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アメリカ渡航前に受けるべき予防接種の種類|重要性や帰国後の確認ポイント

公開日:2024.11.21  更新日:2025.02.17

アメリカは、多様な文化、壮大な自然、先進的な都市など、魅力的な観光地として世界中から多くの旅行者を惹きつけています。しかし、その広大な国土と多様な環境ゆえに、日本とは異なる感染症リスクが存在しているのも事実です。そのため、アメリカへの渡航前の適切な予防接種は、健康で安全に滞在するためには欠かせません。本記事では、アメリカ渡航前に受けるべき予防接種の種類や重要性、さらには帰国後の健康管理について詳しく解説します。また、アメリカ滞在中に注意すべき感染症リスクとその予防法についても触れ、総合的な健康管理の指針を提供しますので、渡航前の準備にぜひお役立てください。

<この記事で紹介する3つのポイント>

  • アメリカ渡航前に予防接種を受ける重要性と推奨されるワクチンの種類
  • アメリカ滞在中に注意すべき感染症リスクとその予防法
  • アメリカから帰国後の健康チェックポイントと注意すべき症状

アメリカへ渡航する前に予防接種(ワクチン)を受ける重要性

アメリカへ渡航する前に予防接種(ワクチン)を受ける重要性は多岐にわたります。主な理由は以下のとおりです。

  • 個人の健康保護
  • 公衆衛生への貢献
  • 教育機関の要件尊守
  • 旅行の質の向上
  • 保険補償の確保
  • 適切な計画の重要性
  • 個別化された予防接種計画

それぞれ説明します。

個人の健康保護

アメリカは広大な国土を持ち、様々な環境が存在するため、日本では稀な感染症に遭遇する可能性があります。適切な予防接種を受ければ、ウエストナイル脳炎やライム病などの蚊やダニが媒介する感染症、A型肝炎などの衛生状態に関連する感染症のリスクを大幅に軽減できるでしょう。

公衆衛生への貢献

予防接種は個人の健康を守るだけでなく、感染症の拡大を防ぐ公衆衛生上の重要な役割ともいえるでしょう。旅行者が感染症にかかり、帰国後に周囲に拡散するのを防ぐ効果もあります。

教育機関の要件尊守

アメリカの大学や教育機関では、入学や参加の条件として特定のワクチン接種証明を要求する場合があります。特に、要求されるのは麻疹・風疹・おたふくかぜ(MMR)ワクチンや髄膜炎菌ワクチンなどが多いです。留学や長期滞在を予定している場合は、これらの要件を事前に確認し、必要な予防接種を受けておくようにしましょう。

旅行の質の向上

予防接種を受ければ、旅行中の不安を軽減し、より充実したアメリカ滞在を楽しめるできるでしょう。アウトドアアクティビティや様々な地域の料理を、感染症の心配をせずに楽しめます。

保険補償の確保

一部の旅行保険では、予防可能な疾患に対する補償が制限される場合があります。適切な予防接種を受けておけば、万が一の際にも十分な保険補償を受けられる可能性が高まるでしょう。

適切な計画の重要性

予防接種には一定の期間が必要なものもあるため、渡航の計画段階から予防接種についての考慮が重要です。たとえば、B型肝炎ワクチンは通常3回の接種が必要で、完了までに6ヶ月かかります。早めに医療機関に相談し、適切なスケジュールで予防接種を受ければ、渡航時に十分な免疫を獲得できるでしょう。

個別化された予防接種計画

予防接種の必要性は個人の健康状態や渡航計画によって異なります。そのため、渡航前に必ず医師に相談し、自身に適した予防接種計画の立案が重要です。医師は、あなたの健康状態、渡航先、滞在期間、過去の予防接種歴などを考慮して、最適な予防接種プランを提案してくれるでしょう。

アメリカ渡航前に受けるべき予防接種(ワクチン)の種類

アメリカ渡航前に受けるべき予防接種の種類は、滞在期間や訪問地域、個人の健康状態、過去の予防接種歴などによって異なります。実際に接種するワクチンについては、必ず医師に相談の上で決定してください。一般的に推奨される予防接種は以下のとおりです。

  • 黄熱
  • A型肝炎
  • B型肝炎
  • 破傷風
  • 狂犬病
  • ポリオ
  • 日本脳炎
  • 麻しん風疹
  • インフルエンザ
  • 髄膜炎金

これらのワクチンの中には、日本の定期接種に含まれているものもあるため、自身の予防接種歴を確認し、必要に応じて追加接種を検討しましょう。

黄熱

黄熱は蚊が媒介するウイルス性疾患で、重症化すると致死率が高くなる感染症です。アメリカ本土では黄熱の発生はありませんが、中南米やアフリカからの入国の際に証明書が必要になる場合があります。

接種回数とタイミング

黄熱ワクチンは通常1回の接種で十分です。接種できる医療機関が限られているため、早めに予約を取るようにしましょう。接種費用は証明書代を含め20,000円程度です。

黄熱ワクチンは、特定の地域への渡航者にのみ推奨されるワクチンですが、重要性は非常に高いでしょう。黄熱は重症化すると20〜50%が死に至る可能性のある深刻な疾患です。効果的な治療法がなく予防が極めて重要であることから、一部の国では入国の際に黄熱ワクチン接種証明書の提示が義務付けられています。

黄熱ワクチンの副反応は一般的に軽度で、接種部位の痛みや軽度の発熱などが見られる場合がありますが、通常は数日で回復します。ただしまれに重篤な副反応が起こる可能性もあるため、医師と相談のうえ接種を検討しましょう。

A型肝炎

A型肝炎は、汚染された水や食品を介して感染する肝臓の病気です。アメリカでも発生する場合があり、特に衛生状態が十分ではない地域への旅行者には推奨されます。

接種回数とタイミング

A型肝炎ワクチンの標準的な接種スケジュールは以下の通りです。

1回目
2回目2〜4週間後
3回目6〜24か月後

接種費用は、1回あたり7,000〜10,000円程度となっています。1回目の接種でも効果的に免疫を得られるとされていますが、長期的な免疫を得るためには2回目の接種が重要です。

A型肝炎ワクチンは、特に食事や水を介した感染リスクがある地域への渡航者に強く推奨されます。A型肝炎は、感染しても多くの場合は自然に回復しますが、成人では重症化する場合があり、数週間から数ヶ月の療養が必要になるかもしれません。また、まれに劇症肝炎に進行する可能性もあるため、予防接種は重要な対策となるでしょう。

A型肝炎ワクチンは2回の摂取で効果的に免疫を得られますが、より長期間維持するためには3回の接種が有効であるといわれています。

また、A型肝炎ワクチンは、B型肝炎ワクチンと同時接種も可能です。両方の肝炎のリスクがある場合は、同時接種を検討するとよいでしょう。

B型肝炎

B型肝炎は、血液や体液を介して感染する肝臓の病気です。医療従事者や長期滞在者、特に途上国への渡航を予定している場合は接種を検討しましょう。

接種回数とタイミング

B型肝炎ワクチンの標準的な接種スケジュールは以下の通りです。

1回目
2回目4週間後
3回目5〜6ヶ月後

接種費用は、1回あたり6,000〜10,000円程度です。3回の接種を完了することで、長期的な免疫を獲得できます。

B型肝炎ワクチンは、特に医療従事者や長期滞在者、途上国への渡航者に推奨されます。B型肝炎を放置すると、肝硬変や肝がんなどの深刻な合併症を引き起こすリスクが高まるため注意が必要です。

B型肝炎ワクチンは2回、3回と接種することでより抗体を長期間維持できるようになります。そのため、渡航の計画が決まったらできるだけ早く医療機関に相談し、接種スケジュールを立てることが大切です。渡航までに3回の接種を完了できない場合でも、2回は接種できるよう準備を進めましょう。

破傷風

破傷風は、土壌中に存在する細菌が傷口から侵入して発症する重篤な感染症です。アウトドアアクティビティを予定している場合は怪我のリスクを考慮し、破傷風ワクチンの接種を検討しましょう。

接種回数とタイミング

破傷風ワクチンの標準的な接種スケジュールは以下の通りです。

1回目
2回目3〜8週間後
3回目6~12ヶ月後

接種費用は、1回あたり3,000〜4,000円程度となっています。破傷風ワクチンは通常、ジフテリアや百日咳のワクチンと混合されたDPTワクチンとして接種される場合がほとんどです。

破傷風ワクチンは、特にアウトドアアクティビティを予定している場合や、建設現場や農場での活動を予定している場合に重要となります。破傷風菌は土壌中に広く存在し、小さな傷からの感染も少なくありません。適切な治療を受けなければ致命的になる可能性があります。

小児期に混合ワクチンとして接種した破傷風ワクチンの効果は、20代前半程度までは持続しますが、その後は10年ごとの追加接種が推奨されています。最後の接種から10年以上経過している場合は、渡航前に追加接種を検討するようにしましょう。

破傷風ワクチンは通常、ジフテリアや百日咳のワクチンと混合されたDPTワクチンとして接種されるため、複数の感染症に対する予防効果を一度に得られます。

狂犬病

狂犬病は、感染した動物に噛まれて感染する致命的な病気です。アメリカでも野生動物を介して感染するリスクがあるため、特にアウトドア活動を予定している場合は接種を検討しましょう。

接種回数とタイミング

狂犬病ワクチンの標準的な接種スケジュールは以下の通りです。

1回目
2回目7日目
3回目3~4週間後

接種費用は、1回あたり15,000円程度です。ただし、曝露後(動物に噛まれた後)の接種スケジュールは異なるため、万が一噛まれた場合は直ちに医療機関を受診してください。

狂犬病ワクチンは、特に野生動物との接触の可能性がある地域への渡航者や、長期滞在者に推奨されます。アメリカでは、主にコウモリ、アライグマ、スカンク、キツネなどが狂犬病を媒介する野生動物です。

狂犬病は、発症すると致死率がほぼ100%に達する非常に危険な疾患です。そのため、リスクがある場合は予防接種の検討を強くおすすめします。渡航前に予防接種を受けておけば、より安全に旅行を楽しむことができるでしょう。

ただし、狂犬病ワクチンは比較的高額であり、副反応のリスクもあるため、渡航先や行動計画に基づいて、医師と相談して接種を決めるのがおすすめです。

ポリオ

ポリオは、重度の麻痺を引き起こす可能性のあるウイルス性疾患です。アメリカではポリオの発生はほとんどありませんが、予防接種歴が不明な場合は接種を検討しましょう。

接種回数とタイミング

ポリオワクチンの標準的な接種スケジュールは以下の通りです。

1回目0日目
2回目4~8週後
3回目6~12ヶ月後

小児期に定期接種するケースがほとんどで、その場合は無料で接種できます。自費で接種する場合は10,000円程度かかります。

ポリオワクチンは、日本では定期予防接種として実施されているため、多くの人が既に接種済みです。しかし、接種歴が不明な場合や、最後の接種から長期間が経過している場合は、渡航前に追加接種を検討する必要があります。

アメリカではポリオの発生はほとんどありませんが、世界的な根絶が達成されていないため、予防接種は依然として重要です。特に、ポリオの発生が続いている国を経由してアメリカに渡航する場合は接種状況の確認をしておきましょう。

日本脳炎

日本脳炎は、蚊が媒介するウイルス性の脳炎です。アメリカ本土では日本脳炎のリスクはありませんが、アジアを経由してアメリカに渡航する場合は接種を検討しましょう。

接種回数とタイミング

日本脳炎ワクチンの標準的な接種スケジュールは以下の通りです。

1回目
2回目1~4週間後
3回目6〜12か月後

接種費用は、1回あたり6,000〜8,000円程度です。ただし、日本で定期接種を受けている場合は、追加接種のみで十分な場合もあります。

日本脳炎ワクチンは、アメリカ本土への渡航では通常必要ありませんが、アジアを経由する場合や、アジアでの滞在歴がある場合に重要です。日本脳炎は、感染者の約1%が重症化し、高熱、頭痛、嘔吐、意識障害などの症状を呈します。重症化した場合の死亡率は20〜30%に達し、回復しても重度の後遺症が残るかもしれません。

日本では定期予防接種として実施されていますが、接種歴が不明な場合や、最後の接種から長期間が経過している場合は、渡航前に追加接種を検討する必要があります。

麻しん風しん

麻しんと風しんは、非常に感染力の強いウイルス性疾患です。アメリカでも時折流行が報告されるため、特に予防接種歴が不明な場合は接種を強く推奨します。

接種回数とタイミング

麻しん風しん(MR)ワクチンの標準的な接種スケジュールは以下の通りです。

1回目
2回目4〜8週間後

接種費用は1回あたり12,000円程度で、2回の接種で十分な免疫が得られるとされています。

麻しん(はしか)と風しんは、非常に感染力が強く、重症化すると深刻な合併症を引き起こす可能性がある疾患です。アメリカでも時折流行が報告されており、特に予防接種歴が不明な場合や1回しか接種していない場合は、渡航前に接種を検討する必要があります。

麻しんは、肺炎や脳炎などの重篤な合併症を引き起こす可能性があり、特に成人が感染すると重症化しやすくなります。風しんは、妊娠中の女性が感染すると胎児に重大な影響を与える可能性があるため注意が必要です。

日本では定期予防接種として実施されていますが、生まれた年によっては接種回数が不足しているかもしれません。不安な方は渡航前に接種歴を確認し、必要に応じて追加接種を検討するようにしましょう。

インフルエンザ

インフルエンザは、毎年世界中で流行する呼吸器感染症です。アメリカ渡航の時期がインフルエンザシーズン(10月〜5月頃)に当たる場合は、接種を検討しましょう。

接種回数とタイミング

インフルエンザワクチンは、通常1回の接種で十分です。接種費用は約3,000円から5,000円程度となっています。効果が現れるまでに約2週間かかるため、渡航の2週間以上前の接種をおすすめします。

インフルエンザワクチンは、毎年接種する必要があります。その理由は、インフルエンザウイルスは頻繁に変異するため、毎年ワクチンの組成が更新されるためです。アメリカでのインフルエンザシーズンは主に10月から5月頃ですが、地域によって多少の違いがあります。

インフルエンザは健康な成人でも重症化する可能性があり、特に高齢者や基礎疾患のある方は注意が必要です。また、旅行中にインフルエンザにかかると、行動が制限されたり、周囲に迷惑をかけたりする可能性があります。そのため、インフルエンザシーズンにアメリカに渡航する場合は、ワクチン接種を検討しましょう。

髄膜炎菌

髄膜炎菌感染症は、重篤な髄膜炎や敗血症を引き起こす可能性がある細菌性感染症です。アメリカの大学に留学して寮生活を送る際などは接種が必要になる場合があります。

接種回数とタイミング

髄膜炎菌ワクチンは通常1回の接種で十分です。接種費用は約15,000〜20,000円程度となっています。ただし、リスクが継続する場合は、数年ごとに追加接種が必要となるでしょう。

髄膜炎菌感染症は、急速に進行し、適切な治療を受けなければ致命的になる可能性がある深刻な疾患です。特に、大学の寮生活や軍隊など、密接な集団生活を送る環境では感染リスクが高まります。

アメリカの多くの大学では、入学の条件として髄膜炎菌ワクチンの接種を義務付けています。これは、大学生の年齢層で髄膜炎菌感染症のリスクが比較的高いためです。

髄膜炎菌ワクチンには複数の種類があり、渡航先や個人の状況に応じて適切なワクチンを選択する必要があります。医師と相談の上、最適なワクチンを選択しましょう。

これらの予防接種は、個人の健康状態や渡航計画によって必要性が異なります。また、複数のワクチンを同時に接種できる場合もありますが、中には間隔を空ける必要があるものもあります。そのため、渡航前は医療機関に相談し、余裕を持って適切な接種スケジュールを立てるようにしましょう。

アメリカ渡航時に注意が必要な病気リスト

アメリカは先進国ではありますが、その広大な国土と多様な環境のため、様々な感染症リスクが存在します。アメリカ渡航時に特に注意が必要な感染症は以下のとおりです。

  • A型肝炎
  • ノロウイルス
  • ウエストナイル脳炎
  • デング熱
  • ライム病
  • ハンタウイルス肺症候群
  • Q熱
  • ペスト
  • 狂犬病
  • トコジラミ
  • ジカ熱

それぞれ説明します。

A型肝炎

A型肝炎は、汚染された水や食品を介して感染する肝臓の病気です。アメリカでも発生する場合があり、特に衛生状態が十分ではない地域への旅行者には推奨されます。主な症状と予防策は以下のとおりです。

主な症状・発熱
・倦怠感
・黄疸
予防策・A型肝炎ワクチンの接種
・手洗いの徹底
・安全な水と食品の摂取

ノロウイルス

ノロウイルスは、非常に感染力の強い胃腸炎を引き起こすウイルスです。アメリカでも冬季を中心に流行することがあります。主な症状と予防策は以下のとおりです。

主な症状・嘔吐
・下痢
・脱水症状
予防策・こまめな手洗い
・食品の十分な加熱
・感染者との接触を避ける

ウエストナイル脳炎

ウエストナイル脳炎は、蚊が媒介するウイルス性疾患です。アメリカ全土で発生の可能性があり、特に夏から秋にかけてリスクが高まります。主な症状と予防策は以下のとおりです。

主な症状・無症状か軽症
・重症化すると脳炎や髄膜炎
予防策・蚊に刺されないように対策
(長袖・長ズボンの着用や虫除け剤の使用など)

デング熱

デング熱は、蚊が媒介するウイルス性疾患です。アメリカ本土ではまれですが、ハワイやプエルトリコなどの地域で発生することがあります。主な症状と予防策は以下のとおりです。

主な症状・高熱
・頭痛
・筋肉
・痛発疹
予防策・蚊に刺されないように対策
(長袖・長ズボンの着用や虫除け剤の使用など)

ライム病

ライム病は、ダニが媒介する細菌性感染症です。アメリカ北東部や中西部、西海岸の一部地域で発生リスクがあります。主な症状と予防策は以下のとおりです。

主な症状・特徴的な輪状の発疹(環状紅斑)
・発熱
・倦怠感
予防策・ダニに嚙まれないように対策
(長袖・長ズボンの着用や虫除け剤の使用など)
・アウトドア活動後の体のチェック

ハンタウイルス肺症候群

ハンタウイルス肺症候群は、感染したげっ歯類の排泄物やそのほこりを吸い込むことで感染する疾患です。アメリカ西部や南西部で発生リスクがあります。主な症状と予防策は以下のとおりです。

主な症状・インフルエンザに類似した症状
・重症化すると呼吸困難
予防策・げっ歯類との接触を避ける
・清潔な環境を保つ

Q熱

Q熱は、感染した動物(主に牛、羊、ヤギ)から人に感染する細菌性疾患です。アメリカ全土で発生の可能性がありますが、特に農場や牧場での感染リスクが高くなります。主な症状と予防策は以下のとおりです。

主な症状・高熱
・頭痛
・倦怠感
予防策・感染の可能性のある動物との接触を避ける
・未殺菌乳製品の摂取を控える

ペスト

ペストは、感染したげっ歯類やその寄生虫(ノミ)から人に感染する細菌性疾患です。アメリカ西部の一部地域で発生リスクがあります。主な症状と予防策は以下のとおりです。

主な症状・高熱
・リンパ節の腫れ
・肺炎
予防策・げっ歯類との接触を避ける
・虫除け剤の使用

狂犬病

狂犬病は、感染した動物に噛まれることで感染するウイルス性疾患です。アメリカでも野生動物を介して感染するリスクがあります。発症すると致死率が非常に高くなる危険な感染症です。主な症状と予防策は以下のとおりです。

主な症状・発熱
・頭痛
・倦怠感
・筋肉痛
・脳炎症状
予防策・野生動物と接触を避ける

トコジラミ

トコジラミは、寝具や家具に潜む小さな昆虫で、人の血を吸います。アメリカの都市部のホテルなどで問題になる場合がありますが、感染症を媒介することは稀です。主な症状と予防策は以下のとおりです。

主な症状・痒み
・発疹
予防策・宿泊施設の寝具や家具の確認
・荷物を床に置かない

ジカ熱

ジカ熱は、蚊が媒介するウイルス性疾患です。アメリカ本土ではまれですが、プエルトリコなどの地域で発生する可能性があり、妊婦が感染すると胎児に深刻な影響を与える場合があります。主な症状と予防策は以下のとおりです。

主な症状・発熱
・頭痛
・眼球結膜充血
・皮疹
予防策・蚊に刺されないように対策
(長袖・長ズボンの着用や虫除け剤の使用など)

予防には、蚊に刺されないよう注意することが重要です。

上記の疾患のリスクは、訪問する地域や季節、滞在期間、行動パターンによって異なります。渡航前に訪問予定地域の最新健康情報を確認し、必要な予防策の立案が重要です。また、渡航中は基本的な衛生管理(手洗い、安全な飲食など)を徹底し、体調の変化には敏感になるように心がけましょう。

アメリカから帰国したあとの健康チェックリスト

アメリカから帰国した後も、健康管理は重要です。旅行中に感染した病気が帰国後に発症する場合もあるため、帰国後も一定期間は自身の健康状態に注意を払う必要があります。

帰国後は、特に以下の症状に注意を払いましょう。

発熱帰国後に37.5度以上の発熱が続く場合は要注意です。特に、マラリアやデング熱
などの蚊媒介感染症、インフルエンザなどの可能性があります。
下痢・腹痛持続する下痢や腹痛は、食中毒や感染性胃腸炎の可能性があります。特に血便を
伴う場合は早急に医療機関を受診してください。
皮膚の異常発疹、かゆみ、腫れなどの皮膚の異常は、虫刺されやアレルギー反応、感染症の
可能性があります。特に、ライム病特有の輪状の発疹には注意が必要です。
呼吸器症状咳、息切れ、胸痛などの呼吸器症状は、インフルエンザやその他の呼吸器感染症
の可能性があります。
倦怠感異常な疲労感や倦怠感は、様々な感染症の初期症状である可能性があります。
頭痛持続する頭痛、特に高熱を伴う場合は、髄膜炎などの重篤な感染症の可能性
があります。
黄疸皮膚や白目の黄染は、A型肝炎やB型肝炎などの肝臓疾患の可能性があります。
リンパ節の腫れ首や脇の下、鼠径部のリンパ節の腫れは、様々な感染症の兆候である可能性
があります。

上記の症状が現れた場合、特に発熱を伴う場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。その際、アメリカへの渡航歴を必ず伝えてください。医師に正確な情報を提供すれば、適切な診断と治療を受けられます。

また、帰国後約1ヶ月間は、以下のような健康管理を心がけましょう。

毎日の体温測定朝晩の体温を測定し、記録しておきましょう。発熱は多くの感染症の
初期症状であるため、早期発見に役立ちます。
十分な睡眠と休養時差ボケや旅の疲れを癒すため、十分な睡眠と休養を取りましょう。
免疫力を維持するためにも重要です。
バランスの取れた食事栄養バランスの良い食事を心がけましょう。特に、ビタミンCやビタミンD
など、免疫力を高める栄養素を積極的に摂取するとよいでしょう。
適度な運動軽い運動を行うことで、血行を促進し、免疫力を高めるられます。
ただし、過度な運動は避けましょう。
ストレス管理ストレスは免疫力を低下させる要因となります。リラックスする時間を
設けるなど、ストレス管理を心がけましょう。
手洗いとうがい帰国後も、こまめな手洗いとうがいを続けましょう。感染症予防の
基本的な対策として重要です。
水分補給十分な水分補給を心がけましょう。特に、下痢や発熱がある場合は、
脱水症状に注意が必要です。

上記の健康管理を行うと、体調の変化に早めに気づき、適切な対応をとれるでしょう。特に、マラリアやライム病などの一部の感染症は、帰国後しばらくしてから症状が現れる場合があるため、長期的な注意が必要です。

また、アメリカ滞在中に動物に噛まれたり引っかかれたりした場合は、帰国後も注意深く観察し、異常を感じたらすぐに医療機関を受診してください。狂犬病は潜伏期間が長い場合があるため、特に注意が必要です。

渡航中の行動や訪問した場所、接触した動物などの記録を取っておくと、万が一の場合に医療機関での診断や治療に役立つ可能性があります。

まとめ

アメリカへの渡航前に適切な予防接種を受け、滞在中は感染症リスクに注意を払い、帰国後も健康管理の継続は、安全で充実した旅行のために非常に重要です。本記事で紹介した準備と注意点を守れば、より安全で楽しいアメリカ旅行を実現できるでしょう。ただし、個人の健康状態や渡航計画によって必要な対策は異なるため、具体的な予防接種や健康管理については、必ず医師に相談してください。

また、渡航前の海外旅行保険への加入も重要です。アメリカの医療費は非常に高額になる可能性があるため、十分な補償内容の保険に加入しておけば、万が一の際も安心して適切な医療を受けることができるでしょう。

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