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呼吸療法認定士とは?受験資格・合格率・費用と更新までを解説

高齢の男性が酸素マスクを着用しベッドに寝ている

「呼吸療法認定士とはどんな資格か」「試験の難易度はどのくらいか」「キャリアに役立つのか」と気になる方も多いでしょう。目指すなら、受験資格や実務経験、合格率、費用、更新制度などをあらかじめ把握しておくことが欠かせません。この記事では、呼吸療法認定士の概要から取得の流れ、試験の難易度、2026年(令和8年)の申請情報、更新手続きまでを、公表資料をもとに解説します。

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#仕事#費用
  • 呼吸療法認定士の概要や最新の試験情報を知りたい方
    資格の役割や主な職場をはじめ、2026年(令和8年)の第31回試験・申請スケジュール、必要費用まで全体像を把握したい方におすすめです。
  • 受験資格を満たしているか・合格への効率的な勉強法を知りたい方
    職種ごとの必要な実務経験や12.5点の要件、6~7割で推移する合格率の難易度を踏まえた講習会資料・過去問類似問題の活用法を理解したい方にぴったりです。
  • 資格取得後の更新手続きやキャリアへの生かし方を確認したい方
    5年ごとの更新に必要な50点の取得方法(講習会利用など)や、看護師・リハビリ職・臨床工学技士といった職種別の現場での活かし方を知りたい方におすすめです。

男性医師がレントゲン画像を用いて若い女性と向かい合い説明している

呼吸療法認定士とはどのような資格か

呼吸療法認定士は、正式には「3学会合同呼吸療法認定士」と呼ばれる認定資格です。ここでは、資格制度と役割、活躍する職場、対象職種、これまでの認定者数を順に見ていきましょう。

呼吸療法認定士の資格制度と役割

呼吸療法認定士とは、日本胸部外科学会・日本呼吸器学会・日本麻酔科学会の3学会が合同で設けている、呼吸療法の専門知識を認定する資格です。人工呼吸管理や酸素療法など、呼吸管理を必要とする患者に適切な医療を提供できる医療従事者の育成を目的としています。

呼吸療法認定士に求められる主な知識や役割は、以下のとおりです。

  • 酸素療法に関する専門的な知識を身につける
  • 人工呼吸療法について理解し、安全な呼吸管理につなげる
  • 吸入療法など、呼吸療法に関する知識を実務に生かす
  • 人工呼吸器をはじめとする医療機器を安全に扱う
  • 医師や看護師、臨床工学技士などの多職種と連携して呼吸管理に取り組む

呼吸療法認定士を取得しても、新たな医療行為ができるようになるわけではありません。保有する国家資格の業務範囲内で専門知識を生かし、呼吸療法の質や安全性の向上に貢献することが期待されています。

呼吸療法認定士が活躍する職場と仕事内容

呼吸療法認定士は、病院を中心とした医療現場で専門知識を生かせます。特に人工呼吸器や酸素療法を必要とする患者が多い部署では、学んだ知識を実務に結びつけやすいでしょう。

主な職場と関連業務の例は、以下のとおりです。

主な職場・部署

呼吸療法に関連する業務の例

ICU・救命救急センター

人工呼吸管理や呼吸状態の観察

呼吸器内科

酸素療法や呼吸管理、患者への支援

手術室

周術期の呼吸管理に関する業務

リハビリテーション部門

呼吸リハビリテーションの実施や支援

呼吸ケアチーム(RST)

多職種による人工呼吸管理や呼吸ケアの支援

具体的な仕事内容は、保有する国家資格や勤務先によって異なります。

呼吸療法認定士を取得できる職種

呼吸療法認定士は誰でも受験できるわけではなく、対象となる医療系の国家資格を保有し、所定の実務経験といった要件を満たさなければなりません。対象職種は次の5つです。

  • 臨床工学技士
  • 看護師
  • 准看護師
  • 理学療法士
  • 作業療法士

取得に至るには、講習会の受講から試験合格、認定登録までを順にクリアしなければなりません。試験に合格するだけで取得できるわけではない点に注意が必要です。受験資格や申請方法は変更される可能性があるため、公表される最新の実施要領を確認して準備を進めましょう。

これまでに何人が認定されているか

資格の広がりは、公式発表の累計データから読み取れます。第1回〜第30回の合格者数は、臨床工学技士8,414人、看護師32,019人、准看護師521人、理学療法士22,673人、作業療法士2,947人で、合計66,574人が呼吸療法認定士の認定試験に合格しています。

直近の第30回・2025年(令和7年)の職種別合格者数は、以下のとおりです。

職種

第30回の合格者数

第1回〜第30回の累計

理学療法士

1,002人

22,673人

看護師

857人

32,019人

臨床工学技士

284人

8,414人

作業療法士

229人

2,947人

准看護師

3人

521人

合計

2,375人

66,574人

 累計では看護師が最も多い一方、第30回に限ると理学療法士が最多となっています。リハビリテーション領域からの受験が増えていることがうかがえます。

 出典:3学会合同呼吸療法認定士|医療従事者向け講習会・試験|公益財団法人医療機器センター

メリット

呼吸療法認定士を取得するメリット

資格取得によって呼吸療法の知識を体系的に学べるほか、院内での役割やキャリア形成にも生かせる可能性があります。ここでは主なメリットと、取得が向いている人の特徴を整理します。

呼吸療法に関する専門知識・技術を体系的に学べる

日々の業務で個別に身につけてきた知識を整理し、呼吸管理を体系的に理解できる点は、資格を取得する大きなメリットです。学習では主に以下の分野について理解を深めます。

  • 呼吸器の解剖や生理
  • 呼吸機能とその検査方法
  • 酸素療法
  • 人工呼吸療法
  • 気道管理
  • 呼吸リハビリテーション
  • 呼吸療法に使用する医療機器

経験則で行っていた業務についても根拠をもって捉えられるようになり、患者の状態に応じた適切な判断が可能になります。

院内で専門性を生かした役割を担いやすくなる

呼吸療法について専門的に学んだことを客観的に示せるため、院内で専門性を生かした役割を担うきっかけになる可能性があります。

役割

主な内容

呼吸ケアチーム(RST)への参加

多職種と連携し、人工呼吸管理や呼吸ケアを支援する

院内研修・教育への関与

呼吸療法や医療機器に関する知識をスタッフと共有する

呼吸管理に関する業務

保有資格の範囲内で患者の呼吸状態を確認し、必要なケアに携わる

多職種連携

医師や看護師、臨床工学技士、リハビリ職などと情報を共有する

 ただし、資格を取得しただけで必ず役職に就いたり担当業務が増えたりするわけではありません。勤務先の体制や保有する国家資格によって担える役割は異なります。

呼吸ケアチーム(RST)の位置づけを制度から理解する

呼吸ケアチームは、診療報酬上の「呼吸ケアチーム加算」として制度に位置づけられています。厚生労働省地方厚生局が示す施設基準では、次の4職種の専任者による構成が求められています。

構成職種

求められる要件

医師

人工呼吸器管理等について十分な経験のある専任の医師

看護師

人工呼吸器管理及び呼吸ケアの経験を有し、呼吸ケアに係る適切な研修を修了した専任の看護師

臨床工学技士

人工呼吸器等の保守点検の経験を3年以上有する専任の臨床工学技士

理学療法士

呼吸器リハビリテーション等の経験を5年以上有する専任の理学療法士

 呼吸療法認定士の保有は、この施設基準の要件そのものではありません。ただし、施設基準が求める「呼吸ケアの経験」や「適切な研修」を裏づける学習として、資格取得が意味を持つ場面があります。チーム構成の要件を知っておくと、院内で自分がどの位置に立てるのかを考えやすくなります。

転職やキャリア形成で資格を生かせる可能性がある

呼吸療法認定士は、呼吸療法に関する専門知識を身につけていることを示す材料の一つになります。呼吸器内科やICU、救命救急センターなど、呼吸管理に関わる機会が多い職場を希望する場合は、学んだ知識を伝えやすいでしょう。

ただし、取得すれば転職が必ず有利になるとは限りません。採用では実務経験や国家資格も総合的に評価されるため、資格は自身の強みを補足する要素として捉えるのが現実的です。

呼吸療法認定士の取得が向いている人の特徴

取得には所定の実務経験や講習会の受講、試験対策が必要になるため、自分の仕事内容や将来のキャリアと結びつけて検討することが大切です。特に以下のような人は検討するとよいでしょう。

  • 呼吸器疾患や呼吸管理について専門的に学びたい人
  • ICUや救命救急、呼吸器領域などで働いている人
  • 人工呼吸器や酸素療法に関わる機会が多い人
  • 呼吸ケアチームなど多職種での活動に関心がある人
  • 院内教育や後輩への指導に知識を生かしたい人
ボールペンのペン先と一枚の実務経験証明書

呼吸療法認定士の受験資格と実務経験

取得するには、対象資格の保有や規定の実務経験といった要件を満たさなければなりません。ここでは対象資格・実務経験・証明書類・講習会の受講条件を整理します。

呼吸療法認定士の対象資格と必要な実務経験

認定講習会の受講にあたっては、対象資格ごとに定められた実務経験年数のクリアが求められます。必要な経験年数は保有資格によって異なり、准看護師のみ3年以上、そのほかの職種は2年以上と定められています。

対象資格

必要な実務経験

臨床工学技士

2年以上

看護師

2年以上

准看護師

3年以上

理学療法士

2年以上

作業療法士

2年以上

 実務経験の算定方法は要項で定められています。勤務年数だけで自己判断せず、申請する回の実施要領で確認しましょう。

実務経験として認められる業務・期間の考え方

医療機関に在籍していた期間がすべて実務経験として算定されるとは限りません。確認する際は、以下を整理しておきましょう。

  • 対象となる資格の免許登録日
  • 勤務を開始した年月日
  • 現在までの勤務期間
  • 休職など実際に業務へ従事していない期間
  • 複数の勤務先がある場合は、それぞれの勤務期間

実務経験の算定を自己判断すると、申請時に要件を満たしていないことが判明する可能性があります。判断に迷う期間がある場合は、事務局に確認したうえで準備を進めましょう。

実務経験証明書を準備する際のポイント

申請では、所定の実務経験を満たしていることを証明するため、勤務先による実務経験証明書の提出が必要です。申請直前に準備を始めると間に合わない可能性があります。

確認項目

ポイント

証明を依頼する勤務先

必要な実務経験を証明できる勤務先を確認する

勤務期間

入職日や退職日などに誤りがないか確認する

証明者

要項で指定された証明者や記載方法を確認する

書式

その回に指定された様式を使用する

提出期限

余裕を持って証明書の作成を依頼する

 転職経験がある場合は、過去の勤務先へ発行を依頼するケースも想定されます。古い様式では受理されない恐れがあるため、必ず該当回の最新要項と指定様式を確認しましょう。

認定講習会の受講に必要な条件

認定試験を受験するには、所定の認定講習会を受講する必要があります。講習会にも受講要件が設けられており、申し込み時には以下を確認しておきましょう。

  • 対象となる医療系資格を保有しているか
  • 資格ごとに定められた実務経験を満たしているか
  • 所定の学会や講習会などへの参加による点数を取得しているか
  • 申請に必要な証明書類を用意できるか
  • 申請期間や受講手続きを確認しているか

特に注意が必要なのが点数要件です。申請日から過去5年以内に、認定委員会が認める学会や講習会などに出席し、12.5点以上を取得している必要があります。資格取得を考え始めた段階で、対象となる学会・講習会を確認しておくと準備を進めやすくなります。

スーツの人がペンで空中に家の形を4つ書いている。家の形の中にはSTARTやSTEP1・STEP2・STEP3と書いてある。

呼吸療法認定士になるまでの取得方法と流れ

受講要件を満たしたうえで認定講習会を受講し、認定試験に合格して認定登録を行うと資格が交付されます。講習会と試験は原則として年1回のため、計画的な準備が欠かせません。

受験資格の確認から認定までの全体的な流れ

資格取得までの基本的な流れは、以下のとおりです。

手順

主な内容

1.受講要件を確認する

対象資格・実務経験・12.5点の取得状況を確認する

2.認定講習会を申請する

必要書類を揃えてオンラインで申請する

3.認定講習会を受講する

会場またはeラーニングで全課程を受講する

4.認定試験に申し込む

受験手続きを行い、受験料を支払う

5.認定試験を受験する

指定された会場で試験を受ける

6.合否を確認する

申請者ページから合否通知を確認する

7.認定登録を行う

合格後に認定登録の申請と登録料の支払いを行う

8.認定証を受け取る

デジタル認定証を受け取り、認定完了となる

講習会や試験は年1回のため、必要な実務経験や点数が不足していると、その回に申請できません。早めに要件を確認して準備を始めましょう。

認定講習会への申し込みと受講方法

申し込みはオンラインで行います。Eメールを登録して申請フォームにアクセスし、点数証明書類や医療資格免許証、本人確認書類などをアップロードする方法が採用されています。受講方法は次の2種類です。

受講方法

特徴

第31回の定員

eラーニングのみ

所定の期間内にオンラインで講義を受講する

3,000名

会場+eラーニング

会場での講習とeラーニングを組み合わせて受講する

290名

いずれかの方法で全課程を受講すると、認定試験に申し込めるようになります。定員を超えた場合には抽選が行われます。

認定試験への申し込み・受験手続き

認定講習会を修了することで、認定試験への申し込みが可能となります。なお、過去の一定期間内に講習を受講済みであれば、受講免除制度が適用される場合もあります。第31回では、第29回・2024年(令和6年)または第30回・2025年(令和7年)の講習会受講者が受講免除の対象とされました。

認定試験を受ける際の基本的な手続きは、以下のとおりです。

  • 認定講習会を全課程受講する
  • 所定の期間内に認定試験へ申し込む
  • 受験料を支払う
  • 受験票を受け取る
  • 指定された日時・会場で認定試験を受ける
  • 試験後に申請者ページから合否を確認する

試験はマークシート方式で問題数は100問、第31回は東京都内の会場で開場11時・終了16時の日程で実施されます。

資格取得にかかる費用の全体像

費用は受講料だけではありません。第31回・2026年(令和8年)の金額は、以下のとおりです。

費用の種類

金額(税込)

認定講習会受講料(eラーニングのみ)

20,000円

認定講習会受講料(会場+eラーニング)

30,000円

認定試験受験料

10,000円

認定登録料(合格後)

3,000円

更新登録料(5年ごと)

3,500円

認定更新のための講習会受講料

12,000円

eラーニングのみを選んだ場合、受講料・受験料・認定登録料の合計は33,000円となります。会場講習を選ぶ場合は交通費や宿泊費も見込んでおきましょう。金額は回ごとに変わる可能性があるため、申請前に実施要領で確認してください。

出典:第31回(2026年)3学会合同呼吸療法認定士認定講習会および認定試験実施要領【講習会受講用】|公益財団法人医療機器センター

試験合格後に呼吸療法認定士として認定されるまでの流れ

認定試験に合格しただけでは手続きは完了しません。合格後は所定の期間内に認定登録を申請し、認定登録料を支払う必要があります。

第31回の場合、スケジュールは試験結果通知が2026年(令和8年)12月下旬、認定登録締切が2027年(令和9年)1月中旬、デジタル認定証の交付が同年2月中旬となります。試験から認定証の交付までは年をまたぐため、受験した年内には認定が完了しない点に注意してください。認定証の有効期間は5年間であり、資格を継続するには更新手続きが必要です。

黄色の背景の真ん中に正方形の木材に一文字ずつ書かれた「難易度」と左上に虫眼鏡、右下にバインダーに挟まれたチェックリスト

呼吸療法認定士試験の内容と難易度・合格率

試験では、呼吸器の基礎から人工呼吸療法、酸素療法、呼吸リハビリテーションまで幅広い知識が問われます。ここでは出題範囲と合格率、難易度を整理します。

呼吸療法認定士試験の出題範囲と試験形式

特定の分野に絞るのではなく、認定講習会で学ぶ内容を中心に幅広く対策することが重要です。主な学習分野は以下のとおりです。

  • 呼吸器の解剖・生理
  • 呼吸不全の病態や管理
  • 呼吸機能検査
  • 酸素療法
  • 人工呼吸療法
  • 気道管理
  • 呼吸リハビリテーション
  • 新生児・小児の呼吸管理
  • 呼吸療法に関連する医療機器や安全管理

試験はマークシート方式で、問題数は100問です。まずは講習会の内容を一通り理解し、そのうえで苦手分野を重点的に復習するとよいでしょう。

呼吸療法認定士試験の合格率と難易度

合格率は回によって異なりますが、近年はおおむね6〜7割台で推移しています。公表されている直近6回の結果は、以下のとおりです。

試験

受験者数

合格者数

合格率

第25回 2020年(令和2年)

1,238人

855人

69.1%

第26回 2021年(令和3年)

3,420人

2,393人

70.0%

第27回 2022年(令和4年)

3,868人

2,648人

68.5%

第28回 2023年(令和5年)

3,687人

2,438人

66.1%

第29回 2024年(令和6年)

3,580人

2,469人

69.0%

第30回 2025年(令和7年)

3,423人

2,375人

69.4%

直近の第30回では3,423人が受験して2,375人が合格し、合格率は69.4%でした。ただし、受験者は一定の実務経験を持ち、認定講習会を経た医療従事者です。合格率だけを見て易しい試験と判断せず、十分な準備をして臨む必要があります。

出典:3学会合同呼吸療法認定士|医療従事者向け講習会・試験|公益財団法人医療機器センター

呼吸療法認定士試験が難しいといわれる理由

難しいと感じられる理由の一つは、出題対象となる分野が幅広いことです。受験者は看護師や臨床工学技士、理学療法士など様々な職種にわたるため、普段の業務ではあまり扱わない分野も学習する必要があります。

負担になりやすいポイントは、以下のとおりです。

  • 呼吸療法に関する幅広い分野を学習する必要がある
  • 解剖・生理などの基礎知識も復習する必要がある
  • 自分の職種では扱う機会が少ない分野も出題範囲に含まれる
  • 人工呼吸器など専門的な知識を理解する必要がある
  • 仕事を続けながら試験勉強の時間を確保する必要がある

自身の職種で経験しにくい分野を早期に見極め、重点的に対策を重ねることが合格への近道です。

働きながら合格を目指すために必要な勉強時間の目安

呼吸療法認定士試験において、公式な「合格に必要な勉強時間」の目安は示されていません。実際の必要時間は、個人の実務経験や知識量によって大きく変化します。総学習時間を決めるより、試験日から逆算して学習期間と1日あたりの時間を設定するほうが現実的です。

時期

学習内容の例

学習開始時

出題範囲を確認し、基礎知識を復習する

中盤

認定講習会の内容や教材を一通り学習する

試験1〜2か月前

問題演習を行い、苦手分野を洗い出す

試験直前

間違えた問題や苦手分野を重点的に復習する

平日は短時間でも学習を続け、休日にまとまった復習時間を確保するなど、仕事に無理のないスケジュールを組みましょう。

正方形の木材が複数あり、それぞれに双葉や電球マークなど様々なイラストが描かれている。

呼吸療法認定士試験に合格するための勉強方法

出題範囲が広いため、やみくもに暗記するのではなく、認定講習会の内容を軸にして、計画的に学習を進めましょう。

認定講習会の資料を中心に学習する方法

学習は、認定講習会で提供される資料や講義内容を中心に進めることが基本です。最初から細かい内容をすべて暗記しようとせず、まずは全体を確認して出題範囲を把握しましょう。

  1. 講習会の資料全体に目を通して学習範囲を把握する
  2. 講義内容と照らし合わせながら重要事項を確認する
  3. 理解できていない部分や覚えにくい部分に印をつける
  4. 重要な数値や用語、仕組みを整理して覚える
  5. 問題演習後に間違えた分野を資料で確認する

人工呼吸療法や酸素療法などは、用語だけを暗記するのではなく、仕組みや目的と関連づけて理解することが大切です。

過去問・類似問題を活用した試験対策

公式な過去問は一般公開されていないため、市販の問題集や類似問題を活用して演習することになります。問題を解くことで、覚えた知識を正しく使えるか確認できます。

  • 問題を解いたら正解・不正解だけで終わらせない
  • 間違えた理由を確認する
  • 解説で理解できない部分は資料に戻って復習する
  • 正解した問題でも根拠を説明できるか確認する
  • 同じ問題や類似問題を繰り返し解く
  • 本番を意識して時間を計りながら問題を解く

問題を解くこと自体を目的にせず、「なぜその答えになるのか」を説明できる状態を目指しましょう。

苦手分野を把握して効率よく勉強する方法

すべての分野に同じ時間をかけるより、苦手分野を把握して重点的に学習するほうが効率的です。

手順

取り組み方

1.問題を解く

分野ごとに問題演習を行う

2.結果を記録する

間違えた問題や迷った問題を記録する

3.原因を確認する

知識不足・理解不足・暗記不足などに分類する

4.資料に戻る

該当する内容を読み直して理解を深める

5.再度問題を解く

同じ分野の問題で理解できたか確認する

演習の結果を記録しておけば、優先して勉強すべき分野が明確になります。

仕事と試験勉強を両立するためのスケジュール

休日だけにまとめて勉強しようとすると予定や体調に左右されやすいため、平日の短時間学習と休日のまとまった学習を組み合わせると継続しやすくなります。

タイミング

学習時間・内容の例

平日の朝・通勤時間

15〜30分程度、用語や重要事項を確認する

平日の帰宅後

30〜60分程度、資料や問題集を進める

休日

1〜3時間程度、問題演習や苦手分野を復習する

試験1〜2か月前

問題演習を増やし、間違えた分野を重点的に復習する

試験直前

新しい内容を広げすぎず、重要事項や苦手分野を確認する

毎日長時間勉強することよりも、短時間でも継続して学習することがポイントです。

人間が机にノートと参考書を開いて勉強している

第31回・2026年(令和8年)の試験・申請情報

2026年(令和8年)の呼吸療法認定士は、第31回認定講習会・認定試験として実施されます。ここでは日程と手続き、必要書類を整理します。

第31回の認定講習会・試験日程

日程は公式サイトの実施要領で確認できます。第31回の主なスケジュールは、以下のとおりです。

項目

第31回の日程

認定講習会の申請期間

2026年(令和8年)2月12日10時〜4月21日17時

受講免除申請期間

2026年(令和8年)5月11日10時〜6月5日17時

会場講習

2026年(令和8年)8月22日〜23日

eラーニング

2026年(令和8年)9月3日〜30日

認定試験

2026年(令和8年)11月8日(東京都内)

試験結果通知

2026年(令和8年)12月下旬

認定登録締切

2027年(令和9年)1月中旬

デジタル認定証の交付

2027年(令和9年)2月中旬

第31回の新規申請受付は既に終了しています。これから新規取得を目指す場合は、次回(第32回)の実施情報を公式サイトで確認してください。第32回の日程は本記事の執筆時点では公表されていません。

申請者ページ・マイページから行う手続き

各種手続きはオンライン化されており、申請時にはEメールを登録し、案内された申請フォームから必要事項を入力します。申請から認定までにオンラインで行う主な手続きは、以下のとおりです。

  • Eメールアドレスの登録
  • 認定講習会のオンライン申請
  • 必要な証明書類のアップロード
  • 審査結果の確認
  • 認定試験の申し込み
  • 合否通知の確認
  • 合格後の認定登録申請

登録したEメールアドレスやパスワードは、手続きが完了するまで適切に管理しておきましょう。

申し込み前に確認しておきたい必要書類と期限

新規申請はオンラインのみで受け付けられます。申請期間を過ぎると申請できないため、必要書類は早めに準備しておくことが重要です。

必要なもの

確認するポイント

点数証明書類

過去5年以内に取得した12.5点以上を証明できる受講証・修了証など

医療資格免許証

対象となる医療資格を確認できるもの

顔写真付き本人確認書類

運転免許証・パスポート・社員証または学生証など

実務経験証明書

必要な実務経験を満たしていることを証明する

Eメールアドレス

オンライン申請や各種通知の受信に使用する

実務経験証明書は、ファイルのアップロードまたは電子署名での提出が可能です。書類不備や期限超過を防ぐため、「実務経験」「12.5点の取得」「証明書類」の3点は、申請開始前に揃えておくことが大切です。

カレンダーの上に置かれた4つの木材。木材には契約更新と一文字ずつ書かれている。

呼吸療法認定士の更新手続きと必要な点数

認定証の有効期間は5年間で、資格を継続するには更新手続きが必要です。ここでは更新時期、点数の取得方法、更新のための講習会、手続きの流れを整理します。

呼吸療法認定士の認定期間と更新時期

更新に関する基本事項は、以下のとおりです。

項目

内容

認定証の有効期間

5年間

更新の頻度

5年ごと

更新に必要な点数

50点以上

更新申請時期

認定5年目の4月〜9月末

更新方法

マイページからオンライン申請

更新後の認定証

デジタル認定証(オープンバッジ)

更新登録料

3,500円(税込)

たとえば2026年(令和8年)の更新対象者は、認定証の有効期限が同年12月31日までの認定士で、申請は2026年(令和8年)4月1日10時から9月30日17時まで受け付けられます。更新案内は認定4年目の8月末までに郵送されますが、案内が届かなかった場合でも、期間内に手続きをしなければ資格を喪失します。

出典:3学会合同呼吸療法認定士|医療従事者向け講習会・試験|公益財団法人医療機器センター

資格更新に必要な点数の取得方法

更新には、認定委員会が定める基準に従って合計50点以上を取得する必要があります。一般的に「単位」と呼ばれることもありますが、公式には「点数」として定められています。

点数を取得する主な方法は、以下のとおりです。

  • 認定委員会が認める学会や講習会などへ出席する
  • 対象となる学会や講習会などで講演する
  • 呼吸療法に関連する論文を発表する
  • 認定委員会が主催する「認定更新のための講習会」を受講する

対象となる活動によって取得できる点数が異なります。「講習会に参加したから更新できる」と判断せず、点数取得基準を確認しましょう。点数の取得対象期間は、現在の認定証の有効期間のうち申請期間までと定められています。受講証や修了証は取得点数を証明する書類となるため、更新申請まで保管しておきましょう。

認定更新のための講習会を利用する方法

点数の取得が難しい対象者向けに、認定委員会が「認定更新のための講習会」を実施しています。2027年(令和9年)3月開催分の概要は、以下のとおりです。

項目

内容

対象

認定証の有効期限が2027年(令和9年)12月31日までの認定士

対象外

既に点数を取得済みの人、2026年(令和8年)の同講習会受講者

形式

eラーニング

開催期間

2027年(令和9年)3月1日10時〜3月31日17時

申込期間

2026年(令和8年)12月1日午後〜12月25日17時(決済完了まで)

定員

4,000名

受講料

12,000円(税込)

取得点数

全受講完了で60点

この講習会をすべて受講すると60点を取得できるため、更新に必要な50点を一度に満たせます。学会参加による点数取得が難しければ、代替案として申込期間を早めに確認しておくと安心です。

出典:3学会合同呼吸療法認定士|医療従事者向け講習会・試験|公益財団法人医療機器センター

マイページを利用した更新手続きの流れ

認定更新はオンラインで行われており、対象者は受付期間中にマイページから申請します。基本的な流れは、マイページへのログイン、登録情報の確認、更新申請の入力、点数を証明する書類の提出、認定委員会による審査、更新登録料の支払い、デジタル認定証の受け取りという順序です。

更新登録料は3,500円(税込)で、審査完了後にオンラインで支払います。支払い方法はクレジットカード、コンビニ決済、銀行決済(ペイジー)に対応しています。更新時期や申請方法は変更される可能性があるため、認定証の有効期限が近づいたら公式サイトとマイページで最新情報を確認しましょう。

東京医療センターの建物と入口の看板

職種別に見る呼吸療法認定士の生かし方

呼吸療法認定士は、保有する国家資格によって生かし方が異なります。ここでは職種ごとの活用場面を整理します。

看護師・リハビリ職・臨床工学技士それぞれの活用場面

職種

主な活用場面

看護師

呼吸状態の観察と早期の変化把握、酸素療法・人工呼吸器装着患者の看護、呼吸ケアチームへの参加、院内研修や後輩指導

理学療法士・作業療法士

呼吸状態を踏まえた呼吸リハビリテーション、ICU・急性期での早期離床支援、呼吸法や日常生活動作の指導

臨床工学技士

人工呼吸器の操作・保守管理、人工呼吸管理への理解、医師や看護師との情報共有、機器に関するスタッフ教育

准看護師

保有資格の業務範囲内での呼吸状態の観察やケアへの活用

いずれの職種でも、資格取得によって業務範囲そのものが広がるわけではありません。保有する国家資格の範囲内で、根拠に基づいた判断やケアにつなげることが基本です。第30回では理学療法士の合格者が最も多く、リハビリテーション領域でも呼吸管理の知識が求められていることがうかがえます。

資格取得を転職・キャリアアップにつなげる方法

転職やキャリアアップに生かすには、資格名を履歴書に記載するだけでなく、取得を通じて得た知識と実務での活用経験を具体的に伝えることが重要です。

活用方法

伝えるポイント

履歴書に記載する

呼吸療法に関する専門知識を学んでいることを示す

職務経歴書で実績を伝える

呼吸管理やRSTなどに携わった経験を具体的に記載する

面接で取得目的を説明する

資格を取得した理由と今後のキャリアを結びつける

専門部署への異動を目指す

呼吸器・救急・集中治療など希望分野への意欲を伝える

ただし、取得したからといって昇進や給与アップ、転職での採用が保証されるわけではありません。「資格を持っていること」だけでなく、「資格取得で得た知識をどのような業務に生かしてきたか」まで整理して伝えることがキャリアアップにつなげるポイントです。

女性医師と女性が胸のレントゲン写真を見ている

まとめ

呼吸療法認定士は、日本胸部外科学会・日本呼吸器学会・日本麻酔科学会の3学会が合同で認定する資格です。対象は臨床工学技士・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士の5職種で、准看護師は3年以上、そのほかは2年以上の実務経験と、過去5年以内の12.5点以上の取得が受講要件となります。

取得に至る流れは、認定講習会の受講、認定試験の合格、認定登録の3ステップです。試験はマークシート方式で100問、直近の第30回は受験者3,423人・合格者2,375人・合格率69.4%でした。第1回からの累計合格者は66,574人にのぼります。費用は、eラーニングのみで受講した場合、受講料・受験料・認定登録料の合計が33,000円です。

なお、認定証の有効期間は5年間となり、更新には合計50点以上の取得と指定期間内(5年目の4月〜9月末)の申請が求められます。点数の取得が難しい場合は、60点を取得できる「認定更新のための講習会」も用意されています。日程や費用は回ごとに変わるため、申請前に必ず最新の実施要領を確認することが大切です。

呼吸療法認定士に関する

よくある質問

Q.呼吸療法認定士を取得すると給料や年収は上がる?
A.

資格を取得しても、直ちに給料や年収のアップへ結びつくとは限りません。給与体系や資格手当の有無は勤務先によって様々です。

一方、呼吸療法の専門性を高めることで、呼吸器内科やICUなど専門性を生かせる部署での勤務、呼吸ケアチームへの参加、院内研修やスタッフ教育への関与といったキャリアにつながる可能性があります。収入アップを目的として取得する場合は、勤務先の就業規則や資格手当の対象を事前に確認しておきましょう。

Q.呼吸療法認定士の過去問は公開されている?
A.

公式サイトでは、過去の認定試験問題が一般向けに公開されていません。そのため、認定講習会の資料や市販の問題集などを活用して対策する必要があります。

  • 認定講習会の資料
  • 認定講習会の講義内容
  • 市販の試験対策問題集
  • 市販の参考書

市販の問題集を使う際も丸暗記で終わらせず、間違えた箇所を講習会資料に立ち返って復習し、確実に理解を深めることが重要です。

Q.呼吸療法認定士は独学でも合格できる?
A.

認定講習会の内容を中心に自分で勉強を進めて合格を目指すことは可能です。ただし、講習会受講などをスキップして試験のみを独学で受けられるわけではありません。新規に取得する場合は、所定の実務経験や点数などの要件を満たし、認定講習会を受講する必要があります。

独学で対策を進める場合は、講習会の内容を復習し、基礎知識を固めたうえで問題演習を行い、間違えた問題から苦手分野を把握して復習するという流れが基本です。

Q.呼吸療法認定士のマイページにログインできない場合は?
A.

まず、認定登録番号やパスワードなど、入力している情報に誤りがないか確認しましょう。2026年(令和8年)の認定更新申請の手引きでは、初期パスワードは「生年月日8桁+登録している携帯電話番号の下4桁」と案内されています。携帯電話番号を登録していない場合は固定電話番号を使用します。ログイン後は任意のパスワードへ変更できます。

それでもログインできない場合は、登録情報に問題がある可能性もあるため、3学会合同呼吸療法認定士認定委員会事務局へ問い合わせましょう。

Q.呼吸療法認定士を更新しないとどうなる?
A.

認定証の有効期間は5年間です。期間内に必要な点数を取得し、所定の期間内に更新手続きを行わなければ、原則として資格は失効します。

項目

内容

認定期間

5年間

更新に必要な点数

50点以上

通常の更新申請時期

認定5年目の4月〜9月末

期間内に更新しなかった場合

原則として認定士資格が失効する

更新案内

認定4年目の8月末までに郵送される

公式の手引きでは、事前連絡がなく手続きを行わない場合、資格を喪失する旨が明記されています。住所や勤務先に変更があった場合は、マイページから登録情報を修正しておくことも重要です。更新時期が近づいてから点数不足に気づかないよう、認定期間中から参加状況を確認しておきましょう。

出典:2026年 認定更新申請の手引き|公益財団法人医療機器センター

執筆者

[メディルン]編集部

この記事の執筆者情報です

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