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新卒採用戦略の重要性|効果や立案するメリット・成功させるコツを解説

公開日:2025.09.05  更新日:2025.09.05

少子高齢化に伴う労働人口の減少により、新卒採用は企業間の競争が激化する「売り手市場」が続いています。このような状況で優秀な人材を確保するには、場当たり的な採用活動ではなく、明確な目的意識に基づいた「新卒採用戦略」の立案が不可欠です。本記事では、新卒採用戦略が重要視される背景や、戦略を立てることで得られる効果、そして採用を成功に導くための具体的な手法やコツについて、分かりやすく解説します。

<この記事で紹介する3つのポイント>

  • 労働人口の減少で採用競争は激化、計画的な新卒採用戦略が重要
  • 採用目的や人物像を明確にし、自社の魅力を効果的にアピール
  • 質の高い母集団を形成し、内定辞退や入社後のミスマッチを防ぐ

新卒採用の現状と今後の採用活動の変化

新卒採用を取り巻く環境は、近年大きく変化しています。学生優位の売り手市場が続き、採用活動の早期化はますます加速しています。ここでは、具体的なデータをもとに現在の新卒採用のリアルな状況を把握するとともに、就活ルールの見直しなど、今後の採用活動に影響を与える変化について解説します。

新卒採用の現状

現在の新卒採用市場は、学生にとって有利な「学生優位」の状況が続いています。リクルートワークス研究所の調査によると、2024年卒の大学生・大学院生対象の求人倍率は1.71倍に達し、前年からさらに上昇しました。これは、企業側の採用意欲に対して学生の数が不足していることを示しており、採用の難易度が高まっていることを意味します。

参考:リクルートワークス研究所|第40回 ワークス大卒求人倍率調査(2024年卒)

また、採用活動の早期化も顕著で、就職みらい研究所の調査では、就職活動が本格的に解禁される大学3年生の3月1日時点で、2025年卒の学生の実に40.3%が既に内定を獲得しているという過去最高の数値を記録しました。この結果、学生は複数の内定を保持する傾向が強まり、株式会社ディスコの調査では、2024年卒採用において前年度より内定辞退者が増えたと回答した企業が36.5%に上るなど、内定辞退の増加が企業にとって深刻な課題となっています。

参考:

就職みらい研究所『就職プロセス調査(2025年卒)|2024年3月1日時点 内定状況』

株式会社ディスコ|2024年卒採用 内定動向/2025年卒 採用計画調査 (2023年10月)

今後の採用活動の変化

かつて経団連が主導してきた「3月広報開始、6月選考開始」といった就職・採用活動のスケジュール、いわゆる「就活ルール」は形骸化しつつあり、政府主導での見直しが検討されています。見直し案には、採用広報と選考の解禁日を一体化するものや、ルール自体を廃止するものまで含まれており、今後、企業の採用活動はさらに早期化・通年化が進む可能性があります。
このような大きな変化の中で、企業は従来の求人サイトに登録して応募を待つといった「待ちの採用」から、企業側から積極的に学生へアプローチする「攻めの採用」へと転換する必要に迫られています。具体的には、AIを活用してエントリーシートのスクリーニングを効率化したり、SNSで自社の魅力を発信して学生との接点を持ったりと、多様化する採用手法を自社の状況に合わせて戦略的に組み合わせていくことが、これからの採用活動では不可欠になるでしょう。

新卒採用戦略が重要視される背景

なぜ今、多くの企業が計画的な新卒採用戦略の立案に迫られているのでしょうか。その背景には、日本の社会構造に起因する根深い課題が存在します。ここでは、長期的なトレンドである「労働人口の減少」と、それに伴う「求人倍率の上昇」という2つの側面から、採用戦略が企業の存続を左右する経営課題となっている理由を紐解きます。

労働人口が減少している

新卒採用戦略の重要性が高まる根底には、日本の深刻な労働人口の減少があります。リクルートワークス研究所が公表した「第40回ワークス大卒求人倍率調査(2024年卒)」によると、全国の民間企業の求人総数77.3万人に対し、民間企業への就職を希望する学生数は45.1万人にとどまり、差し引きで約32.2万人もの人材が不足している状況が明らかになりました。この構造的な人材不足は一過性のものではなく、少子高齢化が進む日本では今後も長期的なトレンドとして継続することが予測されます。

参考:リクルートワークス研究所|第40回 ワークス大卒求人倍率調査(2024年卒)

企業にとって、人材は事業を存続させ、成長をドライブさせるための最も重要な経営資源です。その資源が社会全体で先細っていく中、計画性なくして優秀な人材を確保することは極めて困難です。そのため、企業の将来を見据え、どのような人材を、いつ、どのようにして採用するのかを計画する採用戦略が、経営の根幹をなす重要課題として位置づけられています。

求人倍率が上昇している

労働人口の減少は、企業間の人材獲得競争を激化させ、求人倍率の上昇という形で顕在化しています。2024年卒の大卒求人倍率は1.71倍となり、学生1人に対して1.71件の求人がある、いわゆる「売り手市場」が継続しています。この競争の厳しさは、企業の規模によって大きく異なります。リクルートワークス研究所の同調査では、従業員5,000人以上の大企業の求人倍率が0.41倍であるのに対し、300人未満の企業では6.19倍にも達しており、中小企業ほど採用が著しく困難な状況に直面していることがデータで示されています。

参考:リクルートワークス研究所|第40回 ワークス大卒求人倍率調査(2024年卒)

このような状況下では、ただ求人媒体に広告を掲載するだけでは、無数の企業情報の中に埋もれてしまい、学生に自社を認知してもらうことすら難しくなります。他社との違いを明確にし、自社の魅力を的確にターゲット学生へ届けるための、緻密な採用戦略の立案が不可欠なのです。

新卒採用戦略を立案する効果

緻密な採用戦略を立案し、実行することは、企業に多くのメリットをもたらします。それは単に人を採用できるというだけでなく、事業成長の基盤を築く上での重要な投資となります。このセクションでは、採用戦略を立てることで得られる具体的な効果として、「質の高い母集団の形成」「内定辞退や早期離職の防止」「組織力の強化」「採用コストの抑制」という4つの観点から詳しく解説します。

質の高い母集団を形成できる

採用戦略を立てることで、闇雲にエントリー数を集めるのではなく、自社が本当に求める人材で構成された「質の高い母集団」を形成することが可能になります。戦略立案の第一歩は、自社の経営計画や事業方針に基づき、どのようなスキル、価値観、ポテンシャルを持った人材が必要かを定義する「採用要件」や「ペルソナ」を明確にすることです。

例えば、「グローバル市場で活躍できるリーダー候補」を求めるのであれば、ターゲットは語学力や異文化理解に関心が高い学生層に絞られます。そのペルソナに沿って、海外経験者向けのイベントに参加したり、OB・OG訪問マッチングサービスで海外留学経験のある学生に直接アプローチしたりと、的を絞った採用活動を展開できます。これにより、母集団の量だけでなく質が向上し、その後の選考プロセスも効率的かつ効果的に進められるようになります。

内定辞退や早期離職を防止できる

内定辞退や入社後の早期離職の多くは、学生が抱いていたイメージと入社後の現実との間に生じる「ミスマッチ」が原因です。緻密な採用戦略は、このミスマッチを未然に防ぐ効果があります。戦略に基づいて、選考プロセスの中に相互理解を深めるための仕掛けを意図的に組み込むのです。

例えば、選考とは関係のない場で社員と学生が本音で語り合う「カジュアル面談」や、実際の業務の一部を体験してもらう「インターンシップ」は、学生が社風や仕事のリアルな側面を深く知る良い機会となります。また、自社の強みややりがいだけでなく、抱える課題や厳しい側面についても「採用ピッチ資料」などで正直に開示することで、学生との間に誠実な信頼関係を構築できます。こうした取り組みが、入社後のギャップを最小限に抑え、結果的に内定辞退や早期離職の防止につながるのです。

組織力を強化できる

優れた新卒採用戦略は、単なる人員補充にとどまらず、企業の未来を創るための「組織力強化」に直結します。採用活動を経営戦略や事業計画と密に連動させ、将来会社が必要とする能力やスキルを持った人材を計画的に獲得・育成するためです。

例えば、会社として「DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進」を掲げているならば、採用戦略においてもITスキルやデータ分析能力に長けた人材、あるいはそうした分野への学習意欲が高い人材をターゲットとして重点的に採用します。また、従来の一括採用だけでなく、専門性が求められるエンジニアやデザイナーといった職種を個別に採用する「職種別採用」を導入することも、事業部門の専門性を直接的に高めることにつながります。このように、未来から逆算して必要な人材ポートフォリオを構築していくことで、組織全体の競争力を高め、持続的な成長の基盤を築くことができるのです。

採用コストを抑えられる

計画的な採用戦略は、採用活動における費用対効果を大きく改善し、結果的にコスト抑制につながります。戦略がないまま大規模な就活サイトに多額の広告費を投じても、自社にマッチしない応募者が殺到し、書類選考や面接に膨大な時間と人件費を費やしてしまうケースは少なくありません。一方、採用戦略に基づいてターゲットを明確にすれば、より費用対効果の高い手法を選択できます。

例えば、社員の知人・友人を紹介してもらう「リファラル採用」や、X(旧Twitter)などで情報発信を行う「ソーシャルリクルーティング」は、比較的低コストで自社に親和性の高い人材と接点を持てる有効な手法です。また、応募者管理システム(ATS)のような採用ツールを導入すれば、事務作業が効率化され、採用担当者の工数、すなわち人件費という見えにくいコストを削減することも可能になります。

新卒採用活動を進める流れ

新卒採用は、一連のプロセスに沿って計画的に進めることが成功の鍵です。学生と出会い、自社にひきつけ、入社へと導くためには、各段階で適切なアプローチが求められます。ここでは、採用活動の基本的な流れである「母集団形成」「選考・面接」「内定出し」「内定者フォロー」という4つのステップについて、それぞれの目的と近年のトレンドを踏まえたポイントを解説していきます。

母集団を形成する

母集団形成は、自社の選考に進んでもらう可能性のある学生の集団を作り上げる、採用活動の最初のステップです。具体的には、就活サイトでのエントリー募集や、大学内での企業説明会の実施などを通じて、まずは学生に自社を知ってもらい、興味を持ってもらうための接点を創出します。

しかし、近年では就活サイトで安易に一括エントリーだけを行い、その後のアクションにつながらない学生も多いのが実情です。そのため、単純なエントリー数だけでなく、説明会の予約数や実際の参加者数を重要な指標(KPI)として設定する企業が増えています。この段階では、一つの手法に固執せず、ダイレクトリクルーティングやSNSでの情報発信など、多様なチャネルを駆使して自社の魅力を伝え、一人でも多くの学生に応募への意欲を抱かせることが重要になります。

選考・面接を行う

母集団が形成されたら、次はエントリーシートや適性検査による書類選考、そして面接へと進みます。このプロセスは、応募者が自社の求める人物像や採用基準に合致するかどうかを評価する「見極め」の段階です。しかし、学生優位の売り手市場においては、企業が一方的に学生を選ぶという考えは通用しません。面接は、同時に自社の魅力を伝え、学生の入社意欲を高める「引き付け」の場でもあるのです。企業と学生が対等な立場で相互に理解を深める場へと変化しています。

一般的に、会社説明会に参加した学生のうち、最終選考を合格する割合は約9〜12%程度と言われており、この数値を一つの目安として、自社の選考フローが厳しすぎたり、あるいは緩すぎたりしないかを見直す際の参考にすることができます。

内定を出す

厳正な選考を経て採用したい学生を決定したら、内定を通知します。しかし、多くの学生が複数の企業から内定を得ている現代において、内定を出したからといって安心はできません。内定辞退率は年々増加傾向にあり、採用が特に厳しい企業では内定辞退率が80%に達するケースも報告されています。内定承諾率を高めるためには、内定を出す「タイミング」と「伝え方」に細心の注意を払う必要があります。

他社の選考状況をそれとなくヒアリングし、学生の自社への志望度が最も高まっている瞬間を見計らって内定を伝えるのが理想です。また、単にメールで事務的に通知するのではなく、電話で人事担当者や役員が熱意を込めて直接伝えたり、個別に面談の場を設けたりと「シチュエーション」の工夫も、学生の心を動かし、承諾へと導く重要な要素となります。

内定者フォローを行う

学生から内定承諾を得た後も、採用活動は終わりではありません。実際の入社日までには数ヶ月の期間が空くため、その間に学生が不安や迷いを感じ、「内定承諾後辞退」に至るケースも少なくないからです。この入社までの期間、学生とのエンゲージメントを維持・向上させ、「早くこの会社で働きたい」という気持ちを醸成するのが内定者フォローの目的です。

重要なのは、適切な「接触頻度」を保つこと。最近では、LINEなどのSNSや専用アプリを用いて、内定者と気軽にコミュニケーションを取れる体制を整える企業が増えています。また、内定者懇親会や入社前研修といったイベントを企画する際には、内定者が抱える疑問や不安を解消できるコンテンツを用意したり、年齢の近い若手社員と交流する機会を設けたりすることが、入社意欲の向上に効果的です。

新卒を採用する主な手法

採用戦略を具体的なアクションに落とし込むためには、多種多様な採用手法の中から自社に最適なものを選択・組み合わせる必要があります。従来型のものから最新のトレンドまで、それぞれにメリット・デメリットが存在します。本章では、代表的な採用手法である「就活サイト」「人材紹介サービス」「ダイレクトリクルーティング」「合同説明会」「SNS採用」の5つを取り上げ、その特徴と活用法について解説します。

就活サイト

就活サイトは、リクナビやマイナビに代表される、新卒採用において最も広く利用されている手法の一つです。数多くの学生が登録している巨大なプラットフォームであるため、幅広い層の学生に対して自社の存在を告知し、大規模な母集団を形成するのに適しています。

基本的な活用法は、サイト上に自社の情報や求人要項を掲載し、学生からのエントリーを待つという「待ち」のスタイルです。しかし、それゆえに多数の企業情報の中に自社の情報が埋もれやすく、特に知名度の低い企業にとっては、学生の目に留まるための工夫が別途必要になります。近年は、サイト内で企業側から学生にアプローチできるオファー機能なども充実しており、単なる待ちの姿勢ではなく、攻めのツールとして戦略的に活用することが求められます。

人材紹介サービス

新卒専門の人材紹介サービスは、採用のプロである紹介会社が、企業の求める要件に合致した学生を探し出し、個別に紹介してくれるサービスです。最大のメリットは、学生が内定を承諾し入社が確定した時点で初めて費用が発生する「成果報酬型」である点と、母集団形成から選考への動員までを紹介会社が代行してくれるため、自社の採用担当者の工数を大幅に削減できる点にあります。自社の知名度が低く学生が集まりにくい場合や、急な欠員補充が必要になった際に特に有効です。

一方で、採用一人あたりの紹介料は70万円〜120万円程度が相場とされ、他の手法に比べて高額になる可能性があります。また、紹介されるのはその紹介会社に登録している学生に限られるため、アプローチできる層が限定的になるという側面も持ち合わせています。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、従来の「待ち」の採用とは一線を画し、企業が自ら候補者を探し出して直接アプローチする「攻め」の採用手法です。具体的には、企業はダイレクトリクルーティングサービスが提供する学生のデータベースを検索し、自社の求める要件に合致した人材に対してスカウトメッセージを送ります。これにより、自社のことを知らなかった優秀な学生や、まだ本格的な就職活動を始めていない潜在層にもアプローチすることが可能です。

学生が自身のスキルや経験を登録し、企業からのオファーを待つ「逆求人」型のサービスもこの一種です。ターゲットを絞って能動的に動くため、採用のミスマッチが起こりにくく、採用活動全体の効率化につながるとして、近年の採用トレンドの中心となっています。

合同説明会

合同説明会は、一つの大きな会場に多数の企業がブースを構え、来場した学生に対して自社の事業内容や魅力をプレゼンテーションするイベント形式の手法です。一度に多くの学生と直接対面でコミュニケーションを取れる点が最大のメリットであり、特に就職活動を始めたばかりの学生に対して、自社の認知度を高め、興味を持ってもらうきっかけ作りとして非常に有効です。

学生の表情や反応をリアルタイムで見ながら話せるため、仕事のやりがいや企業の文化といった、文章だけでは伝わりにくい魅力を熱意をもって直接伝えられます。近年では、業界特化型や理系学生限定、その場で選考に進めるスカウト型など、多様なコンセプトの合同説明会が開催されており、自社の採用ターゲットに応じて参加するイベントを選ぶことが重要です。

SNS採用

SNS採用(ソーシャルリクルーティング)とは、X(旧Twitter)、Instagram、TikTokといった、学生にとって身近なソーシャルネットワーキングサービスを活用した採用手法です。企業の公式アカウントから、事業内容といった堅い情報だけでなく、社員の日常や社内イベントの様子、働く環境といったカジュアルでリアルな姿を発信することで、学生に親近感を持たせ、企業ファンを増やす効果が期待できます。

また、ハッシュタグなどを活用して自社に関連する投稿をしている学生を探し出し、ダイレクトメッセージでアプローチするといった、攻めの使い方も可能です。比較的低コストで始められる一方で、学生に飽きられないための継続的なコンテンツ投稿や、炎上リスクの管理といった運用面の課題もあります。学生との距離が近い分、真摯なコミュニケーションが成功の鍵を握ります。

新卒採用戦略を成功させるためのポイント

どれだけ優れた手法を取り入れても、その土台となる戦略の軸がぶれていては採用成功には至りません。最後に、これまでの内容を踏まえ、新卒採用戦略を成功させるために最も重要となる5つのポイントを解説します。採用活動を始める前の準備から、活動中、そして活動後の改善まで、一貫して意識すべき本質的な要素を押さえていきましょう。

採用の目的を明確に定める

効果的な採用戦略を築くための全ての出発点は、「そもそも、なぜ自社は新卒学生を採用するのか」という目的を明確に定義することにあります。それは「退職による欠員補充」といった短期的な理由でしょうか。それとも、「3年後を見据えた次世代リーダーの育成」や「組織の同質化を防ぎ、新たな価値観を取り入れるため」といった、より長期的で経営戦略に根差した目的でしょうか。この採用目的が具体的であればあるほど、その後のターゲット設定やメッセージング、手法の選択といったあらゆる意思決定の拠り所となります。

目的があいまいなままでは、採用基準もブレが生じ、一貫性のない場当たり的な活動に終始してしまいかねません。採用に関わる全メンバーがこの目的を共有することが、戦略成功への第一歩です。

採用したい人物像を明確に設定する

採用目的が定まったら、次にその目的を達成するために「具体的にどのような学生を採用すべきか」という人物像(ペルソナ)を詳細に設定します。「主体性がある人」といった抽象的な言葉で終わらせず、「新規事業立ち上げを担ってもらうため、前例のない課題にも臆することなく、自ら情報収集し周囲を巻き込みながら解決策を提案できる人物」のように、求めるスキル、価値観、行動特性までを具体的に言語化することが重要です。

このペルソナ設定は、人事部門だけで完結させるのではなく、実際に新入社員を受け入れて育成する現場の各部署と密に連携し、彼らの意見を十分に反映させながら作り上げる必要があります。明確なペルソナは、選考時の評価基準を統一し、面接官ごとの評価のブレを防ぐという大きな役割も果たします。

自社の魅力が何か整理する

競争の激しい採用市場で学生から選ばれるためには、「自社の魅力とは何か」を客観的に分析し、学生に響く言葉で伝えられるように整理しておく必要があります。それは給与や休日といった待遇面かもしれませんし、事業の社会貢献性や独自の技術力、あるいは風通しの良い社風や若手でも挑戦できる企業文化かもしれません。競合他社と比較した際に、自社が特に優れている点はどこなのかを多角的に洗い出し、言語化します。

また、魅力的な側面だけでなく、自社が抱える弱みや課題についても隠さず、それらをどのように改善しようとしているのかという姿勢とセットで伝えることが、学生からの誠実な信頼を獲得する上で非常に重要です。この正直さが、結果的に入社後のミスマッチを防ぎ、定着率の向上にもつながります。

担当者のリソースを確保する

新卒採用は、夏のインターンシップから始まり、説明会、選考、そして内定後のフォローまで、1年以上にわたる長期間の複雑なプロジェクトです。この一大プロジェクトを成功に導くには、採用活動に専念できる十分なリソース、すなわち「人」と「時間」を確保することが絶対条件となります。総務や労務など他の業務との兼任担当者では、煩雑な採用業務に忙殺され、戦略的な活動にまで手が回らないケースが少なくありません。理想は、新卒採用を専門に担う部署や専任者を配置することです。

社内でのリソース確保が難しい場合には、採用業務の一部、あるいは全てを外部の専門企業に委託する採用代行(RPO)サービスを活用するのも有効な手段。これにより、社内の担当者は面接や学生との関係構築といった、最も重要なコア業務に集中できます。

定期的に振り返って戦略を改善する

採用戦略は、一度立案したら終わりという静的なものではなく、市場環境の変化や自社の活動結果を踏まえて、常に改善を加えていく動的なものです。そのためには、PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを回し続けることが不可欠です。「母集団形成」「選考」「内定」「内定者フォロー」といった採用プロセスの各段階で、事前に設定した目標数値(KPI)と実際の結果を比較し、その差異がなぜ生まれたのかを分析します。

例えば、「説明会の参加人数は目標を達成したが、その後の選考への移行率が低い」のであれば、説明会のコンテンツに改善の余地があると考えられます。このように定期的な振り返りを通じて、戦略の精度を継続的に高めていくことが、採用活動を成功に導く鍵となるのです。

まとめ

本記事では、競争が激化する新卒採用市場を勝ち抜くための戦略の重要性と、その具体的な立案・実行のポイントを解説しました。計画的な採用活動は、企業の未来を創る上で不可欠な要素です。

しかし、「戦略の重要性は理解したが、何から手をつければ良いかわからない」「日々の業務に追われ、採用活動に十分なリソースを割けない」といったお悩みもあるかもしれません。

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「世界で一番社会を変える会社を創る」というビジョンのもと、WEB事業、人材事業、医療事業を中心に多角的に事業を展開し、世界で一番社会貢献のできる会社を目指しています。時代の変化に合わせた新規事業を生み出しながら世界中を変革できる「世界を代表するメガベンチャー」を目指し、日々奮闘しています。

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