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RTBとは?広告の仕組みを分かりやすく解説

公開日:2024.11.28  更新日:2024.12.09

デジタル広告の世界において、RTB(リアルタイムビディング)は革新をもたらしました。広告主やメディア運営者、マーケティング担当者の方々にとって、RTBの理解は効果的な広告戦略を立てる上で欠かせません。そこで本記事では、RTBの基本概念から仕組み、最新の運用手法までを分かりやすく解説します。デジタル広告の最前線で活用される技術について、ぜひ一緒に学んでいきましょう。

<この記事で紹介する3つのポイント>

  • RTBは1インプレッションごとのリアルタイム入札で、効率的なターゲティングと収益最大化を実現します。
  • DSPとSSPがRTBの中心的役割を果たし、広告主とメディアを効果的につなぎます。
  • フロアプライスやヘッダービディングなどの工夫により、RTBはより公平で効率的な広告取引を可能にします。

RTB(リアルタイムビディング)の基本とは?なぜ注目されるのか

RTB(リアルタイムビディング)とは、デジタル広告の配信方法に革命をもたらした技術のことです。従来の方法と比べると、より効率的で効果的な広告配信を可能にしました。ここでは、そんなRTBの基本概念と重要性について詳しく見ていきます。

RTBとは?広告業界の革新的な仕組み

RTB(リアルタイムビディング)は、広告枠の取引をリアルタイムで行う仕組みです。ウェブサイトにユーザーがアクセスした瞬間、そのユーザーの属性や行動履歴などのデータをもとに、広告主が自動的に入札を行います。そして、最高額を提示した広告主の広告が、そのユーザーに表示されるのです。

この一連のプロセスは、ページが読み込まれる0.1秒未満の間に完了します。RTBにより、広告主はターゲットとなる見込み客により効果的にリーチでき、メディア側も広告枠の収益を最大化できるようになりました。

広告の進化とRTBの役割

デジタル広告の世界では、RTBの登場によって大きな変革が起きました。

従来の広告配信方法では、特定のウェブサイトや媒体に対して一括で広告枠を購入していました。

しかし、RTBによって1インプレッション(広告表示)単位での取引が可能となったのです。これにより、広告主は自社の商品やサービスに興味を持ちそうな個別のユーザーに対して、より精緻にターゲティングできるようになりました。

同時にメディア側も広告枠の価値を最大化し、収益を向上させることが可能となりました。RTBは広告主とメディア双方にとって、より効率的で効果的な広告エコシステムを実現する重要な役割を果たしています。

「純広告」の導入によるRTBの欠点の補完

RTBは効率的な広告配信を可能にしましたが、一方で課題も存在します。例えば、広告主がどの媒体に広告が表示されるかを完全にコントロールできない点や、ブランドセーフティにおける問題などがあります。そこで、多くの企業がRTBと並行して「純広告」を活用しています。

純広告とは、特定の媒体や広告枠を直接購入する従来の方法です。特に、人気の高いウェブサイトのトップページなど、確実に多くのユーザーの目に触れる場所に広告を出稿したい場合に有効です。

RTBと純広告を組み合わせることで、効率性と確実性のバランスを取りながら、より効果的な広告戦略を展開できるのです。

RTBが生まれた背景

RTBの登場は、デジタル広告の歴史における重要なマイルストーンです。その誕生には、広告業界の変遷と技術の進歩が深く関わっています。ここでは、RTBが生まれるまでの背景について、時代ごとの特徴とともに詳しく見ていきましょう。

1メディア1広告主の時代

デジタル広告の初期段階では、1つのメディアに1つの広告主が広告を掲載する「1メディア1広告主」の形式が一般的でした。広告主は、直接メディアと交渉し、特定の期間や場所に広告を掲載していたのです。

この方法は単純明快でしたが、広告主にとっては限られた露出機会しか得られず、メディア側も広告枠の最適化が難しいという課題がありました。

また、広告の効果測定も容易ではなく、投資対効果(ROI)の正確な把握が困難でした。この時代の広告は、主にブランド認知度の向上を目的としたものが多く、ターゲティングの精度は低いものでした。

複数メディア複数媒体の時代へ

それから、技術の進歩と共に広告主は、複数のメディアへ同時に広告を出稿できるようになりました。これにより、より広範囲のユーザーにリーチできるようになり、広告の効果も向上しました。

しかし、この方法にも課題はありました。複数のメディアを管理することは煩雑で、各メディアの特性に合わせた広告クリエイティブの制作や、効果測定の一元管理が難しかったのです。

また、広告主にとっては、どのメディアがより効果的かを判断することも容易ではありませんでした。メディア側も、複数の広告主との取引を個別に管理する必要があり、業務効率が悪かったのが実情です。

複数媒体の広告枠を管理するアドネットワーク時代へ

アドネットワークの登場は、デジタル広告業界に大きな変革をもたらしました。アドネットワークとは、複数のメディアの広告枠を一元管理し、広告主に提供するシステムです。これにより、広告主は1つのプラットフォームを通じて多数のメディアに広告を配信できるようになりました。

同時に、メディア側も広告枠の販売を効率化できるようになりました。アドネットワークの利点は、広告の配信と効果測定の一元管理が可能になったことです。

しかし、依然として広告主が個別のユーザーをターゲットにすることは難しく、また、メディア側も広告枠の価値を最大化することは容易ではありませんでした。

広告枠を取引するアドエクスチェンジ時代へ

アドエクスチェンジとは、アドネットワークの概念をさらに発展させたものです。これは、複数のアドネットワークや広告主、メディアを結びつけるプラットフォームで、広告枠のリアルタイムでの取引を可能にしました。

アドエクスチェンジの登場で、広告主はより広範囲のメディアに広告を配信できるようになり、メディア側も多くの広告主へアクセスが可能となりました。この時代には、広告枠の価格が需要と供給によって決定され、市場原理が働くようになりました。しかし、まだ個々のユーザーに対する精緻なターゲティングは実現していませんでした。

複数アドエクスチェンジを横断したRTB時代へ 

RTB(リアルタイムビディング)の登場は、デジタル広告の世界に革命をもたらしました。RTBは、複数のアドエクスチェンジを横断して、1インプレッション(広告表示)ごとにリアルタイムで広告枠の入札を行うシステムです。

広告主は、個々のユーザーの属性や行動履歴に基づき、最適なターゲティングを行えます。同時に、メディア側も広告枠の価値を最大化し、収益を向上させることができるのです。

RTBの時代では、ビッグデータや人工知能(AI)技術を活用した高度なアルゴリズムが使用され、広告の効率性と効果が飛躍的に向上しました。これにより、広告主とメディア双方にとってより価値のある広告エコシステムが実現したのです。

RTBの仕組みとは?

RTB(リアルタイムビディング)は、複雑な技術とプロセスを組み合わせて高度な広告配信システム実現します。その中心となるのが、DSP(デマンドサイドプラットフォーム)とSSP(サプライサイドプラットフォーム)という2つの重要な要素です。ここでは、RTBの仕組みを詳しく解説し、メリットとデメリットについても触れていきます。

DSPとは?RTBにおける重要な要素

DSP(デマンドサイドプラットフォーム)とは、RTBにおいて広告主側の利益を代表するシステムです。DSPは、広告主が設定した条件(ターゲット層、予算、入札価格など)に基づき、自動的に広告枠の入札を行います。

DSPの主な機能は、広告主のキャンペーン目標に合わせて最適な広告枠を見つけ出し、効率的に入札することです。例えば、20代の女性をターゲットにした化粧品の広告があれば、DSPはそのターゲット層が頻繁に閲覧するウェブサイトの広告枠に対し、積極的に入札を行います。

DSPは、複数のアドエクスチェンジやSSPと連携し、広範囲の広告在庫にアクセスすることができます。これにより、広告主は効率的かつ効果的に広告を配信することが可能となるのです。

SSPやDSPを介したRTBの広告配信プロセス

RTBの広告配信プロセスは、非常に高速かつ複雑な一連の手順を経て行われます。

まず、ユーザーがウェブサイトにアクセスすると、そのページの広告枠情報がSSP(サプライサイドプラットフォーム)に送信されます。SSPは、サイトの種類やユーザーの属性など、その広告枠の情報を複数のDSPに送信します。

各DSPは、広告主の設定した条件に基づき、その広告枠に対する入札価格を即座に決定した上で、SSPに返信します。そして、SSPは最も高い入札価格を提示したDSPの広告を選択し、その広告がユーザーのブラウザに表示されます。

この一連のプロセスは、ページが読み込まれる0.1秒未満の間に完了します。RTBにより、広告主は効率的にターゲット層にリーチでき、メディア側も広告枠の収益を最大化できるのです。

RTBのメリット・デメリットは?

RTBは多くの利点を持つ一方で、いくつかの課題も抱えています。ここでは、RTBのメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。

RTBのメリット 

RTBの主なメリットには、精緻なターゲティング・リアルタイムの最適化・コスト効率の向上、広範囲の広告在庫へのアクセス・データ駆動型の意思決定などがあります。精緻なターゲティングにより、ユーザーの属性や行動履歴に基づいて広告を配信できるため、より関連性の高いユーザーにリーチすることが可能です。

リアルタイムの最適化では、広告のパフォーマンスをリアルタイムで監視し、即座に調整することができます。コスト効率の面では、必要なインプレッションのみを購入できるため、広告予算を効率的に使用可能です。

また、複数のアドエクスチェンジやSSPを通じ、多様な広告枠にアクセスできることも大きな利点です。詳細な分析データに基づき、より効果的な広告戦略を立てることができるのも、RTBの重要なメリットの一つです。

RTBのデメリット

一方で、RTBにはデメリットもいくつか存在します。主な課題として、ブランドセーフティの懸念・データプライバシーの問題・技術的な複雑さ・広告詐欺のリスク・透明性の欠如などが挙げられます。ブランドセーフティの面では、広告が表示されるサイトを完全にコントロールできないため、不適切なコンテンツと並んで表示される可能性があります。

データプライバシーについては、ユーザーの詳細な行動データを使用するため、プライバシーの懸念が生じる可能性があります。また、RTBシステムの運用には高度な技術知識が必要で、小規模な広告主にとってはハードルが高い場合があります。

広告詐欺のリスクとしては、ボットトラフィックなどの不正行為により、広告費が無駄になる可能性があります。透明性の面では、広告の配信プロセスが複雑で、広告主が全ての詳細を把握することが難しい場合があります。これらの課題を理解して適切に対処することが、RTBを効果的に活用する上で重要なのです。

RTB運用の工夫:「フロアプライス」「ヘッダービディング」など

RTBの運用においては、より効果的な広告配信と収益最大化を実現するためのさまざまな工夫が行われています。ここでは「フロアプライス」「セカンドプライス」「ファーストプライス」「ヘッダービディング」などの重要な概念について詳しく解説していきます。これらの仕組みを理解することで、RTBの運用をより効果的に行うことができるでしょう。

フロアプライスとセカンドプライス、ファーストプライスの違い

価格決定方式は、RTB運用において重要な要素です。フロアプライスとは、広告枠の最低販売価格を設定する仕組みで、メディアの収益を保護します。

セカンドプライス方式は、最高入札者が落札しますが、実際の支払いは2番目に高い入札額になります。これにより、広告主は過度な支払いを避けられます。一方、ファーストプライス方式では、最高入札額がそのまま落札価格となります。

近年では、透明性向上のためにファーストプライス方式への移行が進んでいます。これらの方式を適切に選択・組み合わせることで、広告主とメディア双方にとって公平で効率的な取引が可能です。

また、各方式の特性を理解し、状況に応じて最適な方法を選ぶことが、効果的なRTB運用の鍵となります。

メディア収益を最大化する「ヘッダービディング」の意味

ヘッダービディングは、RTBの効率をさらに高める革新的な技術です。従来のRTBでは、広告枠の売買が段階的に行われるため、必ずしも最高値で取引されるとは限りませんでした。ヘッダービディングは、ページ読み込み時に複数のアドエクスチェンジやSSPに同時に入札を呼びかけることで、この問題を解決します。

このことから、より多くの広告主が競争に参加し、広告枠の価格が上昇する可能性が高まります。結果として、メディアの収益最大化につながるのです。また、ヘッダービディングにはページの読み込み速度を向上させる効果もあり、ユーザーエクスペリエンスの改善にも寄与します。

ただし、導入には技術的な課題も存在し、サーバーへの負荷増加にも注意が必要です。それでも、その効果的な収益化の可能性から、多くのメディアでヘッダービディングの採用が進んでいます。

まとめ

RTB(リアルタイムビディング)は、デジタル広告に革命をもたらした技術です。1インプレッションごとのリアルタイム入札により、広告主は効果的なターゲティングを実現し、メディアは収益を最大化できます。また、DSPとSSPの連携により、瞬時に最適な広告が配信されます。

さらに、フロアプライスやヘッダービディングなどの工夫で、より効率的で公平な広告取引が可能となりました。進化し続けるデジタル広告において、RTBの理解と活用は不可欠なのです。

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「世界で一番社会を変える会社を創る」というビジョンのもと、WEB事業、人材事業、医療事業を中心に多角的に事業を展開し、世界で一番社会貢献のできる会社を目指しています。時代の変化に合わせた新規事業を生み出しながら世界中を変革できる「世界を代表するメガベンチャー」を目指し、日々奮闘しています。

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