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タイには、医療制度として公務員医療給付制度(CSMBS)、社会保険制度(SSS)、国民医療保障制度(UC)の3つが存在します。本記事では、これらの制度の特徴や サービス内容、利用条件、そして医療費の負担について説明するだけでなく、タイの医療費用の実態についても解説します。
タイに駐在する場合は、ご自身だけでなく家族も安心して生活できるよう、充実した医療サービスが受けられるクリニックを選ぶことが重要です。長期滞在を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
<この記事で紹介する3つのポイント>
タイには、公務員医療給付制度(CSMBS)、社会保険制度(SSS)、そして国民医療保障制度(UC)の3種類の医療制度があります。これらの医療制度を通じて、公務員から一般市民まで幅広い層の方々が医療サービスを受けられます。
以下の3種類のタイの医療制度に関して、解説します。
タイの公務員医療給付制度(CSMBS: Civil Servant Medical Benefit Scheme)は、1980年の勅令を基に設立されました。この制度は、政府に勤務する公務員を対象とし、公務員の福利厚生の一環として、税財源により運営されています。公務員医療給付制度の大きな特徴は、受診する医療機関に制限がなく、基本的に受診時の自己負担が発生しない点です。公務員及びその家族は自由に医療サービスを利用でき、追加費用の心配がありません。
受けられる医療サービスは、診療、看護、薬剤、移送など、患者に必要なサービスを幅広くカバーしています。ただし、例外として私立病院での入院や、事前に登録されていない医療機関での治療を受けた場合、一定の自己負担が必要になることがあります。救急医療の場合は、最寄りの病院を選んで無料で治療を受けることができるため、急な病気やけがにも迅速に対応できます。
タイの社会保険制度(SSS: Social Security Scheme)の傷病等給付は、1991年に施行された制度です。民間の被雇用者を対象としており、家族は対象外です。この制度は、労働者、雇用主、そして政府が共同で資金を拠出することで成り立っており、賃金の一定割合が保険料として支払われます。
社会保険制度の下では、加入者は原則として事前に登録した医療機関でのみ治療を受けられ、一定の限度額まで本人負担はありません。出産時の医療サービスは、加入している病院全てで利用可能です。救急医療の場合は、最寄りの病院で無料かつ制限なく治療を受けられます。
タイの国民医療保障制度(UC: Universal Coverage)は、2002年に全面的に施行された制度で、公務員医療給付制度(CSMBS)や社会保険制度(SSS)の適用外である農民、自営業者などを対象としています。
1回の外来診療や入院につき30バーツの自己負担を設けており、「30バーツ医療」として知られています。
国民医療保障制度において受けられる医療サービスは急性期治療が中心ですが、エイズ患者の治療や予防活動も含まれます。加入者は、事前に登録した医療機関でのみ治療を受けることができ、大半が公立病院です。しかし、リファーラル・システムにより、必要に応じて他の医療機関への紹介も可能です。救急医療の場合は、最寄りの病院で無料かつ無制限に受診することができます。
タイの医療制度である、公務員医療給付制度(CSMBS)、社会保険制度(SSS)、国民医療保障制度(UC)。これら3種類の医療制度の医療サービスと利用条件の違いについて、以下の表でまとめました。
制度名 | 対象者 | 本人負担 | 医療サービスの内容 | 医療機関の利用制限 |
公務員医療給付制度 (CSMBS) | 政府に勤務する公務員など | 原則なし(一部例外あり) | 包括的な医療サービス | 制限なし(私立病院や登録外医療機関での治療時に本人負担が発生する場合あり) |
社会保険制度 (SSS) | 15歳以上60歳未満の民間被雇用者 | 一定の限度額まで本人負担なし | 診療、看護、薬剤、移送など | 事前に登録した医療機関でのみ |
国民医療保障制度 (UC) | 公務員医療給付制度や社会保険制度が適用されない農民、自営業者など | 1回の外来や入院につき30バーツ(低所得者などは無料) | 急性期治療中心 | 事前に登録した医療機関でのみ(ほとんどが公立病院) |
タイの医療制度は、公務員医療給付制度(CSMBS)、社会保険制度(SSS)、そして国民医療保障制度(UC)の3種類です。これらの制度は、対象となる人々、本人が負担する医療費、提供される医療サービスの種類、そして利用可能な医療機関の範囲において異なります。
公務員医療給付制度は政府職員とその家族に、原則自己負担なしで広範囲の医療サービスを提供します。社会保険制度は、一定の条件下で民間の被用者に医療サービスを提供し、自己負担が発生することもあります。一方、国民医療保障制度は、公務員医療給付制度と社会保険制度ではカバーされない人々に、主に急性期治療を中心とした医療を低い自己負担金額で提供します。
これらの制度を通じて、タイは国民に対して、それぞれのニーズに合わせた医療保障を実現しており、全ての人が必要な医療サービスにアクセスできるよう努めています。
タイの医療費については、一般的な医療から緊急医療に至るまで、治療内容や保険の種類により大きく異なります。
特に緊急医療の場合は高額な費用が発生することがあり、タイでクリニックを受診する際には、費用や保険の適用範囲を事前に確認しておくことが重要です。
海外の医療費に掲載されているタイの医療費のデータに基づいて、一般的な医療費と緊急医療の場合の医療費に関して説明します。
初診料はタイで3,000円から4,500円、日本では約2,820円です。病院の宿泊費は、タイでの個室が1日あ たり33,500円から40,100円、ICUでは55,400円となっており、日本の医療費と比較して大きな差はありません。
救急車の利用は公営の場合無料ですが、民営では7,200円から15,000円となっています。日本の無料で救急車が利用できる環境とは対照的です。
参考記事:価格.com「タイ(バンコク)の医療費 - 海外旅行保険の必要性」
富裕層は、より高度な医療サービスや治療を提供するクリニックを求め、民間保険を利用する傾向にあります。
公務員やその家族は、政府が提供する手厚い医療制度の恩恵を受けることができますが、民間企業の従業員、農民、自営業者は利用できません。そのため、民間保険が提供する保障の幅の広さや医療の質の高さから、富裕層は民間保険を選択する傾向にあります。
今回の記事では、タイの医療制度と医療費について解説しました。
タイの医療制度は、公務員医療給付制度(CSMBS)、社会保険制度(SSS)、国民医療保障制度(UC)の3種類で構成されています。これらは公務員、民間被用者、その他の国民を対象としており、各制度で 受けられる医療サービスや利用条件が異なります。
タイでの医療サービス利用にあたっては、これらの医療制度の違いを理解し、ご自身や家族のニーズにあったものを選択することが重要です。長期滞在や駐在の際は、これらの情報を踏まえた上で、適切なクリニックを選択することをおすすめします。
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「世界で一番社会を変える会社を創る」というビジョンのもと、WEB事業、人材事業、医療事業を中心に多角的に事業を展開し、世界で一番社会貢献のできる会社を目指しています。時代の変化に合わせた新規事業を生み出しながら世界中を変革できる「世界を代表するメガベンチャー」を目指し、日々奮闘しています。
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