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消火用スプリンクラーの設置基準を知ろう!火災を早期に感知

公開日:2024.11.20  更新日:2025.02.14

火災は予期せぬ瞬間に発生し、多大な被害をもたらす可能性があります。
特に、施設内での火災は、多くの人命に危険を及ぼすだけでなく、建物全体が破壊されるリスクもあります。
こうした危険を最小限に抑えるためには、火災発生時に迅速に初期消火を行うことが極めて重要です。
そのため、スプリンクラー設備の設置は欠かせないものとなっています。
この記事では、スプリンクラー設備の重要性や設置基準について、詳しく解説します。

<この記事で紹介する3つのポイント>

  • スプリンクラー設備は初期消火において重要な役割を果たす。
  • 施設ごとに異なるスプリンクラー設置基準について解説。
  • 適切なスプリンクラー設備を選択する方法を紹介。

スプリンクラー設備|初期消火の重要性とは?

スプリンクラー設備は、火災発生時に迅速に初期消火を行うための装置です。

スプリンクラーが設置された施設では、火災発生後に迅速に水を放出し、火災の進行を抑えることが可能です。

この初期消火が成功すると、消防隊が到着するまでの間に火の手を抑えることができ、被害の拡大を防ぐことができます。

また、スプリンクラーが作動することで、火災の発生箇所を特定しやすくなり、消火活動がより効率的に行われるため、施設全体の安全性が向上します。

火災の初期段階での対応が遅れると、炎は急速に広がり、大きな被害をもたらす可能性がありますが、スプリンクラーはこれを防ぐために有効です。

特に、公共施設や商業施設など、多くの人々が集まる場所では、スプリンクラー設備の導入が法律で義務付けられており、命を守るための重要な手段となっています。

施設ごとのスプリンクラー設置基準とは?

スプリンクラーの設置基準は、施設の種類や用途に応じて異なります。

日本の消防法では、建物の階数や面積、用途に基づいてスプリンクラーの設置が義務付けられており、その基準は非常に細かく定められています。
たとえば、高層ビルでは、火災が発生すると避難が困難になるため、スプリンクラーの設置が必須となっています。
一方で、小規模な店舗や住宅では、設置が免除される場合もあります。これらの基準を正確に把握し、適切に対応することが求められます。

ここでは、

  • 消防法におけるスプリンクラー設置基準のポイント
  • 施設ごとのスプリンクラー設置基準の違い
  • 施設ごとに押さえるべきスプリンクラー設置基準のポイント

についてそれぞれ詳しく解説します。

消防法におけるスプリンクラー設置基準のポイントは?

消防法におけるスプリンクラー設置基準は、主に建物の用途、階数、面積に基づいています。特に、以下のポイントが重要です。

  • 用途:建物の使用目的に応じて、スプリンクラーの設置が必要かどうかが決まります。例えば、ホテルや病院、劇場など、不特定多数の人が利用する施設では、スプリンクラーの設置が義務付けられています。
  • 階数:高層建築物の場合、火災時の避難が困難であるため、11階以上の階層には必ずスプリンクラーを設置することが義務付けられています。
  • 面積:広い面積を持つ施設では、火災が拡大するリスクが高いため、スプリンクラーの設置が必要とされます。具体的な基準は建物の種類によって異なります。

これらの基準は、消防庁や自治体によって定められており、最新の基準を確認しながら設置を行うことが重要です。

階層ごとのスプリンクラー設置基準の違いは?

スプリンクラー設置基準は、階層によって大きく異なります
これにより、火災時のリスクを最小限に抑えるために必要な措置が取られています。
たとえば、高層階では避難が難しくなるため、特に厳しい基準が設けられています。
また、地下施設や無窓階など、火災が発生した際に煙や熱が逃げにくい場所では、スプリンクラーの設置が必須となります。

スプリンクラーの設置が必須となるのは以下です。

  • 高層階】11階以上の基準
  • 【中層階】4階から10階までの基準
  • 【一般階】1階から3階までの基準
  • 地階(地下)又は無窓階の基準

それぞれ具体的な階層ごとの設置基準の違いを紹介します。

【高層階】11階以上の基準

高層階では、火災が発生した場合の避難が非常に困難になるため、厳格なスプリンクラー設置基準が適用されます。
11階以上の建物では全てのフロアにスプリンクラーを設置することが法律で義務付けられており、これにより火災の拡大を防ぐことが期待されています。
特に、高層階では煙や熱が上昇しやすく、避難経路が煙で閉ざされるリスクが高いため、スプリンクラーが初期消火に果たす役割は非常に大きいといわれています。

【中層階】4階から10階までの基準

中層階においても、スプリンクラーの設置が推奨されています。
4階から10階の建物では、火災が発生した際に避難がやや難しくなるため、特定の条件下でスプリンクラーの設置が義務付けられています。
たとえば、病院や老人ホームなど、避難に時間がかかる施設では、スプリンクラーの設置が必須です。
また、学校やオフィスビルにおいても、多くの人が利用するフロアにはスプリンクラーが必要となります。

【一般階】1階から3階までの基準

一般階では、比較的避難が容易なため、スプリンクラーの設置基準は他と比べると低く設定されています。
しかし、広い面積を持つ施設や、多くの人が集まる場所では、スプリンクラーの設置が義務付けられる場合があります。
たとえば、大規模な商業施設や工場などでは、火災が発生した際に迅速な対応が求められるため、スプリンクラーが設置されることが多いです。

これにより、火災の拡大を抑えることが期待されています。

地階(地下)又は無窓階の基準

地階や無窓階は、火災が発生した際に煙や熱が逃げにくい環境であるため、スプリンクラーの設置が非常に重要です。
特に地下施設では、火災時の避難が困難であることから、スプリンクラーの設置が義務付けられています。
また、無窓階では、外部からの換気が難しく、火災時に窒息や熱中症のリスクが高まるため、これらの場所においてもスプリンクラーが欠かせません。
設置基準は、各自治体の条例や消防法に基づいて定められています。

施設ごとに押さえるべきスプリンクラー設置基準のポイントは?

施設ごとに異なるスプリンクラー設置基準を正しく理解し、適切に対応することが求められます。
ここでは具体的に、

  • 会場施設】映画館・劇場などの基準
  • 【集会施設】集会場・公会堂などの基準
  • 【歓楽施設】キャバレー・ナイトクラブなどの基準
  • 【娯楽施設】ダンスホール・カラオケなどの基準
  • 【店舗】飲食店などの基準
  • 【商業施設】デパート・スーパーなどの基準
  • 【宿泊施設】ホテル・旅館などの基準
  • 【教育機関】幼稚園・養護学校(特別支援学校)などの基準

以上8つの施設について詳しく解説します。

【会場施設】映画館・劇場などの基準

映画館や劇場などの会場施設では、火災発生時に多くの人が一斉に避難する必要があるため、スプリンクラーの設置が厳格に義務付けられています。
特に座席数が一定数を超える場合や、多層階にわたる施設では、各階ごとにスプリンクラーが設置されることが求められます。

【集会施設】集会場・公会堂などの基準

集会場や公会堂などの集会施設では、多くの人々が集まるイベントが開催されることが多く、そのため、火災発生時のリスクが高まります。
このような施設でもスプリンクラーの設置が推奨されており、特に大規模な施設では設置が義務付けられる場合があります。
また、避難経路が複数ある場合でも、火災の拡大を防ぐためにスプリンクラーの設置が重要となります。

【歓楽施設】キャバレー・ナイトクラブなどの基準

歓楽施設は、照明や音響設備が多く使用されるため、火災のリスクが高い場所とされています。
そのため、キャバレーやナイトクラブなどの歓楽施設では、スプリンクラーの設置が義務付けられています。
特に、深夜営業を行う施設では、利用者が避難しにくい状況が想定されるため、スプリンクラーによる初期消火が非常に重要です。

【娯楽施設】ダンスホール・カラオケなどの基準

ダンスホールやカラオケなどの娯楽施設では、利用者が音楽に集中している場合が多いため、火災発生時の対応が遅れるリスクがあります。
これに対応するため、スプリンクラーの設置が推奨されています。
特に、広い面積を持つ施設や、複数階にわたる建物では、スプリンクラーの設置が義務付けられる場合があります。

【店舗】飲食店などの基準

飲食店では、調理設備が火元となることが多く、火災発生のリスクが高いとされています。
そのため、飲食店ではスプリンクラーの設置が推奨されています。
特に、フードコートや大型レストランなど、多くの人が集まる場所では、スプリンクラーの設置が義務付けられる場合があります。

【商業施設】デパート・スーパーなどの基準

商業施設では、多数の店舗が一箇所に集まるため、火災が発生した際のリスクが高まります。
そのため、デパートやスーパーなどの商業施設では、スプリンクラーの設置が必須とされています。
特に、大規模な商業施設では、各階ごとにスプリンクラーを設置することが求められ、火災が発生した場合でも迅速に対応できる体制が整えられています。

【宿泊施設】ホテル・旅館などの基準

宿泊施設では、利用者が寝ている間に火災が発生する可能性があるため、スプリンクラーの設置が非常に重要です。
ホテルや旅館では、全ての客室や共用スペースにスプリンクラーを設置することが義務付けられており、火災が発生した際に迅速な初期消火が行われるようになっています。
これにより、宿泊者の安全を確保し、被害を最小限に抑えることが可能です。

【教育機関】幼稚園・養護学校(特別支援学校)などの基準

教育機関では、多くの子どもたちが集まるため、火災発生時のリスクが特に高い場所とされています。
そのため、幼稚園や養護学校(特別支援学校)などでは、スプリンクラーの設置が推奨されています。
特に、避難に時間がかかる施設では、スプリンクラーの設置が義務付けられる場合があります。
これにより、火災が発生した際でも迅速な初期消火が行われ、子どもたちの安全を守ることができます。

選択すべきスプリンクラー設備の種類は?

スプリンクラー設備には、様々な種類があり、施設の特性や設置場所に応じて最適なものを選択することが重要です。
選択する際には、火災のリスクや施設の構造、利用者の安全性を考慮する必要があります。以下が、主なスプリンクラー設備です。

  • 開放型スプリンクラー
  • 放水型スプリンクラー
  • 湿式スプリンクラー(閉鎖型)
  • 乾式スプリンクラー(閉鎖型)
  • 予作動式スプリンクラー(閉鎖型)

以上5つのスプリンクラーの特徴と設置場所について解説します。

1)開放型スプリンクラーの特徴と設置場所

開放型スプリンクラーは、ヘッドの放水口が開放されている消火設備です。火災が発生すると、火災報知器と連動するなどして直ちに大量の水や消火薬剤を放出し、迅速な初期消火を支援します。

この種のスプリンクラーは、石油化学プラントや航空機格納庫など、高い引火性物質を扱う場所や、大規模な火災に発展する可能性のある環境に設置されます。その即応性と大量放水能力が、危険度の高い特殊な場所での火災対策において重要な役割を果たします。

2)放水型スプリンクラーの特徴と設置場所

放水型スプリンクラーは、一斉に大量の水を放出する消火設備です。壁や天井に設置された固定式ヘッドから放水するものと、放水銃のように放水範囲が変更できる可動式ヘッドを用いたものがあります。別途設置されている火災報知器が熱を感知して放水します。
主に倉庫や工場など、大規模な空間での使用が適しており、大量の水による迅速な消火が可能です。通常のミスト型システムと比較してより多くの水を使用しますが、その効果は広範囲の火災に対して非常に有効です。

3)湿式スプリンクラー(閉鎖型)の特徴と設置場所

湿式スプリンクラーは、配管内に常時加圧水を充填した状態で設置される最も一般的な消火設備です。火災時の熱でヘッドが開放されると即座に放水を開始し、迅速な対応が可能です。
オフィスビル、商業施設、ホテルなど、凍結の心配がない一般的な建築物に広く使用されます。システムがシンプルで信頼性が高く、維持管理も容易なことから、多くの場所で採用されている標準的なスプリンクラーシステムです。

4)乾式スプリンクラー(閉鎖型)の特徴と設置場所

乾式スプリンクラーは、配管内に常時圧縮空気または窒素ガスを充填し、ヘッドが作動するまで水を送水しない仕組みの消火設備です。主に寒冷地の倉庫や冷凍倉庫など、凍結のリスクがある場所に設置されます。
火災時にヘッドが開放されると、配管内の圧力が下がり、水が送られて放水が始まります。凍結防止が可能で、水損リスクも低減できるため、特殊な環境下での火災対策に適しています。

5)予作動式スプリンクラー(閉鎖型)の特徴と設置場所

予作動式スプリンクラーは、火災感知器と連動して作動する高度な消火設備です。通常、配管内には空気や窒素が充填されており、火災感知器が火災を検知すると初めて配管内に水が送られ、ヘッドが開放されて放水を開始します。
このシステムは美術館や博物館、データセンターなど、誤作動による水損被害を極力避けたい場所に適しており、誤放水のリスクを最小限に抑えつつ、確実な消火性能を提供します。

スプリンクラー設備種類のまとめ

主なスプリンクラー設備には、開放型、放水型、湿式、乾式、予作動式の5つのタイプがあり、それぞれの特徴に応じて適切な設置場所が異なります。
火災のリスクや施設の特性に応じて、最適なスプリンクラー設備を選択することが重要です。
たとえば、広い面積をカバーする必要がある場合は開放型が適しており、寒冷地では乾式が推奨されます。
また、博物館やデータセンターのような特定のエリアに限定して消火する場合は、予作動式が適しています。

まとめ

火災発生時の初期対応として、スプリンクラーの設置は非常に重要です

施設ごとに異なる設置基準を理解し、適切なスプリンクラー設備を選択することで、火災の被害を最小限に抑えることができます。

特に、消防法や各施設の特性を考慮した上で、最適なスプリンクラーシステムを導入することが求められます。

また、スプリンクラーの定期的なメンテナンスも忘れずに行い、常に万全の体制で施設の安全を確保することが重要です。

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