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言語聴覚士の志望動機の書き方|新卒・転職・未経験の例文を紹介

履歴書の志望動機記入欄の上にボールペンのペン先

「言語聴覚士の志望動機には何を書けばよいのだろう」「新卒や転職では、どのようにアピールすれば採用担当者に伝わるのだろう」と悩んでいる方もいるでしょう。

この記事では、言語聴覚士の志望動機の書き方や避けたいNG例、状況別の例文を紹介します。履歴書のまとめ方や面接のポイントに加え、国家試験や就業状況の公的データも解説します。ぜひ就職・転職活動に役立ててください。

この記事がおすすめな人

#仕事#就労
  • 言語聴覚士の志望動機の書き方や構成を知りたい方
    基本となる4つの要素や構成順序、避けるべきNG例を整理し、採用担当者に好印象を与える説得力のある志望動機の組み立て方を理解したい方におすすめです。
  • 新卒・転職・未経験など自分の状況に合った例文を参考にしたい方
    実習経験を生かしたい新卒、領域変更やスキルアップを目指す転職者、異業種からの未経験者など、立場や応募先施設に合わせた具体的な例文を参考にしたい方におすすめです。
  • 履歴書の作成や面接対策をスムーズに進めたい方
    履歴書の文字数や自己PRとの使い分け、面接で深掘りされた際の答え方や一貫性の持たせ方まで、選考全般のポイントを網羅して確認したい方におすすめです。

壁が木造の部屋に若い男女が立っていて、男性は車いすを押している

言語聴覚士の志望動機を書く前に押さえたい資格と仕事の基礎

ここでは、法律上の定義、国家試験の状況、働く場の広がりという3つの観点から、志望動機の土台となる事実を整理します。

言語聴覚士は、言語聴覚士法(平成9年[1997年]法律第132号)に基づく国家資格です。同法第2条は、言語聴覚士を次のように定義しています。

「この法律で『言語聴覚士』とは、厚生労働大臣の免許を受けて、言語聴覚士の名称を用いて、音声機能、言語機能又は聴覚に障害のある者についてその機能の維持向上を図るため、言語訓練その他の訓練、これに必要な検査及び助言、指導その他の援助を行うことを業とする者をいう。」

言語聴覚士は、厚生労働大臣の免許を受け、音声機能・言語機能・聴覚障害を持つ方の機能維持・向上を図る専門職です。また同法第1条は、この法律の目的を「言語聴覚士の資格を定めるとともに、その業務が適正に運用されるように規律し、もって医療の普及及び向上に寄与すること」と定めています。

志望動機を書く際は業務範囲を踏まえ、訓練のみならず検査・助言・指導・援助まで担う職種だと意識すると、仕事への理解が伝わりやすくなります。

出典:言語聴覚士法(◆平成09年12月19日法律第132号)|厚生労働省

国家試験の合格状況から見る言語聴覚士という資格

言語聴覚士になるには、養成課程を修了したうえで国家試験に合格する必要があります。第28回言語聴覚士国家試験の合格率は66.4%で、受験者2,187人のうち1,453人が合格しています。

新卒での応募なら、国家試験に向けた学習と実習の両立プロセスを書くと、計画性や継続力をアピールできます。未経験からの資格取得であれば、働きながら養成課程に通った経緯自体が、強い志望度の裏付けになります。

出典:第28回言語聴覚士国家試験の合格発表について|厚生労働省

言語聴覚士が働く場の広がり

言語聴覚士の職場は病院だけではありません。一般社団法人日本言語聴覚士協会の会員動向によると、2026年(令和8年)3月31日現在の正会員数は22,511人で、職域別の割合は次のとおりです。

職域

割合

医療

60.70%

医療/介護

16.71%

介護

6.56%

福祉

5.26%

学校養成所

2.20%

医療/福祉

2.20%

その他

6.37%

この数値は職能団体が会員を対象に集計したものであり、政府が実施する公的統計ではない点に留意が必要です。言語聴覚士の職域は医療分野が約6割を占め、介護・福祉分野にも広がっています。志望動機で「なぜこの領域を選んだのか」を説明する際の背景として活用できます。

出典:会員動向 | 日本言語聴覚士協会について | 一般社団法人 日本言語聴覚士協会

公的データで見る言語聴覚士の就業状況

厚生労働省が運営する職業情報提供サイト(job tag)では、言語聴覚士の就業状況として次の数値が掲載されています。

項目

数値

就業者数

26,930人

年収(平均)

443.6万円

月間労働時間(平均)

157時間

有効求人倍率

4.67

これらは国勢調査の職業分類やハローワークの求人区分に基づく参考値であり、個々の病院・施設の条件を示すものではありません。応募先の給与や労働時間は、必ず求人票と労働条件通知書で確認してください。

出典:言語聴覚士 - 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)

スーツの中年女性が右手にペンを持ち左手に2枚の資料を持って笑っている

言語聴覚士の志望動機で採用担当者が確認するポイント

志望動機では、仕事への理解や意欲だけでなく、応募先との相性や入職後に活躍できる人材かも見られています。ここでは、採用担当者が確認するポイントを4つに分けて解説します。

言語聴覚士になりたい理由ときっかけ

採用担当者が志望動機で確認するのは「なぜ言語聴覚士を目指したのか」という点です。単に「人の役に立ちたい」「医療に携わりたい」と伝えるだけでは、ほかの職種にも当てはまるため、十分な説得力を持たせにくいでしょう。目指した理由を伝える際は、以下のような内容を盛り込みます。

  • 言語聴覚士という仕事を知ったきっかけ
  • 言語・聴覚・嚥下などの支援に興味を持った理由
  • 学習や実習を通して印象に残った経験
  • 言語聴覚士として実現したいこと
  • 将来どのような言語聴覚士になりたいか

きっかけとなった出来事と、そのとき感じたことを結びつけると、志望理由に自分らしさが生まれます。

応募先の病院・施設を選んだ理由

「なぜこの病院・施設で働きたいのか」を明確にすることも重要です。採用担当者は、応募先について十分に理解しているか、長く働く意思があるかを確認しています。応募先を選んだ理由を考える際は、以下のポイントに注目しましょう。

  • 病院・施設の理念や方針
  • リハビリテーションの特徴
  • 対象となる患者さんや利用者さんの特徴
  • 言語聴覚士が担当する業務や支援領域
  • 教育・研修体制
  • 多職種との連携体制

「貴院の理念に共感した」だけで終わらせず、どの部分に共感し、自分の経験とどうつながっているのかを示しましょう。応募先ならではの特徴と自らの経験を結びつけることが、志望動機の説得力を高めます。

経験や強みを入職後の貢献につなげる方法

また、これまでの経験や強みが入職後にどう生かせるかも重要な評価ポイントです。新卒と転職ではアピールできる内容が異なります。

応募者

アピールしやすい経験・強み

新卒

臨床実習、学校での学習、アルバイト、傾聴力、協調性など

未経験者

前職で培ったコミュニケーション力、対人対応力、課題解決力など

経験者

担当した患者さんの疾患、訓練経験、多職種連携、後輩指導など

単に経験や強みを並べるのではなく、応募先でどう生かせるかまで伝えましょう。「実習で培った傾聴力を生かし、患者さん一人ひとりに寄り添った支援を行いたい」など、具体的な貢献方法につなげましょう。

採用選考で評価の対象となるのは適性と能力

厚生労働省は、公正な採用選考の基本的な考え方として「応募者の基本的人権を尊重すること」「応募者の適性・能力に基づいた基準により行うこと」の2点を示しています。

評価対象はあくまで応募者の適性・能力であり、本人の責任によらない事項は基準になりません。志望動機も家庭環境や思想信条には触れず、仕事に関する経験・知識・姿勢を軸に構成しましょう。

出典:公正な採用選考の基本|厚生労働省

窓際でスーツの若い女性が白紙の履歴書を持ってガッツポーズしている

言語聴覚士の志望動機の基本的な書き方

志望動機は、目指したきっかけや応募先を選んだ理由、自分の経験・強みなどを順序立てて伝えることが大切です。ここでは、志望動機を組み立てるための基本的な手順を解説します。

志望動機に盛り込みたい4つの要素

志望動機には、主に以下の4要素を盛り込みます。

  • 言語聴覚士を目指した理由・きっかけ:職業に興味を持った具体的な経験
  • 応募先を選んだ理由:病院・施設の特徴や理念に魅力を感じた理由
  • 自分の経験・強み:実習や前職などで身につけた知識・スキル
  • 入職後の目標・将来像:経験や強みをどのように生かして貢献したいか

これらを一貫したストーリーでまとめると説得力が増します。自身の経験と応募先の特徴を紐づけ、入職後の活躍までイメージできる内容に仕上げましょう。

応募先ならではの志望理由を作るための病院・施設研究

応募先ならではの志望理由を作るには、事前に病院や施設について十分に調べることが欠かせません。どの応募先にも当てはまる内容では、「なぜ当院・当施設を選んだのか」が伝わりにくくなります。

確認する項目

チェックする内容

理念・方針

医療・福祉や患者さんへの考え方

対象分野

成人、小児、聴覚、嚥下などの対象領域

リハビリ体制

言語聴覚士の役割や多職種との連携

教育体制

研修制度や新人・中途職員へのサポート

施設の特徴

地域医療への取り組みや特色のある支援

公式サイトや採用情報から特徴を整理し、惹かれた理由と結びつけましょう。「どこに惹かれ、なぜそこで働きたいのか」まで深掘りすると、理解度や志望度の高さが明確に伝わります。

スーツの男性が胸の前で腕を交差させバツ印を作っている

言語聴覚士の志望動機で避けたいNG例

内容によっては、採用担当者に「志望度が低い」「応募先への理解が不足している」と受け取られる可能性があります。ここでは、評価を下げやすい4つのNG例と改善方法を解説します。

どの病院や施設にも当てはまる志望動機

「患者さんの役に立ちたい」「言語聴覚士として成長したい」など、どの病院や施設にも当てはまる内容だけでは、応募先を選んだ理由が十分に伝わりません。次の要素を盛り込んで具体化しましょう。

  • 病院・施設の理念や方針
  • 対象としている患者さんや支援領域
  • リハビリテーション体制の特徴
  • 教育・研修制度
  • 多職種連携や地域医療への取り組み

「貴院の〇〇という取り組みに魅力を感じた」などと具体化すれば、理解度や志望度の高さをアピールできます。

待遇や通勤のしやすさだけを理由にした志望動機

給与や福利厚生、休日、通勤のしやすさなどは、職場を選ぶうえで大切な条件です。しかし、待遇面だけを志望動機にすると、「条件がよい職場ならどこでもよい」という印象を与えかねません。

避けたい理由

志望動機に盛り込みたい内容

給与が高い

業務内容や専門性を高められる環境

福利厚生が充実している

教育・研修制度や働きながら成長できる環境

自宅から近い

地域医療への取り組みや施設の役割

休日が多い

長期的に働きながら実現したい目標

待遇や通勤条件を重視すること自体は問題ありません。ただし、条件面は面接での質疑や労働条件通知書で確認するにとどめ、志望動機では仕事内容や貢献意欲を中心に伝えましょう。

例文をそのまま使った具体性のない志望動機

例文をそのまま使うと自分自身の経験や考えが伝わらず、具体性に欠ける内容になってしまいます。参考にする場合は、以下の部分を自分の内容に置き換えましょう。

  • 言語聴覚士を目指した具体的なきっかけ
  • 実習や仕事などで経験したエピソード
  • 自分の強みや得意なこと
  • 応募先に魅力を感じたポイント
  • 入職後に取り組みたいことや将来像

例文は文章の「型」として活用し、内容は自分の経験や考えに合わせて作ることが大切です。

自分の希望だけで入職後の貢献が伝わらない志望動機

「専門知識を身につけたい」「さまざまな症例を経験したい」など、自分が実現したいことを伝えるのは大切です。しかし、希望だけを並べると、入職後にどのように貢献してくれるのかが伝わりにくくなります。

  • 「専門性を高めたい」→ 身につけた知識を患者さんへの支援に生かす
  • 「幅広い症例を経験したい」→ 経験を積み、対応できる支援領域を広げる
  • 「研修を受けたい」→ 学んだ内容を日々の業務やチーム医療に還元する
  • 「成長したい」→ 将来的に周囲から信頼される言語聴覚士を目指す

「何を学びたいか」だけでなく「学んだことをどう還元するか」まで示しましょう。成長意欲と貢献意欲の双方が伝わる志望動機に仕上がります。

正方形の積み木にアルファベットが書いてあり画像真ん中に積み木を使って”EXAMPLES”と並べてある

新卒の言語聴覚士に適した志望動機の例文

新卒の場合は実務経験がないため、学生時代の実習や学習経験、言語聴覚士を目指したきっかけを具体的に伝えることが大切です。ここでは3つのパターンで例文を紹介します。

実習経験を生かした志望動機の例文

実習では、印象に残った出来事だけでなく、そこから何を学び、入職後にどう生かしたいのかまで伝えましょう。

【例文】

「臨床実習で失語症の患者さんへのリハビリテーションを見学し、実際に支援を経験したことをきっかけに、一人ひとりの状態や思いに寄り添った支援の重要性を学びました。患者さんが少しずつ自分の言葉で思いを伝えられるようになる姿を見て、言語聴覚士としてコミュニケーションを支える仕事に携わりたいという思いが強くなりました。多職種が連携して患者さんを支援する貴院の体制にも魅力を感じています。実習で培った傾聴力や協調性を生かし、患者さんに信頼される言語聴覚士を目指したいと考え、志望いたしました。」

実習経験は、「経験→学び→応募理由→入職後の目標」の順で構成すると説得力が高まります。

言語聴覚士になりたい理由を軸にした志望動機の例文

目指したきっかけが明確な場合は、「なぜ言語聴覚士になりたいのか」を軸に組み立てる方法があります。きっかけとなった経験と、応募先で実現したいことを結びつけるのがポイントです。

【例文】

「家族がリハビリテーションを受ける姿を身近で見たことをきっかけに、コミュニケーションや食べることを支える言語聴覚士の仕事に興味を持ちました。大学で専門的に学ぶなかで、言語や嚥下の機能だけでなく、患者さんの生活や心理面にも寄り添うことの大切さを実感しました。患者さん一人ひとりの状態に合わせたリハビリテーションを重視する貴院の方針に魅力を感じています。入職後は専門知識と技術をさらに身につけ、患者さんやご家族の気持ちに寄り添いながら、その人らしい生活を支えられる言語聴覚士を目指します。」

学んできた分野や将来像を生かした志望動機の例文

学校で特に力を入れて学んだ分野がある場合は、その知識や関心を志望動機に盛り込む方法もあります。学んだ内容と応募先の特徴を関連づけましょう。

【例文】

「大学では嚥下障害について関心を持ち、評価方法や訓練、誤嚥予防などを重点的に学んできました。学習や臨床実習を通して、食べることへの支援は患者さんの健康だけでなく、生活の楽しみやQOL(生活の質)にも関わることを実感しました。嚥下リハビリテーションに力を入れ、多職種による支援を行っている貴院で、これまで学んだ知識を生かしたいと考えています。入職後はさまざまな症例を経験しながら評価・訓練の知識と技術を高め、将来的には患者さんの生活背景まで考慮した支援を提案できる言語聴覚士を目指します。」

オレンジの服を着た若い女性が机に肘をつき、右手は顎につけ、左手に持ったスマートフォンを使用している

転職する言語聴覚士に適した志望動機の例文

転職の志望動機では、転職理由だけでなく、これまでの経験やスキルを応募先でどのように生かせるかを伝えることが大切です。ここでは、転職の目的別に4つの例文を紹介します。

スキルアップを目的に転職する場合の志望動機

現状への不満ではなく今後の目標を軸に組み立てると、前向きな印象を与えられます。身につけた知識や技術をどう現場へ還元するのかまで伝えましょう。

【例文】

「これまで回復期リハビリテーション病棟で、失語症や構音障害、嚥下障害のある患者さんへの評価・訓練を担当してきました。臨床経験を重ねるなかで、より幅広い症例に対応できる知識と技術を身につけたいと考えるようになりました。専門性の高いリハビリテーションと多職種連携に力を入れている貴院で経験を積み、対応力と専門性をさらに高めたいと考えています。これまで培った患者さんとの関係構築力や臨床経験を生かしながら、より質の高い支援を提供することで貴院に貢献したいと考え、志望いたしました。」

急性期・回復期・生活期など領域を変える場合の志望動機

領域を変えて転職する際は、その理由の明確化が欠かせません。既存の経験を否定せず、新たな領域に興味を持った経緯として伝えましょう。

【例文】

「これまで急性期病院で、発症直後の患者さんに対する嚥下機能や言語機能の評価・訓練に携わってきました。退院後の生活を見据えて支援するなかで、患者さんが地域で生活を再構築していく過程にも継続して関わりたいと考えるようになりました。生活期のリハビリテーションに力を入れ、利用者さんの生活環境に合わせた支援を行う貴施設の方針に魅力を感じています。急性期で培ったリスク管理や状態変化を捉える力を生かしながら、生活に密着した支援について学び、利用者さんが自分らしく暮らせるよう支援できる言語聴覚士を目指します。」

成人領域と小児領域の間で転職する場合の志望動機

未経験の領域であっても、観察力やコミュニケーション力、多職種との連携経験は強みとして生かせます。新しい領域を希望する理由に加えて、これまで培った経験との共通点を示しましょう。

【例文】

「これまで成人領域で、失語症や構音障害のある患者さんへの言語訓練を中心に担当してきました。患者さん一人ひとりの状態や生活背景に合わせて支援方法を工夫するなかで、発達段階に応じたコミュニケーション支援にも関心を持つようになり、小児領域への転職を希望しています。お子さんだけでなく、ご家族や関係機関と連携した支援を重視する貴施設の方針に魅力を感じました。成人領域で培った観察力や、一人ひとりの状態に合わせた支援経験を生かしつつ、小児領域に必要な知識と技術を積極的に学び、お子さんとご家族に寄り添える言語聴覚士を目指します。」

これまでの臨床経験を強みに変える志望動機

経験者の転職では、これまで担当した症例や身につけたスキルを具体的に示すことで、即戦力としての強みをアピールできます。経験を並べるだけでなく、応募先の業務や求める人物像と関連づけましょう。

【例文】

「これまで5年間、回復期リハビリテーション病棟で勤務し、失語症や高次脳機能障害、嚥下障害など幅広い症例を担当してきました。また、医師や看護師、理学療法士、作業療法士などと情報を共有し、退院後の生活を見据えた支援にも取り組んできました。多職種連携を重視し、患者さん一人ひとりに合わせたリハビリテーションを提供する貴院の方針に魅力を感じています。これまで培った評価・訓練の経験や連携力を生かし、チームの一員として患者さんの生活の質の向上に貢献したいと考え、志望いたしました。」

臨床経験は「何ができるようになったか」「応募先でどう生かせるか」まで示すことで、有力なアピール材料になります。

大きな窓の前に若い男性が青いバインダーを両手に持ち笑顔で立っている

実務未経験から言語聴覚士として就職する場合の志望動機の例文

実務経験がない場合でも、異業種で培ったスキルや資格取得までの学習経験は志望動機に活用できます。ここでは、未経験から就職する場合の作り方を3つの観点で解説します。

異業種で培った経験を生かす志望動機

コミュニケーション力や傾聴力、柔軟な対応力は、異業種からでも生かせる強みです。前職で培ったスキルのうち、言語聴覚士の業務に還元できるものを具体的に示しましょう。

【例文】

「前職では接客業に従事し、幅広い年代のお客様と接するなかで、相手の話を丁寧に聞き、状況や要望に合わせて対応する力を培ってきました。言語聴覚士の養成課程で学ぶなかで、患者さん一人ひとりに寄り添う姿勢の重要性を改めて実感しています。患者さんとの信頼関係を大切にしたリハビリテーションを行う貴院の方針に魅力を感じ、志望いたしました。前職で培った傾聴力やコミュニケーション力を生かすとともに、臨床に必要な知識と技術を積極的に身につけ、患者さんに信頼される言語聴覚士を目指します。」

言語聴覚士を目指したきっかけを伝える志望動機

未経験の場合は、「なぜ別の仕事から言語聴覚士を目指したのか」を具体的に伝えることで志望意欲を示せます。きっかけからどのような行動を取ったのかまで説明すると説得力が高まります。

【例文】

「家族が病気をきっかけに言語訓練を受けた際、言語聴覚士が本人の思いに寄り添いながらコミュニケーションを支援する姿を見たことが、この仕事を目指したきっかけです。その後、言語聴覚士の仕事内容について調べ、言語や聴覚、嚥下など生活に欠かせない機能を支える専門性に魅力を感じ、資格取得を目指しました。患者さん一人ひとりの生活を重視した支援を行う貴院で、専門職として成長したいと考えています。これまでの社会人経験も生かしながら知識と技術を磨き、患者さんやご家族に安心して相談していただける言語聴覚士を目指します。」

「きっかけ→行動→応募理由→将来像」という流れでまとめると、志望理由に一貫性を持たせられます。

実務経験の不足を学習意欲と強みに変える方法

実務経験がないことを必要以上にマイナスに捉える必要はありません。経験不足を補うために取り組んでいることや、これまでに培った強みを伝え、入職後も主体的に学ぶ姿勢を示しましょう。

  • 資格取得や国家試験に向けて継続的に学習した経験
  • 臨床実習で学んだ評価・訓練の基礎
  • 前職や社会人経験で培ったコミュニケーション力
  • 周囲と協力して課題に取り組む協調性
  • 新しい知識や技術を積極的に学ぶ姿勢

【例文】

「言語聴覚士としての実務経験はありませんが、養成課程や臨床実習を通じて、評価・訓練に必要な基礎知識を身につけてきました。また、前職では周囲と連携しながら業務を進める経験を重ね、協調性や相手の意見を丁寧に聞く姿勢を培いました。入職後は研修や日々の臨床から積極的に学び、先輩方からの助言を一つひとつ吸収して成長したいと考えています。これまで培った強みと学習意欲を生かし、患者さんに安心してリハビリテーションを受けていただける言語聴覚士を目指します。」

日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院の上に青空が広がっている

応募先別に見る言語聴覚士の志望動機の例文

言語聴覚士の活躍の場は、病院や介護・福祉施設、小児・発達支援施設、訪問リハビリなど多岐にわたります。ここでは、応募先の種類ごとに例文とまとめ方のポイントを紹介します。

病院へ応募する場合の志望動機

病院では、失語症や構音障害、嚥下障害、高次脳機能障害など多様な症状に対応します。医療機関の機能や対象疾患、リハビリ体制を把握し、自身の経験や目標と紐づけましょう。

【例文】

「臨床実習を通して、言語や嚥下に障害のある患者さんがリハビリテーションによって少しずつできることを増やしていく姿を見て、言語聴覚士として回復を支えたいという思いが強くなりました。幅広い症例に対応し、多職種が連携して患者さんを支援している貴院の体制に魅力を感じています。入職後は評価や訓練に関する知識・技術を積極的に身につけるとともに、患者さんの思いを丁寧にくみ取る姿勢を大切にし、チームの一員として一人ひとりの回復と生活の質の向上に貢献したいと考え、志望いたしました。」

介護・福祉施設へ応募する場合の志望動機

介護・福祉施設では、機能訓練だけでなく、会話や食事を通して生活の質を支える視点が求められます。

【例文】

「臨床実習で高齢者の方への嚥下訓練やコミュニケーション支援を経験し、生活に寄り添いながら継続的に支援する言語聴覚士の役割に魅力を感じました。利用者さん一人ひとりの生活歴や希望を尊重し、多職種で支援を行う貴施設の方針に共感しています。入職後は、言語・嚥下機能の維持や向上だけでなく、利用者さんが食事や会話を楽しみながら、その人らしい生活を続けられるよう支援したいと考えています。また、介護職や看護職などとも積極的に情報共有し、日常生活全体を見据えた支援に貢献できる言語聴覚士を目指します。」

小児・発達支援施設へ応募する場合の志望動機

小児・発達支援施設では、子どもの発達段階や個性に合わせた支援に加え、保護者やほかの専門職との連携も重要です。発達やコミュニケーションを専門的に支援したい理由を具体的に伝えましょう。

【例文】

「養成課程で小児の言語発達について学んだことをきっかけに、子どものコミュニケーションの発達を支える仕事に関心を持ちました。実習を通して、一人ひとりの発達段階や得意なことに合わせて支援方法を工夫する重要性も学びました。個別支援を大切にし、ご家族や関係機関との連携にも力を入れている貴施設の方針に魅力を感じています。入職後は子どもの小さな変化や成長を丁寧に捉え、本人が楽しみながらコミュニケーションの力を伸ばせる支援を行いたいと考えています。また、ご家族にも寄り添い、安心して相談していただける言語聴覚士を目指します。」

訪問リハビリへ応募する場合の志望動機

訪問リハビリでは、利用者さんの自宅を訪問し、実際の生活環境に合わせた支援を行います。本人や家族の希望、生活環境まで考慮した支援に関心があることを伝えましょう。

【例文】

「病院での実習を通して、退院後の生活まで見据えてリハビリテーションを行うことの重要性を学び、利用者さんの生活の場で直接支援できる訪問リハビリに関心を持ちました。利用者さんとご家族の希望を尊重し、住み慣れた環境での生活を支えている貴事業所の方針に魅力を感じています。入職後は、生活環境や日々の困りごとを丁寧に把握し、一人ひとりに適したコミュニケーション支援や嚥下訓練を提案したいと考えています。また、医師や看護師、介護支援専門員(ケアマネジャー)などとも連携し、利用者さんが安心して在宅生活を続けられるよう貢献したいです。」

ピンクの背景にカラフルな細めの付箋が並んでいて、”POINT”と書かれている

履歴書に書く言語聴覚士の志望動機のポイント

履歴書の志望動機欄では、限られたスペースで必要な情報を簡潔に伝えることが求められます。ここでは、適切な文字数や自己PRとの違い、提出前の確認ポイントを解説します。

履歴書の志望動機に適した文字数とまとめ方

文字数に明確な決まりはありませんが、一般的な履歴書では200〜300字程度が1つの目安になります。

構成

盛り込む内容

志望理由

言語聴覚士を目指した理由や応募先に魅力を感じた点

経験・強み

実習や臨床経験、仕事で身につけたスキル

入職後

強みをどう生かし、どのように貢献したいか

最初に結論となる志望理由を示し、その根拠となる経験、入職後の目標へとつなげると整理しやすくなります。小さな文字で欄いっぱいに書くのではなく、採用担当者が無理なく読める文字サイズや文章量を意識しましょう。

志望動機欄に書く内容と自己PRとの使い分け

志望動機では「なぜ言語聴覚士として応募先で働きたいのか」、自己PRでは「自分にはどのような強みがあるのか」を中心に伝えます。

項目

主に伝える内容

具体例

志望動機

応募した理由や入職後の目標

施設の方針への共感、取り組みたい領域

自己PR

自分の強みや能力

傾聴力、協調性、観察力、臨床経験

共通して使える内容

経験やエピソード

実習経験、多職種連携、前職での経験

同じエピソードを用いても構いませんが、切り口を変えるのがポイントです。志望動機では経験を「応募理由や貢献」に紐づけ、自己PRでは「強みの根拠」として展開しましょう。

履歴書へ記入する前に確認したいチェックポイント

書き終えたら、そのまま記入するのではなく、内容や表現に問題がないか確認しましょう。

  • 言語聴覚士を目指した理由が伝わるか
  • 応募先を選んだ具体的な理由が含まれているか
  • 自分の経験や強みが簡潔に示されているか
  • 経験や強みが入職後の貢献につながっているか
  • 例文をそのまま使ったような内容になっていないか
  • 誤字・脱字や不自然な表現がないか
  • 応募先の名称や「貴院」「貴施設」などの表現が適切か

最後に声に出して読み、第三者にチェックしてもらう方法も有効です。内容と読みやすさの両方を見直しましょう。

明るいオフィスビルの一室で、デスクを挟んで並ぶ3人の面接官(女性2人、男性1人)と向き合い、面接を受けているスーツ姿の求職者の男性

面接で伝える言語聴覚士の志望動機のポイント

面接では、履歴書に記載した志望動機をもとに、目指した理由や応募先への志望度などを詳しく確認されるケースがあります。ここでは、面接に向けた準備と話し方を解説します。

履歴書の内容と面接での回答に一貫性を持たせる方法

履歴書では要点を簡潔にまとめ、面接では具体的なエピソードを加えて詳しく説明するのが基本です。一貫性を持たせるため、以下の内容を事前に整理しておきましょう。

  • 言語聴覚士を目指した理由やきっかけ
  • 応募先を選んだ理由
  • 実習や臨床などで経験したこと
  • 自分の強みと業務への生かし方
  • 入職後に取り組みたいことや将来像

履歴書の文章を丸暗記する必要はありません。記載内容を軸に「なぜそう考えたのか」「どんな経験があったのか」を言葉で補足すると、自然で説得力のある回答になります。

志望動機を深掘りされたときの答え方

面接では、志望動機を伝えたあとに理由や経験についてさらに質問されることがあります。「なぜ」「具体的には」と問われた場合を想定して準備しておきましょう。

よくある深掘り質問

回答するときのポイント

なぜ言語聴覚士を目指したのですか?

具体的なきっかけや経験を伝える

なぜ当院・当施設なのですか?

応募先ならではの特徴と自分の考えを結びつける

実習で何を学びましたか?

経験だけでなく、学びや成長した点まで伝える

入職後に何をしたいですか?

取り組みたい業務や将来像を具体的に示す

回答するときは、結論を先に述べることを意識し、そのあとに理由や具体的なエピソードを説明すると伝わりやすくなります。

ノートパソコンを操作しながら笑顔でこちらを見る白衣姿の女性医療従事者

まとめ

言語聴覚士の志望動機では、目指した理由・応募先を選んだ理由・自分の経験や強み・入職後の目標という4つの要素を、一貫した流れでまとめることが基本です。言語聴覚士法が定める業務範囲や、医療から介護・福祉へ広がる職域を踏まえておくと、志望理由に具体性が生まれます。

NG例として挙げた4点(他所との重複、条件面のみ、例文の丸写し、自己希望のみ)を避けましょう。新卒であれば臨床実習や学習経験、転職であればこれまでの臨床経験、未経験であれば前職で培った対人スキルと学習意欲が、それぞれ有力な材料になります。

履歴書では200〜300字程度を目安に要点を簡潔にまとめ、面接では具体的なエピソードを補って説明すると、内容に一貫性を持たせられます。採用選考で評価されるのは応募者の適性と能力です。自分の経験と応募先の特徴を丁寧に結びつけ、入職後の貢献まで伝わる志望動機に仕上げましょう。

言語聴覚士の志望動機に関する

よくある質問

Q.言語聴覚士になりたい理由が思いつかない場合はどうする?
A.

最初から完成した志望動機を考えようとせず、これまでの経験や興味を振り返ってみましょう。

  • 言語聴覚士という職業を初めて知ったきっかけ
  • 言語・聴覚・嚥下のなかで特に興味を持った分野
  • 学習や実習で印象に残っている出来事
  • 患者さんや利用者さんとの関わりで感じたこと
  • 将来どのような支援をしたいと思っているか

各出来事に対し「なぜ印象に残ったのか」を深掘りすることで、独自の志望理由が見えてきます。

Q.新卒の言語聴覚士は実務経験がなくても何をアピールできる?
A.

臨床実習や学校での学習、アルバイトなどの経験から得た強みや、入職後に成長しようとする姿勢も評価の対象になります。第28回言語聴覚士国家試験の合格者は1,453人で、養成課程を修了して国家試験に合格したこと自体も、継続的に学習してきた実績として示せます。経験の多さよりも、「経験から何を学んだのか」「その学びを入職後にどう生かすのか」を具体的に伝えることが重要です。

出典:第28回言語聴覚士国家試験の合格発表について|厚生労働省

Q.言語聴覚士の転職理由は志望動機に書くべき?
A.

転職理由が志望動機と関連している場合は盛り込んでも問題ありません。ただし前職への不満は避け、転職後に実現したい方向性へ言い換えて伝えます。例えば「経験できる症例が限られている」という理由であれば、「より幅広い症例に携わり、対応できる領域を広げたい」と表現できます。

Q.言語聴覚士はどのような場所で働いていますか?
A.

日本言語聴覚士協会の会員動向によると、2026年(令和8年)3月31日現在、正会員22,511人の職域は医療が60.70%、医療と介護の兼務が16.71%、介護が6.56%、福祉が5.26%となっています。この数値は同協会の会員調査によるものであり、公的統計ではありません。病院のほか、介護老人保健施設や訪問リハビリテーション事業所、児童発達支援センターなどにも活躍の場が広がっています。

出典:会員動向 | 日本言語聴覚士協会について | 一般社団法人 日本言語聴覚士協会

Q.履歴書と面接で言語聴覚士の志望動機を変えてもよい?
A.

表現や詳しさを変えることは問題ありませんが、中心となる内容は一致させましょう。例えば履歴書に「実習経験から嚥下支援に関心を持った」と記載した場合、面接では関心を持った具体的な出来事や学んだことを説明します。伝え方を変えても、志望動機の軸は変えないことがポイントです。

Q.言語聴覚士の志望動機で「人の役に立ちたい」と書いてもよい?
A.

盛り込んでも問題ありませんが、それだけでは医療・福祉分野の多くの職種に当てはまるため、具体性が不足しやすくなります。

  • 誰を支援したいのか
  • どのような経験からそう考えたのか
  • なぜ言語聴覚士という職種なのか
  • 言語・聴覚・嚥下などのどの領域に関心があるのか
  • 言語聴覚士としてどのように役立ちたいのか

「コミュニケーションに困難を抱える患者さんが自分の思いを伝えられるよう支援したい」と具体化すると、言語聴覚士を志望する理由が明確になります。

Q.面接で適性・能力と関係のない質問をされたらどうする?
A.

厚生労働省のガイドラインでは、公正な採用選考の基準として「基本的人権の尊重」と「適性・能力に基づいた選考」の2点を定めています。本籍地や家族の職業、思想信条などは、本来採用選考の基準とすべき事項ではありません。対応に迷ったときは、ハローワークや学校のキャリアセンター、都道府県労働局などに相談する方法があります。

出典:公正な採用選考の基本|厚生労働省

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