インフルエンサーマーケティングとは?施策の種類と進め方・注意点を解説

インフルエンサーマーケティングとは?施策の種類と進め方・注意点を解説

更新日:2026/10/07

インフルエンサーマーケティングとは、SNSなどで影響力を持つ発信者を起用し、商品やサービスを紹介してもらうマーケティング手法です。本記事では、市場規模やメリット・注意点、施策の種類、依頼方法を解説します。

施策を進める際は、誰に何を届けてどのような行動につなげたいかを定め、その層と接点を持つ発信者を選びます。広告主が投稿内容の決定に関与するなど「事業者の表示」に当たる場合は、広告であることが一般消費者に明瞭に分かる表示が欠かせません。

企業の担当者に向けて、SNSごとの特徴や施策を成功させるポイントもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

インフルエンサーマーケティングとは

SNSでは、企業公式アカウントからの発信やSNS広告に加え、インフルエンサーを起用して商品やサービスを伝える方法があります。

これをインフルエンサーマーケティングといい、SNSなどで影響力を持つ発信者を通じて、商品・サービスの認知や興味関心を高め、購買につなげるマーケティング手法です。企業から依頼を受けたPRであることを明らかにしながら、発信者自身のアカウントや普段のコンテンツの文脈で情報を届けます。

インフルエンサーとは?意味とフォロワー規模別の種類

インフルエンサーとは、SNSや動画サイトなどでの発信を通じて、フォロワーや視聴者の関心、購買行動に影響を与える発信者を指します。一般的に、芸能人やスポーツ選手などの著名人に限らず、特定の分野に詳しい専門家や、料理・美容などのテーマで継続的に発信している一般の発信者も含めて使われる言葉です。

起用するインフルエンサーは、フォロワー規模に応じて以下のように呼ばれています。

呼び方

本記事で扱うフォロワー数の目安

ナノインフルエンサー

1万人未満

マイクロインフルエンサー

1万人以上10万人未満

ミドル(マクロ)インフルエンサー

10万人以上100万人未満

メガ・トップインフルエンサー

100万人以上

ナノ、マイクロ、ミドル、メガ・トップという呼び方は、フォロワー数の規模を段階的に表すために使われています。ナノからメガ・トップへ進むほどフォロワー数の多い層を指すため、起用するインフルエンサーの発信規模を大まかに判断できます。

ただし、人数の境界に統一された定義はありません。呼び方だけで適性を決めず、実際の起用ではフォロワー層や発信内容が自社の商品・サービスと合うかどうかを精査します。

インフルエンサーマーケティングが注目される背景と市場規模

インフルエンサーマーケティングが注目されているのは、SNSで生活情報を得る人が増え、企業にとって商品やサービスを知ってもらう場になっているためです。市場規模も、今後さらに広がると予測されています。

インフルエンサーマーケティングが注目される背景

NTTドコモ モバイル社会研究所の「2024年一般向けモバイル動向調査」によると、週1回以上SNSにアクセスして生活情報を得ている人は39.8%で、前年から約5ポイント増加しました。調査対象はスマホ・ケータイを所有する15〜79歳の回答者で、生活情報には趣味やお買い得情報などが含まれます。年代別では10〜30代の6〜7割がSNSから生活情報を得ており、20代では約7割に達しています。

この調査から分かるのは、SNSが若い世代を中心に「生活情報の収集先」となっていることです。企業にとって、SNS上で商品を知ってもらう機会が広がっていることが、インフルエンサーマーケティングが注目される背景の一つと考えられます。

参考:NTTドコモ モバイル社会研究所「生活情報を得ているメディア:10〜30代は『SNS』6〜7割、40〜50代は『Web・アプリ』5割、60〜70代は『テレビ』5割」

インフルエンサーマーケティングの市場規模

民間の調査会社による推計では、2024年の国内ソーシャルメディアマーケティング市場は1兆2,038億円となる見通しでした。そのうち、インフルエンサーマーケティングは860億円で、全体の7.1%を占める推計です。

同調査では、インフルエンサーマーケティング市場を、インフルエンサーがSNS上でPR活動であることをあらかじめ明示し、商品・サービスを訴求する情報発信に対して支払われる費用の年間総額と定義しています。

項目

調査結果

2024年の市場規模

860億円の見通し

2024年の前年比

116%

2029年の市場規模

1,645億円の予測

2024年から2029年の拡大見込み

約1.9倍

インフルエンサーマーケティングのうち、縦型ショート動画向けの需要は2024年に246億円、前年比137%となる見通しでした。2029年には636億円となり、2024年比で約2.6倍まで拡大すると予測されています。

インフルエンサーマーケティング市場全体が2024年から2029年に約1.9倍となる予測に対し、縦型ショート動画向けの需要は約2.6倍です。将来予測では、縦型ショート動画向けの需要が市場全体を上回るペースで拡大すると見込まれています。

なお、860億円と246億円は2024年11月の調査発表時点における2024年の見通しであり、確定した実績値ではありません。2029年の1,645億円と636億円も将来予測です。

参考:株式会社サイバー・バズ/株式会社デジタルインファクト調べ「2024年 国内ソーシャルメディアマーケティングの市場動向調査」(2024年11月7日発表)

インフルエンサーマーケティングのメリット

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インフルエンサーマーケティングの効果は、起用する発信者と自社の対象顧客との相性、投稿内容、契約条件によって変わります。発信者のフォロワー層と対象顧客が重なり、商品・サービスを十分に体験できる環境を用意すれば、インフルエンサーならではの発信力を活かしやすくなります。

関心の近い人に情報を届けやすい

料理、美容、旅行など、発信者が継続的に扱うテーマと自社商材との親和性が高ければ、商品に関心を持ちやすい層へ情報を届けられます。たとえば、料理を中心に発信するアカウントで調理家電を紹介すると、料理に関心を持つフォロワーへ訴求しやすくなります。

起用時は、フォロワー数だけで評価せず、年齢層や地域、関心分野などの属性データも分析してください。自社が想定する顧客層との重なりを把握することで、施策の目的に合う発信者を選定できます。

利用場面を具体的に伝えられる

発信者が商品を実際に使う様子を写真・動画で紹介すると、どこで使うのか、どのような手順で操作するのか、使用中にどのような状態になるのかまで伝えられます。仕様や商品写真だけでは伝わりにくい、購入後の使い方をイメージしてもらいやすい点がメリットです。

使用感や使い方が購入検討に影響する商品では、操作の流れや使用中の様子、使った後の感想まで投稿に含めることで、購入前の読者が自分で使う場面を想像しやすくなります。

投稿をほかの販促にも活用できる

制作した投稿は、契約内容に応じて、自社SNSや広告、店頭のPOP、ECサイトの商品ページなどへ二次利用できます。同じコンテンツを複数の媒体へ展開できれば、新たに制作物を用意する費用・工数を抑えられる可能性があります。

二次利用では、写真・動画・文章などに関する権利処理も必要です。利用先、利用期間、加工の可否、追加費用などを契約で定め、新規制作にかかる費用と二次利用料を比べながら活用範囲を決めます。

インフルエンサーマーケティングのデメリット・注意点

インフルエンサーマーケティングでは、発信者の言動や投稿内容が企業のブランドイメージに影響するほか、広告表示への対応や効果測定にも配慮が求められます。主なリスクを施策前に把握し、起用、契約、投稿管理、効果測定の各工程へ対応を組み込むことが重要です。

リスク

主な原因

どう備える?

炎上

過去・現在の公開投稿や依頼投稿の表現

起用前に公開情報を調べ、問題発生時の連絡手順を決める

ステマ規制への抵触

事業者の表示なのに広告だと分かりにくい

該当性を確かめ、明瞭な広告表示にする

成果の把握が難しい

購入や来店までの経路が複数に分かれる

KPIと計測方法を施策開始前に決める

炎上には起用前の調査と投稿管理、ステマ規制には広告表示への対応、効果測定にはKPIと計測方法の設計が関わります。担当者と対応範囲をあらかじめ決め、施策全体でリスクを管理しましょう。

投稿内容や言動から炎上するリスクがある

インフルエンサーの発言が問題になると、起用した企業や商品に批判が及ぶ可能性があります。依頼した投稿に限らず、過去の公開投稿や起用期間中の言動が注目されることもあります。

起用前に公開投稿で調べたいのは、差別的・攻撃的な表現や、自社の商品・ブランド方針と大きく矛盾する発信がないかです。あわせて、問題が起きた際の連絡先や対応担当者、投稿の修正・削除について協議する条件を契約で定めておきましょう。

ステマ規制に抵触するおそれがある

ステマ規制は2023年10月1日に施行され、一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難な表示が、景品表示法上の不当表示に指定されました。

規制を受けるのは、投稿を依頼して内容の決定に関与した広告主側です。依頼を受けたインフルエンサーは原則として対象外ですが、企業が投稿を依頼して報酬を支払うなど、表示内容の決定に関与したと判断される場合は「事業者の表示」として扱われ、広告だと明瞭に分かる表示が必要になります。

なお、元の投稿が「事業者の表示」に当たる場合は、自社サイトへ二次利用するときも、自社が依頼した投稿だと分かるように表示しなければなりません。広告表示の具体的な方法や、社内で投稿を確認する体制の決め方は、インフルエンサーマーケティングの費用を解説した記事で紹介しています。

参考:消費者庁「ステルスマーケティングに関するQ&A」Q1・Q11・Q16・Q19

成果を正確に把握しにくい

インフルエンサーの投稿をきっかけに商品を知っても、すぐに投稿内のリンクから購入するとは限りません。後から商品名を検索したり、店舗で購入したりした場合は、投稿内のリンクの計測だけでは、SNS投稿から購入までの経路を特定しにくくなります。

施策開始前に、何を成果として評価するのかを決めておきましょう。計測用リンクやクーポンコードを使えば、投稿経由のアクセスや購入を計測できます。サイト流入や指名検索の推移なども参考にし、ほかの広告施策や季節要因の影響を踏まえて効果測定を行いましょう。

インフルエンサーマーケティングの施策の種類

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インフルエンサーマーケティングでは、商品を実際に使った感想を伝えたいのか、発売時期に合わせて情報発信を増やしたいのかなど、企業が置かれている状況によって適した施策が変わります。ここでは、商品レビュー、ギフティング、イベント招待、ライブ配信、アンバサダー、ゲスト出演・コラボの6つを取り上げます。

主な施策

依頼内容

向いている状況

商品レビュー

実際に使った感想の投稿

スペックだけでは使用感や使い方が伝わりにくい

ギフティング

商品を提供し、投稿するかどうかや内容は発信者に任せる

多くの発信者に商品を試してもらい、自然な紹介を広げたい

イベント招待

体験した内容の紹介

新商品やイベントの情報を特定の時期に広げたい

ライブ配信

配信中の商品紹介や質疑応答

実演が必要で、購入前に質問が生まれやすい

アンバサダー

一定期間の継続的な発信

一度の投稿だけで終わらず、継続して情報を届けたい

ゲスト出演・コラボ

公式アカウントへの出演や、商品の企画・監修への参加

公式アカウントを知ってもらう機会を広げたい、発信者のファンに向けた商品を企画したい

同じ商品でも、発売時はイベント招待、その後は商品レビューやアンバサダーを活用するなど、時期や目的に合わせて複数の施策を組み合わせられます。ここからは、それぞれがどのような状況に向くのかを詳しく解説します。

商品レビュー:使用した感想を発信してもらう

スペックを説明するだけでは、実際の使い心地や生活の中での使われ方が伝わりにくい商品があります。

こうした商品では、発信者に実際に使ってもらい、その体験を写真・動画とともに投稿する商品レビューを活用しやすいでしょう。調理家電なら操作の流れや料理中の使い方、化粧品なら使用した感想など、発信者自身の体験を通じて商品の特徴を伝えられます。

依頼時には、必ず伝えてほしい商品情報や表現上の注意、投稿期限を共有します。感想・評価は発信者自身の体験に基づく内容とし、企業側から事実と異なる内容を求めることは避けてください。また、商品提供の目的や投稿依頼の内容、企業と発信者とのやり取りなど、個別の事情によって「事業者の表示」に当たる可能性があるため、広告表示への対応も事前に決めておきましょう。

ギフティング:商品を提供して紹介してもらう

ギフティングは、インフルエンサーに商品を無償で提供し、気に入った場合に紹介してもらう施策です。投稿するかどうかや投稿内容は、基本的に発信者の判断に任せます。報酬を支払わない分、費用を抑えて多くの発信者に商品を試してもらえる一方、投稿される保証はありません。

商品を提供するだけでも、企業との関係性や投稿依頼の内容によっては「事業者の表示」に当たる場合があります。投稿をお願いしたり、内容に関与したりする場合は、広告表示が必要かどうかを事前に確認しておきます。

イベント招待:体験した内容を紹介してもらう

新商品の発売や発表会など、特定の時期に合わせて情報を広げたいときは、イベント招待が効果的です。発信者を発表会や体験会へ招いて商品を試す機会や会場で得られる情報を提供し、その体験をもとに商品やイベントの様子をSNSで紹介してもらいます。

複数の発信者を招くと、商品の実演や展示、開発担当者から聞いた内容などが、それぞれの視点から発信されます。投稿時期を設定すれば、発売日や情報解禁の時期に合わせて、集中的に情報を届けることも可能です。

ライブ配信:視聴者の疑問にその場で答える

操作方法を実演したほうが特徴を伝えやすい商品や、サイズ・仕様・使い方について購入前の質問が生まれやすい商品には、ライブ配信が向いています。発信者が実際に商品を扱いながら紹介し、視聴者から寄せられた質問にもリアルタイムで回答できます。

録画した投稿と異なり、その場で寄せられた疑問に応じて説明できるのが特徴です。たとえば、操作方法を実演したり、商品を別の物と並べて大きさを伝えたりすることで、文章や静止画だけでは伝えにくい情報を補えます。

配信前には、紹介する商品情報と発信者が回答できる範囲をインフルエンサー側に共有します。価格や仕様など正確性が求められる内容では、自社担当者が配信に参加したり、回答用の資料を用意したりするとスムーズです。

アンバサダー:継続的にブランドを伝えてもらう

アンバサダー施策は、同じ発信者を一定期間継続して起用し、複数回の発信を依頼する方法です。商品やブランドについて継続して情報を届けたい場合に向いています。

複数回の投稿を通じて、発売時の商品紹介、季節ごとの使い方、継続して使用した感想など、時期に応じて内容を変えながら発信できます。同じ発信者が繰り返し商品やブランドを取り上げるため、フォロワーとの接点を継続してつくれる点も特徴です。

起用期間が長くなると、発信者の活動が企業やブランドと結び付けて受け取られる機会が増えます。契約時には、起用期間、投稿回数や時期、発信内容、競合商品の取り扱い、契約終了後の投稿やコンテンツの扱いまで決めておきましょう。

ゲスト出演・コラボ:公式アカウントや商品づくりに参加してもらう

ゲスト出演は、企業の公式アカウントで行うライブ配信や動画、投稿にインフルエンサーを招き、商品やブランドについて一緒に発信してもらう方法です。発信者のファンが企業の公式アカウントを知るきっかけになる場合があり、公式アカウントの認知を広げたいときに検討しやすい方法です。

商品のコラボレーション(コラボ)は、発信者に商品の企画や監修に参加してもらい、発信者の視点やアイデアを商品づくりに取り入れる方法です。一般的に、発信者のファンに向けた商品を企画したい場合や、発信テーマと自社商品の親和性が高い場合に検討されます。

契約時には、出演や監修の範囲、名前・肖像の使用範囲と期間、契約終了後の商品の販売や動画の掲載の扱い、制作した動画や商品デザインなどの権利の帰属、売上に応じた報酬の有無などを決めておきましょう。

また、発信者自身のアカウントでの告知や紹介を依頼し、企業が投稿内容の決定に関与する場合、その投稿は「事業者の表示」に当たり、広告であることが明瞭に分かる表示が必要です。明示的に依頼しない場合でも、売上に応じた報酬の支払いなど企業と発信者の関係から、発信者の自主的な意思による投稿とは認められないときは、同様に「事業者の表示」とされます。詳しくは前述の「ステマ規制に抵触するおそれがある」で解説しています。

インフルエンサーマーケティングで活用される主なSNSの特徴

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同じ商品でも、使用場面を写真で伝える施策と、操作方法を動画で実演する施策では、適したSNSが変わります。発売日に合わせた告知なら情報を素早く届けやすい媒体、詳しい商品説明なら動画を活用しやすい媒体というように、伝えたい内容に合わせてSNSを選びます。

SNS

主な表現形式

向いている状況

Instagram

写真・カルーセル・Reels・Stories

商品のデザインや利用場面を写真・動画で伝えたい

YouTube

長尺動画・Shorts・ライブ配信

使い方や特徴を実演しながら詳しく説明したい

TikTok

動画

新しい層との接点をつくり、商品の特徴を動画で伝えたい

X

テキスト・画像・動画・リンク

発売情報やキャンペーンをタイムリーに発信したい

表をもとに、自社が届けたい相手と発信方法の両方に合うSNSを選びましょう。以下で各SNSの特徴を解説します。

Instagram:ビジュアルで世界観を伝える

商品の形やデザイン、実際に使っている場面を伝えたいなら、写真・動画に強いInstagramが適しています。フィードの写真・カルーセル、Reels、Storiesがあり、投稿する内容に合わせて形式を使い分けられる点が特徴です。

インフルエンサー自身の投稿には、普段から使っている構図や写真・動画の雰囲気があります。企業側は商品情報や避けたい表現を共有し、撮影方法まで細かく固定しすぎず、普段の発信になじむ形を相談しましょう。

YouTube:動画で詳しく伝える

商品の特徴を理解するまでに実演や詳しい説明が必要な場合、YouTubeがおすすめです。長尺動画で操作手順を順番に紹介したり、複数の商品を同じ条件で比べたりできるため、情報量の多い企画を組みやすくなります。また、Shortsやライブ配信を組み合わせて周知を図る方法もあります。

依頼時に決めておきたいのは、動画で説明する商品情報や実演する機能です。有料プロモーションを含む投稿ではYouTube側で申告し、日本の表示ルールに沿って、広告であることが動画全体から明瞭に伝わる形にします。

TikTok:短い動画で関心を引く

まだ商品を知らない人との接点を増やしたい施策では、TikTokを活用しやすいでしょう。「おすすめ」フィードには、利用者の興味や視聴行動などをもとにコンテンツが推薦されるため、フォローしているアカウント以外の投稿に触れる機会があります。

TikTok向けの動画ではまず、伝えたい商品の特徴を決め、その内容が伝わる構成にします。価格や細かな仕様など情報量が多い商品では、商品ページなど詳しい情報へ進める導線もあわせて用意しましょう。

X:短い投稿で情報を広げる

新商品の発売やキャンペーン開始など、その時点で知らせたい情報があるときはXを活用します。テキスト、画像、動画、リンクを一つの投稿に組み合わせられ、リポストによって投稿が共有される仕組みもあります。

告知では、発売日やキャンペーン期間など重要な情報を投稿内に入れ、必要に応じて商品ページへのリンクを添えてください。投稿だけが切り取られて共有されることも考え、条件を省きすぎないようにしましょう。

インフルエンサーマーケティングの依頼方法

インフルエンサーへの主な依頼方法は、直接依頼、プラットフォーム、代理店の3つです。社内の体制・依頼したい相手の有無・施策の規模によって、合う方法は変わります。

依頼にかかる費用は、依頼方法や投稿本数、二次利用の有無などによって変わります。フォロワー単価で計算すると、費用の目安は1フォロワーあたり数円程度です。直接依頼では2〜5円程度とする例があります(2026年9月28日時点で公開されている事業者サイトの解説・料金例をもとにした目安)。

依頼方法

自社の負担

支援の範囲

向いている企業

直接依頼

候補者探し、連絡、条件交渉、契約、進行管理、支払いまで自社で対応

プラットフォームや代理店による仲介なし

依頼したい相手が決まっていて、契約や進行管理まで社内で担える

プラットフォーム

候補者の選定、連絡、投稿内容の確認などを自社で担うサービスもある

募集・検索、案件管理、決済など。利用するサービスによって異なる

候補を自社で比べながら選びたい、少人数から試したい

代理店

目的や予算を伝え、提案と投稿内容を承認する

候補者選定、交渉、進行管理、投稿ディレクション、効果測定など。依頼先によって異なる

社内の担当者が少ない、複数人を起用する規模の大きい施策を行う

ここからは3つの依頼方法について、進め方と、どのような企業に向く方法かを解説します。なお、依頼先を探す場合は、当サイトのインフルエンサーマーケティングのサービス一覧もご覧ください。

直接依頼:自社で候補者と交渉する

企業がインフルエンサー本人や所属事務所へ自ら連絡し、条件交渉から投稿まで直接やり取りする方法です。候補者探しから報酬の支払いまで、すべてのやり取りを自社で行います。

すでに依頼したい相手が決まっている場合や、社内で契約や進行管理まで対応できる場合に利用しやすい方法です。依頼時には報酬額に加えて、投稿内容や公開時期、修正方法、掲載期間、写真や動画の二次利用などの条件を取り決めます。

プラットフォーム:候補を探して案件を管理する

インフルエンサーが登録するサービスを利用して、企業が候補者を探したり案件への応募を募ったりする方法です。サービスによっては、候補者との連絡、案件の進行管理、報酬の支払いまでシステム上で行えます。

一方、プラットフォームを利用しても、運営会社が施策を代行するとは限りません。候補者探し、連絡、進行、支払いのうち、どの業務を自社で行い、どこまで運営会社へ任せられるかを確かめましょう。候補者を自社で比べながら選びたい企業や、少人数から小規模に試したい企業に向いています。

代理店:施策の進行をまとめて任せる

自社の目的や予算、商品情報などを伝え、インフルエンサーの選定や交渉、施策の進行を外部の会社へ任せる方法です。社内で候補者を一から探したり、個別に交渉したりする作業を減らせます。社内の担当者が少ない企業や、複数のインフルエンサーを起用する規模の大きい施策を行う企業に向いています。

代理店や契約内容によって、任せられる範囲は一律ではありません。候補者の選定、交渉、投稿内容のディレクション、効果測定のうち、どの業務を依頼できるかを確認しましょう。あわせて、自社が投稿内容を確認するタイミングと、修正の要望を伝える窓口を決めておきます。

インフルエンサーマーケティングを成功させるポイント

インフルエンサーマーケティングとは?施策の種類と進め方・注意点を解説-4

インフルエンサーマーケティングでは、施策の目的を決め、自社の対象顧客に合う発信者を選び、投稿後の結果まで追うことが重要です。施策を進めるうえで、以下の4点を押さえておきましょう。

段階

やること

ポイント

準備

施策の目的と評価指標を決める

認知・検討・購入のどこを目指すか

準備

発信者のフォロワー属性と過去投稿を確かめる

対象顧客との重なりや投稿への反応

実行

制作方針と広告表示を共有する

必須情報・表現上の注意・広告表示・公開前確認

検証

投稿後の結果を記録する

同じ指標・集計期間で次回と比べられるか

発信者へ任せる範囲と企業側で管理する内容を先に決めておけば、発信者らしい表現を活かしながら施策を進めやすくなります。ここから、4つのポイントを順に解説します。

施策の目的に合ったKPIを決める

まず、インフルエンサーマーケティングで何を達成したいのかを決めます。認知拡大が目的ならリーチや再生数、商品ページへの誘導ならクリック数、購入を重視するなら計測用リンク経由の成約件数やクーポン利用件数などがKPIの例です。

KPIを決める際は、利用するSNSで取得できる数値と自社で計測できる数値を調べます。発信者から投稿インサイトを共有してもらう場合は、必要な項目と提出時期まで依頼内容に含めておきましょう。集計期間を投稿前に決めておくと、同じ指標を使う施策の結果を比べやすくなります。

対象顧客に合う発信者を選ぶ

フォロワー数に加えて、どのような人に情報が届いているかを調査します。提供可能なデータがあれば、フォロワーの年齢層や地域などを把握し、自社が届けたい顧客層との重なりを確かめましょう。

過去の投稿内容も起用を決める手掛かりの一つです。たとえば、調理家電なら料理を日常的に発信しているか、化粧品なら使用感をどのような言葉・写真で伝えているかを確認します。自社の商品を普段の発信テーマの中で自然に扱える発信者であれば、通常の投稿になじむ形で紹介してもらいやすくなります。

投稿内容と広告表示のルールを決める

依頼時には、投稿へ必ず入れる商品情報・避ける表現・投稿期限・広告表示を決めて共有します。一方、構成や言葉づかい、写真・動画の表現まで細かく固定すると、発信者が普段行っている投稿との違いが大きくなります。企業側で指定する内容と、発信者へ任せる範囲をあらかじめ決めておきましょう。

投稿結果を次回の施策に活かす

投稿後は、事前に決めたKPIと集計期間に沿って結果を記録します。発信者やSNSごとの結果を比べる際は、指標の定義や計測条件がそろっているかを確かめてから数値を扱います。SNSごとに集計方法が同じとは限らないため、名称が同じ指標でも単純には比べません。

数値とあわせて、どの内容への反応が多かったか、どのような質問が寄せられたか、商品ページへどの程度流入したかを記録します。たとえば、商品の使い方に質問が集中したなら、次回の投稿で操作方法を詳しく扱うといった改善につなげられます。

期待した数値に届かなかったときに、すぐに発信者だけを原因と決めつけるのは避けましょう。対象顧客との重なり、投稿内容、公開時期などから仮説を立て、次回の施策で条件を変えながら、施策の改善を目指します。

インフルエンサーマーケティングについてよくある質問

費用やSNS広告との違い、関連する用語や口コミの利用、海外向け施策について、よくある5つの疑問にお答えします。

インフルエンサーマーケティングの費用はどれくらい?

報酬の目安は1フォロワーあたり数円程度で、起用する人のフォロワー数が多いほど金額も大きくなります。詳しい相場や内訳は、インフルエンサーマーケティングの費用を解説した記事をご覧ください。

インフルエンサーマーケティングとSNS広告の違いは?

SNS広告は、企業がSNSの広告枠に費用を払い、設定した条件に合う利用者へ広告を配信する方法です。インフルエンサーマーケティングは、発信者自身のアカウントの投稿として商品を紹介してもらう方法で、フォロワーには普段の投稿と同じ流れで情報が届きます。

広告であることの伝え方も異なります。SNS広告には配信の仕組み上「広告」などの表示が付きますが、インフルエンサーの投稿が「事業者の表示」に当たる場合は、「広告」「PR」などの表示によって、広告であることを投稿ごとに明瞭に伝える必要があります。

KOLとインフルエンサーは同じ?

KOL(Key Opinion Leader)は、インフルエンサーと近い意味で使われる場面がある呼称です。

媒体や依頼先によって、実際の呼び方や役割は異なります。海外向けの施策では、「KOLは専門家、インフルエンサーは一般の発信者」などと一律に区別せず、現地でそれぞれの呼称がどのような意味で使われているかを調べてください。

一般ユーザーの口コミをそのままPRに使える?

一般ユーザーが投稿した口コミを、企業が自由に転載できるとは限りません。投稿文や画像を自社サイト、広告、SNSなどへ転載する際は、著作権などの権利関係と利用範囲を確かめます。文化庁も、著作物の利用は権利者の許諾が原則であり、著作権法上の引用に該当する場合などに例外があるとしています。

参考:文化庁「文化芸術活動に関する法的問題についてよくあるご質問」

海外向けの施策も実施できる?

海外向けの施策も実施できますが、対象国の広告規制やプラットフォームのルールに沿って進めることが前提です。

たとえば米国のFTCは、ブランドとの金銭的な関係や商品の無償提供などがある場合、その関係を消費者に分かりやすく伝えるよう求めています。米国外から発信する投稿でも、米国の消費者へ影響することが合理的に予想される場合は米国法が適用されるとしています。

施策を進める際は、起用するインフルエンサーに加えて、対象国の規制や投稿ルール、制作物の利用範囲まで漏れなく確認しましょう。

参考:Federal Trade Commission「Disclosures 101 for Social Media Influencers」

まとめ

フォロワー数が多いインフルエンサーでも、自社が届けたい相手とフォロワー層が合っていなければ、施策の目的に適しているとは限りません。まずは認知拡大や購買促進などの目的を決め、普段の発信内容やフォロワー層まで踏まえて起用する相手を選びます。

依頼時には、報酬や投稿内容、公開時期などに加え、広告表示や二次利用の条件も事前に取り決めておきましょう。直接依頼・プラットフォーム・代理店のどれを利用するかは、社内で候補者探しや交渉、進行管理まで担えるかで変わります。

依頼先を探す際は、インフルエンサーマーケティングのサービス一覧で各社の対応範囲を比較し、自社で補いたい業務を任せられるかを確かめてください。

BIZNAVI編集部
執筆者

BIZNAVI編集部

株式会社DYMが運営する、法人向けサービスの比較・検索メディア「BIZNAVI byDYM」の編集部。 勤怠管理・会計・生産管理などの業務システムやSaaSに加え、営業代行・Web制作・記事作成代行・SNS運用代行といった業務支援サービスまで、幅広い領域の法人向けサービスを調査・比較し、導入検討に役立つ情報を発信している。 各サービスの機能や料金、提供形態、導入実績などの公開情報をもとに、目的や条件に応じて比較しやすい形で整理することを重視してコンテンツを制作。企業が抱える業務課題や実際の活用シーンを踏まえ、自社に合ったサービス選びと、検討から意思決定までをスムーズに進めるための情報提供を行っている。

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