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新卒採用の費用はいくら必要?|削減方法や平均相場を解説

公開日:2024.11.18  更新日:2024.12.10

新卒採用は、企業の将来を支える重要な戦略であり、将来のリーダー候補を迎える大切な機会です。しかし、この採用活動には多大なコストが伴うため、効果的な予算管理が不可欠です。この記事では、新卒採用にかかるコストの内訳や平均相場を詳しく解説し、企業が直面する財務的な課題に焦点を当てます。また、無駄を省きながらも優秀な人材を確保するためのコスト削減方法や、採用活動の効果測定、そして長期的な採用戦略の重要性についても考察します。これから新卒採用を検討する企業や、既存の採用プロセスを見直したいと考えている企業にとって、有益な指針となることでしょう。

<この記事で紹介する3つのポイント>

  • 新卒採用コストの内訳と業界・企業規模別の平均相場
  • 新卒採用コストを削減するための9つの効果的な方法
  • 新卒採用の効果測定とROI分析の重要性

新卒採用の重要性

新卒採用は、企業の成長と競争力を維持するための重要な戦略です。新卒社員は、柔軟な考え方や積極的な姿勢を持ち、新たな視点やエネルギーを組織にもたらします。デジタルネイティブ世代である彼らは、最新のテクノロジーやトレンドに敏感で、イノベーションを促進する力が非常に強いです。

さらに、新卒採用は企業ブランドの強化にもつながります。優秀な人材を引き寄せる確率が高まり、長期的な採用活動にプラスの好影響を与えるのです。

新卒採用費用の概要

新卒採用にかかる費用とは、企業が新卒社員を採用するために必要なすべての費用を指します。採用コストは、企業の規模や業界、採用人数、地域などの条件によって差が大きいです。採用活動を成功させるためには、採用コストを詳細に理解し、管理することが重要となります。


採用費用は大きく分けて「内部コスト」と「外部コスト」の2つに分類されます。それぞれ異なる特徴と管理方法がありますので、それぞれ見ていきましょう。

内部コスト

内部コストは、企業内部で発生する費用です。主に社内リソースに関連しており、採用担当者の人件費が含まれます。担当者は求人広告の作成、応募者の管理、面接の実施、フォローアップなど多岐にわたる業務を担当しますが、採用活動に費やす時間と労力は非常に重要なため直接的に内部コストとして反映されます。
具体的な項目は次の通りです。

採用担当者の人件費

採用プロセス全体にかかわる業務時間を漏れなく金銭換算することが大切です。担当者の給与はもちろん、オーバータイムや特別プロジェクトによる追加手当も含まれます。

面接関連の費用

応募者との面接に関連する交通費や宿泊費、面接時に提供する飲食物の費用などが含まれます。また、面接会場のレンタル費用や備品の購入費用も対象です。

説明会やインターンシップ運営費

説明会やインターンシップを実施するための準備や運営にかかる費用も内部コストの対象です。会場の設営、資料の印刷、運営スタッフの配置などが該当します。

社内広報の費用

社内向けに行う採用活動の広報費用は内部コストに含まれます。例えば、社内メールや掲示板、社内イベントなどを通じて行う広報活動などです。

内部コストは、効率的なプロセス設計や社内リソースの最適な配分によって削減可能です。しかし、質の高い採用を実現するためには、単にコストを削減するだけでなく、投資としての効果を最大化することが求められます。

外部コスト

外部コストは、企業が採用活動のために外部の業者やサービスに支払う費用です。通常、1施策あたりの費用は高くなる傾向が強く、費用対効果を慎重に評価しなければいけません。主な外部コストには以下のようなものがあります。

求人広告費

オンラインプラットフォーム、印刷メディア、大学のキャリアセンターへの求人掲載にかかる費用です。広告戦略が適切でない場合、エントリー数が伸びない可能性があるため、広告のターゲット設定や内容の質が重要となります。

説明会やセミナーの会場費

大規模な会場のレンタル費用や、必要な機材の手配費用です。会場の立地や設備はエントリー数に影響を及ぼすため、採用したい層へのアプローチ効果と費用のバランスが取れた会場選びが求められます。

オンラインツール利用料

オンライン面接やウェビナーに使用するツールの利用料金です。ビデオ会議ツールのサブスクリプション費用や、セキュリティ対策のためのソフトウェア費用も含まれます。

人材紹介サービスの利用料

新卒エージェントを利用する際の成功報酬です。適切な候補者を迅速に見つけるためには有効ですが、手数料が高額になりがちなので、契約内容の検討は不可欠です。

PR動画やパンフレット制作費

外部のプロダクション会社に依頼して制作する会社紹介動画やパンフレットの費用です。これらは企業のブランドイメージを形成し、エントリー数や応募者の質に影響を与えるため、費用をかける価値があるか慎重に判断する必要があります。

外部コストの管理においては、投資対効果を定期的に見直して無駄を省くと同時に、必要な施策に十分なリソースを割り当てることが重要です。また、一部の採用活動を外部に委託する場合は、外注先の選定や委託範囲を明確にしましょう。

新卒採用単価の計算方法

新卒採用単価とは、企業が1人の新卒者を採用する際にかかった費用です。採用活動の効率性を評価するために重要な指標で、各施策の費用対効果を分析する際に活用されます。採用単価を把握することで、採用に関する予算管理を最適化し、次年度以降の新卒採用計画の改善に役立てるのが狙いです。

新卒採用単価の基本計算式

新卒採用単価は、以下の基本的な計算式で求められます。

新卒採用単価= 新卒採用コスト総額 ÷ 新卒採用人数

計算式における新卒採用コスト総額は、内部コストと外部コストの合計という意味です。前項で説明した通り、内部コストは採用担当者の人件費や社内で発生するさまざまな費用、外部コストは求人広告費や採用イベントの会場費、オンラインツールの利用料など、外部業者に支払う費用が該当します。

内部コストは、社内のリソース使用に関するもので、具体的な金額の算出には時間を要することが多いです。担当者の人件費を正確に算出するには、労働時間を正確に把握する必要があります。

外部コストは、金額が比較的明確に把握できるため計算は容易です。請求書や契約書などを通じて明確な記録と集計ができます。

施策別採用単価の算出

新卒採用活動をより詳細に分析するためには、施策ごとの採用単価を算出することも大切です。各施策のコストパフォーマンスを比較し、どの施策が最も効率的かを評価することで、採用活動の効率性を分析します。

施策別採用単価は、以下の計算式で求められます。

施策別採用単価=施策にかかった金額 ÷ 採用人数

計算式における新卒採用コスト総額は、内部コストと外部コストの合計という意味です。前項で説明した通り、内部コストは採用担当者の人件費や社内で発生するさまざまな費用、外部コストは求人広告費や採用イベントの会場費、オンラインツールの利用料など、外部業者に支払う費用が該当します。

内部コストは、社内のリソース使用に関するもので、具体的な金額の算出には時間を要することが多いです。担当者の人件費を正確に算出するには、労働時間を正確に把握する必要があります。外部コストは、金額が比較的明確に把握できるため計算は容易です。請求書や契約書などを通じて明確な記録と集計ができます。

特定の広告媒体がどれだけ効果的であったか、企画イベントがどれだけ採用に貢献したかが算出によって明らかになるため、次年度の採用活動で重点を置くべき施策や見直すべき施策の判断が容易です。

新卒採用単価の重要性

新卒採用単価を正確に把握することは、新卒採用戦略の改善において非常に重要です。単年度の結果で判断するよりは、複数年にわたるデータを蓄積して長期的なトレンドを分析し、効果的な採用活動を行うためのベースライン設定に活用するとよいでしょう。

また、新卒採用単価の変動を追跡することで、市場の変化に迅速に対応し、企業の競争力を維持するための適切な採用戦略を策定できます。

業界・企業規模別の平均相場

新卒採用コストは、業界や企業の規模によって差が大きいです。大企業と中小企業では採用活動における戦略やリソースの配分が異なるため、採用コストにも大きな差が生じます。さらに、業界によっても必要とされるスキルセットや競争の激しさが異なるため、新卒採用コストの相場は必ずしも一定しません。

大手企業の新卒採用コスト

大手企業では、ブランド力や採用人数の多さから一人当たりのコストが比較的低く抑えられる傾向があります。しかし、採用活動の規模が大きいため、総額では数千万円から数億円に達することも珍しくありません。株式会社マイナビ「2024年卒企業新卒内定状況調査」によると、2024年卒の新卒採用における上場企業の平均採用コストは約917.6万円でした。

中小企業の新卒採用コスト

中小企業は、大企業と比べて一人あたりの採用コストが高くなる傾向があります。これは、限られたリソースの中で効果的な採用活動を行う必要があるためです。前述のマイナビの調査によると、新卒採用における中小企業(非上場企業)の平均採用コストは約233.1万円です。

なお、中途採用の場合は、株式会社マイナビ「中途採用状況調査2024年版(2023年実績)」によると、では従業員数が50名以下の企業で151.7万円、51~300名の企業で310.7万円と報告されています。

業界別の傾向

業界別に見ると、IT業界やコンサルティング業界など、競争が激しい分野では採用コストが高騰する傾向があります。これらの業界では、特に専門スキルを持った人材を獲得する必要があり、求人広告や人材紹介会社の活用が採用コストに反映されるためです。

以下は、企業規模別の採用コストと入社予定者1人あたりの採用単価の平均値をまとめた表です。

企業規模新卒採用コスト(平均)入社予定者1人あたりの採用単価(平均)
企業規模新卒採用コスト(平均)入社予定者1人あたりの採用単価(平均)
大手企業(上場)917.6万円49.0万円
中小企業(非上場)233.1万円57.5万円

2024年卒マイナビ企業新卒内定状況調査

このように、新卒採用のコストは企業規模や業界によって大きく変わります。大手企業は規模の利を活かし、多数の採用を低コストで行うことが可能ですが、中小企業は限られた予算の中で効果的に採用を行うための戦略が求められるのです。

新卒採用コストを削減する7つの方法

新卒採用におけるコストを削減しながら優秀な人材を確保するためには、採用戦略を包括的に見直すことが重要です。

新卒採用コストを削減するための7つの方法は以下の通りです。

  • 採用方法の再評価
  • 効果的な求人媒体の選定
  • ミスマッチを防ぐカジュアル面談の活用
  • 入社前後のサポート体制の強化
  • .採用プロセスの効率化
  • SNSを活用した広報活動
  • 助成金制度の活用

以下、1つずつ解説します。

採用方法の再評価

採用活動を効率化するには、現在使用している採用手法を定期的に再評価し、最適な方法を選択することが必要です。多くの企業は、合同説明会やオンラインプラットフォームを活用していますが、それぞれの手法にはメリットとデメリットがあります。企業の規模やターゲットとする人材の特性に応じて、最適な手法を選び、コストを最小限に抑えつつ最大の効果を得ることを目指してください。

効果的な求人媒体の選定

求人媒体の見直しは、新卒採用コスト削減の鍵です。自社に最適な求人媒体を選ぶことで、費用対効果を高めることができます。大手の求人媒体を利用すれば広範なリーチが得られますが、必ずしも高い応募率に結びつくとは限りません。ニッチな媒体や特定の業界に特化したプラットフォームを活用することで、ターゲットに近い求職者を効率よく集めることも十分可能です。定期的に媒体のパフォーマンスを評価し、最適化を図りましょう。

ミスマッチを防ぐカジュアル面談の活用

採用活動におけるミスマッチを防ぐためには、カジュアル面談や社内交流イベントを積極的に導入することが効果的です。求職者と企業との距離が近く、和やかな雰囲気で交流する機会を設けることで、企業と求職者の相互理解を深めるとともに内定辞退や早期離職を減少させる効果が狙えます。

入社前後のサポート体制の強化

内定者フォローを強化は、内定辞退や早期退職の防止や追加の採用コストの削減につながります。内定者を対象とした研修や社内イベントを定期的に開催し、企業文化への理解を深める機会を提供する方法が一般的です。内定者が入社前から企業の一員としての意識を持ちやすくなり、入社後の定着率向上が期待できます。

採用プロセスの効率化

採用活動における内部コストを削減するために、プロセス全体の見直しは定期的に行いましょう。効率的な選考フローの構築は、人件費や時間の無駄を省くために重要です。オンライン面接を導入したり、面接回数を最適化したりすることで、プロセスの合理化を図ります。また、デジタルツールを活用して応募者情報の管理を効率化し、担当者の作業負担を軽減するのもよいでしょう。

SNSを活用した広報活動

SNSを活用することで、低コストでの採用広報が可能になります。YouTubeやInstagram、X(旧Twitter)などのプラットフォームを利用し、企業の魅力を効果的に発信しましょう。SNSは広いリーチを持ち、ターゲット層に直接アプローチできるため、求職者との接点を増やし、応募数を増やせます。

特に、企業のカルチャーや社員の声を伝える投稿は求職者の関心を引きやすいです。また、定期的に投稿することで企業の認知度が高まれば、応募者数が増える可能性もあります。SNSや自社の採用サイトを効果的に活用し、企業の魅力を積極的に伝えていきましょう。

助成金制度の活用

採用にかかるコストを抑えるための方法として、雇用に関連する助成金の利用は有効です。政府や自治体が提供する助成金の支給条件をチェックし、支給対象に該当するのであれば積極的に利用しましょう。助成金の審査から認定、支給までは時間がかかるため、支給条件のチェックは早めに行っておくことをお勧めします。

新卒採用における効果測定の重要性

新卒採用の効果を最大化するためには、採用プロセスの継続的な効果測定と改善が不可欠です。適切な効果測定と改善プロセスを導入することで、採用活動の質を向上させ、コスト効率を最大化することができます。

採用のROI分析

採用のROI(投資対効果)分析は、どの採用チャネルや手法が最も費用対効果が高いかを把握するための重要な手段です。ROI分析を行うことで、採用活動に投入した資源がどの程度の成果を生んでいるかを定量的に評価できます。ROI分析の結果は、採用戦略の策定において、チャネルの選定や運用の改善のヒントとなります。

ROI分析のステップ

まずは、採用にかかったコスト(広告費、人件費、ツール利用料など)を詳細に記録し、採用の成果(応募者数、内定者数、採用者数)と照らし合わせます。

次に、採用成功率、応募から内定までの期間、内定辞退率などのKPI(重要業績評価指標)を設定し、各採用チャネルごとに効果を分析します。採用コスト総額、採用単価、新入社員の定着率、採用所要時間などが効果的なKPIです。

続いて、費用対効果の計算を行い、各チャネルの採用にかかったコストと成果を比較します。ROIが高いほど、そのチャネルが効率的であることを示します。

最後に、分析結果を基に、効果的なチャネルに資源を再配分し、効果の低いチャネルについては改善策を検討します。

まとめ

新卒採用は企業にとって重要な活動だけに、かかるコストは軽視できるものではありません。しかし、適切なコスト管理と効果的な戦略を持つことで、採用活動を効率化し、優秀な人材を確保することが可能です。長期的な視点での採用戦略を構築し、常に改善を続けることで、企業は持続的な成長を実現できます。市場の変化に柔軟に対応し、未来の成功に必要な人材基盤を確保するために、費用対効果を考慮しながら積極的な新卒採用を進めてみてください。

DYMの新卒紹介サービスを活用することで、採用活動の費用と時間の削減が期待できます。DYMは、企業の求める条件に合致した新卒人材を厳選し、効率的なマッチングをサポートします。

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【筆者・監修者企業】

株式会社DYM

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「世界で一番社会を変える会社を創る」というビジョンのもと、WEB事業、人材事業、医療事業を中心に多角的に事業を展開し、世界で一番社会貢献のできる会社を目指しています。時代の変化に合わせた新規事業を生み出しながら世界中を変革できる「世界を代表するメガベンチャー」を目指し、日々奮闘しています。

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