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近年、企業における従業員の幸福度が重要視され、自己肯定感という概念が注目されています。自己肯定感を高めることで精神の安定も図れるため、従業員のメンタルケアも担当している人事の方は、自己肯定感に興味があるのではないでしょうか。
本記事では、自己肯定感の概念から、自己肯定感の高い人と低い人の特徴の違い、自己肯定感を高める方法まで詳しく解説していきます。
<この記事で紹介する4つのポイント>
目次
自己肯定感とは、ありのままの自分を肯定し、受け入れることができる感覚を指します。つまり、自分と他人と比較することなく、自分自身を尊重し、自己の価値を認識する心の状態のことです。これは、人間関係やパートナーシップ、仕事、自己実現など、さまざまな場面で基盤となり、幸福感に大きく影響を与えると考えられています。
ここでは、自己肯定感と自己効力感の違いと、日本人の自己肯定感について説明します。
自己肯定感に似たような言葉に、自己効力感があります。自己効力感は、スタンフォード大学の教授であったアルバート・バンデューラ博士が初めて提唱した心理学用語です。英語ではセルフエフィカシー(Self-efficacy)といい、この概念は恐怖症を克服した人々へのインタビューを通じて生まれました。
自己効力感は、目標達成に必要な能力を自分が持っていると信じることです。簡単にいえば、「自分ならこの困難を乗り越えられる」、「この課題はきっと達成できる」という自信を持つ状態を指します。自己効力感のある人は、仕事や日常生活において直面する障害や困難に積極的に挑むことができ、仮に失敗したとしても、素早く立ち直ることが可能です。
自己効力感は、人間の行動や成果に対する信念であり、できる自分を信じる力です。一方、自己肯定感はできてもできなくても自分を認める力であるため、ふたつの概念には明確な違いがあります。
日本人は、海外の人たちと比較すると自己肯定感が低いとされています。例えば、内閣府の「子供・若者白書(令和元年版)」には、日本人で自分自身に満足している人の割合は全体の半数以下という調査結果が示されています。
この調査は世界7カ国の10〜20代の若者を限定に行ったものですが、日本は7カ国中最下位で、6位の韓国から大きく引き離される結果となりました。「自分自身に満足している人か」という質問に対し、各国の「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」と回答した人を合計した割合は、以下のとおりです。
なお、各国共通の傾向として、女性の自己肯定感が男性よりも低いことが明らかになっています。
自己肯定感について、さらに詳しく見ていきましょう。自己肯定感の高い人には、自分軸がある、何事も前向きに取り組める、継続的な努力ができるなどの共通の特徴があります。
自分軸とは、明確な価値観や判断基準があり、自分が正しいと信じられる強い信念を持っていることです。自分軸がある人は、自分の信念に基づいて行動したり判断したりできる強さがあるため、他人からの評価に左右されることがありません。自分軸を確立することで得られる主なメリットは、次のふたつです。
・幸福感と充実感が高まる
自分軸を確立すると、他人に依存せず精神的に自立できます。自分軸がある人は常に自由に行動できるため、幸福感や充実感が高くストレスも感じづらくなります。
・他人を尊重できる
他人には他人の価値観があることを理解し、お互いの違いを尊重できる能力も併せ持っているため、他人の意見を受け入れられるのも特徴です。自己主張をしすぎたり、他人と意見が異なっても無理に押し通したりすることがないため、単なる自分勝手とは異なります。
誰でも困難に直面すると、うまくいくイメージが持ちにくく、ネガティブな思考に陥りやすくなります。特に、年齡が若く成功体験が少ないと、その傾向が強いでしょう。しかし、いつまでもネガティブな思考にとらわれていると、問題を解決するための具体的な策を考えられず、不安も募り、行動を起こせなくなります。
しかし、自己肯定感が高い人は、物事に対して常に前向きに取り組む姿勢が見られます。自分自身を肯定しているため、考え方や行動、発言も自然とポジティブになるからです。苦手なことに対しても、その現実を受け入れつつ、前向きに取り組めます。そして、困難を克服した成功体験が自信につながるのです。
何ごとにも努力が不可欠で、努力を続けられるか続けられないかは、成功と失敗を分ける重要なポイントといえるでしょう。自己肯定感が高い人は、夢や目標に向かって努力を継続できる傾向があります。自己肯定感が高い人が、目標達成が難しい状況にあっても、継続的な努力ができる主な理由は、以下の3つです。。
・目的意識がある
自己肯定感の高い人のほとんどは、明確な目的意識を持って行動しています。目的意識は、行動の方向性を決定し、逆境に直面した際でもモチベーションを維持するための重要な要素です。自分の目標やビジョンに対して強い使命感を抱き、それを達成するために日々挑戦し続けます。この目的意識が自信を育み、達成感の積み重ねが自己肯定感をさらに高めるのです。
・マイナス思考に陥らない
自己肯定感の高い人は挫折も、それを学びの機会として捉え受け入れます。立ち止まる代わりに、新たな解決策を模索し、障害を克服するための道を見つけるため、前向きな視点を持ち、自分の目標に向かって進めるのも特徴です。
・臨機応変な対応ができる
困難な状況においても、柔軟な考えで臨機応変に対応します。新たな課題に直面しても、状況に応じた適切なアプローチの仕方を検討し、継続的に努力する方法を見つけ出します。
チャレンジしないと何も始まらないことは十分承知していても、多くの人が失敗を恐れて行動に移せないことがあります。しかし、自己肯定感の高い人は失敗を恐れない傾向にあります。その主な理由は、次の3つです。
・失敗を成長の糧にできる
自己肯定感が高い人は、失敗しても何度もチャレンジすればいいと考えられるため、新しいことにも果敢に挑戦します。さらに、失敗を成長の糧にできるため、成功・失敗にかかわらず新しい経験を積み重ね、それを次のチャレンジに活かします。
・客観的に原因を分析できる
失敗しても他人のせいにせず、原因を客観的に見つけ出します。自己肯定感の高い人は、自分の長所も短所も受け入れているため、自分の能力を過度に評価せず、冷静に課題と向き合えるからです。こうした自己分析力により、失敗を成功につなげられるため、たとえ失敗してもモチベーションを高く維持できます。
・ストレスやプレッシャーに強い
自分を信じているため、ストレスやプレッシャーに対して強いのも特徴です。精神的に安定していて、結果として高いパフォーマンスを発揮できます。
自己肯定感の高い人は、他人に優しいのも特徴です。その主な理由として、次のようなことが挙げられます。
・心にゆとりがある
自分自身を肯定すると、気持ちにゆとりが生まれます。相手の立場を理解し気持ちに寄り添い、他人の意見をしっかりと聞きつつも自分の意見も明確に伝えられるため、良好な人間関係を築けます。
・メンタルが安定している
他者に振り回されることが少なく、メンタルも安定しています。予期せぬ事態が発生しても感情的になることはなく、こういうことも起こり得ると冷静に受け入れられます。
自己肯定感は、人格形成の土台となる大事な要素です。そのため、自己肯定感の低い人には、劣等感を抱きやすい、トラウマがある、持続的な努力が難しいなど、一般的に好ましくないとされる特徴が多くなる傾向があります。
自己肯定感が低いと、自分自身の能力や価値観に対して否定的な見方をしてしまいがちです。自分を肯定できないため、他人と自分を比較して自分の方が優れている点を見つけ出し、そこに自分の存在価値を求めようとします。常に他人の評価に依存しているため、他人より劣っていると感じると、その都度劣等感を感じます。
トラウマとは、心的外傷、つまり「心の傷」を指し、過去のトラウマは自己肯定感が下がる原因のひとつと考えられています。トラウマが自己肯定感を下げる原因となった例としては、次のようなものがあります。
・親からの虐待
普通なら最も安全であるべき家庭で体験する親からの虐待は、自分の存在を否定される体験です。虐待を受けた子どもは、「自分はダメな人間だ」「生まれてきてはいけなかった」といった自己否定的な思い込みを抱きやすくなります。
・いじめ
いじめを経験すると、外的要因(環境や周りの人々)ではなく、自分の内側にその理由を見出してしまうことが少なくありません。そうすると、自己の資質や性格に問題があると考えるようになり、やがて自分の存在そのものを否定するようになります。
成功には、継続的な努力が必要不可欠ですが、自己肯定感が低い人は、努力を継続することを苦手とする傾向があります。その主な理由は、次の2つです。
・失敗をポジティブに受け止められない
例えば、仕事で失敗したとき、自己肯定感が高い人は「ミスから学び、次に活かそう」とポジティブに受け止めます。一方、自己肯定感が低い人は、「なんで間違えたんだろう」、「ミスをして迷惑をかけてしまった」とネガティブに捉え、自分を責めて、これからのことより過去の失敗や過ちに意識が向きがちです。
・できない自分を正当化するため
自己肯定感が低い人は、他人の評価に強く依存するため、傷つくことを恐れて本気で努力することをあえて避けることもあります。「本気を出していないから」、「本気を出せばできたかも」などと考え、失敗やできない自分を正当化しようとするのです。
不安と一言でいっても、さまざまな不安が存在します。自己肯定感が低い人が抱えやすい主な不安は、次の3つです。
・失敗するのではないかという不安
自己肯定感が低い人は、自分を信頼できず、ありのままの自分を肯定することが苦手です。そのため、小さなミスでも落ち込みやすく、失敗を常に恐れて、不安を抱えやすい傾向にあります。
・コミュニケーションに対する不安
自分の存在や価値を肯定できないため、自己表現やコミュニケーションに自信を持てません。他人の反応や評価に過度に敏感になり、人間関係でもストレスや不安を感じやすいでしょう。
・孤独感による不安
自分を信頼できない人は他人も信頼できないため、困ったときは助けてもらえるという考えがありません。問題が生じると誰にも相談せずひとりで抱え込み、孤独感による新たな不安が生じます。
承認欲求とは、「自分を見てほしい」、「話を聞いてほしい」、「誰かに褒めてほしい」といった、「他者から認められたい」という欲求のことです。
承認欲求は、成長やモチベーションを高める強力な原動力となり、承認欲求が満たされると、自分が価値のある存在であると実感できます。それにより、よりポジティブな自己イメージを持つことができるようになり、自己肯定感も高まるため、必ずしもマイナスなことばかりではありません。
しかし、自己肯定感が低いと、自己の内面の不安や欠如感を埋め合わせるために、他人からの反応を求める傾向があります。常に他人の評価が気になり、期待していたような評価が得られないと、その度に自己肯定感が低くなります。
承認欲求が強くなる原因としては、以下のようなものが挙げられます。
・幼少期の家庭環境の影響
幼少期の家庭環境は、承認欲求に大きな影響を与える要素です。もし幼少期に親や家族から十分な承認や称賛を受けられなかった場合、大人になっても他者からの承認や評価を強く求める傾向が強くなります。
・SNSの普及
SNSの普及により、以前に比べて自分の行動や意見が他人によって評価される瞬間を目撃する機会が増えました。このことも、承認欲求が強くなった原因のひとつと考えられます。
自己肯定感が高いことと自己肯定感が低いことを比較すると、やはり自己肯定感が高いほうがメリットが多く、自己肯定感が低いとデメリットが生じやすくなります。ここでは、具体的なメリットとデメリットを紹介します。
自己肯定感が高いことで得られるメリットは、次の2つです。
自己肯定感が高い人は、自分の考えを大切にしつつ、相手を尊重することが得意です。そのため、企画やアイデア出しがしやすくなり、コミュニケーションも活発になります。結果として、社内の雰囲気が良くなり、チーム全体の生産性や協力が向上する可能性があります。
また、自分に自信があり、ポジティブなエネルギーを持っているため、周囲の人々からもサポートを受けやすくなります。人との出会いや仕事のチャンスに恵まれる機会が多く、結果として仕事でも成功しやすいでしょう。
自己肯定感が高い人は、失敗からの立ち直りが早く、逆境に強い傾向があります。彼らは「自分なら大丈夫」と楽観的に考えることができるため、落ち込んだ気分を迅速に切り替え、困難に前向きに取り組むことができます。
失敗から立ち直れる人と、立ち直れない人の違いは、思考パターンの違いです。自己肯定感を高めれば以下のような考え方ができるようになります。
・失敗は学ぶチャンスである
失敗や困難を不幸ではなく、何か意味のあることとして捉え、そこから学びや成長の機会を見出します。未来を見据えて、今できることに集中するため、失敗は行動を続ける原動力となります。
・人生に影響を与えられるのは自分しかいない
自己肯定感を高めると自分自身の価値観や判断に基づいて行動できるようになり、人生に影響を与えられるのは自分しかいないと思えるようになります。これにより、他人の評価や意見に一喜一憂することもなくなり、メンタルを健全に保ち、心も折れにくくなります。
自己肯定感が低いことで生じるデメリットは、次のとおりです。
自己肯定感が低いと、失敗を引きずりやすく、自己否定を繰り返してしまうことが多い傾向があります。失敗を反省することは重要ですが、過度に自分を責めることは逆効果で、ダメージを深めてしまうことがあります。
新しいことに挑戦したり始めたりする際、成功だけでなく失敗する可能性もあることは当然のことです。しかし、自己肯定感の低い人は、失敗を恐れて、挑戦を避けることもよくあります。また、失敗しても、傷つくのを恐れて自分と向き合わないため、失敗を次に活かせません。
自己肯定感の低い人は、挑戦するチャンスだけでなく、成長する機会も逃しています。
自己肯定感が高い人は、自分だけでなく他者も尊重できるため、積極的なコミュニケーションを図ることができます。一方、自己肯定感が低い人は、自分の考えを否定するだけでなく、相手の意見も素直に受け入れられない傾向があります。
そのため、自己肯定感が低い人はコミュニケーションが積極的に取れず、行き違いが生じやすいでしょう。特に、初対面の人との対話においては、お互いを知ることより、相手にどう思われているかのほうが気になり、壁を作りやすくなります。
自信と安心感から堂々と振る舞える自己肯定感が高い人と比較すると、どうしても自己肯定感が低い人は良好な人間関係の構築が難しくなる傾向にあります。
自己肯定感が低い人は、大きく分けて以下の4つタイプ、逃避型、比較優位型、諦め型、要求型に分類できます。ここでは、それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。
逃避型の人は、興味や関心を持たないふりをし、努力や本気を出そうとしない人です。見捨てられることや見下されることへの恐れが強いため、そうした状況に直面する前に自ら回避しようとするのです。彼らが避けたがるものは、主に次のようなものです。
・新しいことへのチャレンジ
新しいことに挑戦することを避ける理由としては、新しいことや困難なことにチャレンジして失敗することを恐れていることが挙げられます。本気を出さなければ、たとえ失敗しても、本気を出さなかったからで、本気を出せば成功していたかもしれないと言い訳ができるからです。
彼らは失敗した自分を受け入れられないため、無関心を装ったり本気にならない態度をとったりすることで、自分と向き合うことを避けます。
・人との関わり
人からの評価を極度に恐れるため、「人から嫌われるくらいなら、最初から関わらないほうがよい」、「他人競争しなければ馬鹿にされることもない」という考え方をします。不安を感じる状況を避けるために、最初から人との関わりを拒絶します。
自分がどれほど優れているかを示すことで、他人からの評価や承認を得ようとします。比較優位型の行動としては、次のようなものがあります。
・自慢話をする
自慢話をしたり、ブランド品を身に着けたりして自信があるように見せます。これは、自己肯定感の低さを隠し、自分の価値を示そうとしているからです。
・他人を批判する
人を批判するのは、劣等感の現れです。自慢をする人とは対象的に、誰かを批判し見下すことで、自分の価値を高めます。
諦め型の人は、どうせ自分にはできないといった否定的な思考に陥りやすく、挑戦することに対して強い恐れを抱きます。自分が成功する可能性を考えないようにし、受け身の姿勢を取ることが多く、褒められてもその言葉に疑念を抱き、相手の好意を素直に受け入れられません。
また、自分は成功する価値がないと思っているため、アドバイスにも耳を傾けない傾向にあります。
要求型の人は、他人の評価がそのまま自己評価となります。自分の選択や考えが他人にどう影響するかを過度に心配し、自己評価が低いために他者の意見に過敏になりやすいのが特徴です。そのため、他者に依存しやすく、他人を気にしすぎたり、自己犠牲を払ってまでも他人を優先しすぎたりします。
自信がない点では比較優位型と似ていますが、比較優位型は自分の自信のなさを隠すために直接アピールしますが、要求型は直接アピールすることはなく、周りの人からよい印象を持たれるように努めます。
自己肯定感が低い人は、自分の能力や魅力に気づいていなく、本来ある力を十分に発揮できていない人です。周りの人たちの接し方によっては、自信を取り戻せることもありますが、反対に些細な言動がさらに自信を失わせてしまう結果になる可能性があります。自己肯定感が低い人に対しては、日常の業務中の行動や発言、態度に気を配り、適切に対応することが求められます。
自己肯定感が低い人と接する際の主なポイントは、次の3つです。
・ネガティブな感情を否定しない
一般的に、前向きやポジティブであることが素晴らしく、ネガティブであることが否定されやすい傾向にありますが、実際ポジティブな感情とネガティブな感情に優劣はありません。自己肯定感が低いこと自体、悪いことではないため、ネガティブな感情を否定せず、相手の気持ちを尊重して、まずはそのまま受け入れてあげることが大切です。
・褒めるときは根拠を伝える
もともと他人を信用していないため、漠然とただ褒めると、自信を持たせようと嘘をついているのではないかと、不信感を持たせる可能性があります。
結果だけでなく、過程に注目し、「あなたのこの対応が良かった」、「あなたの行動が周囲の助けになった」というように、具体的な根拠を示して褒めることが重要です。
・相手につられて感情的にならない
自己肯定感が低い人のなかで、被害妄想が強いと、時として過剰に感情的になってしまうことがあります。そして、周りの人も相手につられて、感情的に反応してしまうことも少なくありません。
相手に共感することは大切ですが、自己肯定感が低い人に接する際は、常に冷静でいることも大事です。感情が高ぶりそうな場合は、冷静さを取り戻すために時間を置くことが有効です。
最終的に自分を変えられるのは自分しかいません。自分を変えるためには、自分自身をよく理解しておくことが大切です。なかでも、理解しておくべきことは、なぜ自己肯定感を下げてしまうのかということです。自己肯定感を下げてしまう主な考え方には、完璧主義とネガティブな思考があります。
自己肯定感が低い人は自分に自信がないため、すべての人から高く評価されたいという強い願望を持っています。その結果、少しのミスも許されないという考えになり、完璧主義につながります。
完璧主義の人は、承認欲求が強く、他人からの評価を非常に気にします。完璧主義の人にとって、失敗や過ちは自分が不十分であることの証で、羞恥心を生じさせるものです。しかし、この世の中に完璧な人などいないため、どんなに努力をしても自分に満足することはなく、失敗する度に自己肯定感が下がります。
ネガティブな思考は、マイナスに思われがちですが、失敗を予測することで冷静に対処できるように、役立つ場面も少なくありません。しかし、ネガティブな思考が強すぎると、将来に対して根拠のない不安を抱きやすくなります。また、自分自身に対するネガティブな思考は、自分を責めるようになり、自己肯定感が下がるだけでなく、行動も制限されてしまうため注意が必要です。
自己肯定感は、意識や考え方を変えることで高めることが可能です。具体的な方法としては、次のようなものがあります。
自己肯定感が低い人は、思い込みに陥りやすく、そのことが現実を歪め、自己や周囲に対する不安や疑念を強めることがあります。こうした思い込みが生じる背景には、幼少期のストレスや環境が大きく影響していることがあり、単なる思い込みがやがて信念となり、深く心に根付くことも少なくありません。
自己肯定感を高めるためには、事実と勝手な思い込みを分けて考える必要があります。そのために、効果的な方法は次の2つです。
・思い込みを書き出す
思い込みは無意識であることがよくあります。改善するためには、まずは気づく必要があるため、普段どんな思い込みをしているのか書き出し把握しましょう。
・過去の経験に囚われない
思い込みは過去の経験に基づいていることがほとんどです。過去はそうであったとしても、考え方や行動を変えることで、未来は変えられると考えましょう。
自分自身の現状を踏まえて、自分を受け入れることを自己受容といいます。自己受容は、この「現状を踏まえて」という部分が特に重要で、自分の嫌な部分やネガティブな側面を含めて受け入れることです。
ありのままの自分を受け入れると、自己肯定感が上がるだけでなく、外部からの評価や期待、他者との比較から解放され、内面的な葛藤やストレス、不安が軽減され、心の安定と平穏を得られます。
自分を受け入れる方法としては、自分の長所と短所を書き出すことが有効です。自分自身をより深く理解できるようになり、受け入れやすくなります。このとき、短所は欠点ではなく成長の機会と捉えることが大切です。自分を拒絶することなく、それを改善する具体的な方法を考えるようにすると克服しやすくなります。
自己肯定感が低く自信が持てない人は、成功体験を積み重ねセルフイメージを改善することが重要です。成功体験といっても、誰もが驚くような出世や昇給である必要はありません。実際に自信をつけるために大切なのは、成功体験の「数」で、大きな成功体験ひとつするより、小さな成功体験を数多く積み重ねるほうが効果的です。
例えば、「早起きをする」、「嫌いな人に挨拶する」など、些細なことにチャレンジしてうまくいったことなら、それらはすべて成功体験と捉えます。
そして、成功したらその都度自分を褒め、成功したことを定期的に振り返ることもポイントです。うまくいかなかったとしても自分を責めず、ありのままの自分を受け入れたうえで、その理由を考えそれに応じた対策を立てましょう。
自己肯定感とは、ありのままの自分を受け入れ、他人と比較せずに自分の価値を認める感覚です。自己肯定感を高めることは、幸福感が高まり自己実現しやすくなります。しかし、日本人は諸外国の人と比較すると、自己肯定感が低い傾向があります。
自己肯定感は、自分のすべてを受け入れ、小さな成功体験を積み重ねることで高めることが可能です。自己肯定感を高めることは、メンタルが安定し、より良い人間関係を構築することにも役立ちます。
自己肯定感は、従業員の内発的モチベーションに影響するため、新入社員に必要とされるマインドセットの一つに含まれます。自己肯定感やモチベーションを高める研修をご検討でしたら、DYMへご相談ください。
「世界で一番社会を変える会社を創る」というビジョンのもと、WEB事業、人材事業、医療事業を中心に多角的に事業を展開し、世界で一番社会貢献のできる会社を目指しています。時代の変化に合わせた新規事業を生み出しながら世界中を変革できる「世界を代表するメガベンチャー」を目指し、日々奮闘しています。
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