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健康運動指導士とは?受験資格・費用・合格率と更新制度を解説

車いすのご高齢の女性と若い女性が黄色のボールを持っている

「健康運動指導士とはどんな資格か」「取得するには受験資格が必要なのか」「就職や転職に役立つのか」と気になっている方もいるでしょう。健康運動指導士は、一人ひとりの心身の状態に応じた運動プログラムの作成と指導を担う専門職です。この記事では、仕事内容や受験資格、取得にかかる費用、認定試験の合格率、就職先、資格更新までを、公益財団法人健康・体力づくり事業財団の公表情報をもとに解説します。

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#仕事#合格率
  • 健康運動指導士の基本情報や役割を正しく知りたい方
    資格の概要や主な仕事内容をはじめ、国家資格や厚生労働大臣認定との違い、理学療法士・健康運動実践指導者との違いまで整理して理解したい方におすすめです。
  • 受験資格や取得ルート、費用・難易度を確認したい方
    自身の保有資格や学歴に応じた養成講習会のコース区分(104〜40単位)、受講料や試験の合格率、CBT方式による試験の流れを詳しく把握できます。
  • 資格を就職・転職やキャリアアップに生かしたい方
    フィットネスクラブや医療・介護施設、健康増進施設などの活躍の場や求人の探し方に加え、取得後5年ごとの更新制度(単位取得・更新必修講座)の仕組みまで事前に確認できます。

ご高齢の男女が天井からつるされた赤いひもを使用しストレッチしている

健康運動指導士とはどんな資格か

健康運動指導士は、健康づくりを目的とした運動を安全かつ効果的に実践できるよう支援する専門職です。ここでは役割や仕事内容、資格制度の成り立ち、業界での広がりを整理します。

健康運動指導士の役割と資格の特徴

健康運動指導士資格とは、個々人の心身の状態に応じた安全で効果的な運動プログラムの作成・指導を行う者を認定するものです。対象者の年齢や体力、健康状態、生活習慣などを踏まえ、目的に合った運動を継続できるよう支援します。

健康運動指導士の主な特徴は、以下のとおりです。

  • 対象者の健康状態や体力に合わせて運動プログラムを作成する
  • 安全かつ効果的に運動できるよう指導・支援する
  • 健康増進や体力づくり、生活習慣病の予防など幅広い目的に対応する
  • 必要に応じて医師や保健師、管理栄養士などの専門職と連携する
  • 運動だけでなく、身体の仕組みや栄養、健康管理などの知識も活用する

 運動面に限らず、解剖生理や生活習慣病、栄養、健康管理まで幅広い見識が求められるのが大きな特徴です。対象者の状態が多岐にわたることも、多角的な知識を必要とする理由といえます。運動そのものを教えるだけでなく、対象者が安全に続けられる条件を設計する役割を担います。

健康運動指導士が担う主な仕事内容

主な仕事は、対象者の健康状態や体力を確認し、一人ひとりに適した運動プログラムを作成・指導することです。

仕事内容

主な内容

健康状態・体力の確認

対象者の体力や健康状態、生活習慣などを把握する

運動プログラムの作成

対象者の目的や体力に合わせて、運動内容や強度などを設定する

運動指導

ウォーキングや筋力トレーニングなどを安全に行えるよう指導する

経過の確認・見直し

運動の実施状況や体力の変化を確認し、必要に応じて内容を調整する

健康づくりの支援

健康教室や体力測定などを通じて健康づくりをサポートする

勤務先によっては、健康教室の企画・運営や体力測定、生活習慣改善のための助言などを担当する場合もあります。

健康運動指導士の資格制度と成り立ち

健康運動指導士は、公益財団法人健康・体力づくり事業財団が認定する資格です。制度は1988年(昭和63年)に厚生大臣の認定事業として創設され、2006年度(平成18年度)からは同財団独自の事業として継続して実施されています。

したがって、現在の健康運動指導士を「厚生労働大臣認定資格」と説明するのは適切ではありません。国家資格ではなく、財団が養成・認定試験・登録を行う資格として位置づけられています。

資格取得から更新までの基本的な流れは、以下のとおりです。

  1. 所定の養成講習会を受講する、または認定された養成校の養成講座を修了する
  2. 健康運動指導士認定試験を受験する
  3. 認定試験に合格する
  4. 登録手続きを行い、健康運動指導士として認定を受ける
  5. 資格取得後は必要な単位を取得し、所定の時期に資格を更新する

登録者数から見る資格の広がり

資格の規模は、財団が公表している登録者数から確認できます。健康運動指導士の登録者数は、2025年(令和7年)12月1日時点で17,718人(女性11,137人、男性6,581人)となっています。

資格

登録者数

基準日

健康運動指導士

17,718人(女性11,137人・男性6,581人)

2025年(令和7年)12月1日現在

健康運動実践指導者

17,248人(女性9,303人・男性7,945人)

2026年(令和8年)3月1日現在

両資格を合わせると3万人を超える有資格者が登録しています。いずれも女性比率の高さが目立ち、健康運動指導士では登録者の約6割を女性が占めています。健康教室や介護予防事業など、対象者と近い距離で継続的に関わる場面が多い職種であることも、この構成に表れているといえるでしょう。なお、登録者数は資格を継続している人の数であり、更新をしなかった人は含まれません。

出典:健康運動指導士とは|公益財団法人健康・体力づくり事業財団

高齢の男女が昇降運動をしている

健康運動指導士と似た分野の資格には、理学療法士や健康運動実践指導者があります。ここでは違いと選び方を整理します。

健康運動指導士と理学療法士の違い

ともに身体機能や運動に携わる専門職ですが、資格の位置づけや目的は異なります。健康づくりを幅広く支援するなら健康運動指導士、身体機能の回復・維持を図るなら理学療法士が適しています。

比較項目

健康運動指導士

理学療法士

資格の種類

健康・体力づくり事業財団が認定する資格(国家資格ではない)

国家資格

主な目的

健康増進や生活習慣病予防など

身体機能や基本動作能力の回復・維持など

主な業務

運動プログラムの作成・指導など

運動療法や物理療法など

主な活躍の場

フィットネスクラブ、医療・福祉施設、自治体など

病院、診療所、介護・福祉施設など

健康運動指導士と健康運動実践指導者の違い

いずれも同じ財団が認定する資格ですが、求められる役割に違いがあります。健康運動実践指導者は、財団の定義では「積極的な健康づくりを目的とした運動を安全かつ効果的に実践指導できる能力を有すると認められる者」とされています。

比較項目

健康運動指導士

健康運動実践指導者

主な役割

運動プログラムの作成・指導

運動プログラムに基づく実践指導

求められる能力

健康状態などを考慮した運動プログラムの作成・指導能力

運動を安全かつ効果的に実践指導する能力

更新に必要な単位

20単位以上(5年ごと)

10単位以上(5年ごと)

主な活躍の場

健康増進施設、医療・福祉施設、自治体など

健康増進施設、フィットネスクラブ、自治体など

プログラムの作成を含めて幅広く携わりたいのか、実際の運動指導を中心に携わりたいのかによって選択肢が変わります。なお、健康運動実践指導者の資格を持っていると、健康運動指導士の養成講習会を短い単位数で受講できます。

目的別に考える自分に合った資格の選び方

資格を選ぶ際は、知名度だけで判断せず、どのような対象者を支援したいのかを明確にすることが大切です。

  • 健康増進や生活習慣病予防に向け、運動プログラムの作成から指導まで幅広く携わりたい場合:健康運動指導士
  • 運動プログラムに沿った実践的な指導を中心に行いたい場合:健康運動実践指導者
  • 医療現場でリハビリテーションに携わりたい場合:理学療法士

資格によって取得方法や受講資格、学習期間も異なります。現在の学歴や保有資格、取得までに必要な期間も確認したうえで判断しましょう。

青いシャツの青年が笑顔で板書している

健康運動指導士の受験資格と資格取得方法

取得するには、所定の養成課程を修了したうえで認定試験に合格し、登録手続きを行う必要があります。ここでは受講資格とコース区分、取得ルート、費用を整理します。

養成講習会の受講資格とコース区分

養成講習会は誰でも受講できるわけではなく、保有資格や学歴に応じて受講できるコースと必要単位数が決まります。コースは104単位・70単位・51単位・40単位の4区分で、保有資格や学歴によって受講するコースが決まる仕組みです。

コース

主な対象者

104単位

歯科医師、看護師、准看護師、助産師、薬剤師、栄養士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師の国家資格保有者かつ修業年限4年以上の大学卒業者

70単位

4年制体育系大学などの卒業者または卒業見込みの人

51単位

医師、保健師、管理栄養士の資格を持つ人

40単位

健康運動実践指導者、日本スポーツ協会公認スポーツプログラマー・アスレティックトレーナー・フィットネストレーナー、日本フィットネス協会公認GFIエグザミナー・GFIディレクターのいずれかの資格を保有する人

このほか、所定の条件と同等以上の能力があると認められた人も対象となります。受講コースにより費用や期間が大きく異なるため、申込前に該当区分を必ず確認してください。

養成校から健康運動指導士を目指す方法

健康運動指導士養成校とは、財団から認定を受け、養成講習会と同等以上の内容を学べる養成講座を設けている学校です。養成校の学生は、所定の養成講座を履修・修了することで受験資格を得られます。

  1. 健康運動指導士の養成校へ進学する
  2. 学校が定める養成講座を履修する
  3. 所定の養成講座を修了する
  4. 健康運動指導士認定試験を受験する
  5. 試験に合格して登録手続きを行う

大学等で専門知識を深めながら取得を目指せるため、進学を控えた方に適したルートといえます。ただし、履修方法は学校ごとに異なる場合があるため、事前確認が欠かせません。また、養成校修了者の合格率は後述のとおり58.1%と、養成講習会の受講者より低い水準です。在学中の履修のみで十分とは限らないため、自主的な試験対策も欠かせません。学校選びの際は、資格取得の実績や支援体制の充実度まで見極めましょう。


資格取得までに必要な費用の目安

養成講習会を受講する場合の費用は、コースによって異なります。2026年度(令和8年度)の金額は、以下のとおりです。

コース

必要単位

受講料(税込・教材込み)

104単位コース

104単位

291,500円

70単位コース

70単位

220,000円

51単位コース

51単位

165,000円

40単位コース

40単位

137,500円

このほか、認定試験の受験料は13,619円(税込)、合格後の登録料は25,300円(税込)です。40単位コースの場合、受講料・受験料・登録料の合計は176,419円、104単位コースでは330,419円が目安となります。養成校の場合は学校の修業期間や学費によって変わるため、各学校への確認が必要です。

出典:令和8年度健康運動指導士養成講習会開催要領|公益財団法人健康・体力づくり事業財団

若い女性二人と男性一人が机に向かい勉強している

健康運動指導士の養成講習会と認定試験

養成講習会の受講から認定試験までの流れを把握し、計画的に準備することが大切です。

養成講習会の内容と申込時期

養成講習会では、健康づくりや運動指導に必要な知識・技術を体系的に学びます。主な学習分野は、以下のとおりです。

  • 健康管理や生活習慣病に関する基礎知識
  • 運動生理学や機能解剖に関する知識
  • 健康づくりのための運動プログラム
  • 運動負荷試験や体力測定・評価
  • 運動指導の方法や実践
  • 栄養や心理、行動変容に関する知識

2026年度(令和8年度)の養成講習会の申込期間は、前期が2026年(令和8年)2月20日から3月8日まで、後期が同年7月31日から8月16日までとされています。申込期間は年に2回しかないため、受講を決めた時点で次の申込時期を確認しておくことが重要です。


認定試験の実施回と日程

認定試験は年度ごとに複数回実施されます。2026年度(令和8年度)は第162回から第164回までの3回が予定されています。

実施回

試験期間

第162回

2026年(令和8年)7月27日〜9月9日

第163回

2026年(令和8年)10月26日〜12月9日

第164回

2027年(令和9年)2月15日〜3月31日

試験期間に幅があるのは、CBT方式(コンピューターを使った試験)で実施されているためです。期間内の都合のよい日時を選んで受験できるため、働きながらでも挑戦しやすいスタイルです。受験までの基本的な流れは、以下のとおりです。

  1. 養成講習会または養成校で所定の課程を修了する
  2. 健康運動指導士認定試験に申し込む
  3. 試験期間内に予約した日時・会場で受験する
  4. 合格発表を確認する
  5. 合格後に登録手続きを行う

試験日や申込期間は年度によって変更される場合があります。受験する年度の開催要領を確認し、申込期限を過ぎないよう余裕を持って準備しましょう。

健康運動指導士の合格率と難易度

最新の公表結果である第161回(2026年(令和8年)2月13日〜3月31日実施)では、受験者465人のうち332人が合格し、全体の合格率は71.4%でした。受験区分別の結果は、以下のとおりです。

受験区分

受験者数

合格率

104単位コース

17人

100.0%

70単位コース

41人

100.0%

51単位コース

—

76.2%

40単位コース

—

82.9%

健康運動指導士養成校修了者

—

58.1%

再受験者

—

42.3%

全体

465人

71.4%

104単位コースと70単位コースの合格率は100%ですが、受験者数はそれぞれ17人と41人で、母数が小さい点に注意が必要です。一方、養成校修了者は58.1%、再受験者は42.3%と、区分によって差があります。運動生理学や健康管理、栄養など幅広い分野から出題されるため、十分な対策が必要です。

出典:第161回健康運動指導士認定試験結果(CBT方式)(令和8年2月13日〜3月31日)|公益財団法人健康・体力づくり事業財団

試験対策に役立つ勉強方法

試験対策では、養成講習会などで使用する教材を中心に学習を進める方法が基本です。出題範囲が幅広いため、最初からすべてを暗記しようとせず、分野ごとに整理しながら理解を深めましょう。

  • 公式教材を繰り返し読み、重要な用語や考え方を整理する
  • 受講後はすみやかに復習し、知識の定着を図る
  • 苦手分野に優先して学習時間を配分する
  • 演習問題を繰り返し解いてアウトプットする
  • 試験日から逆算して無理のない学習計画を作る

CBT方式では試験期間に幅があるため、自分の学習の進み具合に合わせて受験日を設定できます。講習会の受講段階から少しずつ復習を続けることが大切です。


グレーのジャケットを着た女性が顔の横で右手の人差し指を立て左手にはパソコンを持っている

健康運動指導士を取得するメリットと注意点

資格取得によって、運動や健康づくりに関する専門知識を身につけていることを示しやすくなります。一方で、取得すれば希望する仕事に必ず就けるわけではありません。

運動・健康分野の専門知識を体系的に身につけられる

取得までの過程では、運動生理学や健康管理、生活習慣病、栄養、運動プログラムの作成など、健康支援に必要な分野を体系的に学びます。身につけられる主な知識・技能は、以下のとおりです。

  • 健康づくりや生活習慣病予防に関する知識
  • 運動生理学や身体の仕組みに関する知識
  • 対象者に合わせた運動プログラムを作成する知識・技能
  • 安全かつ効果的な運動を指導するための知識・技能
  • 栄養や健康管理、行動変容などに関する知識

独学では断片的になりがちな知識を、対象者の状態に応じた運動支援へつなげられる形で整理できる点が、資格取得の実質的な価値といえます。特に医療・介護分野では、対象者に持病がある場合も想定されるため、安全性への配慮を含めて学べることに意味があります。

取得前に確認しておきたい注意点

受講・受験を検討する際は、費用や期間に見合う活用先があるかを事前確認することが重要です。

  • 希望する職種で健康運動指導士が求められているか確認する
  • 求人で必要とされる実務経験やほかの資格も調べる
  • 取得時および更新時にかかる総費用を把握する
  • 取得後も継続的なスキルアップが必要となる点を確認する
  • 自分が希望する仕事内容と資格の役割が合っているか確認する

健康運動指導士は5年ごとの更新が必要な資格です。取得時の費用だけでなく、更新にかかる継続的な負担まで含めて検討しましょう。

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健康運動指導士が活躍できる職場と求人

健康運動指導士は、運動施設に限らず、健康増進や生活習慣病予防に取り組む幅広い職場で専門知識を生かせます。

健康づくり政策における位置づけ

健康運動指導士の需要を理解するうえで、国の健康づくり政策を押さえておくと役立ちます。厚生労働省の健康日本21(第三次)では、身体活動・運動に関する目標として、1日の歩数を2019年度(令和元年度)の6,278歩から7,100歩へ、運動習慣者の割合を28.7%から40.0%へ引き上げることが、2032年度(令和14年度)を目標年次として掲げられています。

同省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」においても、成人に対し以下の推奨基準を示しています。

項目

推奨内容

身体活動

3メッツ以上の身体活動を週23メッツ・時以上(1日60分以上、約8,000歩相当)

運動

3メッツ以上の運動を週4メッツ・時以上(週60分以上)

筋力トレーニング

週2〜3日

これらの国策や推奨基準を、個人ごとの状態に合わせて実践現場へ落とし込むのが健康運動指導士の役割です。

出典:健康日本21(第三次)における身体活動・運動の目標|生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット)|健康日本21アクション支援システムWebサイト

健康増進施設認定制度と資格の需要

厚生労働省は、生活習慣病の予防を目的とした運動を安全かつ適切に行える施設を認定する健康増進施設認定制度を設けています。認定区分は運動型健康増進施設、温泉利用型健康増進施設、温泉利用プログラム型健康増進施設の3類型です。

このうち、医師の運動処方に基づく運動療法を行える指定運動療法施設の認定要件には、健康運動指導士および健康運動実践指導者の配置が含まれています。資格が制度上の要件として位置づけられている点は、就職先を検討する際の判断材料になります。

 

出典:健康増進施設認定制度|生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット)|健康日本21アクション支援システム Webサイト

施設別に求められる役割

求められる役割は、勤務する施設や対象者によって異なります。

主な職場

求められる役割の例

フィットネスクラブ・スポーツ施設

運動プログラムの作成、トレーニングや運動の指導、体力測定

病院・医療機関

健康状態に配慮した運動支援、体力測定など

介護・福祉施設

高齢者の健康づくり、身体機能の維持を目的とした運動支援

健康増進施設

体力測定、健康づくりを目的とした運動指導

自治体・保健関連施設

健康教室や介護予防事業などでの運動支援

企業の健康管理部門

従業員などを対象とした健康づくりの支援

医療・介護分野では、医師や看護師、理学療法士、管理栄養士など、ほかの専門職と連携する場面もあります。勤務先によっては「健康運動指導士」という職種名ではなく、運動指導員やフィットネススタッフなどの名称で募集されることもあります。勤務先がどのような対象者にサービスを提供しているのかを理解し、それに応じた知識や指導力を身につけることが大切です。

健康運動指導士の求人を探す方法

求人を探す際は、一般的な求人サイトだけでなく、健康・スポーツ・医療・介護分野に特化した求人情報も確認しましょう。「健康運動指導士」という資格名だけで検索すると、関連する求人を見落とす可能性があります。

  • 求人サイトや転職サイトで「健康運動指導士」と検索する
  • 「運動指導員」「健康づくり」「フィットネス」などの関連キーワードでも検索する
  • ハローワークで資格や希望条件を伝えて求人を探す
  • 病院や介護施設、フィットネス施設などの採用ページを確認する
  • 自治体や健康増進施設などの採用・募集情報を確認する

求人を比較する際は、資格手当の有無だけでなく、仕事内容や雇用形態、給与、勤務時間なども確認することが重要です。資格が「必須」なのか「歓迎」なのかによって、応募時に求められる条件も変わります。

就職・転職に生かすポイント

資格を就職・転職に生かすには、保有していることだけでなく、その知識や技能を仕事でどのように生かせるのかを具体的に伝えることが大切です。就職・転職で意識したいポイントは、以下のとおりです。

  • 応募先のニーズ(求められる役割)の事前確認
  • 実務経験や他資格と掛け合わせた強みの訴求
  • 現場で活かせる指導技術・専門知識の具体提示
  • 医療・介護領域で重視される多職種連携力のアピール
  • 資格手当に加え、雇用条件全般の総合的評価

資格を取得しただけで就職や転職が保証されるわけではありません。求人によって求められる資格や経験は異なり、健康運動指導士以外の資格や実務経験が応募条件となっている場合もあります。

左の薬指にリングを付けたスーツを着た人間が紙に記載

健康運動指導士の資格更新と更新単位

健康運動指導士の登録には有効期間があり、継続するには更新手続きが必要です。ここでは必要な単位数と費用、注意点を整理します。

登録の有効期間と更新に必要な単位

健康運動指導士の登録有効期間は5年間で、更新には実習を含む20単位以上の取得が必要です。健康運動実践指導者の場合は10単位以上とされており、必要単位数が異なります。

項目

健康運動指導士

健康運動実践指導者

登録有効期間

5年間

5年間

更新に必要な単位

20単位以上(実習を含む)

10単位以上(実習を含む)

更新必修講座

5年間に1回の受講が必須

対象外

登録更新料

22,000円(税込)

22,000円(税込)

手続き期限

有効期限の2か月前から1か月前まで

有効期限の2か月前から1か月前まで

手続きの受付期間は1か月間しかありません。有効期限が近づいたら、早めに単位の取得状況を確認しておきましょう。

更新必修講座と単位が不足した場合の対応

健康運動指導士には、5年間に1回の受講が必須となる更新必修講座があります。eラーニングと現地開催のいずれも各5単位です。更新に必要な20単位のうち、この必修講座で5単位を確保できる計算になります。

単位が不足した場合には補講の制度があります。補講料は1単位あたり2,750円(税込)で、Eカテゴリーの現場研修補講は2日間連続で20,952円(税込)とされています。補講制度はあるものの追加費用が生じるため、計画的に既定単位を揃えておくのが賢明です。

出典:登録関係手続きのご案内|公益財団法人健康・体力づくり事業財団

更新講習会を確認する方法と注意点

更新単位を取得できる講習会や研修会は、財団の公式サイトで確認できます。開催時期や会場、受講方法、取得できる単位数は講習会によって異なります。

  • 開催日と申込期限
  • 会場や開催形式
  • 講習会の内容
  • 取得できる更新単位数
  • 更新単位として認められる区分
  • 受講料や支払い方法
  • 申込方法や定員

期限直前にまとめて単位を取得しようとすると、希望する講習会を受講できず、必要単位が不足する可能性があります。「あと何単位必要なのか」を把握したうえで受講計画を立てましょう。登録している住所などに変更がある場合は、更新の案内を受け取れるよう変更手続きも行っておきましょう。

紺色の服を着た女性スタッフと白色の服を着たご高齢の車いすの女性

まとめ

健康運動指導士は、個々人の心身の状態に応じた運動プログラムの作成と指導を行う専門職として、公益財団法人健康・体力づくり事業財団が認定する資格です。1988年(昭和63年)に厚生省(現・厚生労働省)の認定事業として創設され、2006年度(平成18年度)からは財団独自の事業として実施されています。国家資格ではありません。

取得ルートは、認定養成校で養成講座を修了する方法と、養成講習会を受講する方法の2つです。養成講習会は保有資格や学歴に応じて104単位・70単位・51単位・40単位のコースに分かれ、受講料は137,500円から291,500円です。これに受験料13,619円と登録料25,300円が加わります。

第161回認定試験の合格率は全体で71.4%でしたが、養成校修了者は58.1%、再受験者は42.3%と区分によって差があります。登録有効期間は5年間で、更新には実習を含む20単位以上の取得と、5年間に1回の更新必修講座の受講、22,000円の登録更新料が必要です。費用や日程は年度ごとに変わるため、申込前に最新の開催要領を確認してください。

健康運動指導士に関する

よくある質問

Q.健康運動指導士は国家資格?
A.

国家資格ではありません。医師や理学療法士のように法律に基づいて国が免許を与える資格ではなく、公益財団法人健康・体力づくり事業財団が認定・登録を行う資格です。

国家資格ではないものの、健康づくりのための運動指導に必要な知識・技能を体系的に学べる資格であり、指定運動療法施設の認定要件に配置が含まれるなど、制度上の位置づけもあります。「国家資格かどうか」だけで判断せず、目指す仕事でどのように生かせるのかを確認しましょう。

Q.健康運動指導士は厚生労働大臣が認定する資格?
A.

現在、厚生労働大臣が個人を直接認定する資格ではありません。制度は1988年(昭和63年)に厚生大臣の認定事業として創設されましたが、2006年度(平成18年度)からは健康・体力づくり事業財団独自の事業として継続して実施されています。

そのため、現在の健康運動指導士を「厚生労働大臣認定資格」と説明するのは適切ではありません。

Q.健康運動指導士になるには何年かかる?
A.

取得までの期間は、養成校で学ぶ方法と養成講習会を受講する方法で異なります。養成校から目指す場合は、大学などに在学しながら所定の養成講座を履修し、修了後に認定試験を受験します。

養成講習会ルートの場合、受講コースの単位数や開催日程により期間が異なります。認定試験は年3回実施されるため、修了時期に合わせて受験計画を立てられます。一律の期間は決まっていないため、自身の該当ルートと日程をあらかじめ確認しておきましょう。

Q.健康運動指導士は未経験から取得できる?
A.

運動指導の実務経験がない人でも、所定の要件を満たしていれば目指せます。ただし、誰でもすぐに認定試験を受験できるわけではありません。

  • 認定された養成校で所定の養成講座を履修・修了する
  • 所定の学歴や資格などの要件を満たし、養成講習会を受講する
  • 所定の課程を修了したうえで認定試験に合格する
  • 合格後に登録手続きを行う

実務経験の有無だけで判断せず、自分の学歴や保有資格が受講資格を満たしているかを確認することが重要です。

Q.健康運動指導士の更新を忘れるとどうなる?
A.

登録の有効期間は5年間で、更新手続きの受付期間は有効期限の2か月前から1か月前までの1か月間です。この期間内に必要単位の取得と手続きを完了しなければ、資格を継続できません。

更新に必要な20単位のうち、5年間に1回受講する更新必修講座で5単位を確保できます。残る15単位は、対象となる講習会や研修会を計画的に受講して積み重ねる形です。単位が不足した場合は1単位2,750円(税込)の補講制度がありますが、費用がかかるため、期限内に取得しておくほうが負担は軽くなります。登録している住所などに変更がある場合は、更新案内を受け取れるよう変更手続きも行っておきましょう。

Q.健康運動指導士の資格は就職・転職に役立つ?
A.

健康づくりや運動指導に関する専門知識・技能を身につけていることを示すうえで役立つ資格です。フィットネス施設や健康増進施設、医療・介護施設など、運動や健康に関係する職場への就職・転職で生かせる可能性があります。

ただし、取得すれば必ず採用されるわけではありません。求人によって位置づけは異なり、実務経験やほかの資格が求められることもあります。希望する求人の応募条件を確認したうえで、身につけた知識・技能とこれまでの経験を、仕事にどう生かせるのか具体的に伝えることが大切です。

執筆者

[メディルン]編集部

この記事の執筆者情報です

医療福祉業界に特化した情報を発信するオウンドメディア。
医療福祉に関する制度、転職・キャリアに役立つトピック、スキルアップのヒントなど、幅広いテーマを取り上げ、誰にとっても読みやすいメディア運営を目指しています。
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