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- 助産師を目指したきっかけや熱意をうまく文章化できない方原体験の掘り下げ方や「志望理由・選考先を選んだ理由・入職後の貢献」の組み立て手順が整理でき、自分ならではの説得力ある志望動機が作れます。
- 新卒・転職・復職など自身の状況に合わせた具体的な例文を参考にしたい方新卒採用をはじめ、他病院やクリニックへの転職、ブランクからの復職といったケース別例文をもとに、経歴や強みを活かしたアピール方法が分かります。
- 履歴書や面接でNG表現を避け、採用担当者に好印象を与えたい方抽象的な表現やネガティブな退職理由の前向きな言い換え方、面接で自分の言葉で伝えるコツを押さえ、自信を持って選考に臨めるようになります。

助産師の志望動機で採用担当者が確認するポイント
採用担当者は、志望動機から助産師を目指した理由や応募先への理解度、経験・強み、入職後の目標などを確認しています。ここでは、そのポイントを解説します。
助産師を目指した理由と仕事への意欲
採用担当者は、応募者が助産師を目指した理由や、仕事に対する意欲を確認しています。「出産に関わる仕事がしたい」といった漠然とした理由だけではなく、助産師を志した具体的なきっかけや経験を盛り込むことが重要です。
志望理由を伝える際は、次のような内容を盛り込むとよいでしょう。
- 助産師を目指すきっかけとなった出来事や経験
- 看護実習や臨床経験を通じて感じたこと
- 妊産婦や新生児への支援に対する考え
- 助産師として実現したいこと
- 仕事を通じて身につけたい知識やスキル
助産師という資格の位置づけを踏まえて語ることも、仕事への理解を示すうえで有効です。保健師助産師看護師法第3条は、助産師を「厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じょく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子」と定めています。つまり助産師の業務には、分娩時の助産と、妊産婦・新生児への保健指導の両方が含まれます。妊娠・出産期に限らず、産後ケアや女性の生涯を通じた健康支援への理解を示すことで、志望理由に深みが生まれます。
助産師が働く場と求められる役割の理解
採用担当者は、応募者の就業先への理解度や役割の把握力も見ています。就業先ごとの役割の違いを踏まえ、志望動機を構成しましょう。
厚生労働省の統計によると、2024年(令和6年)末時点の就業助産師は3万8,721人で、2年前から658人(1.7%)増加しました。2022年(令和4年)末は3万8,063人でした。就業場所別の内訳は、次のとおりです。
就業場所 | 実人員 | 構成割合 |
|---|---|---|
病院 | 2万3,054人 | 59.5% |
診療所 | 8,672人 | 22.4% |
助産所 | 2,905人 | 7.5% |
市区町村 | 1,689人 | 4.4% |
看護師等学校養成所または研究機関 | 1,534人 | 4.0% |
保健所 | 435人 | 1.1% |
その他(社会福祉施設・事業所などを含む) | 432人 | 1.1% |
※「その他」は、公表資料の複数の区分を合算しています
就業助産師のうち病院が約6割、診療所が約2割を占める一方、助産所や市区町村などで地域の母子保健に携わる助産師もいます。応募先がどの場で、どの範囲の支援を担っているのかを把握したうえで志望動機を組み立てると、仕事理解の深さが伝わりやすくなります。
その病院・施設でなければならない理由
志望動機では、数ある医療機関からその応募先を選んだ理由を明確に伝えましょう。採用担当者は、応募先について十分に理解しているか、長期的に働く意欲があるかといった点も確認しています。
応募先を調べる際は、次のような項目に注目しましょう。
- 病院・施設の理念や方針
- 分娩方針や年間の分娩件数
- 母乳育児や産後ケアへの取り組み
- ハイリスク妊娠・分娩への対応体制
- 助産師向けの教育・研修制度
- 地域の母子保健における役割
「教育制度が充実しているから」で終わらせず、「研修を通じて何を学び、どのような助産師を目指すのか」まで書くと、志望理由に説得力が生まれます。自分の目標と応募先の特徴を結びつけて伝えましょう。
経験や強みと求められる助産師像との一致
採用担当者は、応募者の経験や強みが、病院・施設の求める助産師像と合っているかも確認しています。自分の長所を並べるだけではなく、その強みを助産師の仕事でどのように活かせるのかまで伝えることが大切です。
助産師の仕事に活かしやすい経験や強みには、次のようなものがあります。
経験・強み | 助産師業務での活かし方 |
|---|---|
傾聴力 | 妊産婦の不安や希望を丁寧にくみ取る |
コミュニケーション力 | 妊産婦や家族と信頼関係を築く |
協調性 | 医師や看護師など多職種と連携する |
観察力 | 母体や新生児の小さな変化に気づく |
学習意欲 | 専門知識や技術を継続的に身につける |
新卒の場合も、実習や学生生活で培った傾聴力や協調性、学習意欲を、具体的なエピソードとともに示すと効果的です。
入職後の貢献や将来像を伝える重要性
志望動機では、入職することをゴールとせず、入職後にどのように活躍したいのかを伝えることも重要です。採用担当者は、応募者が助産師として成長する意欲を持ち、長期的に貢献してくれる人材かを確認しています。
入職後の目標としては、次のような内容が挙げられます。
- 分娩介助の経験を積み、専門性を高める
- 妊産婦一人ひとりに合わせた支援を行う
- 産後ケアや母乳育児支援の知識を深める
- 母親学級などの保健指導に携わる
- 多職種と連携し、安全な出産を支える
- 将来的に後輩の指導や育成にも携わる
応募先の特徴に合った将来像を示すことで、「なぜこの職場を選んだのか」と「入職後に何をしたいのか」が一貫します。

助産師の志望動機の基本的な作り方
助産師の志望動機は、思いついた内容をそのまま書くのではなく、材料を整理してから組み立てることがポイントです。ここでは、助産師の志望動機の基本的な作り方について解説します。
助産師を目指したきっかけや原体験の整理方法
志望動機を作る第一歩は、助産師を目指したきっかけや原体験を振り返ることです。「人の役に立ちたい」「出産に関わりたい」だけでは、ほかの応募者との差別化が難しくなります。自分が助産師に興味を持った具体的な出来事を掘り下げましょう。
振り返る際は、次のようなポイントを整理すると効果的です。
- 助産師という仕事を知ったきっかけ
- 助産師を目指そうと決めた出来事
- 実習や学習を通して印象に残った経験
- 妊産婦や新生児との関わりから感じたこと
- 助産師として実現したい支援
出来事を並べるだけでなく、「その経験から何を感じたのか」「なぜ助産師になりたいと思ったのか」まで掘り下げましょう。自分の価値観や考え方と結びつけることで、自分らしさの伝わる志望動機を作りやすくなります。
自分の経験・スキル・強みを洗い出す方法
助産師の志望動機では、これまでの経験や身につけたスキル、強みを整理し、仕事でどのように活かせるかを伝えることが重要です。看護師としての実務経験だけでなく、実習や学生生活、アルバイトなどで培った能力もアピール材料になります。
前掲の「経験・強みと助産師業務での活かし方」を参考に、これまでの経験を振り返って整理してみましょう。単に「コミュニケーション力があります」と伝えるのではなく、その強みが発揮された具体的な経験とセットで整理するのがポイントです。助産師としてどのように活かせるかまで考えることで、説得力のあるアピールにつながります。
応募先の理念・特徴・取り組みを調べる方法
説得力のある志望動機を作るには、応募する病院や施設について十分に調べる必要があります。応募先の特徴を把握していなければ、「なぜほかの病院ではなく、この病院を選んだのか」を具体的に説明することが難しくなるためです。
調べるべき項目は前掲のとおり、理念や方針、分娩体制、産後ケア・母乳育児支援、研修制度、地域での役割などです。
公式サイトや採用ページ、求人情報などを確認し、自分の経験や目指す助産師像との共通点を見つけると、応募先ならではの志望理由を作りやすくなります。
周産期医療の体制から応募先を見極める視点
応募先を比較する際は、個々の病院の情報だけでなく、周産期医療の体制が変化していることも押さえておくと理解が深まります。
厚生労働省の医療施設調査では、2024年(令和6年)10月1日時点で「産婦人科」または「産科」を標榜する一般病院は、合計1,245施設となっています。内訳は産婦人科が1,052施設、産科が193施設です。前年の1,254施設から減少しており、同調査では年々減少していると示されています。
産科や産婦人科を掲げる病院が減るなかで、周辺の医療機関との役割分担や搬送体制を整えている施設もあります。応募先が地域のなかでどの役割を担っているのかを調べ、「地域の周産期医療を支える体制の一端を担いたい」といった視点を志望動機に加えると、応募先への深い理解を示せます。
「志望理由・応募先を選んだ理由・貢献」の組み立て方
必要な情報を整理したら、「志望理由」「応募先を選んだ理由」「入職後の貢献」の順番で文章を組み立てましょう。この3要素を軸に組み立てると構成が明確になり、志望理由や入職後の姿が具体的に伝わります。
基本的な構成は、次のとおりです。
- 志望理由:助産師を目指したきっかけや理由を伝える
- 応募先を選んだ理由:理念や取り組みなど、応募先に魅力を感じた点を伝える
- 入職後の貢献:経験や強みをどのように活かすかを伝える
最後に、「将来どのような助産師になりたいのか」を加えると、キャリアビジョンも示せます。それぞれを別々に書くのではなく、過去の経験から現在の志望理由、入職後の目標へと一貫した流れを作ることが大切です。

助産師の志望動機で評価につながる書き方
助産師の志望動機では、採用担当者が理解しやすい文章にまとめることも重要です。ここでは、評価につながる書き方を解説します。
結論から伝えて読みやすい文章にするコツ
志望動機は、最初に「なぜこの病院・施設を志望するのか」という結論を伝えると、採用担当者が内容を理解しやすくなります。背景や経験から書き始めると、結論となる志望理由が伝わりにくくなる場合があるため注意しましょう。
読みやすい文章にするには、次の順番を意識するのがおすすめです。
- 結論:助産師としてその病院・施設で働きたい理由
- 根拠:志望するきっかけとなった経験
- 応募先との接点:理念や取り組みに共感した理由
- 将来像:入職後にどのように貢献したいか
一文を長くしすぎず、一つの文章で伝える内容を絞ることもポイントです。
具体的なエピソードで説得力を高める方法
「妊産婦に寄り添える助産師になりたい」といった表現だけでは、志望理由が抽象的になりやすいため、具体的なエピソードを添えましょう。実習や業務で印象に残った出来事を挙げ、そこから得た気づきや考えまで言語化します。
エピソードは、「どのような状況だったのか」「自分がどう行動したのか」「そこから何を感じ、学んだのか」「助産師を目指す気持ちにどうつながったのか」の順に整理します。
エピソードは特別な経験である必要はなく、実習中に妊産婦の不安に耳を傾けた経験なども志望動機の材料になります。自分の価値観や助産師への思いにつながる出来事を具体的に示すことで、説得力とオリジナリティを持たせられます。
病院の特徴と自分の価値観を結びつける理由
応募先の理念や取り組みを志望動機に盛り込む場合は、情報をそのまま紹介するだけでなく、自分の価値観や経験と結びつけることが重要です。「貴院の理念に共感しました」だけでは、なぜ共感したのかが伝わりにくく、ほかの病院にも当てはまる志望動機になりかねません。
応募先の特徴と自分の価値観は、次のように結びつけます。
応募先の特徴 | 自分の価値観・目標との結びつけ方 |
|---|---|
妊産婦に寄り添ったケア | 一人ひとりの希望を尊重した支援をしたい |
産後ケアに注力 | 出産後も継続して母子を支援したい |
ハイリスク分娩に対応 | 専門性を高め、安全な出産を支えたい |
教育制度が充実 | 知識・技術を継続的に学び成長したい |
地域との連携を重視 | 地域に根ざした母子支援に携わりたい |
応募先について調べたうえで、自分が特に魅力を感じる特徴を選び、「なぜ魅力を感じたのか」まで掘り下げると、その病院・施設を選んだ理由が伝わる志望動機になります。
なりたい助産師像を入職後の目標につなげる方法
志望動機では、「どのような助産師になりたいか」を伝えるだけでなく、その理想像を入職後の具体的な目標につなげることが大切です。採用担当者が、応募者の成長意欲や入職後に活躍する姿をイメージしやすくなります。
なりたい助産師像と入職後の目標は、次のように整理するとよいでしょう。
- 理想像:妊産婦の気持ちに寄り添える助産師
- 必要な力:傾聴力やコミュニケーション力
- 入職後の行動:先輩から学びながら実践経験を積む
- 将来の目標:妊娠から産後まで継続的に支援できる助産師を目指す
「このような助産師になりたい」で終わらせず、そのために何を学びたいのかまで具体化し、応募先の教育制度や取り組みと結びつけましょう。

助産師の志望動機の例文【新卒・転職・応募先別】
助産師の志望動機は、新卒・転職などの状況や応募先によってアピールすべき内容が異なります。ここでは、ケース別に例文を紹介します。
新卒で病院へ応募する場合の志望動機例文
新卒の場合は実務経験がないため、実習で得た経験や助産師を目指したきっかけ、学ぶ姿勢などを伝えることがポイントです。応募先の教育体制や理念と、自分が目指す助産師像を結びつけると、志望理由に説得力を持たせられます。
【例文】
「看護学生時代の母性看護学実習で、出産に不安を抱える妊婦さんを支える助産師の姿を見て、私も安心して出産を迎えられるよう支えられる助産師になりたいと考えるようになりました。貴院は新人教育が充実しており、基礎から専門的な知識・技術を学べる点に魅力を感じています。入職後は一つひとつの経験から積極的に学び、妊産婦さんやご家族の気持ちに寄り添いながら、安全な出産を支えられる助産師を目指します。」
新卒では、経験不足を補おうとするのではなく、実習で学んだことや成長意欲を具体的に伝えましょう。
助産師が別の病院へ転職する場合の志望動機例文
助産師経験者が別の病院へ転職する場合は、これまでの経験やスキルに加えて、転職によって実現したいことを明確にしましょう。前職への不満ではなく、専門性を高めたいという前向きな理由を示すことが大切です。
【例文】
「これまで総合病院の産科で勤務し、分娩介助や妊産婦への保健指導、産後の母乳育児支援などに携わってきました。経験を重ねるなかで、より幅広い症例に対応できる知識と技術を身につけたいと考えるようになりました。貴院ではハイリスク妊娠・分娩にも対応し、多職種が連携した周産期医療を実践されている点に魅力を感じています。これまで培った経験を活かしながら専門性を高め、母子が安心して出産を迎えられるよう貢献したいと考え、志望いたしました。」
産婦人科クリニックへ転職する場合の志望動機例文
産婦人科クリニックへ転職する場合は、病院との役割の違いを理解したうえで、応募先ならではの特徴に触れることが重要です。妊娠から産後まで継続して寄り添いたいという思いを具体的に伝えましょう。
【例文】
「これまで病院の産科で分娩介助や産後のケアに携わるなかで、妊娠期から産後まで一人ひとりの妊産婦さんと継続的に関わることの大切さを感じてきました。貴院が妊婦健診から分娩、産後ケアまで一貫した支援を行い、妊産婦さんの希望を尊重したケアを大切にされている点に魅力を感じています。これまでの分娩介助や保健指導の経験を活かしながら、一人ひとりの不安や希望に丁寧に向き合い、安心して妊娠・出産・育児を迎えられるよう支援したいと考えています。」
経験が浅い助産師が転職する場合の志望動機例文
助産師としての経験が浅い場合は、経験年数の短さではなく、これまでに身につけたことや今後伸ばしたい能力を伝えることが大切です。学習意欲や将来像を具体的に示しましょう。
【例文】
「助産師として勤務するなかで、分娩介助や産後ケアなどの基本的な業務を経験し、妊産婦さん一人ひとりに合わせた支援の重要性を学びました。まだ経験は浅いものの、より多くの症例に関わり、助産師として必要な判断力や対応力を身につけたいと考えています。貴院は教育・研修体制が整っており、段階的に専門性を高められる環境に魅力を感じました。これまで学んだ基礎を活かしながら積極的に知識と技術を身につけ、妊産婦さんやご家族から信頼される助産師を目指します。」
ブランクから復職する場合の志望動機例文
ブランクから復職する場合は、過去の実務経験を具体的に示すとともに、学び直す姿勢を伝えることが重要です。これまでの経験を今後どのように活かしたいのかを示しましょう。
【例文】
「以前は産科病棟で助産師として勤務し、分娩介助や妊産婦への保健指導、産後ケアなどを経験しました。一度現場を離れましたが、改めて母子の大切な時期を支える助産師の仕事に携わりたいと考え、復職を希望しています。貴院では復職者への研修や教育体制が整っている点に魅力を感じました。これまでの経験を活かすとともに、必要な知識や技術を改めて学び、一日も早く業務に対応できるよう努め、妊産婦さんやご家族に安心していただける助産師を目指します。」
ブランクの期間よりも、過去の経験と復職への意欲、学び直す姿勢を具体的に伝えましょう。

助産師の志望動機で避けたいNG例と改善方法
助産師への意欲があっても、志望動機の内容によっては採用担当者に十分な熱意が伝わらないことがあります。ここでは、避けたいNG例と改善方法について解説します。
「助産師になりたい」だけで終わる志望動機
「助産師になりたい」「妊産婦を支えたい」といった気持ちは大切ですが、それだけでは助産師を志望した背景や、応募者ならではの考えが十分に伝わりません。採用担当者が知りたいのは、なぜ助産師を目指したのか、その経験を入職後にどう活かしたいのかという具体的な内容です。
NG例
「出産に関わる仕事に興味があり、妊産婦さんを支えられる助産師になりたいと思い志望しました。」
改善する際は、助産師を目指した具体的なきっかけ、実習や仕事で得た学び、助産師として実現したいこと、入職後にどう成長・貢献したいかを加えましょう。
改善例
「助産学実習で、不安を抱える妊産婦さんに寄り添う助産師の姿を見て、私も母子を心身の両面から支えられる助産師になりたいという思いを強くしました。」
どの病院にも使い回せる抽象的な志望動機
「理念に共感した」「地域医療に貢献したい」など、どの病院にも当てはまる表現だけでは、応募先を選んだ理由が十分に伝わりません。採用担当者に「ほかの病院でもよいのではないか」と思われる可能性があります。
NG例
「貴院の理念に共感し、助産師として成長できる環境だと感じたため志望しました。」
応募先ならではの志望動機にするには、理念や方針、分娩や周産期医療の特徴、産後ケアや母乳育児支援、教育・研修制度などを確認しましょう。
改善例
「妊娠期から産後まで継続して母子を支援する貴院の方針に魅力を感じました。私も一人ひとりの希望を尊重し、安心して出産・育児を迎えられるよう支援したいと考えています。」
給与・待遇・通勤のしやすさだけを理由にするケース
給与や福利厚生、勤務時間、通勤のしやすさは、職場を選ぶうえで重要な条件です。しかし、志望動機で待遇面だけを強調すると、「条件がよければ別の職場でもよいのではないか」と受け取られる可能性があります。
NG例
「給与や福利厚生が充実しており、自宅からも通いやすいため志望しました。」
待遇以外にも、次のような仕事に関する理由を盛り込みましょう。
避けたい理由 | 志望動機に盛り込みたい内容 |
|---|---|
給与が高い | 経験を活かせる業務や専門性 |
福利厚生が充実 | 長期的に成長できる環境 |
通勤しやすい | 応募先の理念や取り組みへの共感 |
勤務条件がよい | 入職後に実現したい目標 |
改善例
「産後ケアに力を入れている貴院で、これまでの保健指導の経験を活かし、妊産婦さんが安心して育児を始められるよう支援したいと考え志望しました。」
前職への不満やネガティブな転職理由を伝えるリスク
転職では、人間関係や勤務環境などへの不満がきっかけになることもあります。しかし、志望動機で前職への不満を強調すると、採用担当者から「同じ理由で再び退職するのではないか」と懸念される可能性があります。
NG例
「前職は忙しく、十分に妊産婦さんと関わる時間を確保できなかったため転職を希望しました。」
ネガティブな転職理由は、次のように前向きな表現へ置き換えましょう。
- 「忙しかった」→「より丁寧なケアを実践したい」
- 「人間関係が合わなかった」→「多職種と連携できる環境で成長したい」
- 「学べることが少なかった」→「より専門性を高めたい」
- 「仕事が合わなかった」→「自分の経験を活かせる分野に挑戦したい」
改善例
「これまでの分娩介助の経験を活かしながら、妊娠期から産後まで継続して関わるケアを実践したいと考え、転職を決意しました。」
前職を否定するのではなく、「転職によって何を実現したいのか」に焦点を当てることで、前向きな志望動機に仕上げられます。

助産師の志望動機を履歴書に書く際のポイント
履歴書の志望動機は、限られたスペースで応募理由や経験、入職後の目標を伝える必要があります。ここでは、そのポイントを解説します。
履歴書に適した志望動機の文字数と情報量
履歴書の志望動機は、記入欄の枠内で要点を過不足なくまとめることが大切です。文字数に指定がない場合は、記入欄の大きさに合わせて200〜300字程度を一つの目安にすると、要点を簡潔にまとめやすくなります。ただし、指定された文字数や書式がある場合は、そちらを優先しましょう。
限られた文字数では、志望理由とその根拠となる経験、応募先に魅力を感じたポイント、入職後に実現したいことを優先して盛り込みます。
情報を詰め込みすぎると要点が伝わりにくくなるため、志望動機と関係の薄いエピソードは省きましょう。
自己PRと志望動機を混同しないための考え方
志望動機と自己PRは関連していますが、それぞれ伝える目的が異なります。志望動機は「なぜ助産師としてその病院・施設で働きたいのか」、自己PRは「自分の強みを仕事でどのように活かせるのか」を伝えるものです。
両者の違いは、次のように整理できます。
項目 | 志望動機 | 自己PR |
|---|---|---|
主な目的 | 応募先を選んだ理由を伝える | 自分の強みを伝える |
中心となる内容 | 志望理由・応募先への共感 | 経験・スキル・長所 |
エピソード | 志望理由につながる経験 | 強みを裏付ける経験 |
締めくくり | 入職後の目標・貢献 | 強みをどう活かすか |
志望動機にも自分の強みを盛り込めますが、強みの説明だけで終わらせず、「この強みを応募先でどのように活かしたいのか」までつなげましょう。
履歴書と職務経歴書の内容に一貫性を持たせる方法
転職時に履歴書と職務経歴書を併せて出す際は、記載内容の矛盾に注意しましょう。履歴書では志望理由や入職後の目標を簡潔にまとめ、職務経歴書ではこれまで担当した業務や実績、身につけたスキルを詳しく説明します。
一貫性を保つために、次のポイントを確認しましょう。
- 勤務先や経験年数などの基本情報に相違がないか
- 志望動機と転職理由につながりがあるか
- アピールする経験や強みが矛盾していないか
- 職務経歴書の経験が志望動機の根拠になっているか
- 入職後の目標がこれまでのキャリアとつながっているか
たとえば、職務経歴書で産後ケアの経験を強みとしている場合、履歴書でも「その経験を活かして母子への継続的な支援に携わりたい」とつなげると効果的です。

助産師の志望動機を面接で伝える際のポイント
助産師の面接では、履歴書の志望動機をもとに、応募理由や仕事への意欲、将来像を詳しく質問されることがあります。ここでは、そのポイントを解説します。
履歴書の丸暗記を避けて自分の言葉で話す方法
面接では、履歴書に書いた志望動機を一字一句暗記する必要はありません。文章を丸暗記すると、言葉を忘れたときに話が止まったり、質問に合わせて柔軟に答えられなかったりすることがあります。内容の要点だけを整理し、自分の言葉で説明できるように準備しましょう。
面接前に、助産師を目指したきっかけ、応募先を選んだ理由、これまでの経験や強み、入職後に取り組みたいこと、将来目指している助産師像を整理しておくと話しやすくなります。
履歴書と面接で表現が多少異なっても、伝える内容に一貫性があれば問題ありません。キーワードと話す順番を覚え、声に出して練習しておきましょう。
「なぜ助産師になったのか」への答え方
「なぜ助産師になったのか」という質問では、職業を選んだ理由だけでなく、助産師という仕事への理解や意欲も確認されています。「出産に関わりたかったから」と簡潔に答えるだけでなく、きっかけとなった経験や、そこから感じたことまで具体的に伝えましょう。
回答は、次の順番で組み立てるとわかりやすくなります。
- 助産師を目指したきっかけ
- そのときに感じたことや学んだこと
- 助産師として実現したいこと
【回答例】
「看護学生の実習で、出産への不安を抱える妊婦さんに寄り添い、安心できるよう支援する助産師の姿を見たことがきっかけです。身体面だけでなく、精神面からも母子を支えられる仕事に魅力を感じ、助産師を目指しました。私も妊産婦さん一人ひとりの気持ちを尊重し、安心して出産を迎えられるよう支援できる助産師になりたいと考えています。」
「なぜこの病院なのか」への答え方
「なぜこの病院なのか」という質問では、応募先への理解度や志望度が確認されます。病院の知名度や待遇だけを理由にするのではなく、理念や診療方針、周産期医療の特徴などを調べ、自分の経験や価値観と結びつけて説明することが重要です。
回答を考える際は、次の3点を意識しましょう。
- 応募先のどのような特徴に魅力を感じたのか
- なぜその特徴に魅力を感じたのか
- その環境で何を学び、どのように貢献したいのか
【回答例】
「貴院が妊娠期から産後まで継続した母子支援に力を入れている点に魅力を感じ、志望しました。実習を通して、出産だけでなく産後の不安にも寄り添うことの大切さを学んだためです。入職後は分娩介助の経験を積むとともに、産後ケアについても学び、妊産婦さんを継続的に支援できる助産師を目指したいと考えています。」
「どんな助産師になりたいか」への答え方
「どんな助産師になりたいか」という質問では、応募者の価値観だけでなく、入職後の成長意欲やキャリアに対する考え方も確認されています。「寄り添える助産師になりたい」といった抽象的な回答だけで終わらせず、理想を実現するための行動まで具体的に伝えましょう。
回答は、次のように整理すると伝わりやすくなります。
項目 | 伝える内容 |
|---|---|
理想の助産師像 | どのような助産師になりたいか |
理由 | なぜその助産師像を目指すのか |
入職後の行動 | どのような知識・技術を身につけるか |
将来の目標 | 身につけた力をどう活かすか |
【回答例】
「妊産婦さん一人ひとりの気持ちや希望を尊重し、安心感を与えられる助産師になりたいと考えています。そのために、入職後は分娩介助や保健指導の経験を積み、状況に応じた判断力やコミュニケーション力を高めたいです。将来的には、妊娠期から産後まで母子と家族を継続的に支援できる助産師を目指します。」

助産師の志望動機と転職理由を一貫させる方法
転職する助産師の志望動機では、「なぜ前職を辞めるのか」と「なぜ応募先で働きたいのか」に一貫性を持たせることが重要です。ここでは、その方法について解説します。
これまでの助産師経験を転職先での貢献につなげる方法
転職では、これまでの助産師経験を紹介するだけでなく、その経験を応募先でどのように活かせるのかまで伝えることが重要です。経験・身につけた力・応募先での貢献をセットで整理しましょう。
分娩介助や妊産婦へのケア、妊婦健診や保健指導、母乳育児・産後ケアの支援、新生児の観察・ケア、多職種との連携などが、アピールできる経験にあたります。
たとえば、産後ケアの経験があれば「産後の不安に寄り添ってきた経験を活かし、貴院でも母親が安心して育児を始められるよう支援したい」とアピールできます。
キャリアアップを志望理由にする際の伝え方
「キャリアアップしたい」という理由は前向きですが、それだけでは何を目指して転職するのかが具体的に伝わりません。身につけたい知識や技術、経験したい業務を明確にしたうえで、それを応募先でどのように実現したいのかを説明することが重要です。
キャリアアップを志望理由にする場合は、次の順番で整理すると伝わりやすくなります。
- これまでの経験:前職で身につけた知識や技術
- 今後の課題:さらに伸ばしたい能力や専門性
- 応募先を選んだ理由:希望する経験を積める環境や取り組み
- 将来の貢献:身につけた力をどう活かしたいか
「ハイリスク妊娠・分娩への対応力を身につけたい」など目標を具体化し、習得した知識や技術を母子への支援や職場への貢献にどう活かすかまで伝えましょう。

まとめ
助産師の志望動機では、助産師を目指したきっかけ、応募先を選んだ理由、入職後の貢献という3つの要素を一貫した流れでまとめることが大切です。採用担当者は、仕事への意欲だけでなく、応募先への理解度や経験・強みとの相性、長期的に活躍する見通しまで確認しています。
まずは原体験を振り返り、自分の経験やスキルを洗い出したうえで、応募先の理念や分娩方針、教育体制、地域で担う役割などを調べましょう。そのうえで結論から書き始め、具体的なエピソードで根拠を示し、なりたい助産師像を入職後の目標につなげる構成にすると、説得力が高まります。
一方で、「助産師になりたい」だけで終わる内容や、どの病院にも使い回せる抽象的な表現、待遇面のみを理由にした書き方、前職への不満を前面に出した転職理由は避けたいところです。履歴書では記入欄に合わせて要点を絞り、面接では文章を丸暗記せず自分の言葉で話せるよう準備しておきましょう。
よくある質問
Q.助産師になりたい理由がうまく思いつかない場合はどうする?
助産師になりたい理由が思いつかない場合は、無理に特別なエピソードを作る必要はありません。まずは、助産師に興味を持った時期や実習で印象に残った出来事、妊産婦や新生児との関わりなどを振り返ってみましょう。
「仕事を知ったきっかけ」「印象に残っている経験」「魅力を感じる役割」などを書き出し、それぞれ「なぜそう感じたのか」を掘り下げてみましょう。複数の経験に共通する価値観を見つけることで、自分らしい志望理由につながります。
Q.助産師を目指したきっかけは志望動機に入れるべき?
助産師を目指したきっかけは、志望動機に盛り込むと効果的です。具体的なきっかけを示すことで、「なぜ助産師になりたいのか」という理由に説得力が生まれ、仕事に対する価値観や意欲も採用担当者へ伝わりやすくなります。
ただし、出来事を紹介するだけで終わらせず、「きっかけ→気づき・学び→志望理由→将来像」の流れで整理することが重要です。実習で妊産婦への支援に魅力を感じたのであれば、「自分も母子の不安に寄り添い、安心して出産を迎えられるよう支援したい」と将来像までつなげると、内容に一貫性を持たせられます。
Q.その病院でなければならない理由はどう作ればよい?
その病院を選んだ理由を作るには、応募先の特徴を調べ、自分の経験や価値観、将来像との共通点を見つけることが重要です。病院の理念をそのまま引用したり、「教育制度が充実しているから」と説明したりするだけでは、志望理由が抽象的になりやすいため注意しましょう。
理念や周産期医療の方針、分娩・産後ケアの特徴、教育・研修制度、地域で担う役割などを調べましょう。そのうえで、特に共感する部分について「なぜ魅力を感じたのか」「そこで何を実現したいのか」まで掘り下げます。応募先の特徴と自分の目標を結びつけることで、その病院ならではの志望理由に仕上がります。
Q.なりたい助産師像はどのように答えればよい?
なりたい助産師像を答える際は、「妊産婦に寄り添える助産師になりたい」といった理想だけで終わらせず、その理由や実現するための行動まで具体的に伝えることが大切です。採用担当者が入職後の成長や活躍する姿をイメージできるよう、具体的に伝えましょう。
「理想像→その理由→必要な力→入職後に学ぶこと→将来の活かし方」の順に整理するとよいでしょう。たとえば「妊産婦の希望を尊重できる助産師」を目指すなら、傾聴力や判断力を高めるために経験を積みたいと伝えます。理想像と具体的な行動をセットにすることで、成長意欲の伝わる回答になります。
Q.他業種から助産師を目指す場合は何から始めればよい?
他業種から助産師を目指す場合は、まず助産師になるために必要な資格や進学ルートを確認しましょう。日本で助産師として働くには、看護師国家試験と助産師国家試験の両方に合格し、それぞれの免許を取得する必要があります。そのため、現在保有している資格や学歴によって必要な進路が異なります。
主な流れは、次のとおりです。
- 看護師になるための教育課程へ進む
- 看護師国家試験の受験資格を得る
- 助産師の教育課程で必要な知識・技術を学ぶ
- 看護師・助産師の国家試験に合格する
- 病院や産婦人科クリニックなどへの就職を目指す
進学先によっては、看護師と助産師の受験資格取得を目指せる課程もあります。学校ごとの入学要件や教育課程を確認し、自分の学歴や生活状況に合ったルートを検討しましょう。
Q.助産師国家試験の合格率はどのくらい?
2026年(令和8年)2月に実施された第109回助産師国家試験の受験者数は2,046人、合格者数は2,040人で、合格率は99.7%でした。このうち新卒者は受験者2,018人、合格者2,014人で、合格率は99.8%です。
助産師国家試験は、所定の教育課程を修了した人が受験する仕組みであり、合格率は高い水準で推移しています。合格率の高さは試験の易しさを意味するのではなく、受験資格を得るまでの教育課程を計画的に修了することが前提となる点に注意が必要です。志望動機を考える際も、国家試験そのものよりも、課程で何を学び、どのような助産師を目指すのかを整理することが大切です。
[メディルン]編集部
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