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健康診断の意味とは?人間ドックとの違い

公開日:2024.11.21  更新日:2025.02.17

健康診断は、私たちの健康状態を定期的にチェックし、病気の早期発見や予防に役立てるための貴重な機会です。
しかし、その具体的な意味や内容、人間ドックとの違いについて、くわしく理解している人は少ないでしょう。
本記事では、健康診断の基本的な意味から、実施される検査の内容、費用、そして人間ドックとの違いまで、幅広く解説します。
健康管理に役立つ知識を身につけ、より効果的に健康診断を活用しましょう。

<この記事で紹介する3つのポイント>

  • 健康診断の基本的な意味と種類
  • 健康診断で行われる主な検査の内容と意義
  • 健康診断と人間ドックの違いと選び方

健康診断の基本的な意味とは?

健康診断とは、個人の健康状態を総合的に評価し、疾病の早期発見や予防を目的とした医学的検査のことです。
健康診断のおもな目的は、以下のとおりです。

  • 現在の健康状態の把握
  • 潜在的な健康リスクの発見
  • 将来の疾病リスクの予測

定期的に健康診断を受けることで、自身の健康状態の変化を追跡し、必要に応じて早めに対策できます。
また、健康診断は病気を見つけるだけでなく、健康な生活を続けたり、改善したりするための具体的な改善案もらう機会でもあります。
検査結果を通じて、自身の体の状態を客観的に知れ、それに基づいた生活習慣の改善や適切な医療介入につながるでしょう。

健康診断の種類について知ろう

健康診断にはさまざまな種類があり、目的や対象者によって実施される検査項目や頻度が異なります。おもな健康診断の種類には以下のようなものがあります。

  • 一般健康診断(定期健康診断)
  • 特定健康診査(特定健診)
  • がん検診
  • 人間ドック
  • 婦人科検診

これらの健康診断を適切に組み合わせて受診することで、より包括的な健康管理ができるでしょう。
それぞれの健康診断の特徴について、くわしく解説します。

一般健康診断(定期健康診断)

一般健康診断は、労働安全衛生法に基づき、事業者が年1回以上従業員に実施する義務がある健康診断です。
生活習慣病の早期発見や職場環境による健康リスクを未然に防ぐことが目的です。
また、企業が法的義務を果たすため、健診結果を管理し、結果に応じた適切な対応が求められます。

特定健康診査(特定健診)

特定健診は、40歳から74歳の方を対象とした健康診断です。
内臓脂肪型肥満と生活習慣病の発症に着目した、いわゆる「メタボ健診」と呼ばれるもので、リスクの高い中高年層に対する早期介入を目的としています。
特定健診は、各医療保険者が主体となって実施します。

がん検診

がん検診は、特定のがんを早期に発見するための検診で、以下にあげた疾患が対象です。

  • 胃がん
  • 大腸がん
  • 肺がん

定期的な検診はがんの早期発見や早期治療に有効な手段であることから、対象者には積極的な受診が推奨されています。
がん検診は、自治体や企業など主体となり実施されます。

人間ドック

人間ドックは、全身をくわしく検査する総合的な健康診断で、早期に病気を発見することが目的です
2022年の厚生労働省がおこなった「国民生活基礎調査」によると、健診や人間ドックを受けた割合が男女ともに50代でもっとも高い結果となりました。50代男性の81.6%、女性の73.4%が健診や人間ドックを受診しています。
定期的な受診が、健康リスクの管理に役立つでしょう。

婦人科検診

婦人科検診は、女性特有の疾患を早期発見するための検診です。
乳がんや子宮頸がんの検診が中心で、厚生労働省の指針に基づき実施されます。とくに子宮頸がん検診は、20歳以上の女性に対して2年に1回の受診が推奨されています。

健康診断を受けるタイミングは?

健康診断を受けるタイミングは、個人の状況や健康診断の種類によって異なります。
以下に、おもな健康診断の受診タイミングについてまとめました。

健康診断の種類対象年齢推奨する受診頻度
一般健康診断(定期健診)年齢制限なし年1回以上
特定健康診査(特定健診)40歳から74歳年1回
胃がん検診50歳以上2年に1回
大腸がん検診40歳以上年1回
肺がん検診40歳以上年1回
乳がん検診40歳以上2年に1回
子宮頸がん検診20歳以上2年に1回
人間ドック年齢制限なし40代以降は少なくとも5年に1回以上

これらの推奨頻度はあくまで一般的なものです。
個人の健康状態や家族歴、生活習慣などによって、より頻繁な受診が必要です。
気になる症状がある場合は、健康診断の時期に関わらず、速やかに医療機関を受診することが望ましいでしょう。

定期的な健康診断の受診は、健康管理の基本です。
自身の健康状態や生活環境の変化に応じて、適切なタイミングで健康診断を受け、より効果的な健康管理をしましょう。

健康診断で行われる検査の内容とは?

健康診断は、労働安全衛生規則に基づき、個人の健康状態の把握と病気の予防や早期発見を目的としています。

健康診断でおこなわれるおもな項目は、以下のとおりです。

  • 既往歴及び業務歴の調査
  • 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
  • 身長、体重、腹囲、視力及び聴力(1,000Hz、4,000Hz)の検査
  • 胸部X線検査
  • 血圧の測定
  • 血色素量及び赤血球数の検査(貧血検査)
  • 肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)
  • 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド)
  • 血糖検査
  • 尿検査(糖、蛋白)
  • 心電図検査(安静時)

健康診断でおこなう検査は、労働安全衛生規則で定められています。
1つずつ見ていきましょう。

既往歴及び業務歴の調査

既往歴及び業務歴の調査では、医師が過去の病歴や現在の業務内容を確認します。
これにより、今起きている健康問題や職場環境によるリスクを評価し、適切な健康管理や対策を講じるための基礎情報を得られます。労働者の健康維持と病気の予防に役立つ重要なステップです。

自覚症状および他覚症状の有無の検査

自覚症状および他覚症状の検査では、個人が感じている体調の変化や症状を医師が確認し、診察を通じて明らかになる症状や所見を評価します。この検査は、潜在的な健康問題を早期に発見し、適切な対応を取ることが目的です。

身長、体重、腹囲、視力及び聴力(1,000Hz、4,000Hz)の検査

身体計測では、身長や体重、腹囲を測定し、体格や肥満度を評価します。

視力検査では、視力の低下や矯正の必要性を確認し、聴力検査では1,000Hzと4,000Hzの音に対する聴力を測定します。これらの検査をおこなうことで、身体的な健康状態を総合的に把握し、生活習慣の見直しや早期の健康対策に役立てるのです。

胸部X線検査

胸部X線検査では、胸部の内部(とくに肺)を画像化して、異常や疾患の有無を確認します。
肺炎や肺がん、結核などの呼吸器疾患の早期発見に役立ち、呼吸器系の健康状態を評価する重要な検査です。呼吸器疾患にとどまらず、心臓の大きさや形状の異常などの循環器系疾患の早期発見にも有効です。

血圧の測定

血圧測定では、血圧の高低を確認し、高血圧や低血圧のリスクを評価します。
異常な血圧値は、心血管疾患や脳卒中などの重大な健康問題につながる可能性があるため、定期的なチェックが重要です。血圧測定は、健康状態を把握し、早期の予防策を講じるための基本的な検査の一つです。

血色素量及び赤血球数の検査(貧血検査)

貧血検査では、血液中の血色素量(ヘモグロビン)と赤血球数を測定します。
これらの数値から貧血の有無やその程度を評価します。
日常生活の疲れやすさや体調不良の原因を見つける手がかりとなるでしょう。

肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)

肝機能検査では、血液検査で血液中の肝酵素(GOT、GPT、γ-GTP)の値を測定し、肝臓の機能や健康状態を評価します。
肝炎や脂肪肝、肝硬変などの肝疾患の兆候の早期発見に有効です。
肝臓は体内での解毒や代謝に重要な役割を果たしているため、肝機能検査は健康管理において欠かせません。

血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド)

血中脂質検査では、以下の項目を評価します。

  • LDLコレステロール(低比重リポタンパク質コレステロール)
  • HDLコレステロール(高比重リポタンパク質コレステロール)
  • 血清トリグリセリド

LDLコレステロールは「悪玉コレステロール」と呼ばれ、動脈硬化の原因の一つです。
一方、HDLコレステロールは「善玉コレステロール」として、動脈から余分なコレステロールを取り除く働きをもちます。
また、トリグリセリドは中性脂肪のことです。増加すると心血管疾患のリスクが高まります。これらの脂質のバランスを把握し、心血管疾患のリスクを低減するための生活習慣改善や治療の必要性を判断できるでしょう。

血糖検査

血糖検査は、血液中の糖分(血糖値)を測定するもので、糖尿病のリスクや血糖コントロールの状態を評価します。
正常範囲を超えた高血糖は糖尿病の兆候であり、適切な対応が重要です。定期的な血糖検査により、糖尿病の早期発見が可能となり、必要な治療や生活習慣の改善を早期におこなえます糖尿病の兆候を早期発見し、早期に対応することで糖尿病への進行を防げるでしょう。

尿検査(糖、蛋白)

尿検査は、尿中の糖分や蛋白質の有無を測定する検査です。
尿中に糖が含まれている場合は糖尿病、尿中に蛋白質が検出されると腎疾患が疑われます。この検査は、糖尿病や腎疾患の早期発見を可能とし、適切な治療や生活習慣の見直しをする重要なきっかけとなります。

心電図検査(安静時)

心電図検査は、心臓の健康状態を評価するために重要な手段であり、心筋梗塞や不整脈などのリスクを早期に発見するのに有効です。
心電図検査(安静時)では、安静時の心電図を記録し、心臓の電気的な活動を評価します。
この検査により、心臓のリズムや異常を検出し、心疾患のリスクを把握することが可能です。

健康診断を受ける際の費用について

健康診断の費用は、受診する健康診断の種類や場所、受ける検査によって大きく異なります。

職場の定期健康診断は、原則として事業主の全額負担です。
しかし、特定健診やがん検診、人間ドックなどは、受診者の自己負担が発生する場合があります。
特定健診にかかる費用は自治体によって異なりますが、無料〜1,000円程度です。自治体が実施するがん検診も、一般的に1,000〜3,000円程度で受診できます。

一方、人間ドックの費用は検査項目の内容によって大きく異なり、一般的な人間ドック(日帰り)の場合、3万~10万円程度の費用がかかります。

費用を抑えて健康診断を受けたい場合は、以下の方法を検討しましょう。

  • 自治体の健康診断やがん検診を利用する
  • 健康保険組合の補助制度を活用する
  • 職場の福利厚生制度を確認する
  • 複数の医療機関を比較する

健康診断の費用は、自身の健康を守るための投資と考えることが大切です。
日常的に健康状態をチェックし、早期に問題を発見することで、将来の大きな医療費や健康リスクを避けられます。
適切な方法で健康診断を受けることが、自分自身の健康維持につながるのです。

健康診断と人間ドックの違い

健康診断と人間ドックは、どちらも健康状態をチェックする検査ですが、その目的や内容、実施方法に違いがあります。

健康診断は基本的な健康状態のチェックに適しており、定期的に受診することで健康状態の変化を追跡できます。
一方人間ドックは一般的な健康診断より詳細な健康チェックができ、潜在的な健康リスクを広範囲に評価することが目的です。
たとえば、CTスキャンやMRI、胃カメラ、大腸カメラなど、内部の臓器をくわしく調べる検査がおこなわれます。

健康診断は、一般的に数時間で終わりますが、人間ドックは1日または2日にわたることが多く、検査の内容によって半日以上かかることも少なくありません。

理想は、毎年1回の健康診断を受けつつ、数年に1回の頻度で人間ドックを受けるのがよいでしょう。この頻度で健康状態を確認することで、日常的な健康管理と、より詳しい健康チェックの両方をおこなえます。
健康診断で基本的な健康状態を把握し、人間ドックでより深く健康リスクを調べることで、全体的な健康維持に役立つでしょう。

ただし、自分の年齢や生活習慣に応じて、最適な健康チェックの頻度を選ぶことが大切です。

まとめ

健康診断を受けることは、私たちの健康状態を定期的にチェックし、病気の早期発見や予防に役立ちます。
健康診断は、単に病気を見つけるためだけでなく、健康的な生活習慣を維持・改善するための指針を得る機会でもあります。
定期的に健康診断を受けることで、自身の健康状態の変化を追跡し、必要に応じて早期に対策を講じられるでしょう。
また、健康診断の結果を正しく理解し、適切に活用することが大切です。
結果に不安がある場合や、生活習慣の改善が必要な場合は、医師や専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。

株式会社DYMでは、タイや香港、アメリカ、ベトナムにクリニックを構え、海外に住みながら日本式の健康診断を受けられるサービスを提供しています。
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