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Criteo(クリテオ)広告とは?仕組みやメリット、導入ポイントや事例まで解説

公開日:2024.05.30  更新日:2024.06.14

Criteo(クリテオ)は広告媒体のDSPの一つとして分類されています。広告担当者であれば、代理店からの営業をよく受ける方や実際に導入している広告主も多いでしょう。

Criteo(クリテオ)は、ネット広告配信を行う会社の名前でもあります。
この記事では、Criteoの概要や特徴などを紹介します。

<この記事で紹介する3つのポイント>

  1. Criteo広告とは
  2. Criteo広告導入のポイント
  3. Criteoを導入して成功した企業事例

Criteo広告とは?

Criteo広告とは、フランスのCriteo社が提供しているダイナミックリターゲティング広告のことです。非常に幅広い範囲で使われており、日本のインターネット広告でのリーチ率は92.6%にも上ります。これは第1位のGoogleディスプレイネットワーク(GDN)に次ぐ巨大広告サービスとなっています。

Criteo広告のターゲティング手法と優れたポイント

インターネットに広告を出す場合には、ターゲティング手法が重要です。ターゲティングを行うことで、よりニーズの高い客層へアプローチでき、効率的にユーザーへ広告を配信できます。ターゲティング手法には、オーディエンスターゲティングやコンテンツターゲティング、ジオターゲティングなどさまざまな方法があります。

Criteo広告で特徴的なのは、リターゲティング手法を用いていることです。リターゲティング手法とは、Cookie情報をもとにして一度自社サイトに訪問したり、コンテンツを確認したりしたユーザーを対象に広告を配信する手法です。

初回でコンバージョンに至らなかったユーザーに対して確実にアプローチをすることができ、ユーザーを再度呼び戻す効果があります。そのため、リピーターの獲得に有効な手法です。また、自社のサービスや認知度を高める効果も有しており、コンバージョン以外の成果を求める際にも有効な手法となっています。

Criteo広告では、このリターゲティング手法に対して非常に強力な予測エンジン技術を構築しているのが特徴的なポイントです。機械学習と人工知能を活用し、1秒間に4万件以上の広告を配信しています。また、Criteo AI LabというR&Dチームを組織し、インターネット広告の最先端の技術を開発しています。

さらにCriteo広告では、プロスペクティングという新規の見込み客を対象として広告を配信する方法や、対象となるユーザーを自由に選択できるカスタム機能も用意しています。さまざまな広告手法を用いることができるのもCriteo広告の特徴です。

顧客獲得を後押しするCriteo広告のフォーマット

Criteo広告には、顧客獲得を支援するフォーマットもあります。各広告媒体に最適なフォーマットを選んで表示させることができるというものです。このフォーマットに沿ってCriteo広告でダイナミック広告を配信する場合には、データフィードが必要です。データフィードとは、サイトの商品リストをもとに、各広告媒体の仕様に合わせたデータのことです。データフィードの活用には大きく2つのメリットがあります。

広告の表示方法の最適化

広告の表示範囲は限られており、その表示範囲は表示するWebサイトや表示媒体などによってさまざまに変わります。そのため、大事なポイントを常に表示させるような工夫が必要となります。Criteo広告ではデータフィードにタイトルや説明文、広告画像などを登録しておくことで、Criteoの広告表示エンジンが最適な組み合わせ、レイアウトで広告を表示してくれます。

機械学習や人工知能の活用の精度を高めることができる

Criteo広告が新たにユーザーに広告を掲載するとき、ユーザーの購買情報やWebサイトの訪問履歴などを参照します。その際にはデータフィードに登録してある広告情報から属性を読み取り、似たような属性の広告情報など、ユーザーが興味を持ちやすいであろう広告情報を表示します。この時に整地化されたデータフィードという形でデータを保持しておくことにより、Criteoエンジンがより高い精度で動作してくれます。このように、データフィードにはレコメンドの精度を上げるという効果があります。

Criteo広告導入ポイント

Criteo広告は最先端の機械学習や人工知能を活用しており、効果的にユーザーにアプローチすることができます。しかし、機能を十分に活かすためには工夫が必要になります。また、Criteo広告を利用する費用や条件なども気になるところでしょう。

ここではCriteo広告導入のポイントを紹介します。

導入前に知っておきたい費用と条件

新規でCriteo広告のダイナミックリターゲティングに出稿する場合や、配信していたが一定期間以上配信を停止していた場合には、Criteo広告による審査があります。審査を通過するには次の2つの条件を満たす必要があります。

  1. 月間ユニークユーザー数が4万以上であること

※Website Informerという解析ツールを使った場合には1500ユニークユーザー/日でも可

  1. 出稿予算が50万円以上であること

※期間の指定は特にありません。配信から1か月以内に50万円を使い切る必要はなく、数か月にわたって配信しても問題ありません。

これ以外にも、広告したい商材、例えば暴力的な商材など、内容によってはCriteo広告と契約ができない可能性があります。どのような広告でも出稿できるわけではない点には注意をしましょう。

最適なフィード設定とデータ活用方法

Criteo広告のデータフィードはCriteo広告エンジンが最適な形式で出稿してくれます。しかし、それだけでは常に効果的な広告が出稿できるとは限りません。継続的に効果を出すためには、広告効果を見ながらPDCAを回すことが重要になります。自社のPRしたいところがきちんとユーザーにアプローチできるような広告になっているか、クリエイティブから逆算したデータフィードの設計を行うことを意識しましょう。

また、PDCAサイクルを回すだけでなく、最新の情報に保つことも必要です。万が一、データフィードの内容(価格やPR情報、商品タイトルなど)が誤っていると、そのまま誤った情報が広告に表示されてしまうため、機会損失や広告出稿のコストパフォーマンスの低下につながりかねません。

そのため、データフィードを作成するときには、PDCAサイクルを回すスケジュールと、最新の情報に更新し続ける定期的な情報更新の仕組みも一緒に検討することをおすすめします。

以下にデータフィード作成時に必要なものをリストアップしましたので参考にしてください。

項目名説明
id商品IDを入力する
name商品名を入力する
description商品の説明を入力する
producturl商品掲載ページのURLを入力する
bigimage商品画像のURLを入力する
price商品の価格を入力する
categoryid1カテゴリのID1を入力する
categoryid2カテゴリのID2を入力する
categoryid3カテゴリのID3を入力する

配信可能なメディアと連携について

Criteo広告はYahoo!以外でYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)に広告を出稿できる唯一のサービスです。Criteo広告を通じてYNDを使うことで多くのユーザーが使っているYahoo!関連のトップページに広告を出稿することができます。

他にもCriteo広告が提携している会社数は2万社以上に上り、多くのWebページ、アプリに広告を配信することが可能です。日本国内でも主要な検索エンジンはもちろんのこと、SNSなどを含む多くの配信先を保持しています。

例えば、以下のような媒体に広告を配信することが可能です。

  • Google
  • Yahoo!
  • Facebook
  • msn
  • 食べログ
  • goo
  • はてなブックマーク
  • Instagram

特に、これらの提携先でユーザーが多く利用しているサイトの最適な場所に、自動で広告を配信してくれるのがCriteo広告の特徴です。

Criteo広告活用で成功を収めた企業事例

Criteo広告は多くの企業で用いられており、多くの実績があります。ここではCriteo広告を活用して成功を収めた事例を紹介します。

Criteo広告を用いた事例1

Criteo広告は膨大な購買データをもとに、高度なAIエンジンを活用して分析しています。ナッシュ株式会社は自社で制作・活用していた12種類の動画素材の配信設定を行い、目標にマッチした動画が配信されるようCriteoエンジンでクリエイティブの最適化を実施しました。

その結果、実施から2週間ほどでCPAが大きく低下し、目標値の75%程度にまで抑えることができるようになりました。また、1か月後にはこれまで使用していた動画広告ソリューションから137%も改善することができ、大きな成果をあげました。また、iOSへの配信が全体の43%を占めるなど、これまでリーチできなかったターゲット層にもリーチできるようになったのも大きな成果です。

出典:Criteo「低コストで新規獲得増を実現!リターゲティングの効果も後押しする「Criteo動画広告」」

Criteo広告を用いた事例2

Neeman’sはサステナブルなシューズを販売しているシューズブランドです。ペットボトルを再利用したリライブ・ニット・スニーカーや、オーストラリア産のメリノウールのみを使用したメリノウール・ジョガー&ローファーといったユニークなシューズを提供しています。

Neeman’sはCriteo広告と業務提携を結び、新規顧客の獲得と既存顧客維持を目的としたキャンペーンを展開しました。その結果、動画の再生完了率は65%、プラットフォームでの売上は88%増加し、収益はディスプレイ広告のみを使用した場合と比較して68%増を達成しました。

今後はブランド認知の拡大も視野に入れて、Criteo広告を利用したいと考えているそうです。

出典:Criteo「サステナブルなシューズを提供する Neeman’s、動画広告を活用したコマースグ ロースでフルファネルキャンペーンを展開」

Criteo広告を用いた事例3

O’Neillはカリフォルニア発のサーフィン、スキー、ライフスタイルブランドの会社です。

O’Neillは当初より、広告出稿に力を入れており、目標に合わせて細部まで考慮したデータドリブンのマーケティング・キャンペーンを実施していました。

同社はCriteo広告と提携を結んだあと、パフォーマンスの効率性を維持しつつ、顧客が購買に至るまで、あらゆる過程で広告配信を行うことにしました。その結果、O’Neillの広告は一年を通じて優れたパフォーマンスを維持しつつ、事前に設定した費用対売上(ROAS)に対し、最大限の売上・収益を達成しています。

出典:Criteo「収益増と効率向上を実現したカリフォルニアの老舗ライフスタイルブランド O’Neill」

Criteo広告運用のパフォーマンス向上と分析方法

Criteo広告に出稿しても自社でPDCAサイクルを回さなければ、パフォーマンス向上は見込めません。パフォーマンス向上もそうですが、どのように分析するかもとても重要になります。ここではパフォーマンス向上の方法と分析手法を紹介します。

コンバージョン改善を狙う広告設定のポイント

コンバージョン改善をする方法はさまざまです。ここではコンバージョン改善を狙う方法を紹介します。

同一商品のレコメンドを管理する

Criteo広告のデータフィードにはitem_group_idという項目が存在します。item_group_idは商品カタログ内でグループ化する役割を持っています。例えば、洋服などであれば、洋服の種類やサイズ、素材、柄などをグルーピングすることができます。

また、この項目はユーザーが閲覧した商品を判定することもできます。ユーザーが1つの商品を閲覧した場合、このitem_group_idを活用することで、類似商品をユーザーにアプローチすることが可能です。

コンバージョン率が上がらなかったり、購入まで至らなかったりするケースが多い場合にはこの項目を見直して、ユーザーにアプローチしたい商品の組み合わせを見直してみるとよいでしょう。

product_typeを適切に設定する

product_typeというデータフィードの項目は、ユーザーが閲覧した商品の属性から、そのユーザーが興味のある他の商品を予測するために活用される項目です。

これにより、item_group_idではグルーピングしきれなかった商品を予測機能に追加し、ユーザーにレコメンドすることができます。

product_typeは区切り文字を使用して、3つまで商品属性を指定することができます。これらの属性を指定することで、ユーザーが興味を持っていそうな商品を限定して、効果的に紹介することができます。

ただし、この項目は範囲を狭めすぎると提案できる商品数が少なくなりすぎてしまうので、ユーザーの好みに合わなかった場合にコンバージョン率が大きく低下してしまいます。ある程度の範囲の商品数を設定できるとよいでしょう。目安としては10商品以下になってしまうと条件を絞り過ぎている可能性が高いです。より多くのユーザーにリーチするためにも、商品数が広がる商品属性を指定するとよいでしょう。

複数画像を表示できるようにする

インターネットでは、商品を手に取ってみることができません。そのため、さまざまな角度から商品の画像を紹介し、ユーザーが具体的にイメージできるようにする必要があります。それは商品サイトだけでなく、広告でも重要になります。よりユーザーに興味を持ってもらうには、複数の画像を広告に表示できるとよいでしょう。

Criteo広告ではadditional_image_linkという項目を使うことでメイン画像以外の画像が登録できるようになっています。

商品のクリック率がなかなか上がらない場合にはこの項目を使って、画像を複数表示させることも考えてみるとよいでしょう。

運用中のCriteo広告のパフォーマンス分析手法

Criteo広告にはパフォーマンスを分析する機能もついています。Criteo広告のアナリティクスモジュールを使うことで、キャンペーン全体のパフォーマンスを把握したり、ある時点におけるパフォーマンスキャンペーンの別の期間との比較、およびデータビジュアライゼーションを確認したりできます。

また、Criteoには予測機能もついています。Criteo広告のパフォーマンスランナーという機能を使うことで、以下の両方のパフォーマンスを検証することができます。

  • 現在配信中の広告セットの今後のパフォーマンス
  • 新しく追加したい広告セットのパフォーマンス

他にも、追加投資した広告費用から見込まれるサイトの流入数や、目標コンバージョン達成数から逆算した広告費用などもシミュレーションすることができます。

効果的な運用改善のための事例検証

デジタルトレンズ社ではアニメグッズECサイトの商品購入実績を向上させることを目標にCriteo広告の改善を行いました。リマーケティング配信でリーセンシーごとに予算を最適化することによって、ユーザーの確度別に配信の強弱を調整しました。また、イベント時期には広告の予算費用をアップさせるなど予算配分の見直しも行いました。その結果、ROAS300%まで向上させることに成功しました。

出典:DIGITAL TRENDS「【事例付】Criteo(クリテオ)とは?仕組みや特徴から出稿条件まで徹底解説!」

まとめ

本記事では、ディスプレイ広告型の動的リターゲティング広告であるCriteoについて解説しました。制限や準備がありますが、その効果は非常に大きいと言えます。また株式会社DYMではCriteo認定資格を有しており、広告運用や分析・改善を得意としています。様々な業種や業態にも対応しているため、広告運用に困っている企業はお気軽にご相談ください。

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【筆者・監修者企業】

株式会社DYM

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「世界で一番社会を変える会社を創る」というビジョンのもと、WEB事業、人材事業、医療事業を中心に多角的に事業を展開し、世界で一番社会貢献のできる会社を目指しています。時代の変化に合わせた新規事業を生み出しながら世界中を変革できる「世界を代表するメガベンチャー」を目指し、日々奮闘しています。

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