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承継開業完全ガイド|医院承継のメリット・費用・流れを解説

公開日:2026.02.09  更新日:2026.02.09

医院の開業を検討する際、新規開業だけでなく承継開業という選択肢があることをご存じでしょうか。承継開業とは既存の医院を引き継ぐ開業方法で、初期投資を抑えながら患者やスタッフといった経営基盤を活用できるのが特徴です。本記事では、承継開業のメリット・デメリットから具体的な費用や手順、失敗しないための注意点まで詳しく解説します。新規開業との違いを理解し、ご自身に最適な開業方法を見つけてください。

<この記事で紹介する4つのポイント>

  • 承継開業は初期投資を抑え、患者やスタッフなどの経営基盤を引き継げるため早期の経営安定化が可能
  • 承継開業にかかる費用は譲渡価格と諸経費を合わせて数百万円から数千万円が相場
  • 準備から開業までは、仲介会社への相談、案件選定、デューデリジェンス、契約、引継ぎという5つのステップで進める
  • 簿外債務や設備の調査、スタッフ・患者との信頼関係構築、専門家による契約書確認が成功の鍵

承継開業とは?

承継開業とは、既存の医院を引き継いで開業する方法を指します。新規開業では土地探しや建物の建設、医療機器の購入など全てを一から準備する必要がありますが、承継開業では前院長から医院そのものを譲り受けるため、設備や患者基盤がすでに整った状態からスタートできます。

診療所の建物や医療機器だけでなく、スタッフや患者、取引先といった経営資源も引き継げる点が大きな特徴です。近年では高齢化による院長の引退や後継者不足を背景に、M&A仲介会社を通じた医院承継の案件が増加しており、開業の選択肢として注目を集めています。

承継開業を新規開業と比較したメリット・デメリット

承継開業には新規開業と比べて明確な利点がある一方で、既存の医院を引き継ぐがゆえの制約も存在します。初期投資の削減や経営基盤の引継ぎといった金銭的・時間的メリットが大きい反面、設備の老朽化や人間関係の承継、経営方針の自由度といった面では注意が必要です。

開業を成功させるには、これらのメリットとデメリットを正しく理解し、自身の状況や目指す医院像と照らし合わせて判断することが重要になります。

【メリット】初期投資を抑え早期に経営を安定化できる

承継開業では建物や医療機器がすでに揃っているため、新規開業と比べて初期投資を大幅に削減できます。新規開業の場合、土地取得や建物建設、医療機器の購入などで数千万円から億単位の資金が必要になりますが、承継開業ではこれらの費用が不要です。

さらに既存の患者がそのまま引き継げるため、開業直後から一定の診療収入が見込めます。新規開業では患者を集めるまでに時間がかかり赤字期間が長引きがちですが、継開業なら開業初月から黒字化も可能であり、経営の安定化までの期間を大幅に短縮できる点が魅力です。

【メリット】顧客・従業員・取引先という経営基盤を引き継げる

承継開業では患者だけでなく、スタッフや医薬品業者といった経営に必要な人的ネットワークも一括で引き継げます。新規開業ではスタッフの採用や教育、取引先の開拓に多大な労力と時間がかかりますが、承継開業なら前院長が築いてきた信頼関係をそのまま活用できるでしょう。

特に経験豊富なスタッフがいれば、医院の運営ノウハウや地域特性を熟知しており、開業後の業務がスムーズに進みます。また前院長からの紹介により、地域住民からの信頼も得やすく、新しい患者の獲得にもつながりやすい環境が整っている点は大きな強みといえます。

【デメリット】老朽化した設備や旧来の人間関係が足かせになる

既存の医院を引き継ぐため、建物や医療機器が古く、開業後すぐに修繕や買い替えが必要になるケースがあります。購入時には問題なく見えても、実際に使い始めてから故障が頻発し、想定外の出費が発生する可能性も否定できません。またスタッフを引き継ぐ場合、前院長との関係性が強すぎて新しい院長の方針に抵抗を示されたり、既存の人間関係に新院長が入りづらかったりする問題も起こりえます。

こうした状況では診療方針の変更や業務改善が進まず、理想とする医院づくりが難航するリスクがあるため、承継前の設備状態やスタッフとの関係構築には十分な注意が求められます。

【デメリット】立地や事業方針など、経営の自由度が低い

承継開業では医院の場所や建物の構造が既に決まっているため、立地や診療スペースのレイアウトを自由に選べません。希望するエリアや物件とは異なる条件での開業となり、想定していた患者層と実際の患者層にギャップが生じることもあります。また前院長が長年培ってきた診療方針や地域でのイメージがあるため、急激な変更は患者やスタッフの離反を招く恐れがあります。

新しい診療科目を追加したり、診療時間を大幅に変えたりする場合には慎重な対応が必要です。経営の自由度が制限されることは承継開業の宿命ともいえるため、自分の理想とする医院像と引き継ぐ医院の現状をよく照らし合わせることが不可欠でしょう。

承継開業にかかる費用の内訳と相場

承継開業にかかる費用は、譲渡価格と諸経費を合わせて数百万円から数千万円が一般的です。譲渡価格は医院の規模や立地、患者数、設備の状態などによって大きく変動します。新規開業と比較すれば初期投資は抑えられますが、譲渡対価に加えて仲介手数料や登記費用、契約書作成費用などの諸経費も発生するため、総額を事前に把握しておくことが重要です。

また設備が老朽化している場合は、開業後に修繕費や機器の買い替え費用が必要になる可能性もあるため、余裕を持った資金計画を立てる必要があります。

医院承継の具体的な流れと手順

医院承継は準備から開業まで、複数の段階を経て進めていく必要があります。仲介会社への相談から最終契約、そして実際の引継ぎまで、おおむね半年から1年程度の期間がかかるのが一般的です。各ステップで必要な手続きや確認事項を理解しておくことで、スムーズな承継が実現できます。

以下では承継開業の主要な5つのステップについて、それぞれの内容と注意点を解説していきます。

ステップ1: 準備と仲介会社への相談

承継開業を始めるにあたり、まずは自身の希望条件を明確にすることから始めましょう。診療科目や希望エリア、予算、開業時期などの条件を整理した上で、医院承継を専門に扱う仲介会社に相談するのが一般的な流れです。仲介会社では承継案件の紹介だけでなく、資金計画の相談や必要書類の準備についてもサポートしてくれます。

この段階で自己資金の確認や金融機関への融資相談も並行して進めておくと、後の手続きがスムーズになります。信頼できる仲介会社を選ぶことが、承継成功の第一歩といえるでしょう。

ステップ2: 承継s案件探しと候補先の選定

仲介会社から提示された複数の承継案件の中から、自身の条件に合う医院を選定していきます。立地や患者数、医療機器の状態、スタッフ構成などを総合的に判断し、候補を絞り込んでいく作業が中心です気になる案件があれば実際に医院を見学し、前院長と面談する機会も設けられます。見学では診療の様子や設備の状態を直接確認できるため、書類だけでは分からない医院の実態を把握できるでしょう。

また前院長との面談では、承継の背景や患者層の特徴、スタッフの状況などを詳しくヒアリングし、自分が理想とする医院像と合致するかを見極めることが大切です。

ステップ3: 基本合意とデューデリジェンス

承継したい医院が決まったら、譲渡条件や金額について前院長と交渉し、基本合意書を締結します。基本合意後は、医院の財務状況や法的問題の有無を調査するデューデリジェンスを実施することが重要です。財務書類や診療報酬明細、リース契約、従業員との雇用契約などを専門家と共に精査し、簿外債務や訴訟リスクがないかを確認します。

建物や医療機器の状態についても、専門業者による詳細な調査を行うケースもあるでしょう。この段階で発覚した問題点については、譲渡価格の再交渉や契約条件の見直しを行い、リスクを最小限に抑えることが可能です。

ステップ4: 最終契約と譲渡手続き

デューデリジェンスの結果を踏まえ、最終的な譲渡契約書を作成して締結します。契約書には譲渡価格や支払方法、引継ぎ期間、保証内容などが詳細に記載されるため、弁護士や税理士などの専門家に内容を確認してもらうことが不可欠です。

契約締結後は金融機関からの融資実行や譲渡対価の支払い、不動産や医療機器の名義変更といった法的手続きを進めていきます。保健所への診療所開設届や厚生局への保険医療機関の指定申請なども必要になるため、開業予定日から逆算してスケジュールを組むことが求められます。

ステップ5: 開業とスタッフ・患者の引継ぎ

契約が完了したら、いよいよ開業の準備に入ります。スタッフや患者に対して、院長交代を丁寧に説明し、信頼関係を築いていくことが最も重要です。前院長と一定期間並行して診療を行い、患者やスタッフとの関係を円滑に引き継ぐ方法もあります。

患者には院内掲示や手紙などで新院長の紹介を行い、不安を取り除く配慮が必要でしょう。スタッフに対しては、今後の診療方針や労働条件について丁寧にコミュニケーションを取り、協力を得られる体制を整えます。引継ぎ期間中に医院の運営方法や地域特性を学び、スムーズなスタートを切ることが承継開業成功の鍵となります。

承継開業で失敗しないための注意点

承継開業には多くのメリットがある一方で、既存の医院を引き継ぐがゆえのリスクも存在します。事前の調査不足や契約内容の見落とし、人間関係の構築失敗などが原因で、開業後にトラブルが発生するケースも少なくありません。

こうした失敗を避けるためには、財務状況や設備の状態を詳細に確認し、スタッフや患者との信頼関係を丁寧に築いていく必要があります。また専門家の力を借りて契約書を精査することも欠かせません。以下では承継開業を成功させるために押さえておくべき3つの重要な注意点を解説します。

簿外債務や設備の劣化を徹底的に調査する

承継開業における最大のリスクは、引き継ぎ後に予期せぬ負債や設備トラブルが発覚することです。財務書類だけでは見えない簿外債務や、表面的には問題なく見える医療機器の内部劣化などを事前に把握することが不可欠といえます

デューデリジェンスの段階で税理士や会計士に依頼し、過去数年分の財務諸表や税務申告書、リース契約、未払金の有無などを詳しく調べてもらいましょう。医療機器については専門業者による点検を実施し、修理履歴や耐用年数を確認することで、開業後すぐに高額な修繕費が発生するリスクを回避できます。建物の状態も同様に、構造上の問題や雨漏りなどがないか入念にチェックする必要があります。

従業員と顧客の信頼関係を円満に引き継ぐ

承継開業では患者やスタッフとの関係構築が成否を分ける重要な要素となります。前院長との信頼関係が強いほど、新しい院長への移行に抵抗が生まれやすいため、丁寧なコミュニケーションが求められます患者に対しては、院内掲示や手紙で新院長の経歴や診療方針を紹介し、不安を軽減する配慮が必要です。前院長と並行診療の期間を設けることで、患者が新院長に慣れる時間を確保できるでしょう。

スタッフに対しては、承継前から面談の機会を設け、今後の方針や労働条件について率直に話し合うことが大切です。急激な変化を避け、現場の意見を尊重しながら段階的に改善を進める姿勢が、円滑な引継ぎにつながります。

専門家を交え譲渡契約書を隅々まで確認

譲渡契約書は承継開業における最も重要な法的文書であり、内容の不備がトラブルの原因となります。契約書には譲渡価格や支払条件、引継ぎ期間、設備の保証、債務の取り扱いなど多岐にわたる項目が含まれるため、専門家のチェックが不可欠です。弁護士に依頼して契約書の文言を精査してもらい、曖昧な表現や不利な条件がないか確認しましょう。

特に設備の瑕疵担保責任や、前院長の競業避止義務、スタッフの雇用条件の引継ぎなどは、後々トラブルになりやすい部分です。税理士にも相談し、譲渡に伴う税務上の影響を把握しておくことで、予期せぬ税負担を避けられます。契約締結を急がず、十分な時間をかけて内容を検討することが重要です。

まとめ

承継開業は、既存の医院を引き継ぐことで初期投資を抑え、患者やスタッフといった経営基盤をそのまま活用できる開業方法です。新規開業と比べて早期の経営安定化が見込める一方で、設備の老朽化や人間関係の引継ぎ、経営の自由度といった課題も存在します成功させるには、デューデリジェンスによる徹底的な調査、スタッフや患者との信頼関係構築、専門家を交えた契約書の精査が不可欠です。承継開業にかかる費用は譲渡価格と諸経費を合わせて数百万円から数千万円が相場となり、準備から開業までは半年から1年程度の期間を要します。メリットとデメリットを正しく理解し、自身の状況に合わせて判断することが、理想の医院経営を実現する第一歩となるでしょう。

承継開業や医院経営でお悩みの方は、豊富な実績とネットワークを持つDYMへぜひご相談ください。

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「世界で一番社会を変える会社を創る」というビジョンのもと、WEB事業、人材事業、医療事業を中心に多角的に事業を展開し、世界で一番社会貢献のできる会社を目指しています。時代の変化に合わせた新規事業を生み出しながら世界中を変革できる「世界を代表するメガベンチャー」を目指し、日々奮闘しています。

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