.看護師は何年目で辞めるのがいい?
辞める時期について、一律に「何年目がよい」という基準はありません。経験年数だけで判断せず、辞めたい理由や心身の状態、今後のキャリアを踏まえて考えることが重要です。
経験年数ごとの考え方の一例
経験年数 | 退職を考える際のポイント |
|---|---|
1年目 | 教育状況や職場との相性、心身の状態を確認する |
2〜3年目 | 身につけたスキルと今後経験したい分野を整理する |
中堅以降 | 経験や専門性を活かせる転職先を検討する |
「最低でも3年は働くべき」などの考え方に無理に合わせる必要はありません。経験を積むメリットと働き続ける負担を比較して判断しましょう。
Q.看護師を辞めた人は退職後にどんな仕事をしている?
看護師資格や医療知識を活かせる仕事に就くほか、医療業界以外の仕事へ転職する選択肢もあります。
代表的な仕事の例
仕事の種類 | 具体例 |
|---|---|
看護師資格を活かす仕事 | クリニック、介護施設、訪問看護など |
医療知識を活かす仕事 | 治験関連、医療系ライター、医療機器関連など |
一般企業の仕事 | 事務職、営業職、カスタマーサポートなど |
異業種でも、看護師として培ったコミュニケーション能力や判断力を活かせることがあります。仕事内容だけでなく、勤務時間や給与、休日、身体的負担も比較しましょう。
Q.看護師を辞めても資格を活かして再就職できる?
退職しただけで看護師免許が失効するわけではないため、看護師として働くことを辞めても、資格を活かして再就職できます。一度看護職から離れて別の仕事を経験した後、再び看護師として働くという選択肢もあります。
また、再就職を支える公的な仕組みも整備されています。看護師等の人材確保の促進に関する法律に基づき、2015年(平成27年)10月から、看護師等が離職する際などに都道府県ナースセンターへ届け出ることが努力義務となりました。届け出た看護職員は、離職の状況に合わせて復職支援や無料職業紹介などを受けられます。
ただし、離職期間が長い場合は、以下のような不安を感じることがあります。
- 医療知識や技術の変化についていけるか
- 採血や点滴などの手技に対応できるか
- 電子カルテなどのシステムを使えるか
- ブランクがあっても採用されるか
不安がある場合は、ナースセンターの支援や研修を利用したり、教育・研修体制が整っている求人を探したりする方法があります。
[メディルン]編集部
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