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ウェブサイトのSEO対策において、「コーディング」は検索エンジンからの評価を左右する、切っても切り離せない重要な要素です。デザイナーが作成した美しいデザインも、適切で質の高いコーディングがなければ、ブラウザ上で正しく表示されず、ユーザー体験を損ない、SEO評価の低下にもつながってしまいます。
この記事を読めば、コーディングの基本的な意味から、混同されがちなプログラミングとの違い、そしてSEOに強いウェブサイトを構築するためにどのような言語やスキルが必要なのかを体系的に理解できます。 これからサイトリニューアルを検討しているウェブ担当者様や、制作会社とのコミュニケーションを円滑に進めたいマーケティング担当者様にとって、技術的な側面から自社サイトの価値を最大化するための実践的な知識が得られるでしょう。
<この記事で紹介する3つのポイント>
目次
ウェブサイト制作の現場で当たり前のように使われる「コーディング」という言葉。その本質は、人間が理解しているデザインや指示を、コンピューターが理解できる言語に翻訳する作業にあります。
コーディングとは、HTMLやCSSといった特定の言語のルール(文法)に従って、ソースコードを記述していく作業そのものを指します。ソースコードとは、コンピューターへの指示が書かれたテキストファイルのことで、これがウェブページの設計図となります。
例えば、ウェブデザイナーが作成したデザインカンプには、「この部分に見出しを配置し、この画像を表示する」といった視覚的な指示が描かれています。コーダーやフロントエンドエンジニアは、このデザインカンプを見ながら、「ここは見出しだから<h1>タグを使おう」「この画像は<img src=”…”>で表示させよう」というように、コンピューターが解釈できる言語に一つひとつ書き換えていきます。この地道な翻訳作業が、コーディングの正体です。
コーディングの主な目的は、デザイナーが意図した通りの「見た目」や「レイアウト」を、Google ChromeやSafariといったウェブブラウザ上で正確に再現することです。文字の大きさや色、画像の配置、ボタンのデザインなど、ユーザーが直接目にするウェブページの静的な視覚情報を構築する工程が、コーディングの担当領域となります。
SEOの観点からは、このコーディングの品質が非常に重要です。例えば、見出しを適切なHTMLタグ(H1, H2, H3…)で記述することで、検索エンジンにページの構造を正しく伝えることができます。コーディングは、単に見た目を作るだけでなく、サイトの情報を整理し、検索エンジンにその価値を伝えるための基礎を築く、重要な役割を担っているのです。
「コーディング」と「プログラミング」は、しばしば混同されて使われますが、その目的や作業内容は大きく異なります。この違いを理解することは、ウェブ制作の役割分担を把握する上で非常に重要です。
両者の最も大きな違いは、その目的にあります。前述の通り、コーディングの主な目的は、ウェブページの「見た目(静的な構造やデザイン)」を構築することです。HTMLで文章の構造を作り、CSSで色やレイアウトを装飾するのが中心的な作業です。
一方、プログラミングの目的は、ウェブサイトに「機能(動的な処理)」を実装することです。例えば、ユーザーが入力した情報に応じて表示内容が変わる検索機能、ECサイトの決済システム、データベースと連携した会員登録機能などがこれにあたります。プログラミングは、より複雑なロジックやアルゴリズムを用いて、ユーザーのアクションに応じた処理を実現します。
作業内容の違いは、「静的」か「動的」かという言葉で説明できます。コーディングは、主に「静的な」ページを作成します。これは、いつ誰が見ても同じ内容が表示される、いわば紙のパンフレットのようなページです。HTMLとCSSで記述された情報は、ブラウザがそれを読み込んで表示するだけです。
対して、プログラミングは「動的な」処理を扱います。ユーザーの操作や、時間、あるいはデータベースの情報に応じて、表示される内容が変化します。例えば、ログインしているユーザーの名前を表示したり、ECサイトでおすすめ商品をパーソナライズして表示したりする機能は、プログラミングによって実現されています。
目的や作業内容が異なるため、使用される言語も異なります。 コーディングで主に使用されるのは、ウェブページの構造を定義するHTML(マークアップ言語)と、その見た目を装飾するCSS(スタイルシート言語)です。これに、ページに動きを加えるためのJavaScript(プログラミング言語)が加わることが多いです。
一方、プログラミングでは、JavaScriptに加え、サーバー側で複雑な処理を行うための言語が用いられます。代表的なものに、PHP、Ruby、Python、Javaなどがあり、これらはデータベースとの連携や、高度な計算処理、システム構築などに使用されます。
ウェブサイト制作のフローにおいて、コーディングはデザインとシステム開発をつなぐ、非常に重要な橋渡しの役割を担っています。この工程の品質が、サイト全体のクオリティを決定づけると言っても過言ではありません。
ウェブサイト制作は、まずディレクターが企画・設計を行い、次にデザイナーがその設計に基づいてPhotoshopやFigmaといったツールでデザインカンプを作成します。しかし、このデザインカンプはあくまで「画像」であり、そのままではウェブページとして機能しません。
コーディングは、このデザインカンプという「静的な画像」を、ブラウザが解釈できるHTMLとCSSのコードに書き起こし、実際にクリックしたり、スクロールしたりできるウェブページとして具現化する工程です。デザイナーの意図を正確に汲み取り、ピクセル単位で忠実に再現する精密さが求められます。
コーディングの具体的な作業内容は、まずデザインカンプを細かく分析し、どの部分がヘッダーで、どの部分が見出し、本文、画像なのかといったページの構造を把握することから始まります。次に、その構造に基づいてHTMLで骨格を作り、テキストや画像を配置していきます。
その後、CSSを用いて、文字のフォント、色、大きさ、余白(マージンやパディング)、要素の配置(横並びにするなど)といった、デザインの細部を装飾していきます。さらに、JavaScriptを使って、メニューがクリックで開閉したり、画像がスライドショーで切り替わったりといった、インタラクティブな動きを加えていきます。
一般的なウェブサイト制作のフローにおいて、コーディングは中盤に位置します。
①企画・設計 → ②デザイン制作 → ③コーディング → ④システム開発(プログラミング) → ⑤テスト・公開
このように、コーディングはデザイン工程とシステム開発工程の間に位置し、両者をつなぐハブとしての役割を担います。デザイナーが作成した視覚情報を、システム開発者が機能を実装するための土台となるコードへと変換する、非常に重要な工程です。このコーディングが正確でなければ、後のシステム開発に支障をきたしたり、サイトの表示速度が遅くなったりと、さまざまな問題を引き起こします。
ウェブページの見た目を構築するコーディングでは、主に3つの言語がそれぞれの役割を担いながら、連携して機能しています。これらはウェブフロントエンド技術の三本柱とも言える存在です。
HTML(HyperText Markup Language)は、ウェブページの文章構造や骨格を定義するためのマークアップ言語です。コンピューター(検索エンジン)に対して、「これは大見出しです(<h1>)」「これは段落です(<p>)」「これは画像です(<img>)」といったように、各要素がどのような役割を持つのかを「タグ」と呼ばれる目印を使って示します。
SEO対策において、このHTMLの適切な記述は極めて重要です。検索エンジンは、このHTMLタグを読み取ってページの内容を理解するため、例えば見出し構造が正しくマークアップされていないと、ページのテーマが正しく伝わらず、評価が低下する可能性があります。
CSS(Cascading Style Sheets)は、HTMLで作られた骨格に対して、色や形、レイアウトといった見た目の装飾を施すためのスタイルシート言語です。HTMLが「何が書かれているか」を定義するのに対し、CSSは「それをどのように見せるか」を定義します。
例えば、「h1タグで書かれた見出しは、文字サイズを32ピクセルにし、青色にする」「画像の周りに10ピクセルの余白を設ける」といった、デザインに関する指示を記述します。HTMLからデザインの指定を分離することで、サイト全体のデザインを一元管理しやすくなり、メンテナンス性が向上します。また、CSSの記述方法もサイトの表示速度に影響するため、SEOの観点からも最適化が求められます。
JavaScriptは、ウェブページに動的な機能やインタラクティブな要素を加えるためのプログラミング言語です。HTMLとCSSだけでは表現できない、ユーザーのアクションに応じた変化を作り出すことができます。
例えば、「ボタンをクリックしたらメニューが表示される」「画像をクリックしたら拡大表示される」「スクロールしたら新しいコンテンツが読み込まれる」といった、リッチなユーザー体験を提供する機能は、JavaScriptによって実装されています。近年では、ウェブサイトの見た目をより魅力的で使いやすくするために、JavaScriptはコーディングにおいて不可欠な言語となっています。ただし、過度な使用はサイトの表示速度を低下させる原因にもなるため、SEOとのバランスを考慮した実装が重要です。
質の高いコーディングを行い、SEOに強く、ユーザーにも使いやすいウェブサイトを構築するためには、言語の知識以外にも、多岐にわたるスキルが求められます。
まず基本となるのが、HTML、CSS、JavaScriptといった主要な言語の深い理解と習得です。単にタグやプロパティを知っているだけでなく、それぞれの言語の仕様を正しく理解し、セマンティック(意味的)に適切で、かつ効率的なコードを書く能力が求められます。
特に、HTML5やCSS3といった最新の仕様や、JavaScriptのフレームワーク(React, Vue.jsなど)に関する知識も、現代のウェブ制作では不可欠となっています。
コーディングは、デザインという抽象的なものを、コードという論理的な構造物に落とし込む作業です。そのため、物事を構造的に捉え、順序立てて考える論理的思考力が非常に重要になります。
また、コーディング中に発生する「表示が崩れる」「うまく動かない」といったさまざまな問題に対し、原因を特定し、仮説を立て、検証を繰り返して解決策を導き出す、粘り強い問題解決能力も不可欠です。
より高度で効率的なコーディングを行うためには、アルゴリズム(問題解決のための手順)とデータ構造(データの効率的な管理方法)に関する基本的な理解も求められます。特に、JavaScriptを用いて複雑な機能を実装する際には、これらの知識がコードの品質やパフォーマンスに大きく影響します。
どのような処理を、どのような順序で、どのようなデータ構造を使って行えば、最も効率的でメンテナンスしやすいコードになるかを考える能力が重要です。
コーディングにエラーはつきものです。書いたコードが思った通りに動かない場合、その原因となっているバグを見つけ出し、修正する「デバッグ」のスキルは、コーダーにとって最も重要なスキルの一つです。ブラウザの開発者ツールなどを使いこなし、エラーメッセージを正確に読み解き、問題の箇所を効率的に特定する能力が求められます。
このエラー解決のプロセスを、いかに迅速かつ的確に行えるかが、生産性を大きく左右します。
ウェブ技術の世界は日進月歩で、新しい技術や仕様、ツールが次々と登場します。昨日まで主流だった技術が、今日には古くなっているということも珍しくありません。そのため、常に最新の技術動向を追いかけ、新しい知識を学び続ける継続的な学習意欲が不可欠です。
国内外の技術ブログを読んだり、勉強会に参加したりと、積極的に情報を収集し、自身のスキルをアップデートし続ける姿勢が、プロのコーダーとして活躍し続けるための鍵となります。
現代のウェブ制作は、ディレクター、デザイナー、プログラマー、マーケターなど、多くの専門家が関わるチームで行われるのが一般的です。そのため、コーダーにも高いチームワークとコミュニケーション能力が求められます。
デザイナーの意図を正確に汲み取るためのヒアリング能力や、プログラマーにスムーズに作業を引き継ぐための分かりやすいドキュメント作成能力、そしてプロジェクトの進捗を関係者と適切に共有する報告・連絡・相談のスキルが重要です。
コーディングの世界にこれから足を踏み入れる、あるいは基本的な知識を身につけたいと考える方のために、効率的な基礎学習のステップをご紹介します。
まずは、Progateやドットインストールといった、オンラインのプログラミング学習サイトを活用して、HTMLとCSSの基本的な文法と概念を体系的に学ぶことから始めましょう。これらのサイトは、スライド形式の分かりやすい解説と、実際にブラウザ上でコードを書きながら学べる実践的な演習が組み合わさっており、初心者でも挫折しにくいように設計されています。
まずはここで、ウェブページがどのような仕組みで表示されているのか、その全体像をつかむことが重要です。
基本的な文法を覚えたら、次は実際に存在する簡単なウェブサイトの見た目を真似て、自分で一から作ってみる「模写コーディング」に挑戦しましょう。お手本となるサイトを見ながら、「この部分は<div>タグで囲んで、CSSで横並びにしているな」「このボタンは<a>タグで、背景色と余白を指定しているな」というように、学んだ知識を総動員して再現していきます。
このプロセスを通じて、知識が実践的なスキルへと昇華され、コーディングの楽しさと難しさを体感することができます。
模写コーディングで自信がついたら、最後は自分だけのオリジナルのウェブサイトを制作してみましょう。自分のポートフォリオサイトや、趣味のブログなど、テーマは何でも構いません。企画からデザイン、そしてコーディングまで、全ての工程を自分自身で経験することで、ウェブサイト制作の全体像を深く理解することができます。
このオリジナルサイトの制作経験は、自身のスキルを証明する最も強力な実績となり、大きな自信につながるはずです。
本記事では、コーディングの基本的な意味から、混同されがちなプログラミングとの違い、そしてウェブサイト制作における役割までを解説しました。
コーディングは、単にデザイナーが描いた見た目を再現するだけでなく、HTMLの適切な構造化などを通じて、検索エンジンにサイトの内容を正しく伝え、SEO評価の土台を築くという非常に重要な役割を担っています。 質の高いコーディングを行うためには、言語の知識はもちろん、論理的思考力や継続的な学習意欲、そしてチームで連携するためのコミュニケーション能力といった多岐にわたるスキルが求められます。
これらの要素が組み合わさって初めて、ユーザーにとって使いやすく、かつ検索エンジンからも評価される質の高いウェブサイトが生まれるのです。
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