Top
>nurse-annual-salary
給与

看護師の年収はいくら?年代・職場別の平均給料と手取りを徹底解説

青い背景に聴診器と電卓

看護師として働いていると、自分の年収が同年代やほかの職場と比べて高いのか、今後どこまで伸ばせるのか気になることがあります。本記事では、最新の統計をもとに平均年収や初任給、年代・職場・地域・役職別の違いを整理します。現在の収入水準を把握し、資格取得や働き方の見直し、転職など今後のキャリアを考えたい看護師に役立つ内容です。

この記事がおすすめな人

#給与
  • 看護師の給与相場や手取りの目安を知りたい人
    看護師全体の平均年収と、月収・ボーナス・手取りの目安が分かります。
  • 自分の給与が周りと比べて適正か確かめたい人
    年代・職場・地域・役職による年収差を比べ、自分の収入水準を確認できます。
  • 転職や夜勤など年収アップの具体策を検討したい人
    資格取得や夜勤、管理職、転職など、年収アップにつながる選択肢を整理できます。
ピンクの豚の貯金箱を両手で大切に持つ医療スクラブ姿の人

看護師の平均年収はいくらか?最新データを解説

看護師の年収は、毎月の給与と年間賞与を合算して把握します。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査では、月額の「きまって支給する現金給与額」と年間賞与その他特別給与額が分けて示されており、総額だけでは見えにくい給与構成まで確認できます。

まず全体の平均を基準にし、その後に月収・賞与・手取りへ分けると、自分の給与との違いを整理しやすくなります。とくに夜勤手当など変動する支給額がある人は、年収だけでなく、どの項目が差を生んでいるかを見ることが重要です。

看護師の平均年収の目安

厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査では、看護師の『きまって支給する現金給与額』は月36万5,900円、『年間賞与その他特別給与額』は85万6,400円です。これらをもとに計算すると、平均年収は524万7,200円となります。平均年齢は42.1歳で、この金額は毎月の「きまって支給する現金給与額」を12か月分にした額と、年間賞与その他特別給与額を合計して算出されています。

524万7,200円は、全国の一般労働者として働く看護師をまとめた平均値です。個人の給与そのものを示す数字ではないため、自分の年収を比べるときは、この金額を入口にして年代、地域、勤務先など条件が近い区分へ絞り込むと、平均との差をより具体的に捉えられます。

平均月収とボーナスの内訳

看護師の平均月収にあたる「きまって支給する現金給与額」は36万5,900円、年間賞与その他特別給与額は85万6,400円です。月収には基本給だけでなく、職務手当、通勤手当、家族手当、超過労働給与額などが含まれるため、基本給と同じ意味ではありません。

月収36万5,900円を12か月分にすると439万800円で、年間賞与85万6,400円は平均年収の約16%を占めます。月収だけでは年間の給与水準を判断しにくいため、毎月の支給額と賞与を分けて確認すると、どちらが年収を押し上げているかを把握しやすくなります。

※関連記事:賞与とは?仕組みやボーナスの計算方法、給与との違いを解説

手取り額の目安

手取りは、額面の給与から税金や社会保険料などが差し引かれた後に受け取る金額です。公的統計には看護師の手取り額そのものは示されていません。そのため、一律の割合や平均的な手取り額を示すのではなく、自分の給与明細で実際の控除額を確認することが重要です。

実際の差引額は、所得税や住民税、健康保険料、厚生年金保険料などの条件によって変わります。平均値から一律に決めるのではなく、自分の給与明細で「総支給額」と「差引支給額」を見比べ、現在の控除状況を基準に考えると、より現実に近い受取額を見積もれます。

※関連記事:基本給とは?手取りや月給との違い、平均額まで詳しく解説

「給料」と書かれた茶封筒から溢れ出る一万円札の束

看護師の初任給の実態

新卒看護師の初任給は、基本給だけでなく各種手当を含む税込給与総額まで見ることが重要です。日本看護協会の調査では、学歴別の基本給と税込給与総額が示されており、給与の土台と手当を分けて確認できます。

初任給の金額だけでなく、学歴による差と税込給与総額に含まれる手当を切り分けると、求人に示された月給を読み違えにくくなります。

新卒看護師の初任給

日本看護協会の2025年病院看護実態調査では、高卒+3年課程新卒の平均税込給与総額は28万5,078円、大卒は29万2,527円です。基本給はそれぞれ21万6,416円、22万1,883円で、初任給の総額はおおむね28万円台後半となっています。

初年度の年収は、初任給を単純に12倍した金額では決まりません。夜勤を始める時期や賞与の査定期間は勤務先によって異なり、入職後しばらくはモデル給与の条件を満たさないことがあります。初年度の収入を見積もる際は、入職時の基本給と固定手当に加え、夜勤開始時期と賞与の算定条件を確認する必要があります。

大卒・専門卒・高卒による初任給の違い

学歴による差を見ると、大卒の平均税込給与総額29万2,527円は、高卒+3年課程新卒の28万5,078円より7,449円高い水準です。基本給の差は5,467円で、今回確認できる2区分では大卒のほうがやや高くなっています。

一方、今回確認できる全国データには「専門卒」「高卒」をそれぞれ単独で分けた初任給は示されていません。そのため、確認できる2区分の差だけから生涯年収まで推測するのは避けましょう。長期的な収入を比べる場合は、応募先の昇給制度や役職登用、賞与の条件も確認する必要があります。

初任給に含まれる手当

新卒看護師の平均税込給与総額には、通勤手当、住宅手当、夜勤手当、当直手当、看護職員処遇改善に関する手当などが含まれます。時間外勤務の手当は含まれず、新卒者については家族手当も含まれていません。基本給との差を見ると、手当が初任給にどの程度上乗せされているかを把握できます。

同調査では、夜勤をする新卒者の税込給与総額を、夜勤回数が三交替制で月8回、二交替制で月4回として算出しています。入職直後でまだ夜勤を担当しない場合は、掲載された平均税込給与総額より実際の支給額が低くなる可能性があります。求人を見る際は、基本給と入職時から支給される手当を分けて確認しましょう。

20sから60sの年代表記に向かって走るスーツ姿の男性のイラスト

年代別に見る看護師の年収

看護師の平均年収は、20代前半から50代前半にかけて全体として高くなる傾向があります。ただし、5歳刻みのすべての年齢階級で右肩上がりになるわけではありません。年代ごとの水準と増減幅を分けて見ると、年齢による違いを具体的に把握できます。

このデータは各年齢階級に属する看護師の平均であり、同じ人の給与を追跡した結果ではありません。自分の年収と比べるときは、まず該当する5歳刻みの区分を確認し、そのうえで勤務先や役職などほかの条件も見ていくと、年齢差を過大に解釈せずに済みます。

20代看護師の年収

令和7年賃金構造基本統計調査の年齢階級別データをもとに、月額給与12か月分と年間賞与を合計すると、20〜24歳の看護師の平均年収は440万1,400円、25〜29歳は501万4,900円です。20代前半から後半にかけて約61万円の差があり、同じ20代でも年齢階級によって水準が大きく異なります。20代前半は看護師全体の平均年収524万7,200円を下回ります。

20代では前半と後半で給与水準が大きく変わるため、「20代の平均」という一つの金額で比べるより、自分が属する年齢階級の数値を使うほうが適切です。また、年齢別データは同じ人の給与を追跡した結果ではないため、数値の差をそのまま昇給幅とは捉えないようにしましょう。

30代看護師の年収

30〜34歳の看護師の平均年収は490万5,200円、35〜39歳は518万8,600円です。25〜29歳の501万4,900円と比べると、30〜34歳は一度低くなっていますが、35〜39歳では再び上昇しています。年代が上がれば必ず毎段階で増えるわけではありません。

30代は前半と後半で平均年収の動きが異なるため、年代全体を一つの水準として捉えないことが大切です。年齢が上がれば個人の給与が必ず増えるわけではないので、自分の年収を比べるときは該当する年齢階級を基準にし、勤務先や役職などの条件も合わせて確認しましょう。

40代看護師の年収

40〜44歳の看護師の平均年収は548万3,800円、45〜49歳は561万1,800円です。いずれも看護師全体の平均524万7,200円を上回り、30代後半の518万8,600円からも上昇しています。40代は年収水準が高まる年代といえます。

40代では前半から後半への増加幅が、30代後半から40代前半にかけての伸び幅より小さくなっています。年齢とともに同じペースで年収が増えるわけではないため、40代の給与水準を見る際は、勤務先や役職など自分の条件と照らし合わせましょう。

50代看護師の年収

50〜54歳の看護師の平均年収は577万7,000円、55〜59歳は573万5,300円です。令和7年賃金構造基本統計調査の年代別データでは、50〜54歳が看護師の平均年収のピークとなり、その後はわずかに低下しています。

50代後半も平均年収は570万円台を維持しており、前半との差は大きくありません。調査上は50〜54歳が最高水準ですが、個人の収入は役職や勤務条件によって変わります。年齢だけを理由に、55歳以降は必ず年収が下がると考えないようにしましょう。

木製のシーソーに乗った大きい豚の貯金箱と小さい豚の貯金箱

看護師と他職種の年収比較

看護師の年収が高いか低いかは、比較する統計や職種によって見え方が変わります。全職種平均との比較では調査対象の違いに注意し、医療職との比較では同じ厚生労働省の職種別データを使うと位置づけを把握しやすくなります。

看護師は准看護師より高い水準ですが、薬剤師や助産師など看護師を上回る医療職もあります。比較では同じ調査の数字を使うと、対象や集計方法の違いによるずれを抑えられます。

全職種平均との比較

国税庁の令和6年分民間給与実態統計調査では、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円です。先に示した看護師の平均年収は、この金額を46万7,200円上回ります。ただし、国税庁の調査は民間事業所の給与所得者を対象としており、厚生労働省の看護師データとは調査対象と集計方法が異なります。

異なる統計の数字を並べる場合は、対象者と集計方法がそろっていない点を明示する必要があります。看護師とほかの職種を厳密に比べたいときは、同じ令和7年賃金構造基本統計調査の職種別データを使うほうが適切です。国税庁の478万円は、民間給与所得者全体との大まかな比較として捉えましょう。

准看護師との年収比較

令和7年賃金構造基本統計調査では、准看護師の「きまって支給する現金給与額」は30万3,200円、「年間賞与その他特別給与額」は63万6,800円です。これらをもとに計算すると、准看護師の平均年収は427万5,200円で、看護師の524万7,200円との差は97万2,000円となります。看護師の月額給与36万5,900円との差は6万2,700円です。平均月収にあたる現金給与額も、看護師36万5,900円に対して准看護師30万3,200円で、月6万2,700円の差があります。

年間賞与その他特別給与額は看護師85万6,400円、准看護師63万6,800円で、差は21万9,600円です。毎月の現金給与額の差6万2,700円と賞与の差が重なり、年間では97万2,000円の差になります。月給だけでなく賞与まで含めると、年収差の内訳を具体的に把握できます。

他の医療職との年収比較

同じ厚生労働省データでは、薬剤師566万7,900円、助産師566万7,000円、保健師551万3,800円で、いずれも看護師を上回ります。一方、臨床検査技師は481万9,900円、理学療法士などの職種群は443万6,000円で、看護師より低い水準です。

看護師との差は、薬剤師が42万700円高く、理学療法士などの職種群は81万1,200円低い計算です。このように医療職の中でも給与水準には幅があります。ただし、必要な資格や業務内容、勤務形態は職種ごとに異なるため、金額は職業の優劣ではなく収入水準の位置づけとして確認しましょう。

大きな総合病院、クリニック、救急車、車椅子、ストレッチャー、点滴、聴診器などの医療関連イラストが黒いシルエットで並んだアイコン

職場別に見る看護師の年収

職場別の給与は、病院、診療所、訪問看護ステーション、介護施設で勤務形態が異なるため、単純に同じ条件で比べることはできません。夜勤やオンコールの有無も含め、どの働き方で得られる給与なのかを確認する必要があります。

日本看護協会の2025年看護職員実態調査では、勤務先別に正規雇用・フルタイムの平均税込給与総額を月額で示しています。一方、厚生労働省の職種データは月額給与と年間賞与から年収を計算できます。

大学病院・総合病院の年収

日本看護協会の2025年看護職員実態調査では、病院勤務の正規雇用職員(フルタイム)の平均税込給与総額は月39万6,127円です。また、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査の企業規模別データから年収を算出すると、1,000人以上は569万8,700円、100~999人は506万2,800円、10~99人は469万8,200円となります。

大学病院・総合病院だけを対象にした全国平均年収は、今回使用している統計では示されていません。そのため、病院勤務者の月額給与と施設規模別の年収を目安にし、個別の勤務先では基本給、賞与、夜勤手当などを確認する必要があります。名称だけで高年収と判断せず、実際の給与条件を比べましょう。

クリニック・診療所の年収

日本看護協会の2025年看護職員実態調査では、診療所勤務の正規雇用・フルタイム看護職員の平均税込給与総額は月37万1,065円です。病院の月39万6,127円より約2万5,000円低い水準ですが、診療所の回答者数は48人と病院の1,800人より少ないため、差を一般化しすぎないように読む必要があります。

診療所についても、今回使用している調査で確認できるのは月額の平均税込給与総額であり、賞与を含む年収の全国平均ではありません。年収を比べる際は月額だけを12倍せず、応募先の基本給、固定手当、賞与実績を確認しましょう。勤務時間と収入の両方を比べることが大切です。

訪問看護・介護施設の年収

同調査では、訪問看護ステーションの平均税込給与総額は月35万3,441円、介護施設は36万4,445円です。いずれも病院の月39万6,127円を下回りますが、訪問看護ではオンコール、介護施設では夜勤など、病院とは異なる勤務条件が給与に反映されます。

訪問看護ステーションと介護施設も、確認できる数値は月額の平均税込給与総額で、年収そのものではありません。訪問看護ではオンコール、介護施設では夜勤など、勤務条件によって支給額が変わります。求人を比べる際は、実際に担当する回数と手当の支給条件まで確認しましょう。

都道府県名が記載されたカラフルなブロック状の日本地図

都道府県別に見る看護師の年収

看護師の平均年収は都道府県によって差があり、全国平均を上回る地域もあれば下回る地域もあります。ただし、順位や金額は年度によって変わるため、地域の傾向は最新データで確認することが大切です。

地域を比べる際は、全国平均より高いか低いかだけでなく、家賃や物価などの生活コストも考える必要があります。年収が高い地域へ移れば必ず生活に余裕が出るとは限らないため、給与と生活費をセットで判断しましょう。

年収が高い地域の傾向

厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査「都道府県別第3表」をもとに、看護師の月額給与12か月分と年間賞与を合計して年収を算出すると、最も高いのは滋賀県の585万3,400円です。次いで東京都578万5,100円、山梨県555万4,500円、栃木県553万8,200円、奈良県548万4,100円となります。1位の滋賀県と5位の奈良県の差は36万9,300円です。

今回の上位には東京都のような大都市だけでなく、滋賀県、山梨県、栃木県も入っています。したがって「都市部ほど必ず高い」とは言い切れません。地域の平均年収は勤務先を絞る目安として使い、実際に転職する際は個別求人の給与条件を比較しましょう。

年収が低い地域の傾向

平均年収が最も低いのは高知県の434万8,300円で、次いで宮崎県443万3,400円、青森県452万4,600円、福島県454万3,100円、岩手県454万4,100円です。最高の滋賀県との差は約150万5,000円に達します。

下位の地域も一つの地方に集中しているわけではなく、都道府県ごとに水準は異なります。また、地域別の順位は年度によって変わる可能性があります。転職を検討する場合は、現在の平均額を固定的な相場と考えず、最新の地域データと実際の求人条件を照合しましょう。

IDカードを首から下げた医療・介護スタッフの黒いシルエットピクトグラム

役職別に見る看護師の年収

役職別の給与を確認する際は、基本給月額と税込給与総額を分けて見る必要があります。日本看護協会の2024年度看護職員の賃金に関する実態調査では、主任、看護師長、看護部長の順に両方の金額が高くなっており、役職が上がるにつれて給与水準も上昇しています。

同調査の役職別給与は、同じ職位が複数いる病院では最も高い額を支給されている職員を対象にしています。そのため、同じ役職に就く全員の個人平均と同じ意味ではありません。

主任クラスの年収

日本看護協会の2024年度看護職員の賃金に関する実態調査では、主任相当職の平均基本給月額は31万2,192円、平均税込給与総額は41万7,676円、平均年齢は49.3歳です。同調査では賞与を含む年収額は示されていないため、主任クラスは月額給与の水準として確認する必要があります。

基本給と税込給与総額の差は月10万5,484円ありますが、この全額が主任手当という意味ではありません。税込給与総額にはほかの手当も含まれるため、役職による増額を知りたい場合は勤務先の給与規程を確認する必要があります。主任を目指す際は、昇格後の基本給と手当を現在の条件と比べましょう。

看護師長クラスの年収

看護師長相当職の平均基本給月額は35万8,649円、平均税込給与総額は46万7,243円、平均年齢は53.8歳です。また、管理職手当が「ある」と回答した病院は75.0%で、手当がある病院の平均額は月4万9,588円でした。役職に就けば一律に同額が支給されるわけではない点に注意が必要です。

看護師長への時間外手当については、支給対象とする病院が46.1%、対象外が41.4%でした。管理職になると給与総額が高くなる傾向はあるものの、時間外手当などの扱いは勤務先で異なります。昇格前に、役職手当だけでなく時間外勤務の支給条件も確認しておくことが重要です。

看護部長クラスの年収

看護部長相当職の平均基本給月額は42万147円、平均税込給与総額は54万3,463円、平均年齢は57.7歳です。管理職手当が「ある」と回答した病院は76.4%で、手当がある病院の平均額は月8万4,948円でした。看護師長より高い水準ですが、病院ごとの賃金制度によって差があります。

看護部長は看護部門全体の人員配置、教育方針、業務運営など、組織全体を管理する立場です。主任や看護師長より担当範囲が広く、臨床現場だけでなく組織運営に関わる比重も高まります。年収水準と業務範囲の両方を踏まえ、管理職としてどこまで責任を担いたいかを考えましょう。

積み上げられた金貨の塔と右肩上がりの矢印

看護師の年収アップの方法

看護師が年収を上げる方法は、現在の職場で手当を増やす方法と、役割や勤務先そのものを変える方法に分けて考えられます。資格手当や夜勤は比較的現在の職場で検討しやすく、管理職への昇進や転職は中長期のキャリア選択として位置づけられます。

どの方法を選ぶかは、増える金額だけでなく必要な時間や勤務負担も含めて判断することが大切です。まず現状の給与のうち、基本給、固定手当、勤務回数で変わる手当を整理すると、今の職場で改善できる部分と、環境を変えなければ動きにくい部分を切り分けられます。

資格を取得して手当を増やす

認定看護師や専門看護師などの資格は、勤務先に手当制度があれば年収アップにつながります。日本看護協会の2024年度調査では、専門看護師手当がある病院は47.0%で平均月1万1,857円、認定看護師手当がある病院は49.5%で平均月1万1,228円でした。いずれも手当がある病院に限った平均です。

専門看護師手当がない病院は49.7%、認定看護師手当がない病院は46.9%でした。資格を取得しても、勤務先の制度によっては手当が増えない場合があります。取得に必要な時間や費用を考える前に、現在の職場で対象資格に手当が付くか、資格取得後の役割がどう変わるかを確認しましょう。

夜勤や専門部署で手当を増やす

夜勤手当は看護師の収入に大きく影響します。日本看護協会の2024年度調査は、二交替制の夜勤手当は1回平均1万1,470円、三交替制は準夜勤4,300円、深夜勤5,211円です。勤務回数が増えれば、その分だけ手当が増える可能性があります。

夜勤専従者については、2024年度調査で特別な手当を設けている病院も確認されています。一方、専門部署に付く手当は勤務先ごとの差が大きく、全国共通の金額として扱える数字はありません。夜勤や部署異動で収入を増やす場合は、実際の勤務回数と手当条件を確認し、負担との釣り合いを見ましょう。

管理職を目指す

管理職を目指す場合は、昇格後の基本給だけでなく、管理職手当の有無も確認しましょう。2024年度調査では、管理職手当がある病院は看護師長相当職で75.0%、看護部長相当職で76.4%でした。管理職手当の有無は、昇格後の収入差を生む要素の一つです。

管理職にはスタッフ育成や勤務調整、病棟・部門運営など、臨床以外の業務も増えます。収入を上げる手段として選ぶ場合も、マネジメントを担いたいかというキャリアの方向性と切り離さないことが大切です。昇格要件や手当制度を確認し、自分が希望する役割と合うかを検討しましょう。

給料の良い職場へ転職する

現在の職場で希望する昇給が見込みにくい場合は、転職によって給与条件を変える選択肢があります。まず現在の年収と希望年収の差を整理し、どの程度の収入増を目指すのかを明確にしましょう。そのうえで、夜勤回数や勤務時間など、収入アップのためにどの条件まで受け入れられるかを決めておくと比較しやすくなります。

転職先を比べるときは、現在と同じ夜勤回数や勤務時間に置き換えて年収を計算しましょう。提示額が高くても、夜勤回数や残業が増えることで上がっているなら、負担も変わります。給与差を生む条件を一つずつそろえて比較すると、転職による純粋な待遇差を見極めやすくなります。

立体的な赤いビックリマーク

看護師の年収に関する注意点

看護師の求人に記載された年収は、経験年数や夜勤回数、役職などを想定したモデル額である場合があります。また、年収は税金や社会保険料が差し引かれる前の額面で示されるため、実際に受け取る手取りとは異なります。

転職やキャリア変更で収入を比べるときは、表示された年収だけを見ず、その金額がどの条件で算出されているかを確認しましょう。

求人票の年収表示を確認する

求人票では、モデル年収に夜勤手当や資格手当などが含まれている場合があります。同じ月給でも、基本給と各種手当の配分が違えば、賞与の算定基準によって年収差が生じることがあります。月給の総額だけでなく、基本給と手当の内訳を確認しましょう。

年収を正確に比べるには、基本給、固定手当、変動する手当、賞与の算定基準を分けて確認することが重要です。夜勤込みのモデル給与なら、想定回数も確かめましょう。

手取りと額面の違いを理解する

求人票に記載される年収や月給は、税金や社会保険料が差し引かれる前の額面です。手取りは、そこから所得税や住民税、社会保険料などが控除された後の受取額を指します。求人票に示された額面をそのまま生活費や貯蓄に使えるわけではありません。

手取りを見積もる際は、現在の給与明細で総支給額と差引支給額の差を確認し、候補先についても税金や社会保険料が差し引かれることを前提に考えましょう。転職で給与や賞与が変われば控除額も変わるため、現在の手取り率をそのまま当てはめるのではなく、概算として扱う必要があります。求人比較では、額面と手取りを混同しないことが基本です。

赤いハートを胸元の近くに持ってる人

まとめ

看護師の平均年収は524万7,200円ですが、自分の収入水準を判断するには平均額だけでは足りません。年代や地域は年収ベース、職場別や役職別の日本看護協会データは月額の税込給与総額など、統計ごとに指標が異なるため、同じ単位と条件にそろえて比較することが重要です。年収アップを考える場合は、資格手当、夜勤、管理職、転職のうち、増収額と勤務負担の両方を確認し、自分のキャリアに合う方法を選びましょう。

今後のキャリアを見直し、勤務先の選択肢を広げたい方は、DYM(株式会社DYM)の人材事業のサービスページも確認できます。まず給与明細や現在の勤務条件を整理し、自分が重視したい収入、働き方、今後担いたい役割を明確にしておくと、次の選択肢を比較しやすくなります。年収だけに偏らず、長く働ける条件まで含めてキャリアを検討する際の情報収集に活用してください。

看護師の年収に関する

よくある質問

Q.短時間勤務やパートで働く場合も、平均年収524万7,200円と比べてよいですか?
A.

勤務時間が異なる働き方に、看護師全体の平均年収をそのまま当てはめると条件がそろいません。524万7,200円は一般労働者の平均として示された金額なので、短時間勤務の場合は同じ前提の比較にならないためです。

自分の収入水準を確認する場合は、勤務時間や雇用条件が近い情報を使い、給与明細の総支給額と勤務条件を合わせて見ましょう。平均値は看護師全体の水準を知る目安として扱うことが大切です。

Q.准看護師から看護師になれば、年収は平均差の97万2,000円分上がりますか?
A.

看護師と准看護師の平均年収には97万2,000円の差がありますが、その金額が資格変更後の個人の昇給額になるわけではありません。両者の数値は、それぞれの職種に属する人の平均を比べたものです。

実際の収入差は、勤務先の給与制度、基本給、手当、賞与などによって変わります。資格取得後の収入を考える場合は、現在の職場や転職先で給与がどのように決まるのかを個別に確認しましょう。

Q.同じ年収でも働き方によって負担は変わりますか?
A.

同じ年収でも、夜勤や残業、オンコールの回数、役職の責任範囲によって勤務負担は変わります。給与額だけで判断しないことが大切です。

求人を比べるときは、年収とあわせて勤務時間や夜勤回数、手当の支給条件も確認し、自分が続けられる働き方かを見ましょう。

Q.資格を取得しても手当がない職場では、年収は変わらないと考えてよいですか?
A.

資格手当の制度がない場合、その手当による直接の収入増は見込みにくくなります。ただし、資格取得後の役割や給与の扱いまで同じとは限らないため、年収がまったく変わらないとは断定できません。

専門看護師や認定看護師を目指す場合は、手当の有無だけでなく、資格取得後に任される役割や勤務先の給与制度を確認しましょう。取得に必要な時間や費用も含め、自分のキャリアと合わせて判断することが大切です。

Q.平均年収が高い地域へ転職すれば、手取りも必ず増えますか?
A.

平均年収が高い地域へ移っても、手取りが必ず増えるとは限りません。地域別の数値はその地域で働く看護師の平均であり、個別求人の給与や税金、社会保険料まで同じ条件を示すものではないためです。

転職を考えるときは、候補先の基本給、手当、賞与を確認し、家賃や物価などの生活費も合わせて見ましょう。額面年収が上がっても支出が増える場合があるため、実際に手元へ残る金額まで考えることが大切です。

執筆者

[メディルン]編集部

この記事の執筆者情報です

医療福祉業界に特化した情報を発信するオウンドメディア。
医療福祉に関する制度、転職・キャリアに役立つトピック、スキルアップのヒントなど、幅広いテーマを取り上げ、誰にとっても読みやすいメディア運営を目指しています。
転職活動のヒントや資格取得、スキル向上に役立つ知識まで、専門性と信頼性の高いコンテンツを目指して日々更新中です。

前後の記事

最新のコラム

カテゴリ一覧

タグ一覧

新規登録して求人を探す