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インターネットを利用する上で欠かせない「サーバー」という言葉。しかし「サーバーとは何か?」と問われると、その仕組みや種類を明確に説明できる人は、意外と少ないのではないでしょうか。
特に、Webサイトの運営や業務システムの構築を考えている方にとって、サーバーの選び方は重要な課題です。種類や用途が多岐にわたるため、適切なサーバーを選ばなければ、コストや運用面での負担が増えてしまうこともあります。
そこで本記事では、サーバーの基本概念から種類、用途までを詳しく解説します。最後までご覧いただくと、自社に最適なサーバーの選択がスムーズになり、ビジネスの効率化へとつながるはずです。サーバーの基礎を理解し、最適な運用を目指しましょう。
<この記事で紹介する3つのポイント>
目次
サーバーとは、ネットワークを通じて、ほかのコンピューターにサービスやデータを提供するコンピューターのことです。インターネットでWebサイトを閲覧したり、メールを送受信したりする際、裏側で重要な役割を担っています。
そんなサーバーの種類や形状は多岐にわたり、用途によって適切なものを選ぶことが重要です。まずは、サーバーの基本的な概念から種類、形状、用途までを詳しく見ていきましょう。
サーバーとは「サービスを提供する側」のコンピューターを指し、その対義語は「クライアント」といいます。クライアントとは、サーバーからサービスを受ける側のコンピューターです。
例えば、Webサイトを閲覧する際、私たちが使っているパソコンやスマートフォンがクライアントとなり、Webサイトのデータを保管・提供しているコンピューターがサーバーとなります。クライアントからのリクエストに対して、サーバーが適切なレスポンスを返すという関係性が成り立っています。
この「サーバー」と「クライアント」の関係は、コンピューターネットワークの基本的な構造です。インターネット上のさまざまなサービスは、この仕組みによって成り立っています。そのため、両者の役割を理解することにより、ネットワークシステム全体の動きが把握しやすくなります。
サーバーの種類は、用途によって多種多様に分かれています。もっとも身近な例としては、Webサーバー・メールサーバー・ファイルサーバー・DNSサーバーなどの種類が挙げられます。
Webサーバーは、Webサイトのデータを保管し、ブラウザからのリクエストに応じてHTMLや画像ファイルを送信します。GoogleやYahoo!のようなサイトを閲覧できるのは、このWebサーバーのおかげです。
メールサーバーは、メールの送受信を担当し、送信側のSMTPサーバーと受信側のPOP3・IMAPサーバーに分かれています。電源を切っていても後からメールを受信できるのは、メールサーバーがデータを保管しているためです。
ほかにも、ファイルサーバーは社内でのファイル共有などの用途に使われ、DNSサーバーはドメイン名とIPアドレスを紐づける重要な役割を担っています。これらのサーバーが連携することで、私たちが日常的に利用するインターネットサービスが実現しているのです。
サーバーの種類は役割や機能のみならず、物理的な形状によっても分類されます。サーバーの形状は、設置スペースの制約や使用目的、運用規模などによって選ばれます。主な形状は、以下のとおりです。
それぞれに特徴とメリット・デメリットがあるため、システムの規模や用途に合わせて最適な形状を選ぶことが、効率的なサーバー運用の鍵となります。
タワー型サーバーは、一般的なデスクトップPCに似た縦長の筐体を持つサーバーです。オフィスの一角に直接設置できるため、サーバールームなどの専用スペースが不要という大きなメリットがあります。
タワー型サーバーは、小規模なシステムやスモールスタートに適しており、初期投資を抑えたい小規模事業者に人気です。通常のパソコンと同じように設置でき、特別な設備も必要としません。
一方、台数が増えると、設置スペースを確保するのが難しくなるというデメリットもあります。複数台のサーバーを運用する場合は、スペース効率が悪くなるため、システム拡張時にはほかの形状への移行を検討する必要があるでしょう。
ラックマウント型サーバーは、専用のラック(棚)に収納して使用するタイプのサーバーです。一般的に、標準化された19インチ幅のラックに水平に積み重ねて設置します。1段分が「1U(ユニット)」と呼ばれ、高さは約4.45cmです。
中〜大規模なシステム構成に適しており、多数のサーバーを効率よく収納できるため、データセンターなどの限られたスペースを有効活用できます。整然と配置できるため、ケーブル管理も容易です。
ただし、ラックマウント型サーバーには、消費電力が比較的多いというデメリットがあります。また、サーバーラックなどの専用設備が必要となるため、小規模な事業者にとっては、初期投資が大きくなる可能性があります。これらのことから、企業の成長に合わせて、サーバー台数を増やしていくことを想定している場合に適しています。
ブレード型サーバーは、薄い板状のサーバーを専用の筐体(シャーシーまたはエンクロージャー)に複数挿入して使用します。電源や冷却装置をサーバー間で共有するため、非常にコンパクトな設計が特徴です。
ブレード型サーバーのメリットには、大規模システムでも省スペースで収納可能で、消費電力も抑えられるという点が挙げられます。多数のサーバーを高密度に集約できるため、データセンターのスペースを最大限に活用したい大企業や、クラウドサービスの提供事業者に適しています。
デメリットとしては、導入コストが高額になる点と、メーカーを乗り換える際に筐体ごと総取替となる可能性があることです。業界標準の規格がないため、一度導入するとメーカーに依存する傾向にあります。また、ブレード型は高い初期投資が必要となることから、長期的な運用を前提とした大規模システムに向いているでしょう。
サーバーは、利用環境や運用方法によって大きく「物理サーバー」と「仮想サーバー」の2種類に分類されます。それぞれの特性により、導入コスト・運用コスト・自由度・セキュリティなど、さまざま点で異なるため、企業規模や目的に合わせて最適なタイプを選ぶことが重要です。ここでは、サーバー種類について詳しく解説し、それぞれのメリット・デメリットを明らかにしていきます。
物理サーバーとは、その名のとおり、物理的に存在する1台のサーバーコンピューターを指します。実際に触れることができるハードウェアとして存在し、CPUやメモリなどの物理的なリソースを持っています。なお、物理サーバーは「共用サーバー」と「専用サーバー」の2つに分けられます。
共用サーバーとは、レンタルサーバーとも呼ばれ、1台の物理サーバーを複数のユーザーでシェアして使用する形態です。サーバー会社が所有・管理するサーバーの一部分を借りて利用します。
最大のメリットは、コストを抑えられる点です。サーバーの導入・維持費用を複数ユーザーで分担するため、個人や小規模企業でも手軽に利用できます。また、メンテナンスの手間がかからず、専門知識がなくても運用可能です。
一方、同じサーバーをほかのユーザーと共有するため、他ユーザーの使用状況によっては、自社サイトの表示速度に影響が出る可能性があります。また、OSやアプリケーションのカスタマイズに制限があり、自由度が低いのも、デメリットの一つです。
専用サーバーは、1台の物理サーバーを1ユーザー(1企業)が独占的に使用する形態です。自社でサーバーを購入して運用したり、データセンターから1台丸ごとレンタルしたりする場合が該当します。
最大のメリットは、自由度の高さです。OSやアプリケーションを自由に選択・カスタマイズでき、サーバーの全リソースを独占できるため、安定したパフォーマンスに期待できます。また、他ユーザーの影響を受けないことから、セキュリティ面でも優れています。
デメリットは、導入や運用コストが高くなる点です。サーバー機器の購入費用や保守費用、電気代など、すべてのコストを自社で負担する必要があります。また、サーバー管理の専門知識を持つスタッフが必要となるため、さらに人件費もかかります。
仮想サーバーとは、1台の物理サーバー上で仮想化技術を用いて複数のサーバー環境を構築し、それぞれが独立したサーバーとして機能するようにしたものです。なお、仮想サーバーは「VPS」と「クラウドサーバー」の2つに分けられます。
VPS(Virtual Private Server)とは、1台の物理サーバーを仮想化技術で区切り、それぞれを独立したサーバー環境として提供するサービスです。各ユーザーは、割り当てられた仮想サーバー上において、あたかも専用サーバーのように自由に設定できます。
VPSのメリットは、共用サーバーよりも自由度が高く、専用サーバーと比べて費用が安いことです。OSやアプリケーションを自由にインストール可能で、ほかのユーザーの影響も受けにくくなっています。
デメリットとしては、サーバーの運用・管理を自分で行う必要があり、ある程度の専門知識が求められる点が挙げられます。また、物理サーバーのリソースを複数のVPSで分け合うため、専用サーバーほどの性能は期待できない場合もあります。
クラウドサーバーとは、複数の物理サーバーを集約したクラウド基盤上に構築された仮想サーバーです。VPSと似ていますが、複数の物理サーバーにまたがるネットワークとして構築されているため、1台の物理マシンに依存しません。
クラウドサーバーの最大のメリットは柔軟性です。必要に応じてCPUやメモリ、ストレージなどのリソースを迅速に増減できるため、急激なアクセス増加にも対応可能です。また、従量課金制のサービスが多く、使った分だけ支払えばよいことから、初期費用も抑えられます。
デメリットとしては、長期的に使用すると専用サーバーよりも高額になる可能性があること、サーバー設定の自由度がVPSや専用サーバーよりも制限される場合があることが挙げられます。また、VPSと同様に運用には一定の専門知識が必要です。
サーバーは提供するサービスにより、さまざまな用途に分類されます。それぞれのサーバーは、特定の機能に特化しており、多くの場合、複数種類のサーバーが連携してシステム全体を構成しています。企業がITシステムを構築する際には、必要な機能に応じて適切なサーバーを選定することが重要です。ここでは、代表的なサーバーの用途について解説します。
Webサーバーは、インターネット上でWebサイトを公開・表示するためのサーバーです。HTMLファイル、CSSファイル、JavaScriptファイル、画像ファイルなどのWebコンテンツを保存し、ユーザーのブラウザからのリクエストに応じてこれらのファイルを提供します。
私たちが日常的にWebサイトを閲覧できるのは、このWebサーバーの働きによるものです。ユーザーがURLを入力したり、リンクをクリックしたりすると、WebサーバーにHTTPリクエストが送られ、サーバーは対応するWebページのデータを返します。
代表的なWebサーバーソフトウェアとしては、Apache・Nginx・Microsoft IISなどがあります。企業のホームページ・ECサイト・ブログなど、インターネット上に公開されるあらゆるWebサイトは、Webサーバー上で動作しています。
メールサーバーとは、電子メールの送受信を管理するサーバーです。メールの送信・受信・保存などの機能を担っており、大きく分けて送信用のSMTPサーバーと受信用のPOP3/IMAPサーバーの2つがあります。
SMTPサーバーは、ユーザーが送信したメールを受け取り、宛先のメールサーバーへ配信する役割を持ちます。一方、POP3サーバーはメールを受信して保管し、ユーザーがアクセスしたときにダウンロードさせるサーバーです。IMAPサーバーもPOP3と同様に受信用ですが、メールをサーバー上に残したまま閲覧できる点が特徴です。
企業が独自ドメインのメールアドレス(例:info@company.co.jp)を利用する場合には、メールサーバーが必要となります。電源を切っていても、その間に届いたメールが後から確認できるのは、メールサーバーがデータを保管しているためです。
データベースサーバーは、大量のデータを効率的に管理・検索・更新するためのサーバーです。構造化されたデータを保存し、クライアントからの要求に応じてデータの検索や操作を行います。
多くの企業システムやWebアプリケーションの裏側では、このデータベースサーバーが動作しています。例えば、ECサイトの商品情報や在庫状況、顧客情報などのデータは、このデータベースサーバーで管理されています。
代表的なデータベース管理システム(DBMS)には、MySQL・PostgreSQL・Oracle Database・Microsoft SQL Serverがあります。Webサーバーがフロントエンドの表示を担当するのに対し、データベースサーバーはバックエンドでデータ処理の中核を担っています。
ファイルサーバーは、組織内でファイルを共有・保存するためのサーバーです。ネットワークに接続された複数のコンピューターから同じファイルにアクセスし、共同作業を可能にします。
企業内ではファイルサーバーを利用し、社内文書・画像・動画などのデータを集中管理することが一般的です。そのため、個々のパソコンにファイルを保存する必要がなくなり、データの一元管理やバックアップが容易となります。また、部署やプロジェクトごとにアクセス権限を設定することも可能です。
ファイルサーバーには、オンプレミス型(自社内に設置するタイプ)とクラウド型(外部サービスを利用するタイプ)があります。近年では、クラウドストレージサービスの普及により、クラウド型ファイルサーバーの利用が増えています。
アプリケーションサーバーは、業務アプリケーションやWebアプリケーションの実行環境を提供するサーバーです。Webサーバーが静的ファイルの提供に特化しているのに対し、アプリケーションサーバーは動的コンテンツの生成や複雑な処理を担当します。
多くの場合、アプリケーションサーバーは、Webサーバーとデータベースサーバーの中間に位置し、両者を連携させる役割も果たしています。Webサーバーからの要求を受け、必要に応じてデータベースにアクセスし、処理結果をWebサーバーに返します。
代表的なアプリケーションサーバーとしては、Apache Tomcat・JBoss・WebSphere・WebLogicがあります。JavaやRuby、PHPなど、プログラミング言語で書かれたアプリケーションを実行する環境として利用されています。
FTP(File Transfer Protocol)サーバーは、ファイルの転送に特化したサーバーです。クライアントとサーバー間でのファイルのアップロード・ダウンロードを可能にします。
Webサイトの構築・更新時には、HTMLファイルや画像ファイルをWebサーバーにアップロードするためにFTPサーバーが利用されます。また、大容量ファイルの共有や、異なるプラットフォーム間でのファイル転送にも活用されています。
FTPサーバーの特徴は、ファイル転送に特化した効率的なプロトコルを使用している点です。ただし、従来のFTPは暗号化されていないため、セキュリティを重視する場合は、SFTP(SSH File Transfer Protocol)やFTPS(FTP over SSL)などの暗号化された方式が推奨されます。
DNS(Domain Name System)サーバーは、ドメイン名とIPアドレスを相互に変換するためのサーバーです。インターネット上の住所ともいえるIPアドレスは、数字の羅列(例:192.168.0.1)で表されるため、人間には覚えにくいものです。そこで、分かりやすいドメイン名(例:example.com)とIPアドレスを紐づけるサービスを提供しています。
DNSサーバーのおかげで、私たちはブラウザにドメイン名を入力するだけで目的のWebサイトにアクセスできます。ユーザーがドメイン名を入力すると、DNSサーバーがそれに対応するIPアドレスを検索し、実際の通信はそのIPアドレスに対して行われます。
インターネットが円滑に機能するためには、このDNSサーバーの存在が不可欠です。企業がWebサイトを公開する際には、ドメイン名の登録とDNS設定が必要となります。DNSサーバーが正しく設定されていないと、Webサイトやメールサービスにアクセスできなくなる可能性があります。
専用サーバーとは、1台の物理サーバーを1つのユーザーが独占して利用できるサーバーです。高性能で安定した運用が可能ですが、その分コストや管理の負担も大きくなります。以下では、専用サーバーのメリットとデメリットを詳しく解説していきます。
専用サーバーはリソースを完全に専有できるため、他のユーザーの影響を受けることなく、高速で安定した動作を維持できます。
OSやソフトウェアの選択、設定の変更が自由に行え、用途に応じた環境を構築できます。
ほかの利用者と共有しないため、情報漏えいやウイルス感染のリスクが低く、セキュアな環境を構築できます。
高トラフィックのWebサイトや、複雑なデータ処理を必要とするシステムに最適です。
ハードウェアや運用管理のコストがかかるため、共用サーバーやVPSに比べて費用が高くなります。
OSの管理・セキュリティ対策・障害対応など、サーバーの維持管理を自社で行う必要があります。
一度契約したサーバーのスペックを簡単に変更できないため、急な負荷増加に対応しにくいです。
共用サーバーは、1台の物理サーバーを複数のユーザーで共有するサーバーです。コストが抑えられる一方で、ほかのユーザーの影響を受ける可能性があります。
初期費用や月額料金が安く、手軽にサーバーを利用できます。
サーバーの運用やメンテナンスは、ホスティング業者が行うため、技術的な知識がなくても利用可能です。
サーバーの設定や管理がシンプルで、初心者でも扱いやすいです。
同じサーバーを共有しているため、ほかの利用者の負荷が高まると、自サイトの速度が低下する可能性があります。
インストールできるソフトウェアや設定が制限されてしまいます。
ほかのユーザーが攻撃を受けた場合、同じサーバー上の他サイトにも影響が及ぶことがあります。
VPS(Virtual Private Server)は、1台の物理サーバーを仮想的に分割し、専用サーバーのように利用できる環境です。共用サーバーと専用サーバーの中間的な存在で、コストとパフォーマンスのバランスに優れています。
専用サーバーほどのコストをかけず、一定のリソースを専有できます。
OSの選択やソフトウェアのインストールが自由に行えるため、柔軟な環境構築が可能です。
物理サーバーを仮想的に分割しているため、共用サーバーよりも安定した運用ができます。
OSやセキュリティ設定などの管理を自分で行う必要があり、技術的な知識が求められます。
仮想化技術を使っているため、同じ物理サーバー上のほかのVPSに負荷がかかると、影響を受ける可能性があります。
クラウドサーバーは、インターネット経由で仮想的に提供されるサーバーのことで、必要なときにリソースを増減できる点が特徴です。
必要に応じてCPU・メモリ・ストレージを増減でき、急なアクセス増加にも対応可能です。
物理サーバーを購入する必要がなく、必要なリソース分だけ支払う従量課金制が一般的です。
インフラの管理をクラウド事業者が担うため、利用者はアプリやデータの運用に集中できます。
使った分だけ料金が発生するため、長期間利用すると専用サーバーよりコストが高くなることがあります。
インターネットを経由して利用するため、通信環境が悪いとパフォーマンスが低下する可能性があります。
クラウド上にデータを保存するため、情報漏えいやアクセス制御の設定を慎重に行わなければいけません。
このように、サーバーの種類ごとにメリット・デメリットが異なります。用途や予算、運用体制に応じて最適なサーバーを選択することが重要なのです。
サーバーは企業のITインフラの中核を担う重要な存在ですが、ハードウェアの寿命や経年劣化、ソフトウェアのアップデートなどに対応するため、適切な保守が欠かせません。サーバーの安定稼働を維持するには、計画的な保守体制の構築が必要不可欠です。ここでは、なぜサーバー保守が重要なのか、その理由について解説していきます。
サーバー保守は「何らかのトラブル発生を想定し、そうした場合でもサーバーが通常通り機能するように準備しておく」「トラブル発生時に迅速に復旧作業を行う」という業務です。このような保守作業が必要な理由はいくつかあります。
第一に、サーバーを構成するハードウェアはすべて寿命のある部品であるという点です。HDDやSSDなどの記憶装置、CPUや電源ユニットなど、いずれも時間の経過とともに劣化し、最終的には故障します。保守作業を行わなければ、部品はどんどん老朽化し、いずれ突然障害が発生するリスクが高まります。
第二に、サーバーの停止は事業に大きな影響を与えるという点です。サーバーがダウンすると、Webサイトの閲覧やサービスの提供ができなくなるのみならず、内部の業務システムも停止し、企業活動全体が麻痺してしまう可能性があります。これは売上の損失にとどまらず、顧客からの信頼低下にもつながります。
さらに、サーバーの脆弱性を放置することは、セキュリティリスクを高めます。OSやソフトウェアの更新プログラムを適用しない場合、サイバー攻撃の標的になりやすくなり、情報漏洩などの重大なインシデントにつながる恐れがあるのです。サーバー保守には、主に以下のような作業が含まれます。
これらの保守作業を適切に実施することにより、サーバーの安定稼働が確保され、企業の事業継続性が保たれます。つまり、サーバー保守は「コスト」ではなく「リスク回避のための投資」と考えるべきでしょう。
多くの企業では、サーバー購入時にメーカーの保守サービスへ加入することが一般的です。また、メーカーのサポート期間が終了したサーバーを使用している場合は、第三者保守業者を利用することも選択肢となります。いずれにしても、サーバーの重要性を考慮し、適切な保守体制を構築することが企業のIT戦略において重要なポイントです。
企業のITシステムやインターネットサービスの基盤として、サーバーは重要な役割を果たしています。そのため、サーバーの知識が求められる職種は多岐にわたります。以下で、代表的な職種をご紹介します。
サーバーの設計・構築・運用・保守を担当する専門職です。オンプレミス環境やクラウド環境でのサーバー管理に関する知識が必要となります。
サーバーとクライアント、各種ネットワーク機器を接続し、最適な通信環境を構築する役割を担います。サーバーのIPアドレス設定やDNSの知識が不可欠です。
企業のITインフラ全般を管理し、サーバーの運用やトラブル対応を行う職種です。セキュリティ対策やバックアップの管理も担当します。
AWSやAzure、Google Cloudなどのクラウドプラットフォームを活用し、クラウド環境のサーバー構築・運用を行うエンジニアです。仮想サーバーやコンテナ技術の知識も必要となります。
開発と運用を統合し、自動化や効率化を推進するエンジニアです。サーバーの自動デプロイやモニタリングシステムの構築を担当します。
サーバーの脆弱性診断やセキュリティ対策を専門とする職種です。不正アクセスやマルウェア攻撃の防止、ログ解析などを行います。
サーバー上で動作するデータベースの設計・運用・最適化を担当します。高可用性の確保やバックアップ・リストアの知識が求められます。
Webアプリケーションの開発を行うエンジニアで、Webサーバーの設定や運用に関する知識が求められる場合があります。
企業のIT戦略を立案し、最適なサーバー環境の選定や導入を支援する役割を担います。オンプレミスかクラウドかの選択、コスト最適化の提案などを行います。
オンラインゲームのサーバー構築・運用を担当し、大量アクセス時の負荷分散や安定稼働のためのチューニングを行います。
サーバーの知識は、IT業界全体において幅広い職種で求められます。特に、クラウド技術の普及に伴い、仮想化やコンテナ技術の知識を持つエンジニアの需要が高まっています。今後も、サーバー管理やインフラの最適化を担う専門家の役割は、ますます重要になっていくでしょう。
サーバーは、現代のITインフラを支える重要な基盤です。本記事で解説したように、物理サーバーから仮想サーバーまでにはさまざまな種類があり、形状や用途によって適切な選択が必要となります。企業や組織がデジタル化を推進する中で、サーバーに関する基礎知識を持つことは、コスト削減や業務効率化につながります。
適切なサーバー選びと計画的な保守管理により、安定したシステム運用が実現し、ビジネスの継続性と成長を支えることができるでしょう。テクノロジーが進化し続ける現代だからこそ、サーバーの知識はITに関わるすべての人々にとって価値ある資産となります。
当社DYMでは、Webサイト作成や運用など、さまざまなWeb事業に関するサービスを展開しています。ご興味がある方は、ぜひ下記より当社へご相談ください。
「世界で一番社会を変える会社を創る」というビジョンのもと、WEB事業、人材事業、医療事業を中心に多角的に事業を展開し、世界で一番社会貢献のできる会社を目指しています。時代の変化に合わせた新規事業を生み出しながら世界中を変革できる「世界を代表するメガベンチャー」を目指し、日々奮闘しています。