Page Top
タイの都心部は医療水準が高く様々な保険があるため、現地で病気にかかった場合でも適切な医療を受けられるでしょう。しかし、日本とタイの医療事情や医療保険制度は大きく異なるため、タイへ渡航する前に把握しておく必要があります。
本記事ではタイの医療事情や保険制度のみではなく、日本人向けの医療サービスについても詳細に解説します。長期滞在される方はぜひ参考にしてください。
<この記事で紹介する3つのポイント>
目次
タイの医療水準は、特に都市部において高いレベルを維持しています。バンコクなどの大都市には、最新の医療機器を備えた病院が多数存在し、日本の医療水準と比較しても遜色ないでしょう。
大規模な民間医療機関では、英語を話せるスタッフが多く、外国人患者へも対応しています。ただし、都市部と地方、公立病院と私立病院、個々の病院によって医療設備や対応、医療費が異なります。主要都市の公立病院や私立病院では医療事情は良好です。
私立病院は全て自由診療で全て自己負担となる点には注意しなければなりません。私立病院を利用すると治療費が高額になってしまうケースがあるため、事前に保険制度についてチェックしておいた方がよいでしょう。
タイの医療保険は主に公的医療保険制度と民間医療保険制度に分類されます。
公的医療保険制度は3種類あり、保険の種類によって対象者や受けられるサービスが異なります。日本人の場合、タイの企業に雇用されていると一部の公的医療保険制度を利用が可能です。
より高度な医療サービスを受けたいと考える場合や公的医療保険制度の対象外であるケースでは、民間医療保険制度への加入を検討するとよいでしょう。
タイの公的医療保険制度は主に以下の3つが存在します。
・公務員医療給付制度(CSMBS)
・社会保険制度(SSS)
・国民医療保障制度(UC)
この3種類の公的医療保険制度で、ほぼ全てのタイ国民が何らかの医療サービスを受けられるようになっています。「公務員医療給付制度」と「国民医療保障制度」はタイ国民向けで日本人は加入できませんが、日本人でもタイの会社に雇用されると「社会保険制度」に加入可能です。
それぞれの保険で受けられる医療サービスは異なりますが、緊急時はどの医療機関でも無料で受診できるというのが特徴です。それぞれの保険について解説します。
タイの公務員医療給付制度は1980年に作られました。政府職員とその家族が対象で、税金で運営されています。この制度の特徴は、どの病院でも自由に医療サービスを受けられ、また受診時の自己負担がないことです。
利用できるサービスは幅広く、診察から看護、薬、救急車まで必要なものはほとんど含まれます。ただし、私立病院に入院したり、事前に決めていない病院で治療を受けたりすると、お金がかかることもあります。緊急時は近くの病院であると、どこでも無料で受診できるため突然の病気やケガでも安心です。
タイの社会保険制度1991年にスタートし、民間の被雇用者を対象としています。被雇用者の家族は保険の対象に含まれない点に注意が必要です。
日本人でタイの企業に雇用されたケースでは社会保険制度が利用できます。
保険料は従業員と雇用主が共同で負担し、さらに政府も資金を出しています。利用者はあらかじめ登録した医療機関のみでしか診療を受けられません。
一定額までは自己負担なしで医療サービスを受けられます。出産の時はどの契約病院でも受診可能です。急な病気やケガの時は、近くのどの病院でも無料で診てもらえます。
国民医療保障制度(UC)
タイの国民医療保障制度は2002年に始まり、タイ国民の4分の3ほどが加入しています。
国民医療保障制度は「30バーツ保険」と呼ばれています。診察や入院の度に30バーツ(約120円)のみ払えば、治療が受けられるためです。農家や自営業など、公務員や被雇用者以外の人々が保険の対象です。
受けられる医療サービスは主に急な病気やケガの治療が中心ですが、エイズの治療や予防も保険適用に含まれます。普段は決まった病院でしか診てもらえず、そのほとんどが公立の医療機関です。
必要な場合は他の病院を紹介してもらえ、緊急時は近くのどの病院でも無料で診てもらえます。
日本人を含む外国人は主に民間医療保険制度を利用するでしょう。タイの企業に雇用されている場合のみ、外国人がタイの公的医療保険に加入可能なためです。民間医療保険への加入は以下のメリットがあります。
・通える医療機関の選択肢が増え、私立病院での医療サービスを受けやすくなる
・保障内容が公的医療保険よりも充実している
保障内容の例として、入院・手術費用の補填や、高度な医療機器を使えるなど、幅広い保障があります。外国人向けのプランも提供されており、言語サポートなどのサービスもあるでしょう。
民間医療保険の事業者は70社と選択肢が多く、保険によって保険料や保障内容は様々なため、目的に合った保険を選択しましょう。
タイの公的医療機関と民間医療機関には、サービス、費用面で大きな違いがあります。具体的には以下の点で異なります。
・待ち時間
・言語対応
・費用
タイでは4分の3が公的医療機関で4分の1が民間医療機関です。タイの公的医療機関は全体の約7割を占め、都市部と地方のどちらにも設立されています。待ち時間に関しては、公的機関では患者数が多く長時間待つことが多いですが、民間の機関は予約制が一般的で待ち時間が比較的短いです。
言語対応では、公的機関はタイ語が中心で英語対応できる病院が限られますが、民間の医療機関は英語対応できる病院が多く、一部の病院では日本語対応も可能です。
費用面では、公的機関は比較的安いですが、民間機関では全額自己負担となり、高額になります。ただし、民間機関では質の高いサービスを受けられるでしょう
タイの民間医療機関は約2割が都市部に存在しており、JCIの認証を取得している病院が61か所あります。
JCIとは、医療施設を評価するアメリカの第三者評価機関Joint Commission International(JCI)のことで、世界の中で最も厳しい基準を持つ医療施設評価機構です。JCIは医療の質と安全性に対して1,210の項目を評価して国際的な認証を下しています。
認証されている病院は、国際的な評価軸において医療の質が担保されているとして病院を選ぶ際の参考にできるでしょう。
医療費の自己負担が必要とはいえ、高度な医療や外国語での対応を望む場合は、民間医療機関を選択肢に入れるとよいでしょう。民間医療機関を利用する際には民間医療保険制度を利用するのがオススメです。
タイの医療費は、公的医療機関と民間医療機関で大きく異なります。バンコクの私立病院における医療費の目安は以下のとおりです。
項目 | タイ(バンコク)の医療費(円) |
---|---|
救急車 | 公営:無料民営:7,200~15,000 |
初診料 | 3,000~4,500 |
入院の際の部屋代(1日あたり) | 個室:33,500~40,100ICU:55,400 |
虫垂炎手術(盲腸)の治療費・医療費 | 総費用:480,000平均入院日数:3日 |
骨折時の治療費(橈骨末端閉鎖性骨折) | 30,000 |
タイの医療費は受診する病院によって異なります。普段の診療なら比較的安く済みますが、緊急手術や高度な医療サービスを受ける場合は、かなりの出費になることもあるでしょう。
タイの医療費には以下の特徴があります。
・私立病院の費用は公立病院よりも高額
・国際病院はさらに高額
・薬代は比較的安価
・支払い方法の多様性
・事前見積もりの重要性
公立病院では比較的低額で受診できますが、私立病院では全額自己負担または民間保険での支払いになり受診料は高額です。外国人向けの国際病院では、さらに高額な医療費がかかります。処方薬の費用は、日本と比べて比較的安価です。
タイでは現金のほか、クレジットカードでの支払いも一般的に利用されています。民間保険を利用する場合は、保険会社による直接支払いも可能です。高額な治療や手術を受ける場合は、事前に費用の見積もりを取りましょう。
タイの医療費は、日本と比べると全体的に安価ですが、私立病院や高度な医療を受ける場合は相応の費用がかかります。そのため、適切な医療保険への加入を検討するのが重要です。
長期滞在する場合は緊急医療について把握するのが重要です。緊急医療に関して、以下の点について把握しておくとよいでしょう。
・タイの緊急医療体制
・緊急医療にかかる費用
それぞれ解説します。
タイの緊急医療体制は、特に大都市で整備されています。救急車を呼ぶには以下の選択肢があります。
・公立病院の無料救急車(電話番号1669)
・民間病院の有料救急車
・観光警察の無料救急車(電話番号1155、英語対応可)
公立病院の無料救急車では、状況をタイ語で説明して要請しなければなりません。タイ語を話せるか不安な場合は日本語対応可能な民間の病院に電話して救急車を要請しましょう。民間の病院に救急車を要請した場合は、救急車の移動距離や治療内容に応じて費用が請求される点に注意が必要です。
地方では緊急医療施設が限られるケースがあるため、滞在地域の医療事情を事前に確認しておきましょう。
緊急医療の費用は、状況や受診する病院によって大きく異なります。特に重篤な症状や緊急性の高い疾患に見舞われた場合、入院や手術、さらには医療搬送が必要となり、それに伴って費用が膨らむ傾向です。
心臓や脳に関連する深刻な疾患(大動脈乖離、心筋梗塞、脳内出血など)や、腫瘍、骨折といった手術を要する状態に陥った際に、高額の医療費が発生しています。また、症状の重さに応じて、家族の駆けつけや医師・看護師の付き添いによる医療搬送が行われることもあり、これらも費用増加の要因となっています。さらに、入院期間が長期化するほど、総額が上昇する傾向も見られ、場合によっては数百万もの費用がかかることもあるのが特徴です。
タイでの緊急医療は、適切な準備と対応により、質の高い医療サービスを受けることができます。しかし、タイでの医療費はしばしば高額となるため、渡航前に保険に加入するのを検討しましょう。
タイ、特にバンコクでは日本人向けの医療サービスが充実していて、言語の壁を感じることなく安心して医療を受けたいというニーズにぴったりです。
バンコクには日本語が通じる病院が数多くありますが、全ての医療施設で対応可能であるとは限りません。特に公立病院や地方の小さな診療所では、日本語での対応ができないケースがよくあります。病院を訪れる前に、そのホームページで日本語サービスの有無を調べておくと安心です。
タイ語での会話に不安がある場合は事前に日本語対応可能な病院と日系クリニックを調べておくとよいでしょう。
バンコクを中心に、日本語対応可能な病院が複数存在します。主な病院は以下の通りです。
・バムルンラード国際病院(Bumrungrad International Hospital)
・サミティベート病院(Samitivej Sukhumvit Hospital)
・バンコク病院(Bangkok Hospital)
・ラマ9世病院(Rama 9 Hospital)
・BNH病院(Bangkok Hursing Home Hospital)
上記の病院では、日本語を話せる医師や看護師、通訳スタッフが常駐しており、診察から治療まで日本語でコミュニケーションを図れます。また、以下の病院では日本人向けの人間ドックを常時実施しています。
・バムルンラード国際病院(Bumrungrad International Hospital)
・サミティベート病院(Samitivej Sukhumvit Hospital)
・バンコク病院(Bangkok Hospital)
バンコクには、日本人が経営しているクリニックも複数存在します。特に日本人が多く住んでいる地域にあることが多いため、長期滞在する際には日系クリニックの位置をチェックしておくとよいでしょう。
バンコクにある日系クリニックの例は以下のとおりです。
・DYMクリニック
・サクラクロスクリニック
・ことびあクリニック
・ブレズクリニック
タイの医療サービスは、特に都市部で高水準を誇りますが、地域や施設による格差も存在します。適切な医療を受けるためには、以下の点に注意しましょう。
・自身のニーズに合った医療機関を選択する
・医療費の違いを考慮し、自身に合った医療保険への加入を検討する
・言語面での不安がある場合、日本語対応可能な病院を事前に調べる
事前に準備を整えることで、タイでの滞在をより安心して楽しめます。タイの医療事情を理解し、適切な対策を講じることが重要です。
タイ(バンコク)にあるDYMインターナショナルクリニックは、日本人駐在員と家族の方向けに、高品質な医療サービスを提供してきました。日本語によるサポート、予約優先制、LINEを利用した予約・相談、多数の保険会社とのキャッシュレス決済も利用できます。
豊富な診療科目を揃え、公的医療制度では満たされないニーズにも対応しています。タイに駐在されている方やご家族の方は、ぜひご検討ください。
「世界で一番社会を変える会社を創る」というビジョンのもと、WEB事業、人材事業、医療事業を中心に多角的に事業を展開し、世界で一番社会貢献のできる会社を目指しています。時代の変化に合わせた新規事業を生み出しながら世界中を変革できる「世界を代表するメガベンチャー」を目指し、日々奮闘しています。
SNS広告
(Instagram、Facebook、Twitter、LINE、TikTok)
SNSアカウント運用代行
(Instagram・Facebook・Twitter・LINE・TikTok・Youtube)