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どんな病気でも適切な治療を受ければ症状の悪化を防げます。そのために必要なのが、健康診断や人間ドックによる早期発見です。人間ドックは検査項目が多いため、さまざまな角度から体の異常を検査できますが、実際に受けるとなると金額が気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、人間ドックに興味がある方のために、人間ドックの目的から、受ける際の流れ、費用を安くする方法まで詳しく解説します。
<この記事で紹介する3つのポイント>
目次
個人の健康状態を詳細に評価するための総合的な身体検査です。通常、20歳以上であれば、誰でも受けられます。人間ドックは健康診断よりも検査項目が多く、脳ドックや心臓ドックのように、特定の部位に特化した検査も存在します。
ここでは、人間ドックの目的と「人間ドック」の名前の由来や意味を説明します。
健康診断や人間ドックには、「病気の早期発見」と「自身の健康状態を把握する」という重要な目的があります。
特に、初期には自覚症状が少ないがんや心臓疾患、生活習慣病などの重大な病気を早期に発見するのに効果的です。定期的な検査を怠ると、治療が難しくなる場合があり、また病気が進行することで治療に伴う身体的・経済的負担が大きくなることもあります。早期に病気を発見し、治療を開始することが、負担を軽減するためには不可欠です。また、健康状態を正確に知っておくことは、病気の早期発見につながります。
人間ドックのドックは、船の検査や修理を行う施設「ドック(dock)」が由来とされています。人間ドックでは、全身を検査し、異常があれば早期治療に結び付けるという点で、船のドックと同様の役割を果たすからです。
船が長い航海の後に点検や修理のためにドックに入るように、人間も健康を維持するために定期的な体のチェックとメンテナンスが必要という考えから、この名前が付けられました。
人間ドックは、一般的な健康診断よりも高額な検査というイメージがありますが、人間ドックと一般的な健康診断はそもそも目的から異なります。ここでは、人間ドックと一般的な健康診断の違いを詳しく紹介します。
健康診断の目的は、年齢に応じた一般的な検査を通して健康状態を把握することです。特に生活習慣病は自覚症状が現れにくいため、毎年の健康診断で早期発見を目指すことが推奨されます。
40~74歳の人を対象にした特定健康診査は、生活習慣病の予防と早期発見が目的です。年に一度の健康診断で自分の健康状態を確認し、生活習慣病やその他の病気の兆候を早期に発見することが重視されています。
一方、人間ドックは健康診断よりも詳細に詳細なチェックをおこない、がんや心疾患、脳疾患などの病気を早期に発見することが目的です。そのため、一般的な健康診断よりも検査項目が多く、胃カメラやCT、MRIなどを使用した精密検査が行われます。
労働安全衛生法により、企業は従業員に対して年に一度の定期健康診断(一般健康診断)が義務付けられています。また、健康診断にかかる費用についても、労働安全衛生法第66条により、健康診断の費用は全額企業負担しなければなりません。
一方の人間ドックは、法律で義務付けられておらず、あくまでも個人の選択に基づいて受診する検査です。法的な義務はないため、受診するかどうか、検査項目、医療機関の選択も個人の判断に委ねられています。
健康診断で行うのは身体計測、血液検査、胸部X線、尿検査といった基本的な検査のみで、必須とされているのは11項目です。また、企業によってはオプション検査を設けておらず、従業員自身が希望する検査項目を受けられない場合もあります。
一方、人間ドックの検査項目は、50~100項目にも及びます。一般の健康診断で行う検査に加え、肺機能検査、胸部・腹部CT検査、腹部超音波検査、腫瘍マーカー、胃カメラ、マンモグラフィなど詳細な検査が含まれます。
さらにオプションとして、細分化された検査を追加することも可能です。検査項目が多い人間ドックを受けて身体を詳細にチェックすることで、健康診断だけでは見つけられない病気を早期に発見できる可能性が高まります。
健康診断や人間ドックは、いずれも病気の予防や健康状態の把握を目的としているため、健康保険は適用されません。健康保険が適用されるのは、病気や怪我の治療に必要な診療に限定されています。
ただし、健康診断や人間ドックを受けて疾病が発見され、精密検査や治療が必要となった場合、その医療行為にかかる費用は健康保険の適用を受けることが可能です。この場合には、診断にかかった費用は医療費控除の対象にもなります。
健康診断の費用の目安は1万円前後、人間ドックは4~10万円程度です。また、いずれも健康保険適用外のため、全額自己負担となります。
健康診断と人間ドックの費用相場に数万円の違いがある理由は、健康保険適用外で医療機関が自由に費用を設定できるためです。費用の違いは、検査項目数だけでなく、医師・看護師人数、医療機関の立地や規模、使用する医療機器、ホスピタリティなどからも生じます。
人間ドックは宿泊する場合は、宿泊施設のグレードも影響するため、一般的な健康診断よりも費用の違いが出やすい傾向があります。
人間ドックの進化により、現在は忙しい方向けに半日や日帰りのプランも提供されています。ここでは、半日・1日人間ドックと、宿泊する人間ドックの違いを解説します。
半日ドックと1日ドックの違いは、検査にかかる所要時間と検査の項目数です。
半日ドックの検査時間の目安は2~5時間、1日ドックの検査時間の目安は7~8時間で、いずれも日帰りコースのため、費用が比較的安くスケジュールも組みやすいメリットがあります。
ただし、半日ドックは検査時間が制限されているため、選ぶ際は検査項目に必要な検査が含まれているか確認することが重要です。
半日ドックでは健康診断と同様の基本的な検査が行われ、1日ドックは基本的な検査に加えてオプション検査が含まれるのが一般的です。
ここでは、半日・1日ドックの検査項目の1例を紹介します。
【半日ドック検査項目例】
【1日ドックの検査項目例】
ただし、検査項目は人間ドックを受ける医療機関によって異なるため、事前にご確認ください。
日帰りドックの費用目安は3~7万円で、同じ医療機関であれば半日ドックより1日ドックの費用のほうが高くなるのが通常です。
オプションで検査を追加した場合は、その費用が追加されます。主なオプション検査の追加費用目安は次の通りです。
文字どおり宿泊を伴う人間ドックを指します。1泊2日のプランが一般的ですが、医療機関によっては2泊3日やそれ以上の日程のプランの選択も可能です。
主な宿泊先は、検査を実施する医療施設内の宿泊施設、提携するホテルや温泉宿、旅館などです。リラックスした環境で検査を受けられるため、リフレッシュを兼ねた健康チェックをしたい方に適しています。
ただし、ホテルに宿泊する場合でも、検査期間中は医療施設の管理下にあり、医療機関による食事制限などの指示には従わなくてはなりません。
宿泊ドックは日帰りドックに比べて滞在時間が長いため、検査項目が多いと思われがちですが、実際にはそうとは限りません。宿泊ドックであっても、検査項目は医療施設や選択したプランによって大きく異なるため確認が必要です。
例えば、1泊2日のプランでは、1日目に基本的な検査を実施し2日目に大腸内視鏡などの専門的な検査を行うプランもありますが、日帰りドックと同じ検査項目を単に2日間に分けて行う場合もあります。
以下に宿泊ドックの検査項目例をご紹介します。
【宿泊ドックの検査項目例】
なお、日帰り(半日・1日)ドックと宿泊(2日)ドックの大きな違いは、血糖値の測定方法です。日帰りドックでは空腹時血糖を測定しますが、宿泊人間ドックではブドウ糖負荷試験を行います。
ブドウ糖負荷試験は、ブドウ糖を溶かした水を摂取し、その後の血糖値の変動を複数回に分けて測定する検査で、糖尿病をより確実に診断できるようなります。
宿泊ドック(1泊2日コース)の費用目安は4~10万円です。ただし、宿泊ドックは1泊2日から、長い場合は1週間にも及び、当然のことながら滞在期間が長くなればなるほど費用は高くなります。そのため、費用相場は、地域、選んだ医療機関やコースなどによって大きく変動します。
また、宿泊付きの人間ドックは、検査内容、医療機関の違いだけでなく、宿泊施設のランクによっても費用が大きく異なるため、予算や目的に合わせて選ぶことが大切です。高級ホテルに宿泊するラグジュアリーな人間ドックの場合、費用が数十万円に及ぶことも少なくありません。
さらに、日帰りの人間ドック同様に、オプションで検査が追加した場合、その費用が追加されます。
基本的に、人間ドックの受診には予約が必要です。時期によっては希望の日に予約が取れないこともあるため、よりスムーズに人間ドックを受けるために事前に人間ドックの大まかな流れも確認しておきましょう。
人間ドックのほとんどは完全予約制のため、事前に予約を取らなくてはいけません。予約は窓口、電話、インターネットなどで行います。インターネットで行えば、医療機関によっては数カ月先までの空き状況が確認できるうえに、予約および予約変更の手続きも簡単です。キャンセルポリシーは医療機関によって異なるため、予約する際に確認しておくとよいでしょう。
予約が確定すると、人間ドックの2~3週間前に、自宅に検査キットが届きます。検査キットには、検査の案内、問診票、検便用の容器が含まれています。
問診票には、普段の生活習慣や既往歴などを記入しますが、気になる症状や不安がある部分があれば、些細なことでも記入しておくことをおすすめします。
検便は2日法(2日に分けて便を採取する方法)が一般的です。便秘や下痢などで採取が難しい場合は、数日前から採取することも可能な場合は、医療機関に相談してみてください。
人間ドックの受診前日は、食事に関する制限が設けられる場合があります。例えば、「検査開始時間の10時間以上前から絶食」や「水分は水やお茶なら可」などです。また、アルコールを控えた方がよいでしょう。
内視鏡検査や胃バリウム検査などを受ける場合は、海藻類やきのこ類、繊維質の多い野菜、豆類など、消化が悪い食べ物は避けます。検査前日の過ごし方については、事前に送付された書類を確認できます。
人間ドックの当日の流れは以下のとおりです。
検査結果は、約1~2週間で指定住所に郵送されますが、医療機関によっては、直接医師との面談があり結果を説明してくれる場合もあります。
検査結果は、主に次の4通りです。
要精密検査や要治療と書かれた項目がある場合は、速やかに医療機関の受診をおすすめします。
人間ドックの費用は健康保険適用外のため費用が高くなりますが、工夫次第で費用を安く抑えることも可能です。具体的な方法としては、市町村の補助金や企業の福利厚生を活用する、加入している生命保険等の割引を使うなどがあります。
国民健康保険に加入している場合、自治体の人間ドック補助金(または助成金)を活用できる場合があります。ただし、申請する際は、申請日において保険料を滞納していないこと、同じ年度内に特定健康診査を受けていないことなどの必要要件を満たさなくてはなりません。
また、補助金の限度額および対象年齢なども住んでいる地域によって異なるため、市町村の補助金を活用する際は事前に確認が必要です。補助金に関する詳細は、窓口または各自治体のホームページで調べられます。
企業によっては福利厚生の一環として、費用の全額または一部を会社が負担する場合があります。企業の福利厚生を活用する際は、就業規則や会社の福利厚生に関する情報を把握し、企業がどのような対応をしてくれるか確認しておくことが重要です。
また、健康保険協会または健康保険組合が、人間ドック助成制度を設けて、費用の一部を補助していることもあります。社会保険に加入している場合は、自社の担当部署へ聞いてみましょう。
保険会社によっては人間ドックに対する補助金サービスを提供し、人間ドックの費用の一部をカバーしています。生命保険や医療保険などに加入している場合、このようなサービスを利用するのもよいでしょう。
人間ドックの補助金サービスの有無は、契約書または保険会社に直接問い合わせれば確認できます。
人間ドックは一般的な健康診断よりも検査項目が多く、がんや心疾患などの重大な病気を早期に発見できる可能性が高いのが特徴です。
日帰りから宿泊プランまでさまざまな選択肢がありますが、日数が長いからといって検査項目が多いとは限らないため、プランを選ぶ際は自分の希望する検査項目が含まれているか確認することが大切です。
検査項目が多いため、一般的な健康診断と比較すると費用が高額ですが、補助金や割引サービスを活用すれば、費用を安くできます。
海外赴任へ向かう、あるいは海外赴任から帰国した従業員に対する健診は義務化されていますが、海外赴任中の従業員に対して、健康維持を目的とした健診も重要です。アジアやアメリカで勤務する従業員の人間ドック受診を検討しているなら、DYMへぜひご相談ください。
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