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コールセンターに寄せられる問い合わせを種類別に分類・分析する「コールリーズン分析」は、業務改善の優先順位を明確にするための強力な手法です。「どの問い合わせが最も多いのか」「どこにリソースを集中すべきか」が可視化されることで、IVRの最適化やFAQの充実、オペレーターの教育強化など、具体的な施策につなげられます。
本記事では、コールセンターの運営改善を担う管理者やSVの方に向けて、コールリーズン分析の基本から収集・分類の方法、パレート図を使った実践的な分析手順、そして業務への活用法まで、わかりやすく解説します。
<この記事で紹介する3つのポイント>
目次

コールリーズンとは何か、そしてコールリーズン分析がどのような手法であるかを理解することは、コールセンター運営改善の第一歩となります。基本的な意味からVOCとの違い、業界での使われ方まで、順を追って解説します。
コールリーズンとは、コンタクトリーズンとも呼ばれ、顧客がコールセンターに電話をかけてくる理由のことです。
「商品の使い方がわからない」「サービスの解約方法を教えてほしい」「注文内容を変更したい」など、顧客がコールセンターへ問い合わせる直接的なきっかけがすべてコールリーズンにあたります。
コールリーズン分析とは、顧客の入電理由をカテゴリーごとに分類し、その内容を分析する手法です。
問い合わせ件数や内容の傾向を把握することで、オペレーター向けマニュアルの最適化が進めやすくなります。顧客ニーズの把握にもつながるため、よくある質問への回答精度の向上や知識の蓄積など、応対品質の改善にも役立てることができます。
コールリーズンと混同されやすいのが「VOC」です。コールリーズンは顧客が問い合わせをしてきた直接の理由、すなわち「顧客のお困りごと」にあたります。
一方のVOCは、問い合わせを通じて得られる顧客の要望・苦情・評価など「顧客の顕在化したニーズ」を指します。コールリーズンからVOCを推測できるという関係にあるため、コールリーズンはVOCの前段階として把握するのが正確といえます。
コールリーズンは、英語で「Call Reason」と表記し、インバウンドコールセンターを中心に広く使われている用語です。
顧客からの電話内容をカテゴリーごとに分類・記録する際に用いられており、業界では主にCMS(コールマネジメントシステム)やCRMシステムと連携しながらデータとして蓄積・管理する形で活用されています。

コールリーズン分析は、コールセンターの業務改善を進めるうえで欠かせない取り組みです。優先すべき施策の明確化から異常値の検出、セルフサービスの導入検討まで、さまざまな場面で活用できます。
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
コールリーズン分析で問い合わせの多い内容を把握することで、優先的に取り組むべき施策とその対応方法が明確になります。コールセンターには毎日多くの問い合わせが寄せられますが、すべてに同等のリソースを充てることは現実的ではありません。
たとえば、「ログイン方法がわからない」「担当部署の連絡先を知りたい」など、同じ内容の問い合わせが集中している場合は、そのコールリーズンへの対策を優先することで、効率的に顧客対応の質を高められます。
コールセンターでは、電話対応の平均処理時間をAHT(Average Handle Time)と呼びます。コールリーズンごとにAHTを記録・管理することで、対応時間の超過といった異常値を早期に検出し、改善に向けた取り組みを迅速に実行できます。
たとえば、特定の問い合わせカテゴリーでAHTが突出して長い場合、その原因を分析して対応フローを見直すことが可能です。異常値を見逃さない仕組みを整えることが、安定した業務運営につながります。
コールリーズンを分析することで、オペレーターによる有人対応が必ずしも必要ではない問い合わせ内容を特定できます。たとえば、「サービスの登録方法がわからない」「注文のキャンセル方法を知りたい」といった定型的な問い合わせは、FAQへの掲載やチャットボットの導入によって顧客自身が解決できる環境を整えられます。
セルフサービス化が実現すれば入電数が減少し、オペレーターはより複雑な問い合わせ対応に集中できるようになります。

コールリーズン分析の精度は、データの収集品質に左右されます。主な収集方法としてCWCとCRMシステムの2種類があり、それぞれに特徴があります。
入力漏れやヒューマンエラーへの対策も含めて、効果的な収集と分類の方法を解説します。
CWCとは、あらかじめ分類したコールリーズンと電話機のボタンを対応させる仕組みで、CMS(コールセンターの運用管理システム)に標準搭載されていることが多い機能です。通話中、または通話後に対象のボタンを押すことで、コールリーズンをコードとして記録・集計できます。
操作の手軽さとデータ取得の容易さという2つの特長について、次項で詳しく説明します。
CWCを活用する大きなメリットは、オペレーターが電話機のボタンを押すだけでコールリーズンを記録できる点にあります。専用システムへのテキスト入力が不要なため、通話対応に集中しながらデータを残せます。
操作が直感的でわかりやすいため、新人オペレーターでもすぐに習得できます。ただし、ボタンを押し忘れると記録が残らないため、運用ルールの徹底が欠かせません。
CWCで記録したデータは、コールリーズンごとの応答時間や後処理時間も自動的に紐づけて取得できます。これにより問い合わせの種類別に、応対にかかった時間を把握することが可能になります。
コールリーズンと応対時間を組み合わせて分析することで、改善が必要な業務の優先度を判断しやすくなるのが利点です。
CRMシステム(顧客関係管理システム)を活用する方法では、顧客の基本情報や問い合わせ履歴と合わせてコールリーズンを管理できます。対応画面にコールリーズンのカテゴリ選択欄を設けることで、問い合わせ対応と同時にデータとして蓄積できる点が特長です。
応対履歴との紐づけやCTI連携による分析の高度化について、次項で詳しく見ていきます。
CRMシステムを使うと、顧客の氏名・連絡先・購買履歴といった情報とコールリーズンを一元管理できます。蓄積したデータはCSVなどの形式で出力できるため、表計算ソフトを使ったグラフ作成や詳細な集計分析にも活用しやすくなります。
問い合わせ内容と顧客属性を組み合わせて分析できる点は、CWCにはない強みです。
CTI(電話とコンピューターを連携させる技術)とCRMシステムを接続することで、応対時間のデータをコールリーズンと自動的に紐づけた分析が可能になります。
CTI連携が整っていない場合は応対時間データの紐づけができないため、より詳細な分析を目指す場合は連携環境の整備が重要なポイントとなります。
コールリーズンの収集で入力漏れが多発すると、正確な分析が難しくなります。対策として有効なのは、CRMシステムの対応画面でコールリーズンのカテゴリを選択しなければ画面をクローズできない仕様にする方法です。
また、対応した後にコールリーズンを入力したかどうかを確認するチェックリストを用意することも、入力漏れやヒューマンエラーを防ぐうえで効果的な取り組みといえます。

収集したコールリーズンを効果的に分析するには、パレート図の活用が有効です。パレート図を使うことで、優先的に対策すべきコールリーズンを視覚的に把握できます。
概要から具体的な手順まで、順を追って解説します。
パレート図とは、発生している問題のなかで大きな割合を占めるものを特定するための分析手法で、棒グラフと折れ線グラフを組み合わせて図式化したものです。
「全体の2割の要素が全体の8割を構成する」というパレートの法則を根拠としており、コールリーズン分析に活用すると、対応すべき課題の優先順位を視覚的に把握できます。
パレート図を作成するには、まず収集したコールリーズンを分類し件数を集計したうえで、件数の多い順に並び替えます。次に、各コールリーズンの累計比率を算出します。累計比率は「項目ごとの累積件数÷全体の総件数」で求め、件数の多いものから順に割合を足し合わせて最終的に100%になるよう計算します。
この作業により、それぞれのコールリーズンが全体に占める割合が数値として明確になります。
集計と累計比率の算出が完了したら、表計算ソフトなどを使ってパレート図を作成します。棒グラフは件数の多い順に右肩下がりに並び、累計比率の折れ線グラフは右肩上がりに推移します。
完成したグラフを分析することで、全体の80%を占める上位のコールリーズンが一目で把握でき、優先的に改善策を講じるべき課題が明確になります。

コールリーズン分析の結果は、さまざまな業務改善の場面で役立てることができます。
IVRの最適化やトークスクリプト・FAQの見直し、教育研修の充実、そして商品・サービスの品質向上まで、具体的な活用方法を解説します。
IVRとは、顧客からの入電時に自動音声で案内を行い、用件に応じたオペレーターへ振り分けるシステムのことです。
コールリーズン分析の結果をIVRの設定に反映させることで、問い合わせが多い内容を優先的に案内メニューの上位に配置でき、顧客が目的の選択肢に早くたどり着けるようになります。不要な分岐項目を削除して選択肢を絞ることで顧客の待ち時間が短縮され、入電数の抑制にもつながります。
コールリーズン分析から問い合わせ傾向を把握することで、顧客が求めている回答や解決策をトークスクリプトに反映させることができます。問い合わせ件数の多い内容が網羅されたトークスクリプトはオペレーター間の応対品質のばらつきを抑え、安定した顧客対応につながります。
また、頻度の高いコールリーズンをFAQに掲載することで、顧客が自己解決できる環境が整い、コールセンターへの入電数を減らすことが期待できます。
問い合わせ件数の多い内容をコールリーズン分析によって把握できると、その内容を重点的に学ぶ研修カリキュラムを構築することができます。
件数の多い問い合わせへの対応をオペレーター全員が習得していれば、回答を調べるために対応を中断する場面や、上席への引き継ぎが発生する頻度を減らせます。結果として1日あたりの対応件数が増加し、顧客をお待たせする時間の短縮にも直結します。
コールリーズン分析の結果は、商品・サービスの改善にも活用できます。問い合わせ内容から顧客が感じている課題を明らかにし、その解決策を商品開発やサービス改善に反映させることが可能です。
ただし、分析結果をコールセンター内だけで保有していると改善の機会を逃してしまいます。定期的に商品開発部門などの他部署とミーティングを設けるなど、部署間で情報を共有できる仕組みを整えることが品質向上の実現に欠かせません。
コールリーズン分析は、問い合わせ傾向の可視化から業務改善まで、コールセンター運営の質を高めるうえで欠かせない取り組みです。しかし、分析の仕組みづくりや運用改善を自社だけで進めることに難しさを感じている担当者の方も多いでしょう。
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「世界で一番社会を変える会社を創る」というビジョンのもと、WEB事業、人材事業、医療事業を中心に多角的に事業を展開し、世界で一番社会貢献のできる会社を目指しています。時代の変化に合わせた新規事業を生み出しながら世界中を変革できる「世界を代表するメガベンチャー」を目指し、日々奮闘しています。