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プログラマーが業務委託で働くメリット・デメリット|契約前に確認すべきことも解説

公開日:2024.11.13  更新日:2024.11.20

プログラマーとして働く方法の一つに、業務委託契約があります。正社員とは異なる働き方ですが、そのメリットとデメリットを理解し、自分に合った働き方かどうかを判断することが大切です。この記事では、プログラマーが業務委託で働く際のメリットとデメリット、そして契約前に確認すべき重要なポイントを詳しく解説します。業務委託でのキャリアを検討する際の判断材料にしてください。

<この記事で紹介する3つのポイント>

  • プログラマーが業務委託契約で働くメリット・デメリット
  • 業務委託案件の探し方には、クラウドソーシング、SNS、エージェントの活用など複数の方法がある
  • 業務委託契約締結時には、業務内容、報酬、契約期間などを慎重に確認することが重要

正社員と業務委託契約の違い

プログラマーとして働く際に、正社員と業務委託契約では様々な点で違いがあります。主な違いは、働き方、収入、そして社会保障の面で顕著です。これらの違いを理解することで、自分に適した働き方を選択できるでしょう。それぞれの違いについて詳しく解説していきます。

働き方

正社員と業務委託契約では、働き方が異なります。正社員の場合、会社の指示に従って決められた時間と場所で働くのが一般的です。一方、業務委託契約の場合は、契約内容に記載がない限り、仕事の進め方や時間管理を自分で決めることができます。

例えば、業務委託契約のプログラマーは、自宅やコワーキングオフィスなどでの作業が可能です。時間帯についても、深夜や早朝など、最も集中できる時間帯に作業できます。ただし、この自由さゆえに、自己管理能力は不可欠です。納期を守り、質の高い成果物を提供するためには、自分で計画を立て、実行する強い意志と実行力が求められます。

収入

正社員の場合、毎月一定の給与が支払われ、賞与や昇給の可能性があるのに対して、業務委託契約は報酬が案件ごとに決められ、成果物の納品や作業時間に応じて支払われます

業務委託契約のプログラマーは、自分のスキルや経験に応じた単価の案件を選ぶことができます。複数の案件を同時に受注して収入を増やすことも可能ですが、案件が途切れると収入がなくなるため、常に新しい案件を探す努力が必要です。

社会保障

社会保障の面でも、正社員と業務委託契約では大きな違いがあります。正社員の場合、会社が健康保険や厚生年金の保険料を負担し、雇用保険にも加入できます。一方、業務委託契約は雇用されていないため、社会保障は自己負担です。

業務委託契約のプログラマーは国民健康保険や国民年金に加入する必要があります。また、雇用保険には加入できないため、失業時の保障がありません。そのため、自分で貯蓄や保険を活用して、将来の不安に備える必要があります。

業務委託契約の種類

業務委託契約には準委任契約、請負契約、委任契約と3つの種類があり、それぞれ仕事の進め方や責任の範囲が異なります。特徴を理解して、自分に適した契約形態を選択しましょう。3つの契約形態について、それぞれ詳しく説明していきます。

準委任契約

準委任契約は、プログラマーが特定の業務を遂行することを約束する契約形態です。成果物の完成ではなく、業務の遂行そのものが目的となります。つまり、プログラマーは与えられた業務を誠実に行えば、契約上の義務を果たしたことになるのです。

準委任契約のメリットは、業務の遂行過程で予期せぬ問題が発生しても、それによって契約が破棄されるリスクが低いことです。また、クライアントの指示に従って作業を進めるため、比較的安定した収入を得やすいという特徴があります。

一方、クライアントの指示に従う必要があるため、自由度が低くなる点がデメリットです。成果物の完成ではなく業務の遂行が目的となる以上、プログラマーの技術力や創造性はあまり発揮できないかもしれません。

請負契約

請負契約は、プログラマーが特定の成果物を完成させることを約束する契約形態です。クライアントから指定された仕様に基づいて、独立して作業を進めます。成果物が完成し、クライアントに納品されて検収が完了した時点で、契約上の義務は完了します。

請負契約のメリットは、作業の進め方や時間管理を自由に決められることです。プログラマーの技術力や創造性を十分に発揮できる環境が整いやすいといえるでしょう。また、効率よく作業を進めれば、高い収入を得られる可能性があります。

ただし、成果物の完成まで報酬が支払われないため、作業が長引くと収入が不安定になりやすいです。成果物に不具合があった場合は修正を求められますし、仕上がりに不備がある、納品が大幅に遅れたといった問題が起きると損害賠償を求められるケースも稀にあります。

委任契約

委任契約は、プログラマーがクライアントの代わりに特定の法律行為を行うことを約束する契約形態です。

元々委任契約は主に弁護士や税理士などの専門家が結ぶ契約形態で、プログラマーの契約形態としてはあまり一般的ではありません。ただし、プログラマーがプロジェクトマネージャーとしての役割も担うといった場合は、委任契約が適用されることもあります。クライアントの利益を最大限に考慮して行動する義務が生じるため、慎重な作業が必要となるでしょう。

プログラマーが業務委託契約で働くメリット

プログラマーが業務委託契約で働く場合、以下のようなメリットがあります。

  • やりたい業務ができる
  • 実力が年収に直結する
  • 自分のペースで仕事ができる
  • 人間関係によるストレスが少ない

これらのメリットは、プログラマーのキャリア発展と生活の質の向上につながりやすいです。それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。

やりたい業務ができる

プログラマーが業務委託契約で働くメリットの一つは、自分のやりたい業務を選択できることです。正社員として働く場合、会社の指示に従って与えられた業務をこなす必要がありますが、業務委託の場合は自分の興味や専門性に合った案件を自分で選ぶことができます。

例えば、Webアプリケーション開発に興味があるプログラマーは、その分野の案件に絞って受注することが可能です。新しい技術やプログラミング言語を学びたい場合は、それらを使用する案件を積極的に選ぶことで、スキルアップにつなげることができます。

自分の興味や目標に合わせて業務を選択できることは、プログラマーとしての成長や満足度の向上につながるでしょう。得意分野の案件を中心に受注すれば、より高品質な成果物を提供できるため、クライアントからの信頼も上がりやすいです。

実力が年収に直結する

実力が直接年収に反映されやすいこともメリットの一つです。正社員の場合、年功序列や会社の規定によって給与が決まることが多いですが、業務委託の場合は自分のスキルや実績に応じて報酬を交渉できます。

特定の分野で高度な技術を持っているなら、その技術を必要とする高単価の案件を受注することは比較的簡単な上に、報酬も高めに提案しやすいです。効率よく質の高い成果物を提供できれば、クライアントからの評価が上がり、次の案件でより高い報酬を得られる可能性も高まります。

リソースさえ確保できれば、複数の案件を同時に進行させてより多くの収入を得ることも可能です。実力が年収に直結するということは、自己研鑽の動機にもなり、プログラマーとして成長できるでしょう。

自分のペースで仕事ができる

自分のペースで仕事ができることも、業務委託契約で働くメリットといえます。正社員として働く場合、会社の就業時間に合わせて働く必要がありますが、業務委託の場合は、自分の最も効率の良い時間帯に作業することができます

例えば、朝型のプログラマーは早朝から作業を始め、夕方の早い時間に仕事を終えても問題ありません。夜型なら深夜に集中して作業することも可能です。平日に個人的な用事があっても、週末に作業時間を確保して納期に間に合わせればいいので、スケジューリングは非常に柔軟です。

自分のライフスタイルに合わせて仕事のペースを調整できると、ワークライフバランスの向上につながります。生産性も上がり、より質の高い成果物を提供できるでしょう。

人間関係によるストレスが少ない

正社員として働く場合、職場の同僚や上司との人間関係に悩まされることもありますが、業務委託の場合は、そのようなストレスから解放されるメリットがあります。

リモートワークで業務を行う場合、クライアントやチームメンバーとのコミュニケーションは主にオンラインのため、不必要な人間関係のしがらみに巻き込まれることが少ないです。複数のプロジェクトに参加する場合でも、それぞれのプロジェクトで新しい人間関係を築くことができるため、特定の人間関係に悩まされることは少なくなります。

ただし、人間関係を完全に避けられるということではありません。プロジェクトを成功させるためには、クライアントやチームメンバーとの良好なコミュニケーションは不可欠です。業務に直接関係のない人間関係のストレスが軽減されより仕事に集中しやすい環境が整うという意味でとらえてください。

プログラマーが業務委託契約で働くデメリット

業務委託契約でプログラマーとして働くことには、自由度の高さや高収入の可能性など多くの魅力がありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。ここでは、主に3つのデメリットについて詳しく解説します。

  • 労働基準法が適用されない
  • 福利厚生がない
  • 業務上のトラブルは自己責任

これらのデメリットを把握した上で、業務委託契約を選ぶかどうかを検討しましょう。

労働基準法が適用されない

業務委託契約は、労働基準法が適用されません。正社員の場合は労働時間や休日、残業代などが労働基準法によって保護されていますが、業務委託の場合はこれらの保護の対象外です。

長時間労働や深夜労働に対する割増賃金の規定がないため、クライアントから無理な要求があって時間がかかる作業でも、時間を割いて対応しなければいけません。有給休暇の制度もないため、休暇を取る際は自分でスケジュール調整を行う必要があります。

このデメリットをカバーするためには、契約時に労働条件をしっかりと確認し、必要に応じて交渉することが重要です。長時間労働や休日出勤が必要な場合の追加報酬について、あらかじめ契約書に明記しておくとよいでしょう。適切な作業時間の配分と休息の確保ができるよう、スケジュール調整はクライアントに流されすぎないことが大切です。

福利厚生がない

会社員のような福利厚生が受けられないこともデメリットといえるでしょう。正社員の場合、健康保険や厚生年金、雇用保険などの社会保険に加入でき、個人の負担額は軽減されます。しかし、業務委託の場合はこれらすべてが自己負担です。

国民健康保険や国民年金への加入、確定申告の実施など、自分で手続きを行い、保険料や税金を支払う必要があります。病気やけがで働けなくなった場合の所得保障や、退職金制度などがないという前提で、働き方を考えることが重要です。

計画的な資金管理と適切な保険加入は必須と考えましょう。収入の一部を定期的に貯蓄し、将来の不測の事態に備えたり、民間の医療保険や所得補償保険に加入して病気やけがのリスクに対応したりといった工夫が必要です。iDeCoなどの個人型確定拠出年金を活用して、いざという時のお金は自分で準備しましょう。福利厚生がないデメリットは、細やかな対策で十分対策可能です。

業務上のトラブルは自己責任

業務委託契約で働く場合、業務上のトラブルはすべて自己責任となることを覚えておく必要があります。正社員なら、仕事上のミスや問題が発生した場合会社のバックアップを受けられることがありますが、業務委託の場合はそのような保護がないからです。

納品したプログラムにバグが見つかった場合、その修正にかかる時間や費用が自己負担となる可能性は非常に高いでしょう。クライアントとの認識の違いによるトラブルや、納期遅延による損害賠償請求なども、すべて自分で対処しなければなりません。

契約内容を明確にし、業務範囲や責任の所在を事前に明確にしておくことは有効です。プロジェクトの進捗状況を常にクライアントと共有し、問題が大きくなる前に対処するとトラブルを回避しやすくなります。専門的な賠償責任保険に加入し、万が一のトラブルに備える方法もよいでしょう。

技術面では、テストの徹底やコードレビューの実施など、品質管理を徹底しておくとトラブルのリスクを低減できます。最新の技術動向をキャッチアップし、スキルアップを図ることで、より高品質な成果物を提供できるでしょう。業務上のトラブルが自己責任となるリスクを回避するために、作業や納品、スケジュール管理は慎重に進めることが大切です。

フリーランスのプログラマーが業務委託案件を探す方法

フリーランスのプログラマーが安定した収入を得るには、継続的に良質な業務委託案件を獲得することが不可欠です。案件探しは簡単ではありませんが、プログラマー自身のスキルや経験、希望する働き方によって最適な方法を選べば受注率を上げられます。ここでは、主な3つの案件探しの方法について詳しく解説します。

  • クラウドソーシングサイトで探す
  • SNSを活用して探す
  • エージェントを利用して探す

ひとつずつ解説しますので、自分に合った案件探しの戦略を立てる参考にしてください。

クラウドソーシングサイトで探す

クラウドソーシングサイトとは、インターネット上で作業を委託する、または案件を探す個人や企業のためのプラットフォームです。仕事の受発注から報酬の支払いまでをすべてオンラインで対応できる仕組みで、プログラマーにとっては手軽に案件を探せる方法として多用されています。

クラウドソーシングサイトの大きなメリットは、多様な案件が豊富にあることです。小規模な案件から大型プロジェクトまで幅広い案件があり、自分のスキルやスケジュールに合わせて案件を選べます。実績によってランク付けがされ、ランクが上がるほどプラットフォーム内での評価が上がり、より良い案件を獲得しやすくなる仕組みです。

ただし高報酬の継続案件は競争が激しく、営業力がないと獲得できません。クライアントとのやり取りはオンラインが中心であり、ミスコミュニケーションが発生するリスクもあります。

自分のスキルレベルに合わせて案件を選択できるクラウドソーシングサイトは、経験の浅いプログラマーや、副業として案件を探している人向きです小規模な案件から始めて徐々に実績を積み、スキルアップしながら大きな案件にチャレンジできます。特定の技術に特化したスキルを持つプログラマーにとっても、技術を活かせる案件を見つけやすいでしょう。

SNSを活用して探す

SNSを活用して業務委託案件を探す方法も、近年注目を集めています。特に、X(旧Twitter)やLinkedInなどのプラットフォームでは、多くの企業や個人が案件情報を発信しています。

SNSを活用する最大のメリットは、リアルタイムで最新の案件情報を入手できることです。直接クライアントとコンタクトを取れるため、案件の詳細を確認しやすく、ミスマッチを防ぐことができます。自身のスキルや実績を上手にアピールできれば、案件の獲得率を高められるでしょう。

情報の信頼性の確認が難しい点はデメリットと言えます。継続的な情報発信や人脈形成が必要となるため、案件獲得までに時間と労力がかかるのもネックです。

SNSを活用した案件探しは、コミュニケーション能力が高く、自己PRが得意なプログラマーに向いています特定の技術分野に特化したスキルを持つプログラマーにとっては、その分野のコミュニティに参加すると専門性の高い案件を見つけやすいでしょう。フリーランスとしてのブランディングを重視するなら、拡散力があるSNSを駆使してアピールすると効果的です。

エージェントを活用して探す

エージェントを活用して業務委託案件を探す方法は、多くのフリーランスプログラマーに選ばれています。エージェントは、企業とフリーランスの間に立ち、適切なマッチングを行うプロです。

エージェントを利用する最大のメリットは、多くの企業とのネットワークを持ち、未公開案件の情報も多いため、質の高い案件を効率的に見つけられることです。契約条件の交渉やスケジュール調整などのサポートも受けられるため、プログラマーは本業に集中できます。長期的なキャリアプランに基づいた案件紹介を受けられる点も魅力的です。

ただし、エージェントの手数料により直接契約と比べて報酬が低くなる可能性があるのがデメリットです。エージェントによっては、特定の分野の案件に偏り、希望する案件が見つからない場合もあります。

エージェントの活用は、経験豊富なプログラマーや、高単価の案件を求めているプログラマー向きです自分でクライアントを探す時間がない人や、交渉が苦手な人にとっても、エージェントは強力な味方となるでしょう。長期的なキャリア形成を考えている人は、エージェントのアドバイスを有益に生かすことが大切です。

業務委託契約の流れ

プログラマーが業務委託契約を結ぶ際には、一定の手順を踏むことが重要です。適切な契約プロセスを経ることで、後々のトラブルを防ぎ、スムーズな業務遂行が可能となります。ここでは、業務委託契約の一般的な流れを以下4つのステップに分けて解説します。

  • 契約内容についてすり合わせる
  • 業務委託契約書を作成する
  • 契約書の内容に齟齬や認識の違いがないか双方で確認する
  • 業務委託契約書を締結する

これらの手順を理解し、慎重に進めることで、プログラマーとクライアント双方にとって有益な契約関係を築くことができるでしょう。

①契約内容についてすり合わせる

業務委託契約の最初のステップは、クライアントとプログラマー双方による契約内容のすり合わせです。業務の具体的な内容や期間、報酬、納期などの基本的な条件について話し合います。

開発するシステムの仕様や機能、使用する技術、開発環境などの技術的な詳細や、報酬単価や支払い方法、支払い時期なども具体的に決めなければいけません。作業場所や勤務時間、報告の頻度なども、この段階で確認しておくとよいでしょう。

曖昧な表現や理解を避け、できるだけ具体的かつ明確な言葉で合意を形成することが重要です。クライアントの期待と自身の能力や経験とのギャップがないか、慎重に確認してください。もし不明な点や疑問があれば、この段階で徹底的に解消しておくことが、後々のトラブル防止につながります。

②業務委託契約書を作成する

契約内容のすり合わせが完了したら、次は実際に業務委託契約書を作成します。通常、契約書はクライアント側が用意しますが、プログラマー側から雛形を提案することもあります。

契約書には、前段階で合意した内容を詳細かつ正確に記載します。業務内容をはじめ契約期間や報酬、支払い条件、納品物の定義、知的財産権の帰属、秘密保持義務、契約解除の条件などが含まれます。不可抗力による遅延や損害賠償の規定なども、必要に応じて盛り込みましょう。

注意点したいのは、専門用語や法律用語の意味を十分に理解した上で契約書を確認することです。将来起こりうる様々なケースを想定し、それぞれの場合の対応方法も可能な限り明記しておきましょう。とはいえすべてのケースを網羅することは不可能なので、主だったケースを明記し、その他詳細は都度協議としておくと不利にはなりません。

③契約書の内容に齟齬や認識の違いがないか双方で確認する

契約書の草案が完成したら、クライアントとプログラマーの双方で内容を慎重に確認します。契約書の内容に齟齬や認識の違いがないかを確認し、修正点があれば対応してもらいましょう。

契約書の各条項を一つずつ読み合わせ、それぞれの解釈や意図を確認します。特に、業務内容や納期、報酬に関する部分は重点的なチェックが必要です。責任の範囲や知的財産権の帰属、秘密保持義務の範囲なども、双方の理解が一致しているか確認してください。

この段階で些細な疑問点や違和感があったら、話を進めないことです。契約締結後に「こういう意味だと思っていた」という認識の違いが発覚すると、大きなトラブルにつながりかねません。修正が必要な場合は、その都度両者の合意を得て、契約書に反映させることが重要です。

④業務委託契約書を締結する

最後のステップは、業務委託契約書の締結です。双方が合意した最終版の契約書に署名・捺印を行います。契約書は2部作成し、クライアントとプログラマーがそれぞれ1部ずつ保管する形が一般的です。

契約書の締結方法には、対面で行う方法と、郵送やオンラインで行う方法がありますが、近年では、電子署名を利用した締結も増えてきました。どの方法を選択するかは、双方の合意のもとで決定しましょう。

署名・捺印の前に、最終的な契約書の内容を再度確認してください。特に、修正箇所がある場合は、その部分が正しく反映されているか慎重にチェックします。契約書の保管には十分注意し、必要に応じて電子データとしても保存しておくことをおすすめします。

契約締結後は、契約書に基づいて業務を遂行することになりますが、業務の進行中に予期せぬ状況が発生した場合は、まず契約書の内容を確認してください。必要に応じてクライアントと協議し、柔軟に対応することが大切です。

業務委託契約を締結する際に確認すべきこと

プログラマーが業務委託契約を締結する際、契約書の内容を慎重に確認することは極めて重要です。適切な確認を怠ると、後々のトラブルや不利益につながる可能性があります。ここでは、契約締結時に特に注意すべき6つのポイントについて詳しく解説します。

  • 契約形態・業務内容に齟齬はないか
  • 報酬・経費について記載されているか
  • 契約期間は記載されているか
  • 稼働時間について記載されているか
  • 損害賠償について記載されているか
  • 不利な内容が記載されていないか

これらの項目を丁寧に確認することで、プログラマーは自身の権利を守り、クライアントとの良好な関係を築くことができるでしょう。

契約形態・業務内容に齟齬はないか

契約形態(準委任契約か請負契約か)と業務内容が明確に記載されているか確認しましょう。業務内容には具体的な作業範囲、成果物の定義、納期などが含まれます。これらに齟齬がないか、自分の理解と一致しているか慎重にチェックしてください。

報酬・経費について記載されているか

報酬額、支払い方法、支払い時期が明確に記載されているか確認します。業務に必要な経費の負担についても明記されているか確認しましょう。曖昧な表現がある場合は、具体的な数字や条件を明記するよう求めてください。

契約期間は記載されているか

契約の開始日と終了日が明確に記載されているか確認します。契約の更新や延長に関する条件も確認しましょう。自動更新の有無や、更新時の条件変更の可能性についても確認が必要です。

稼働時間について記載されているか

期待される稼働時間や稼働日数が明記されているか確認します。フルタイムか、パートタイムか、また週何日の稼働が期待されているのかを明確にしておくことが重要です。残業料金の有無や計算方法についても確認しましょう。

損害賠償について記載されているか

業務遂行中に発生した損害に対する賠償責任の範囲と限度額が明記されているか確認します。過度に厳しい賠償条件になっていないか、注意深くチェックしてください。必要に応じて、条件の緩和や賠償保険の加入を検討しましょう。

不利な内容が記載されていないか

競業避止義務や秘密保持義務などの制約事項が、過度に厳しくないか確認します。一方的な契約解除条件や、著作権の全面譲渡など、プログラマーに不利な条件がないかチェックしてください。疑問点があれば、交渉や修正を求めることが大切です。

まとめ

プログラマーが業務委託契約で働く際には、メリットとデメリットを十分に理解し、適切な契約内容を確保することが重要です。自由な働き方や高収入の可能性がある一方で、労働基準法の適用外となることや福利厚生がないなどのデメリットもあります。契約締結時には、業務内容や報酬、契約期間などを慎重に確認し、自身の権利を守ることが大切です。

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【筆者・監修者企業】

株式会社DYM

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「世界で一番社会を変える会社を創る」というビジョンのもと、WEB事業、人材事業、医療事業を中心に多角的に事業を展開し、世界で一番社会貢献のできる会社を目指しています。時代の変化に合わせた新規事業を生み出しながら世界中を変革できる「世界を代表するメガベンチャー」を目指し、日々奮闘しています。

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