血液検査は、健康状態を把握する基本的な検査であり、人間ドックや健康診断の中でも重要な位置を占めています。しかし、血液検査でわかることや検査結果の見方、受ける際の注意点など、わかりにくい方も多いのではないでしょうか。
本記事では、血液検査の基本から、健康診断と人間ドックの違い、さらに検査結果の読み解き方やオプション検査について解説します。血液検査の全貌を理解し、より効果的な健康管理に役立てましょう。
<この記事で紹介する3つのポイント>
- 血液検査でわかる病気と検査結果の見方
- 健康診断と人間ドックにおける血液検査の違い
- 血液検査を受ける際の注意点とオプション検査
血液検査の基本とは?
血液検査は、健康状態を把握する基本的な検査方法であり、以下の検査方法で血液中の成分を分析します。
- 血液学検査:赤血球・血色素・白血球など血液成分を調べる検査
- 生化学検査:血液中の糖質・タンパク質・酵素を調べる検査
- 免疫血清学検査:免疫機能の状態を調べる検査
上記の検査によって、貧血や感染症、糖尿病、肝臓や腎臓の機能異常など、多岐にわたる健康リスクを早期に発見できます。
さらに、血液検査の基本的な役割は、身体の内側で起こっている変化を可視化することです。健康診断や人間ドックの中でも、特に重要視されるこの検査を正しく理解し、検査結果を有効活用することが、効果的な健康管理の第一歩となります。
血液検査では、さまざまな病気の早期発見が可能です。血液検査で見つかる代表的な病気は以下のとおりです。
- 貧血
赤血球の数やヘモグロビン濃度が低下すると貧血が疑われます。一方で赤血球の数やヘモグロビン濃度が高くなりすぎると、多血症の可能性があります。多血症は心筋梗塞や脳梗塞の原因に繋がるため注意が必要です。
- 感染症
白血球の増減やCRP(C反応性タンパク)値の上昇によって、体内での炎症や感染症を把握できます。また、感染症によりCRP値が上昇する場合、結果を追跡することにより、病状や回復状況を確認することが可能です。
- 糖尿病
血糖値やHbA1c値が上昇すると糖尿病の可能性があります。特にHbA1cは、過去数か月間の平均血糖値を反映するため、糖尿病の管理指標として重要です。
- 肝臓疾患
AST(GOT)やALT(GPT)、γ-GTPなど肝臓内に多く含まれる酵素値が上昇すると、肝炎や脂肪肝、肝硬変などの肝臓疾患が疑われます。
- 腎臓疾患
血清クレアチニンや尿素窒素(BUN)値が上昇すると、糖尿病性腎症、慢性腎臓病(CKD)、慢性糸球体腎炎など腎臓疾患の可能性があります。
- 脂質異常症
総コレステロールやLDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド(中性脂肪)などの数値が上昇すると脂質異常症が疑われます。脂質異常症は動脈硬化の原因となり、心血管、脳血管疾患を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
血液検査は、このように多くの疾患の早期発見に寄与するため、定期的に受けることが推奨されます。
血液検査は、このように多くの疾患の早期発見に寄与するため、定期的に受けることが推奨されます。
健康診断と人間ドックにおける血液検査の違い
健康診断と人間ドックは、どちらも健康状態を把握するための手段です。しかし、目的や検査項目の内容が異なります。特に血液検査においては、どの検査が含まれるか、検査の精度や範囲も異なるため、以下の2点について理解が必要です。
- 特定健診と健康診断、人間ドックの違い
- 血液検査の主な検査項目の比較
それぞれ説明します。
特定健診、一般的な健康診断、人間ドックで異なる点は、検査の目的や内容、対象者にあります。
特定健診は、40歳から74歳の公的健康保険加入者を対象に、メタボリックシンドロームに着目した検診を行います。主に内臓脂肪型肥満の有無や、高血圧、脂質異常、糖尿病のリスク評価が可能です。
一般的な健康診断は、法律によって義務付けられており、職場や学校において年に一度受けなければなりません。基本的には身体計測、視力・聴力検査、血圧測定、尿検査、そして血液検査(貧血、肝機能、脂質など)が含まれます。
人間ドックは、健康診断と比べて検査項目が多いことから、より詳しい検査を希望する場合に選択するとよいでしょう。がんの早期発見を目指した腫瘍マーカーや、心血管疾患のリスク評価、詳細な血液検査などが含まれます。さらに、人間ドックは、個人の健康リスクに応じたオプション検査を追加できる点も特徴です。
上記3つの違いを理解し、自身に合った検査を選ぶことが重要です。
健康診断や人間ドックにおいて行われる血液検査には、さまざまな項目があります。それぞれの検査項目が何を意味し、どのような疾患のリスク評価に役立つかを知ることが、検査結果を理解する上で重要です。主要な血液検査項目を比較した特徴は以下のとおりです。
- 貧血検査(赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット)
赤血球数やヘモグロビン値が低い場合、貧血が疑われます。ヘマトクリットは、血液中に占める赤血球の割合を示し、貧血の有無や重症度を調べることが可能です。
- 肝機能検査(AST、ALT、γ-GTP)
AST(GOT)とALT(GPT)は、肝細胞が壊れると血液中に流れ出す酵素で、肝臓の炎症や損傷を示します。γ-GTPは、肝臓や胆道の障害を示唆する値で、特にアルコール摂取との関連が強いです。
- 腎機能検査(クレアチニン、BUN、尿酸)
クレアチニンは腎機能の指標で、腎臓が正常に機能しているかを評価します。BUN(血中尿素窒素)も腎臓の排泄機能を知ることが可能です。尿酸値が高い場合、痛風のリスクが考えられます。
- 脂質検査(総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド)
脂質異常症の診断には、これらの脂質値が重要です。LDL(悪玉)コレステロールが高いと動脈硬化のリスクが高まり、HDL(善玉)コレステロールは逆にそのリスクを低減します。
- 糖代謝検査(血糖値、HbA1c)
血糖値とHbA1cは、糖尿病の診断と管理に用いられます。HbA1cは過去数か月間の平均血糖値を反映するため、糖尿病のコントロールの状態を把握する上では有用です。
これらの検査項目を理解し、自分の健康状態に応じてどの検査が重要かを判断することが求められます。
血液検査結果の見方―検査結果からわかる重要なポイント
血液検査の結果は、健康状態の指標として非常に重要です。正しく結果を理解することで、自分の健康状態を把握し、必要な対策を講じることができます。血液検査結果の見方と、特に注意すべきポイントは以下の通りです。
- 検査結果の基準値とは何か?
- 肝臓に関連する検査項目
- 腎臓に関する検査項目
- 脂質代謝に関する検査項目
- 糖代謝に関する検査項目
- 血液中の細胞に関する検査項目
- その他の重要な検査項目
- 検査結果の変化を把握するためのポイント
それぞれ説明します。
血液検査の基準値とは、検査結果が正常か判断するための目安の値です。東京大学医学部附属病院検査部によると、健康な人から集計した検査結果をもとに、統計学的に算出した数値の範囲と公表しています。
しかし、基準値は、検査機関や使用する測定機器によって異なる場合があります。したがって、自分の結果を評価する際には、必ずその検査機関の基準値を確認することが重要です。基準値から外れているからといって必ずしも異常とは限らず、体質や一時的な状態による影響も考慮する必要があります。
たとえば、血糖値が一時的に高い場合でも、食事やストレスの影響が考えられるため、継続して高値が続くかどうかを確認することが大切です。
肝臓は、体内で毒素を解毒し、栄養素を代謝する重要な臓器です。肝臓の健康状態を把握するためには、以下の検査項目に注目します。
- AST(GOT)
肝細胞が壊れると血中に増加する酵素で、肝臓や筋肉の損傷を示す指標です。
- ALT(GPT)
ASTと同様に肝細胞の破壊を示す酵素ですが、肝臓の病変により特異的に増加するため、肝臓の状態をより反映しやすいです。
- γ-GTP
アルコール摂取によって特に増加しやすい酵素で、肝臓や胆道の障害を示します。過剰な飲酒が続くとこの数値が高くなるため、肝臓の健康チェックに欠かせません。
上記の値が基準値から外れている場合、肝炎や脂肪肝、肝硬変などの肝疾患が疑われます。肝臓は症状が出にくい臓器のため、定期的な血液検査で状態を確認することが重要です。
腎臓は、血液を濾過して老廃物を尿として排出する役割を担っています。腎機能が低下すると、体内に毒素が溜まり、さまざまな健康問題を引き起こします。腎臓の健康をチェックするための主な検査項目は以下の通りです。
- クレアチニン
筋肉の運動に欠かせないクレアチンが代謝された後の老廃物です。基本的には腎臓で濾過され、尿中に排泄されます。血中クレアチニン値が高い場合、腎機能の低下が疑われます。
- 尿素窒素(BUN)
尿素窒素はタンパク質を利用したあとの老廃物です。肝臓で生成された尿素窒素は腎臓で濾過されて尿中に排泄されます。しかし、濾過しきれない場合は血液中に溜まるため、血中のBUN値が高い場合、腎機能が低下している可能性があります。
- 尿酸
尿酸はプリン体の代謝産物です。通常は腎臓から排泄されますが、尿酸値が高い場合、腎機能の低下や高尿酸血症による痛風のリスクが考えられます。
上記の検査結果をもとに、腎臓の健康状態を把握し、必要に応じて生活習慣の見直しや医療機関での相談を行うことが大切です。
脂質代謝の異常は、生活習慣に起因する物が多く、動脈硬化や心血管、脳血管疾患のリスクを高めます。脂質代謝に関する検査項目は、以下の通りです。
- 総コレステロール
総コレステロールは細胞やホルモンをつくるために必要な成分です。血中の総コレステロール量を示しており、過剰なコレステロールは糖尿病や動脈硬化のリスクを高めます。
- LDLコレステロール(悪玉コレステロール)
LDLコレステロールは全身にコレステロールを運ぶ成分です。動脈壁にコレステロールを蓄積させるため、LDL値が高いと動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが増加します。
- HDLコレステロール(善玉コレステロール)
動脈壁に蓄積したコレステロールを肝臓に戻す役割を持ち、動脈硬化の予防に重要です。HDL値が低いと、動脈硬化のリスクが高まります。
- トリグリセリド(中性脂肪)
運動する際のエネルギー源や体温を一定に保つために脂肪です。過剰に蓄積されると血液の流れが悪くなり、肥満や動脈硬化のリスクが高まります。
脂質代謝の異常は、日常生活での食事や運動の影響を大きく受けるため、これらの数値に異常が見られる場合は、生活習慣の改善が重要となります。
糖代謝の異常は、糖尿病や糖尿病に起因する合併症を引き起こすリスクを高めます。糖代謝に関する検査項目は以下の通りです。
- 血糖値
血糖値とは血液中のグルコース(ブドウ糖)の量のことです。血糖値は空腹時に測定した数値で評価されます。血糖値が高い場合、糖尿病の可能性が高いと言えるでしょう。
- HbA1c
過去1〜2か月間の平均血糖値を反映する指標です。HbA1cが高い場合、糖尿病の管理が不十分である可能性があります。
- インスリン
血糖値を調節するホルモンのことです。インスリンの分泌量や感受性が低下すると、糖尿病のリスクが高まります。
糖代謝の異常は、生活習慣病の一環として発症することが多いため、定期的な血液検査で早期に発見し、適切な対策を講じることが重要です。
血液中の細胞成分の状態を把握することで、感染症や血液疾患のリスクを評価できます。主な検査項目は以下の通りです。
- 白血球数
免疫機能を持つ白血球の数を測定します。増加している場合は感染症や炎症が発生し、減少している場合は免疫力が低下している可能性が高いです。
- 赤血球数
酸素を運搬する赤血球の数を測定します。貧血が疑われる場合、赤血球数が低下していることが多いため、注意が必要です。
- 血小板数
血液凝固に関与する血小板の数を測定します。血小板数が低い場合、出血や再生不良性貧血などの疾患のリスクが高く、反対に血小板数が高い場合、鉄欠乏性貧血や血小板血症のリスクが高いです。
上記の細胞成分の検査結果を参考に、体内で起きている異常や病気のリスクを評価し、適切な対応を行うことが重要です。
血液検査には、上記以外にも重要な検査項目が4つ存在します。その他の重要な検査項目は以下の通りです。
- CRP(C反応性タンパク)
炎症の度合いを示す指標で、急性炎症や感染症、慢性疾患の活動性を評価します。CRP値が高い場合、体内で炎症が進行している可能性があります。
- アルブミン
アルブミンとは肝臓で生成されるタンパク質のことです。栄養状態や肝機能の指標となります。アルブミン値が低い場合、栄養不良や肝臓疾患が疑われます。
- フェリチン
フェリチンは体内で鉄分を貯める働きを持つタンパク質です。体内の鉄の貯蔵量を示す指標で、フェリチン値が低い場合、鉄欠乏性貧血の可能性があります。
- 総ビリルビン
ヘモグロビンの分解産物で、肝臓で処理されます。総ビリルビン値が高い場合、肝臓や胆道の機能障害が疑われます。
上記の検査項目は、より詳細な健康状態を把握するために必要であり、異常が見られた場合はさらなる精密検査や治療が必要となることがあります。
血液検査の結果は、定期的に比較することで、健康状態の変化や異常の兆候を早期に発見できます。検査結果の変化を把握するためのポイントは以下の通りです。
- 結果のトレンドを確認する
一度の検査結果だけではなく、過去の結果と比較して数値の上昇や下降傾向を把握しましょう。たとえば、血糖値が徐々に上昇している場合、糖尿病のリスクが高まっている可能性があります。こうした変化を知ることにより、健康管理や疾患の治療に役立てることができるでしょう。
- 異常値が続く場合は医師に相談
異常な数値が一度だけでなく、複数回続く場合は、医師に相談しましょう。異常な数値が続く場合、何らかの異常が体の中で発生していると考えられます。そのため、さらなる検査や治療を検討することが重要です。
- 生活習慣の見直し
血液検査の結果が悪化している場合、食事や運動、ストレス管理などの生活習慣を見直すことも考えなければなりません。特に脂質異常症や糖尿病などの生活習慣が起因する疾患がある場合、食事の量・内容を見直すことや適度な運動を続けることにより、血液検査の結果が改善するケースもあります。そのため、生活習慣を見直し健康状態を改善しましょう。
上記のポイントを押さえて、検査結果を活用し、健康管理に役立てることが大切です。
人間ドックのオプション検査や追加できる血液検査
人間ドックでは、基本的な検査項目に加えて、個々の健康リスクに応じたオプション検査や追加の血液検査を選択できるため、特定の疾患のリスク評価や早期発見に繋がります。本章では以下のオプション検査や追加できる血液検査をご紹介します。
- 腫瘍マーカーの検査
- リスクを評価するための検査
- 専門ドックに含まれるその他の検査項目
それぞれ説明します。
腫瘍マーカーは、がんのリスクを評価するために行われる血液検査です。特定のがん細胞が産生する物質や、がんによって体内で増加する成分を測定することで、がんの早期発見に役立ちます。代表的な腫瘍マーカーは以下の通りです。
- CEA(癌胎児性抗原)
大腸がんや肺がん、膵臓がんなどの消化器系のがんで増加することが多いマーカーです。
- AFP(αフェトプロテイン)
肝細胞がんのリスク評価に使用されるマーカーです。肝炎や肝硬変を持つ患者が対象となります。
- PSA(前立腺特異抗原)
前立腺がんのスクリーニングに使用されるマーカーで、男性が定期的に検査を受けることが推奨されています。
- CA125
卵巣がんの早期発見に役立つマーカーで、特に卵巣がんのリスクが高い女性が対象です。
これらの腫瘍マーカー検査は、がんの早期発見やリスク評価に有効であり、必要に応じてオプションとして選択することが推奨されます。
リスク評価検査は、生活習慣や家族歴によって高まる健康リスクを特定するために行われます。
主なリスクを評価するための検査は、以下の通りです。
- 動脈硬化のリスク評価
LDLコレステロールや中性脂肪、血糖値などの検査結果をもとに、動脈硬化のリスクを評価できる検査です。必要に応じて頸動脈エコーやABI(足関節上腕血圧比)検査が追加されることもあります。
- 骨粗しょう症のリスク評価
骨密度測定を通じて、骨粗しょう症のリスクを評価できる検査です。特に閉経後の女性や高齢者は骨密度が低下しやすい傾向であるため、推奨されます。
- 心血管疾患のリスク評価
心電図やストレステスト、冠動脈CTを使用し、心血管疾患のリスクを評価する検査です。特に心臓病の家族歴がある方や喫煙者に推奨されます。
リスク評価検査を行うことで、将来的な健康リスクを予測し、早期の介入や予防策を講じることが可能となります。
人間ドックには、特定の臓器や疾患に特化した「専門ドック」が存在します。専門ドックでは、通常の人間ドックでは含まれない詳細な検査が行われます。代表的な専門ドックは以下の通りです。
- 脳ドック
脳の健康状態を評価するために、MRIやMRA、脳波などの検査を行う脳専門ドックです。脳梗塞や脳動脈瘤、脳腫瘍の早期発見を目指します。
- 肺ドック
肺がんやCOPD(慢性閉塞性肺疾患)のリスクを評価するために、胸部CTや肺機能検査が行われる肺専門ドックです。喫煙者や肺がんの家族歴がある方に推奨されます。
- 心臓ドック
冠動脈CTや心エコー、心臓MRIなどを用いて、心臓の健康状態を詳細に評価する心臓専門ドックです。心筋梗塞や狭心症のリスク評価に役立ちます。
これらの専門ドックは、特定のリスクがある方や、より詳細な検査を希望する方に適しています。自分の健康リスクに応じた専門ドックを選択することで、より効果的な健康管理が可能となるでしょう。
血液検査を受ける際の注意点
血液検査を受ける際には、いくつかの注意点があります。事前の準備や検査当日の対応が、検査結果の正確性に影響を与える点には注意が必要です。ここでは、血液検査を受ける際の具体的な注意点について解説します。
- 予約時に気を付けるべきことは?
- 血液検査の前日と当日に留意すべきことは?
それぞれ説明します。
血液検査の予約を行う際には、以下の点に注意することが重要です。
- 検査内容の確認
どのような血液検査を行うのかを事前に確認し、自分の健康状態に応じた検査が含まれているかをチェックしましょう。特定のリスクがある場合は、オプション検査の追加や特化した検査ができる医療機関を選ぶことがおすすめです。
- 検査前の食事制限
血液検査の種類によっては、検査前に一定期間食事を控えなければなりません。特に空腹時血糖値や脂質検査などでは、通常8時間以上の絶食が求められます。そのため、検査を受ける医療機関、ドックの指示や注意事項を確認することが重要です。
- 薬の服用について
日常的に服用している薬がある場合、検査前に医師に相談し、検査に影響を与える可能性があるかどうかを確認しましょう。一部の薬は、血液検査結果に影響を与えることがあるため、必ず確認が必要です。
これらの点を考慮し、検査予約を行うことで、正確な検査結果を得ることが可能となります。
血液検査の前日や当日に守るべきルールを理解することで、検査結果の精度を保つことができます。
- 前日の食事と飲酒
検査前日は脂っこい食事やアルコールを控えることをおすすめします。血液中の脂質や肝機能の検査結果に影響を与える可能性があるからです。また、食事のタイミングによっては検査を受けられなくなる場合もあるため、注意が必要です。
- 検査当日の行動
検査当日は、軽い運動も避け、リラックスした状態で検査に臨むことが重要です。運動やストレスは、一時的に血糖値や血圧を上昇させることがあるため、正確な結果が得られなくなる可能性があります。
- 水分摂取
水分摂取は通常許可されていますが、カフェインを含む飲み物や甘味料が含まれる飲み物は控えましょう。血糖値や腎機能検査の結果に影響を与える可能性が高いからです。そのため、ミネラルウォーターなど体に負担をかけないような飲み物に切り替えましょう。
上記の注意点を守ることで、血液検査結果の正確性を高め、信頼性のあるデータを得ることができるでしょう。
最適な人間ドックを見つけるためのポイント
人間ドックを受ける際には、最適な施設を選ぶことが重要です。適切な施設を選ぶことで、自身の健康リスクに応じた効果的な検査を受けることができます。最適な人間ドックを見つけるためのポイントは以下の通りです。
- 検査内容の充実度
自分の健康リスクに応じた検査項目が充実している施設を選びましょう。特に、家族歴や既往症がある場合は、そのリスクに特化した検査が含まれているか確認することが重要です。
- 施設の評判や口コミ
施設の評判や口コミを確認することもおすすめです。医師やスタッフの対応、検査の丁寧さ、設備の充実度などを確認することによって、信頼性の高い人間ドックを選ぶことに繋がります。そのため、安心して検査を受けることができるでしょう。
- アクセスの利便性
施設へのアクセスが良好であることも重要です。定期的に通うことを考えると、自宅や職場から通いやすい場所にある施設を選ぶことで、受診が継続しやすくなります。
- 費用と保険の適用範囲
人間ドックの費用は施設によって異なります。検査内容と費用のバランスを考慮し、予算に合った施設を選びましょう。また、保険適用が可能な検査や補助金制度を利用することで、経済的な負担を軽減することができます。
上記のポイントを押さえて、自分に最適な人間ドックを選ぶことにより、効果的な健康管理が可能になるでしょう。
まとめ
血液検査は、健康状態を総合的に評価するための基本的かつ重要な手段です。この記事では、血液検査の基本から、検査結果の見方、さらに健康診断や人間ドックにおける血液検査の違いについて詳しく解説しました。定期的に血液検査を受け、検査結果を正しく理解することで、自分の健康リスクを早期に発見し、適切な対策を講じることができます。
また、人間ドックでは、個々のリスクに応じたオプション検査や追加の血液検査を選択することが可能です。これにより、特定の疾患のリスク評価や早期発見が可能となり、より精度の高い健康管理が実現します。血液検査を受ける際には、事前の準備や当日の対応に注意し、正確な検査結果を得ることが重要です。
最後に、最適な人間ドックを選ぶことで、効果的な健康管理が可能になります。この記事で紹介したポイントを参考に、自分に合った人間ドックを選び、長期的な健康管理に役立ててください。
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