広告運用とは?広告の種類・業務内容と自社に合う運用体制を解説

広告運用とは?広告の種類・業務内容と自社に合う運用体制を解説

更新日:2026/10/07

広告運用とは、目的に合わせて広告を配信し、結果を分析して改善を続ける取り組みです。予算や配信先、広告表現を調整しながら、成果の向上を目指します。

自社で担うか外部へ委託するかを決める基準は、社内の運用知識と業務に充てられる時間です。ただし、運用を委託しても、発注側には目標の合意や予算の承認、商品情報の提供などの役割が残ります。目標案の作成を含む具体的な分担は、委託先と取り決めておきましょう。

本記事では、運用型広告の種類と業務の流れ、確認する主な指標、必要なスキルを解説します。自社で運用するときの課題や運用体制ごとの違いに加え、外注を判断する際の材料までまとめました。

広告運用とは?

広告運用とは、広告を配信して終わりにせず、目標の達成に向けて設定・配信内容を継続的に調整する取り組みです。配信前には目的・ターゲット・予算・媒体などを決め、配信後は表示回数・クリック数・コンバージョン数・獲得単価などの数値を追います。その結果に応じて、入札単価や予算配分、ターゲティング、広告文・クリエイティブなどを変更し、成果の向上を図ります。

重視する指標は目的によって異なり、たとえば問い合わせの獲得が目的なら、クリック数に加えてコンバージョン数や獲得単価まで把握することが重要です。配信結果を継続的に分析し、効果が高い施策を続けながら、成果が伸びにくい部分を調整していきます。

運用型広告と予約型広告(純広告)の違い

Web広告の代表的な配信・取引方式には、運用型広告と予約型広告があります。配信状況に応じて予算や入札、ターゲティング、広告内容などを変更しやすいのが、運用型広告の特徴です。一方、予約型広告(純広告とも呼ばれます)は、あらかじめ掲載枠や期間などの条件を決めて出稿します。目的や予算に加えて、配信後にどこまで調整したいかも踏まえて方式を選びましょう。

国内における2025年の運用型広告費は2兆9,352億円(前年比112.5%)で、インターネット広告媒体費の88.7%を占めています。こうした状況から、本記事では運用型広告を前提に、運用の体制や進め方を解説します。

出典:株式会社CARTA HOLDINGS・株式会社電通・株式会社電通デジタル・株式会社セプテーニ「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(2026年3月5日発表)

運用型広告の主な種類

運用型広告の主な種類として、検索連動型、ディスプレイ、SNS、動画の4つが挙げられます。それぞれ掲載場所や届く相手が違うため、購入の検討段階に合う広告を選びます。

種類

主な表示場所

向く目的

検索連動型広告

検索結果ページ(Google 広告、Yahoo!広告など)

商品・サービスを探している見込み客の獲得

ディスプレイ広告

Webサイトやアプリの広告枠(Google 広告、Yahoo!広告など)

認知の拡大
離脱した訪問者の呼び戻し

SNS広告

各SNSのタイムラインやおすすめ欄(Meta広告、X広告、TikTok広告など)

属性や関心に合わせた新規接触

動画広告

動画サービスやSNSの再生画面(YouTube 広告など)

商品理解の促進
ブランドの想起

媒体と広告形式は一対一ではありません。SNSで動画広告を配信できるほか、対応する機能を利用すれば検索結果に画像付きの広告も表示できます。以下で、広告の種類ごとの特徴を解説します。

検索連動型広告:検索している人に広告を届ける

商品名や解決したい課題を検索する人に接触したいときは、検索連動型広告が適しています。検索連動型広告は、入力されたキーワードに応じて検索結果に表示されるため、比較や購入を検討している相手に働きかけられるのが強みです。

配信を社名や商品名の検索だけに絞ると、検索数が少ない場合に問い合わせを増やす機会が限られます。一方で対象を広げすぎると、関係のない検索からのクリックに費用がかかります。獲得したい問い合わせに合うキーワードを選び、対象外の検索語句は除外設定で抑えるのがポイントです。

ディスプレイ広告:Webサイトなどの広告枠に表示する

ディスプレイ広告は、自社を知らない人への接触や、サイト訪問者の再訪問を促す用途に向いています。Webサイトやアプリの広告枠に画像や短い広告文を表示し、検索を始める前の段階から認知の拡大を図る広告です。

認知拡大を目的に配信する際は、クリック数や直後の申し込みだけで効果を判断せず、サイト訪問数や指名検索数の推移もあわせて確認します。ただし、増減だけを根拠に広告の効果とは断定せず、同じ期間に行った他の施策を踏まえて評価します。再訪問を促す配信では、その後の問い合わせにつながったかを調べるのが一般的です。

SNS広告:SNSの利用状況に合わせて配信する

SNS広告は、利用者の属性や関心に合わせて配信先を絞り、新たな接点をつくる広告です。媒体の機能に応じて、年齢や地域、フォローしているアカウントや過去の行動などを配信に活用できます。

商品・サービスを探す場面で接触する検索連動型広告に対し、SNS広告は購入を急いでいない相手と接点を持てるのが特徴です。検討に時間がかかる商材の場合、資料請求や事例の閲覧を促すなど、購入前の情報提供に活用できます。

動画広告:映像で商品の魅力を伝える

動画広告は、製品の動きや操作方法、利用時のイメージを映像で伝えたいときに活用しやすい広告です。文章や静止画では伝わりにくい操作の流れや導入後の様子を映像にでき、担当者による説明も加えられます。

予算を組む際は、広告の配信費に撮影や編集などの制作費も加えておきましょう。展示会映像や製品デモなどの既存素材を再編集できれば、追加撮影を減らし、制作費を抑えられる場合があります。

広告運用の業務内容とPDCAの進め方

広告運用とは?広告の種類・業務内容と自社に合う運用体制を解説-1

広告運用は、計画・実行・検証・改善の4段階(PDCAサイクル)を繰り返して進めます。外部へ委託する場合の役割分担例は、次のとおりです。契約内容や社内ルールに応じて、実際の担当範囲と承認権限を取り決めます。

段階

運用担当の業務

発注側の役割

計画

目的と目標数値の設定
媒体と予算の配分
訴求の設計

事業計画に沿った目標と上限予算の承認

実行

アカウント構築
広告文と素材の入稿
計測タグの設置・動作確認

計測のテスト結果とフォーム通知の到達確認
商品情報と表記の点検

検証

配信データの集計
指標ごとの差分の洗い出し

問い合わせの質
商談・受注に至った件数の共有

改善

入札と予算の調整
広告文と配信先の入れ替え

予算変更の承認
停止と再開の判断

広告の数値だけで成果を判断しないよう、発注側は自社で把握している事業の状況を運用担当へ伝えます。各段階における業務内容と進め方を詳しくご紹介します。

計画:目的に合わせて配信方針を決める

問い合わせを増やしたいのか、受注金額を伸ばしたいのかによって、追うべき指標は違います。配信の計画を立てる前に、目的と成果を評価する基準を発注側と運用担当で合意します。目標件数に加えて、1件の獲得にかけられる費用の上限まで決めておきましょう。

運用担当は、合意した目標に基づいて媒体と予算の配分を検討します。訴求の設計に使う情報として、発注側は商品の強みや競合との違い、避けたい訴求を運用担当へ伝えます。

実行:広告を設定して配信を始める

実行段階では、広告の設定・入稿と計測の準備を行い、動作を確かめてから配信を始めます。フォーム送信や購入完了の計測に不備があると、獲得件数や獲得単価に基づく評価を誤るおそれがあります。

商品・サービス別に予算や配信先を管理する計画であれば、その単位でキャンペーンを設定するのが基本です。また、広告文や画像を入稿する際は、発注側で価格や納期を商品情報と照合してください。他社との比較表現があれば、根拠資料の内容と一致するかを点検しましょう。

配信前のテストでは、問い合わせの通知と広告のコンバージョン計測を別々に点検します。契約範囲と必要な権限に応じてテストの担当を決め、たとえば次のように分担します。

・発注側:フォームをテスト送信し、指定の通知先で内容を受信できるかを確かめる。

・運用担当:フォーム送信や購入完了など、計測対象に設定した操作を試し、想定した成果として記録されるかを点検する。

通知メールが届くだけでは、広告側の計測が動いたとは判断できません。両方の結果を共有してから配信へ進みます。

広告運用で確認する主な指標(CTR・CVR・CPA・ROAS)

広告運用の報告では、クリック率やコンバージョン率などの指標が略語で示されることがあります。各指標の計算方法を把握しておくと、運用担当や委託先の報告を読み解きやすくなり、検証の段階で課題の箇所を話し合う際の共通の基準にもなります。

主な指標と計算方法は、次のとおりです。

指標

計算方法・意味

分かること

表示回数(インプレッション)

広告が表示された回数

広告がどの程度配信されたか

クリック率(CTR)

クリック数÷表示回数

表示された広告がどの程度クリックされたか

コンバージョン率(CVR)

コンバージョン数÷同じ期間中にコンバージョンまで追跡できる広告インタラクションの合計数(テキスト広告のクリック、動画広告の視聴など)

広告インタラクション1回あたり、問い合わせや購入などの成果(コンバージョン)にどの程度つながったか

獲得単価(CPA)

広告費÷コンバージョン数

成果1件の獲得にかかった広告費

広告費用対効果(ROAS)

コンバージョンの価値(売上など)÷広告費

広告費に対して、売上などの価値がどの程度得られたか

重視する指標は、広告の目的によって変わります。一般的に、問い合わせや資料請求の獲得を目的とするBtoBの広告では獲得単価(CPA)、売上の拡大を目的とするECサイトの広告ではROASが重視されやすいとされています。なお、Google 広告のヘルプでは、コンバージョンの価値を費用で割った値を「費用あたりのコンバージョンの価値」と呼んでいるため、媒体の管理画面やレポートでの名称もあわせて確認しましょう。

出典:Google 広告ヘルプ「クリック率とは」

出典:Google 広告ヘルプ「コンバージョン率」

出典:Google 広告ヘルプ「操作(インタラクション): 定義」

出典:Google 広告ヘルプ「費用あたりのコンバージョンの価値: 定義」

検証:配信結果から課題を見つける

全体の獲得単価が目標内に収まっていても、個別の広告では、獲得単価が目標を超えている可能性があります。そこで必要なのが、キャンペーンや広告文ごとの内訳の確認です。広告ごとの目的と目標値に照らして実績を比べ、配信の強化や停止を検討します。

課題の原因は、表示からクリック、問い合わせに至る流れに沿って探ります。たとえばクリック率が低ければ、まず疑うのは広告文や配信先です。反対にクリック数に対して獲得件数が少ないときは、広告の訴求と遷移先ページの内容に食い違いがないかを確認してください。

発注側は、問い合わせの内容や商談・受注に至った件数を運用担当へ共有します。配信データと実際の営業成果を合わせて評価し、次の改善に反映するためです。

改善:課題に合わせて広告を調整する

改善段階では、数値から成果を妨げている箇所を特定し、影響の大きい部分から調整します。表示回数が不足しているときは予算や入札、配信条件を、クリック率やコンバージョン率が低いときは広告文や遷移先ページなどを改めましょう。

変更の効果を確かめるときは、対象を1つに絞り、同じ条件で結果を比べます。入札や広告文、配信先を同時に変えると、結果を左右した変更を特定しにくくなるためです。

予算の増減や広告の停止・再開に発注側の承認が必要な場合は、運用担当へ早めに判断を伝えます。改善を止めないためにも、あらかじめ承認が必要な範囲や連絡方法を決めておくとスムーズです。

広告運用の頻度は?日々の確認と定期的な見直し

広告運用の作業は、日々行う確認と、一定の期間ごとに行う見直しに分けると整理しやすくなります。適した頻度は媒体や予算の規模、商材によって変わりますが、目安として次のように分けられます。

・日々の確認:表示回数・クリック数・広告費・コンバージョン数に急な変動がないか、配信の停止や予算の消化ペースに問題がないかを確かめる。

・週次などの定期的な確認:検索連動型広告では検索語句を確認して対象外の語句を除外し、成果に応じて広告文を入れ替える。

・月次などの見直し:数か月単位の推移を見て、ターゲティングや訴求の方向性を見直す。

外部へ委託する場合、報告の頻度や内容は契約で取り決めます。定例レポートでは、実績の数値に加えて、何を変えたか、その理由、次に何をするかが書かれているかを確認しましょう。数値の変化と次の施策のつながりが分かれば、運用の方針を社内で判断しやすくなります。

広告運用に必要なスキルと役割分担

広告運用とは?広告の種類・業務内容と自社に合う運用体制を解説-2

広告運用では、事業理解・分析力・媒体知識・企画力が重要になります。

4つすべてを自社だけで担う必要はありません。社内で対応できる範囲を決め、不足する部分を広告代理店やフリーランスへ任せる考え方が現実的です。

スキル

広告運用で必要になる場面

外部へ任せる際に尋ねる内容

事業理解

目標と獲得単価の上限を決める

利益や受注率を踏まえて目標を提案できるか

分析力

配信結果から改善案を考える

数値が動いた理由と次の施策を説明できるか

媒体知識

配信設定や予算配分を調整する

媒体を選んだ理由と設定方針を説明できるか

企画力

広告文や画像の訴求を考える

ターゲットと広告表現の関係を説明できるか

自社で担う範囲を決めるには、各スキルがどの業務に関わるかまで把握しておくと判断しやすくなります。ここからは4つのスキルについて、広告運用で果たす役割と、外部へ任せる際に尋ねたい内容を具体的に解説します。

事業理解:目標と獲得単価を設計する

事業理解は、広告費をどこまでかけられるかを決めるために必要です。問い合わせからの受注率や粗利、営業対応費などを踏まえて、獲得単価の上限を設定します。

たとえば、受注1件あたりにかけられる広告関連費の上限を5万円、問い合わせからの受注率を10%とすると、問い合わせ1件あたりの上限は5,000円です。こうした前提を共有しておけば、広告の数値だけに偏らず、採算を踏まえた目標を設定できます。

分析力:配信結果から次の施策を考える

広告は、配信結果を受けて改善を続けます。そのため、数値の増減だけで終えず、原因の仮説と次の施策まで考える力が必要です。

外部へ任せる場合は、数値が変化した理由と、それを受けて何を変えるのかを説明してもらいます。仮説、検証結果、改善案につながりがあれば、報告だけで終わらない運用を期待できます。

媒体知識:設定や配信方法を使い分ける

媒体知識は、配信設定や予算配分を調整するときに必要です。社内に十分な知識がなければ、この部分を外部へ任せる方法があります。

依頼先には、媒体を選んだ理由や設定方針を確認します。機能を使っているという事実に加えて、その設定が何を目的としているのかまで説明できるかが重要です。

企画力:ターゲットに合う訴求を考える

企画力は、ターゲットに合わせて広告文や画像の訴求を考える力です。同じ商品でも、誰に何を伝えるかによって広告表現は変わります。

外部へ制作を任せるなら、各案で狙う相手と訴求の意図を説明してもらいましょう。広告案と狙いが結び付いていれば、表現の好みだけに偏らず企画内容を判断できます。

自社で広告運用を行うときの主な課題

広告運用を自社で行う場合、一般的に、業務の量や媒体の変化への対応が課題になりやすいとされています。ここでは主な課題を3つ挙げ、社内で対応する場合の工夫と、外部へ任せられる範囲、社内に残る役割を整理します。外部へ任せる場合も、委託費用がかかり、社内に残る役割があるため、課題がすべて解消するわけではありません。体制ごとの特徴は、次の章で解説します。

管理する指標と媒体が多い

広告運用では、表示回数やクリック率、獲得単価などの複数の指標を、媒体やキャンペーンごとに確認します。運用する媒体が増えるほど、数値の集計や比較にかかる手間も増える傾向があります。

社内で対応する場合は、重視する指標を絞り、集計の形式をそろえておくと、手間を抑えやすくなります。集計や分析の作業は、契約内容によっては外部へ任せることもできます。ただし、外部へ任せる場合も、どの指標を重視するかの合意や、商談・受注の状況の共有は発注側に残ります。

媒体の仕様変更に追いつく必要がある

広告媒体では、管理画面の機能や配信の仕組み、広告の審査基準などが更新されることがあります。自社で運用する場合は、こうした変更を把握し、設定や運用方法へ反映し続ける必要があります。

社内で対応する場合は、各媒体の公式ヘルプやお知らせを確認する担当と頻度を決めておくと、変更を見落としにくくなります。変更点の情報収集や設定への反映を、外部の担当者に任せる方法もあります。どちらの場合も、変更に伴って予算や配信方針を見直すときの判断は社内に残るため、承認の手順を決めておきましょう。

運用にかかる工数を確保しにくい

広告運用では、日々の数値の確認に加えて、広告文や画像の入稿、レポートの作成、社内への報告などの作業が継続して発生します。他の業務と兼任する担当者が運用する場合、改善に充てる時間を確保しにくくなることがあります。

入稿やレポート作成など作業量の多い工程は、外部へ任せる方法もあります。ただし、委託しても、情報提供や承認、レポートの確認に充てる時間は社内に残ります。社内に残す作業と必要な時間は、「社内で対応できない業務を洗い出す」「社内の運用時間を確保できるか確認する」の手順で整理できます。

広告運用の体制別メリット・デメリット

広告運用とは?広告の種類・業務内容と自社に合う運用体制を解説-3

広告運用の主な体制は、自社で運用するインハウス、広告代理店への委託、フリーランスへの依頼の3つです。費用だけで決めず、社内で確保できる時間や担当者の知識、外部へ任せたい業務の範囲まで踏まえて選びます。

体制

メリット

デメリット

社内の負担

インハウス

知見を社内に蓄積でき、判断を運用へ反映しやすい

担当者への依存が強いと、異動・退職時に運用が滞るおそれがある

運用全般を担うため、業務量や担当者数に左右される

広告代理店

契約範囲に応じて、複数媒体の運用や制作を任せられる

広告費とは別に委託費用が発生する契約がある

運用作業を減らせる一方、情報提供や承認などの業務は残る

フリーランス

必要な工程に絞って依頼できる

対応範囲や連絡可能な時間は依頼先によって異なる

依頼しない工程は社内で担うため、負担は依頼範囲による

社内に残る業務は、体制の名称だけでは決まりません。自社で担う判断や作業と、外部へ任せる業務を具体的にしたうえで選ぶと、導入後の負担を想定しやすくなります。

インハウス:自社に知識を蓄積しながら運用する

人材・時間を社内で確保できる企業には、インハウスでの運用が向いています。商品の変更やキャンペーンの日程などを社内で共有し、その内容を広告運用へ反映しやすいのが強みです。実際に配信へ反映されるまでの時間は、社内の承認手順や媒体側の審査などによって変わります。

一方、担当者ひとりへの依存が強いと、異動や退職を機に運用が滞るおそれがあります。設定の変更履歴や判断の理由を残し、担当交代時に引き継げる状態を保ちましょう。アカウントの権限や管理手順についても、特定の担当者だけに依存しない形に整えておきましょう。

広告代理店:専門チームに運用を任せる

広告代理店への委託は、複数媒体を運用したい企業や、社内だけでは十分な時間を確保しにくい企業に向いている運用体制です。契約内容に応じて、広告の設定や分析、制作などを依頼できます。ただし、対応する業務や担当体制は代理店ごとに一律ではありません。

費用についても、広告費とは別に運用手数料などが設定される契約があります。金額だけで比べずに、どの業務まで費用に含まれるのか、追加費用が発生する作業は何かを契約前に確かめましょう。

運用手数料の計算方法には、主に広告費に一定の料率をかける料率型、毎月決まった金額を支払う月額固定型、獲得した成果に応じて支払う成果報酬型があります。料率型では広告費が増えるほど手数料も増え、月額固定型では広告費の増減にかかわらず手数料は一定です。どの方式が合うかは広告費の規模によって変わるため、見積もりでは同じ予算で総額を比べます。

フリーランス:必要な専門業務を個人に依頼する

社内で設定や入稿まで対応できるなら、分析や改善案の作成など、必要な工程だけをフリーランスへ相談できます。

依頼後も運用状況を社内で把握できるよう、実施した変更や分析結果をどのように共有してもらうか決めておきましょう。レポートの内容や設定変更の記録、契約終了時の引き継ぎ方法まで取り決めておくと、外部への依存を抑えながら運用を続けやすくなります。

広告運用を代理店に任せるかの判断基準

広告運用とは?広告の種類・業務内容と自社に合う運用体制を解説-4

次のようなケースでは、広告代理店への委託を検討するとよいでしょう。

・複数の媒体を並行して運用したい

・社内に運用の工数を割ける担当者がいない

・計測設定を含めて、立ち上げから任せたい

・インハウスで運用しているが、成果が伸び悩んでいる

代理店に任せる場合も、社内で担えない業務を把握し、依頼する範囲を決めます。社内で確保できる時間や総費用を含め、次の項目を契約前に検討してください。

確認項目

比較する内容

依頼する範囲

戦略設計、入稿、分析、制作のどこまでを任せるか

社内の稼働

承認、情報提供、レポート確認に割ける時間

費用の構造

手数料の計算方法
最低出稿額
制作費の扱い

引き継ぎ条件

アカウントの所有者
契約終了時のデータの扱い

引き継ぎ条件は、契約前に書面で合意しておくと認識の違いを減らせます。依頼内容を具体化する際は、まず社内で対応できる業務と時間を洗い出します。

依頼先の候補は、広告運用代行のサービス一覧で比べてみてください。

社内で対応できない業務を洗い出す

「広告運用を任せたい」だけでは、どこまで依頼するのかが伝わりません。社内で不足している人手や専門性を、実際の作業に沿って洗い出します。

1. 「計画・実行・検証・改善」の4段階に沿って、現在の作業を書き出す

2. 各作業に担当者と所要時間を記入し、自社で継続できるかを検討する

3. 人手が足りない作業と、専門知識が不足する作業を分けて依頼先へ伝える

入稿の人手が足りない場合と、数値を解釈できる担当者がいない場合では、求める支援が違います。作業の一覧を使って社内で担う範囲を説明し、委託する業務と成果物を合意します。

社内の運用時間を確保できるか確認する

社内に残る作業の所要時間を見積もり、担当者が通常業務と並行して対応できるかを確かめます。定例報告への参加、依頼先へ情報を渡す準備、社内承認に充てる時間を予定に入れます。

あわせて考慮したいのは、承認にかかる待ち時間です。予算の増減に社内決裁が要る体制では、承認待ちで調整が遅れるおそれがあります。担当者の裁量で動かせる金額の幅を事前に社内で決め、対応を進めやすくしておきます。

手数料を含めた採算を確認する

広告の配信費だけを比べると、手数料や制作費を含む負担を見落としがちです。採算を判断する際は、見積書の次の費目を確認し、同じ期間にかかる総額を算出してください。

・運用手数料:料率の計算対象、固定額、最低手数料の有無

・制作費:広告文・画像・動画などの制作が月額料金に含まれるか、別料金か

・初期費用:アカウント構築や計測設定など、開始時にかかる費用の有無

初期費用があるときは、初月と翌月以降の見積額を分けます。総予算からこれらの費用を差し引き、広告の配信に充てられる金額を把握しておきましょう。

契約前は、対象期間の見積総額を、同じ期間にその広告施策から獲得すると見込む問い合わせ件数で割り、1件あたりの費用を試算します。比較の基準は、「事業理解:目標と獲得単価を設計する」で試算した問い合わせ1件あたりの上限額です。

配信開始後は、同じ期間の総費用を、対象の広告施策から獲得した問い合わせ件数で割り、1件あたりの獲得単価を算出して上限額と比べます。

問い合わせが0件の場合は単価を算出せず、費用と配信状況を確認します。上限を超えたときは、費用や問い合わせ件数の内訳から改善する箇所を検討してください。

問い合わせ後の受注率は想定と実績を比べ、上限額の前提が実態に合っているかを確かめます。

広告運用についてよくある質問

依頼時の費用や予算、運用型広告と予約型広告の違いなど、5つの疑問にお答えします。

広告運用を代理店に依頼すると費用はどのくらいかかる?

費用は、広告の配信費に、運用手数料や制作費、初期費用などを加えた総額で考えます。依頼先ごとに、広告費に一定の料率をかける方式や月額固定の方式など、手数料の決め方が違います。見積もりでは、手数料の計算方法と、制作費や初期費用が含まれるかを確認してください。

広告予算が少なくても代理店に依頼できる?

依頼先によっては、最低出稿額や最低手数料を設けている場合があります。予算が少ない場合は、契約前にこれらの有無を確認し、手数料を差し引いても配信に充てられる金額が十分に残るかを試算します。工程を絞ってフリーランスへ依頼するのも手です。

運用型広告と予約型広告(純広告)の違いは?

配信を始めた後も予算や入札、配信先を調整しながら成果を高めたい場合は運用型広告、決まった掲載枠と期間で確実に掲載したい場合は予約型広告(純広告)が向いています。運用型広告は結果を踏まえて改善を重ねられ、予約型広告は掲載する場所と期間を事前に押さえられる点が特徴です。

依頼先の担当者に資格は必要?

広告運用に必須の資格はありません。Google 広告には、検索広告やディスプレイ広告などの公式認定資格があり、スキルショップの理解度テストに合格すると取得できます。合格ラインは80%以上、有効期限は1年間です。依頼先を選ぶ際は、担当者が認定資格を持っているかも参考になります。

出典:Google 広告ヘルプ「Google 広告の認定資格について」

広告を一時停止した後に再開できる?

Google 広告では、一時停止したキャンペーンを再開できます。削除すると再開・復元ができないため、再開を予定しているときは一時停止を選んでください。

キャンペーンに加えて広告グループやキーワードを一時停止している場合は、配信に使うものを個別に再開します。キャンペーンを有効に戻すだけでは、これらの停止状態は解除されません。

出典:Google 広告ヘルプ「キャンペーンを有効化、一時停止、削除する」

まとめ

広告運用は、配信結果の分析と改善を続けられる体制で進めましょう。社内で確保できる時間と担当者の知識を踏まえ、自社で担う業務と外部へ任せる業務を決めます。

外注を検討する際は、依頼範囲と予算を具体的に伝え、検討中の依頼先へ相談してください。金額だけで判断せず、求める支援の内容と金額を合わせて提案を比べましょう。

BIZNAVI編集部
執筆者

BIZNAVI編集部

株式会社DYMが運営する、法人向けサービスの比較・検索メディア「BIZNAVI byDYM」の編集部。 勤怠管理・会計・生産管理などの業務システムやSaaSに加え、営業代行・Web制作・記事作成代行・SNS運用代行といった業務支援サービスまで、幅広い領域の法人向けサービスを調査・比較し、導入検討に役立つ情報を発信している。 各サービスの機能や料金、提供形態、導入実績などの公開情報をもとに、目的や条件に応じて比較しやすい形で整理することを重視してコンテンツを制作。企業が抱える業務課題や実際の活用シーンを踏まえ、自社に合ったサービス選びと、検討から意思決定までをスムーズに進めるための情報提供を行っている。

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