コンバージョンAPIとは?仕組みや導入方法、設定手順をわかりやすく解説

サードパーティCookieの廃止やブラウザの規制強化により、コンバージョン計測の精度が下がり、広告の成果を正確に把握できないと悩む担当者も多いのではないでしょうか。 こうした状況を打開する手段として注目を集めているのがコンバージョンAPIです。本記事では、コンバージョンAPIの基本概念や仕組みから具体的な実装方法、設定手順、技術的・法的リスクへの対策までを体系的に解説します。自社に最適な導入判断を下すための参考としてぜひご活用ください。
<この記事で紹介する5つのポイント>
- コンバージョンAPIは、Cookieに依存せず広告主のサーバーから広告媒体のサーバーへ直接イベントデータを送信する計測技術である
- ブラウザの読み込みエラーや広告ブロッカーの影響を受けにくく、オフラインのコンバージョンも含めた多様なイベントを可視化できる
- 実装方法にはパートナー統合・サーバーサイドGTM・外部測定ツール・自社開発の4種類があり、自社のリソースや運用環境に応じた選択が重要である
- 計測精度を最大化するには、必須パラメータの正確な設定や送信テスト、イベントマネージャーでのエラーチェックなど継続的な検証が欠かせない
- 導入にはエンジニアの確保や法務部門との調整、代理店との連携など、技術面と法務面の両輪で準備を進める必要がある
目次
コンバージョンAPI(CAPI)とは?基本概要と導入メリット

コンバージョンAPI(CAPI)は、Cookieを使わずに広告主のサーバーから直接Meta(旧Facebook)のサーバーへイベントデータを送信する計測技術です。サードパーティCookieの規制が進む中、従来の計測方法ではコンバージョンデータに欠損が生じやすくなっています。この課題を解決する手段として注目されているのがコンバージョンAPIです。
ここからは、コンバージョンAPIの定義や導入背景、実際に得られる効果について順に解説していきます。
Cookieを使わずにイベントデータを送信する技術の定義
コンバージョンAPIとは、Cookieに依存せずにWebサイト上のイベントやオフラインでのコンバージョンを計測する技術です。従来の計測では、ユーザーがWebサイトを訪れた際に発行されるCookieを経由して広告媒体にデータが送信されていました。しかしコンバージョンAPIの場合、広告主のサーバーから広告媒体のサーバーへ直接イベントデータを送信する構造になっています。
Cookieを介さない仕組みになっているため、タグの動作不良やブラウザ側の制限による計測漏れを防ぎやすい点が大きな特徴といえるでしょう。プライバシーに配慮しながら広告効果を正しく把握する手段として、多くの企業で採用が広がっています。
個人情報保護の強化によるサードパーティCookieの廃止
コンバージョンAPIが登場した背景には、世界的な個人情報保護の強化とサードパーティCookieの廃止の流れがあります。従来はCookieを活用してユーザーの行動履歴や興味関心を広告配信に利用するのが一般的でした。しかしパーソナライズ広告への批判やCookie内の個人情報流出リスクが高まり、プライバシー保護を重視する動きが世界的に広がっています。
SafariではすでにサードパーティCookieがデフォルトでブロックされています。日本でも2022年4月に改正個人情報保護法が施行され、Cookieを含む「個人関連情報」の取り扱いに同意取得が求められるようになりました。
デバイスやブラウザの制限を受けない計測精度の向上
コンバージョンAPIを活用すれば、ブラウザや端末側の制限に左右されない安定した広告計測が実現します。Cookieを用いた計測では、ブラウザの広告ブロッカー設定や読み込みエラー、iOSのトラッキング防止機能などによりデータが欠損しやすい状態でした。一方、コンバージョンAPIは広告主のサーバーから媒体のサーバーへ直接イベントデータを送るため、こうした外部要因の影響を受けにくくなります。
ユーザーの同意取得状況やデバイスのアップデートにも左右されず、安定した状態で広告効果を測定できるのが強みです。計測の抜け漏れが減ることで、本来であれば把握できなかった成果まで正しく可視化できるようになります。
オフラインでの受注や電話問い合わせなど多様なイベントの可視化
コンバージョンAPIは、オンラインだけでなくオフラインで発生した成果もまとめて計測できる仕組みです。従来のピクセルタグによる計測ではオンライン上の行動データしか対象にできませんでしたが、コンバージョンAPIを導入すると広告主のサーバーに蓄積された他のマーケティングデータと突合が可能になります。
たとえば実店舗での購買履歴やテレビCM経由の受注データ、電話による問い合わせといった接点も広告成果として取り込めるようになるのです。オンラインとオフラインを横断した分析ができれば、どの施策がどのように売上へ貢献しているかを立体的に把握しやすくなります。広告運用における意思決定の精度を高めたい企業にとって、見逃せない利点といえるでしょう。
機械学習の最適化によるコンバージョン単価(CPA)の削減
コンバージョンAPIとピクセルを併用することで送信データ量が増え、機械学習の精度向上とCPA削減につながります。Meta社のビジネスヘルプセンターでは、コンバージョンAPIとMetaピクセルを組み合わせて使用することで接続の信頼性が高まり、配信システムによる顧客獲得単価の削減に役立つと説明されています。
データ取得量が増加すると広告媒体側の機械学習がより正確にユーザー像を把握できるため、興味関心の高い層に対して広告が配信されやすくなる仕組みです。結果として無駄な広告表示が減り、コンバージョン獲得効率の改善を期待できます。広告費を投下しても成果が伸び悩む状況を打破するうえで、有効なアプローチとなるでしょう。
サーバー間通信の仕組みと従来のピクセルとの相違
コンバージョンAPIは、ブラウザを経由せずサーバー間で直接イベントデータをやり取りする点で従来のピクセル計測とは大きく異なります。ピクセルタグがユーザーのブラウザを介してデータを送る仕組みである一方、コンバージョンAPIはサーバー同士が直接通信する構造です。
ここからは、その具体的なプロセスや従来方式との違いについて掘り下げていきます。
広告主のサーバーから各媒体へ直接データを届けるプロセス
コンバージョンAPIでは、広告主のサーバーから媒体の広告サーバーへイベントデータが直接送信されます。従来のピクセル計測では、ユーザーがサイトを閲覧するとブラウザ上でCookieが発行され、そのデータが広告媒体のサーバーへ送られる流れになっていました。
コンバージョンAPIの場合は、広告主側のサーバーで発行したイベントデータをMeta社の広告サーバーへ直接届ける方式に変わります。送信されたデータは媒体側に登録済みのユーザー情報と照合され、コンバージョンとして処理される仕組みです。ブラウザを介さないため、プライバシーに配慮しながらも正確なデータ計測を実現できます。
ブラウザの読み込みエラーや広告ブロッカーの影響を回避する手法
サーバー間通信を採用することで、ブラウザ側で発生するエラーや広告ブロッカーによる計測漏れを避けられます。ピクセルタグはブラウザを通じてデータを収集する構造のため、ユーザーがCookie同意を拒否した場合や広告ブロッカーを導入している場合、正しく計測できないケースが発生します。接続トラブルやページの読み込みエラーによってタグが動作しない状況も少なくありません。コンバージョンAPIはブラウザを経由しないため、こうした環境起因の問題を回避でき、計測の取りこぼしを大幅に減らせます。 広告主のサーバーから媒体側へ情報が直送される構造が、安定した計測環境を支えているといえるでしょう。
重複排除設定によりCookieデータとの整合性を保つ仕組み
ピクセルとコンバージョンAPIを併用する際は、重複排除の設定によって同一イベントの二重計測を防げます。両方の仕組みを同時に稼働させると、ひとつのコンバージョンに対してピクセル経由とサーバー経由の双方からデータが送信される場合があります。そのまま集計すると成果が二重にカウントされ、実態と異なる数値が管理画面に反映されてしまうでしょう。
この問題を解消するため、イベントIDなどを用いて同一イベントを識別し、重複分を除外する処理が用意されています。適切な重複排除を設定すれば、Cookie経由のデータとサーバー経由のデータを矛盾なく統合して扱えるようになります。
MetaピクセルとコンバージョンAPIを併用すべき理由
Meta社は、コンバージョンAPIを単独で使うのではなく、Metaピクセルとの同時使用を推奨しています。コンバージョンAPIはピクセルの代わりに開発された技術ではなく、ピクセルだけでは拾いきれなかった計測データを補う目的で設計されたものだからです。
双方を併用することで、ブラウザ側で取得できる行動データとサーバー側で取得できるイベントデータが互いを補完し、より多くの情報を集められるようになります。計測の抜け漏れを最小限に抑えつつ、データ管理の強化や広告配信の最適化にもつながる点が大きな魅力です。Meta広告の効果を最大化したい場合、併用する構成が事実上の標準となっています。
コンバージョンAPIの運用環境に応じた実装方法

コンバージョンAPIの実装方法は複数あり、自社のリソースや利用環境に合わせて最適な手段を選ぶ必要があります。公式パートナー統合やサーバーサイドGTM、外部ツールの活用、自社開発など、それぞれに特徴やコスト感が異なります。
ここからは、代表的な実装パターンを順番に見ていきましょう。
ShopifyやWordPressを活用した公式パートナー統合
ShopifyやWordPressなどの公式パートナープラットフォームを使えば、コード編集なしで手軽にコンバージョンAPIを設定できます。
Meta社が認定するパートナープラットフォームには、ShopifyやWordPressをはじめ多数のサービスが含まれており、これらを利用していれば管理画面上の操作だけで連携が完了します。システム構築に関する専門知識がなくても実装できる点が大きな利点です。
ECサイトやCMSを既存のパートナーサービスで運用している企業にとっては、もっとも負担の少ない選択肢となるでしょう。短期間で計測環境を整えたい場合や、社内に開発リソースを確保できない場合に適した方法です。
複数の広告媒体に対応可能なサーバーサイドGTMによる管理
サーバーサイドGTMを活用すると、Meta広告に加えてGoogle広告など複数媒体の計測を一元的に管理できます。Googleタグマネージャーには2020年8月に実装されたサーバーサイドコンテナという機能があり、従来ブラウザ上で行われていたタグ処理をサーバー側で実行できる仕組みです。自社で一から開発するより実装の手間が軽減されるうえ、Facebook向けだけでなくGoogle側の広告計測も同じ基盤で処理できます。複数の広告媒体を横断して計測環境を整えたい企業にとって、効率のよい選択肢といえるでしょう。工数と拡張性のバランスを重視する場合に適した方法です。
アドエビスが提供するCAPiCOなど外部測定ツールの導入
外部の計測ツールを活用すれば、エンジニアリソースが限られていてもコンバージョンAPIをスムーズに導入できます。ベンダーから提供されているコンバージョンAPI対応の広告効果測定ツールやデータハブサービスを利用すると、自社開発ほどの工数をかけずに計測環境を整えられます。
国内導入件数No.1の実績を持つアドエビスが提供する「CAPiCO」は、設定負荷を軽減する操作性の高いUIや、利用媒体数に伴う追加費用が発生しないシンプルな料金体系が特長です。月額費用は発生するものの、短期間で運用を開始したい企業にとって現実的な選択肢となります。
独自の計測仕様を実現する手動でのAPI直接実装
手動でAPIを直接実装する方法は、パートナー連携に対応していないサービスや独自仕様を求める場合に適しています。
自社で構築したサーバー環境を利用している企業や、イベント設定をカスタマイズしたい場合には、Meta社が公開するAPI仕様に沿って手動で開発を進める形になります。サーバー環境へのアクセス権、コード記述の経験、アクセストークンの取得などが必要になるため、実装には相応のスキルが求められるでしょう。
メンテナンスの負担も含めて工数がかかりやすい反面、自社の運用要件に合わせた柔軟な計測設計が可能になる点が魅力です。専門知識を持つエンジニアが社内にいる場合に向いています。
サーバー費用や保守メンテナンスに伴うコストの比較
実装方法によってサーバー費用や保守にかかるコストは大きく変わるため、中長期的な視点で比較検討する必要があります。
パートナー統合はコード編集を伴わず初期コストを抑えやすい一方、サーバーサイドGTMや自社開発ではサーバーの利用料が月額で発生するケースがあります。自社開発はメンテナンス工数も大きく、継続的なエンジニアリソースが欠かせません。外部ツールを利用する場合は月額のサービス利用料がかかるものの、運用サポートが含まれていれば社内負担を軽減できます。初期費用の安さだけで判断せず、広告パフォーマンスの改善や運用支援を含めた総合的な価格評価が重要です。
コンバージョンAPIの計測精度を最大化するための設定方法
コンバージョンAPIの効果を最大限に引き出すには、必須パラメータの設定やテスト検証、エラーチェックなど複数の工程を丁寧に進める必要があります。設定内容が不十分なまま運用を始めると、想定した計測精度が得られないおそれもあります。
ここからは、精度を高めるために押さえておきたい具体的な設定ポイントを順番に紹介していきましょう。
送信すべきイベント名や発生日時などの必須パラメータの選定
コンバージョンAPIでは、イベント名・発生日時・顧客情報の3つの基本パラメータを正しく設定することが出発点となります。Meta社のサーバーへ送信する情報のうち、最低限必要となるパラメータは「event_name(標準イベントまたはカスタムイベントの名前)」「event_time(イベントが発生した日時)」「user_data(顧客に関する情報)」の3項目です。
なかでもuser_dataはFacebookアカウントとの照合に使われる重要な項目であり、送信できる情報が多いほどマッチング精度が高まります。各パラメータの仕様を正しく理解しないと計測エラーの原因になるため、設定段階からエンジニアと連携しながら進めることが望ましいでしょう。
コンバージョン一致率を向上させる詳細マッチング機能の有効化
詳細マッチング機能を有効化すれば、広告主側のデータとMeta側のユーザー情報を照合する精度を引き上げられます。
コンバージョンAPIでは、メールアドレスや電話番号、氏名、生年月日、住所情報などの顧客データをハッシュ化して送信する仕組みが用意されています。送信できる顧客情報の項目数が多いほど、Meta社の広告サーバー上のユーザー情報とマッチする確率が向上する構造です。
特にメールアドレスは優先度の高い項目とされており、ハッシュ化して安全に送れる状態にしておけば、計測精度の底上げにつながります。どの情報をどの範囲で送信するかは、プライバシー面の観点も含めて慎重に判断することが求められます。
送信テストによる計測状況の検証方法
設定が完了した段階で必ず送信テストを実施し、データが意図したとおりに届いているかを検証する必要があります。
テストでは、「event_name」「event_time」「user_data」「action_source」 といった必須パラメータが正しく計測されているかを確認します。あわせて、送信データがMeta側で適切に処理され、管理画面のダッシュボードに反映されているかどうかも検証しましょう。
もし想定どおりの結果が得られない場合は、パラメータの設定内容や送信処理のロジックを見直し、修正したうえで再度テストを行う流れになります。本番運用に進む前の最終チェックとして、テスト工程を丁寧に踏むことが計測品質を左右する重要なステップです。
Facebookイベントマネージャーでの接続状況とエラーのチェック
Facebookイベントマネージャー上で、送信データの受信状況やエラーの有無を随時確認することが欠かせません。技術的な実装を終えたあとは、テストデータを送信してイベントマネージャー側で正しく受信されているかを確かめます。受信が確認できれば本番運用に進める状態といえるでしょう。運用を開始してからも、イベントマネージャー上で接続状況やエラー情報を継続的にチェックする姿勢が大切です。
想定と異なる数値が表示されている場合や、エラーが検知された場合には、パラメータの再設定やタグ配置の見直しなどの対応が必要になります。公式管理画面を活用した定期確認が、安定稼働の土台となります。
サーバーサイドGTMにおけるデバッグモードとプレビューの活用
サーバーサイドGTMを利用する場合は、デバッグモードやプレビュー機能でタグの動作を事前に確認すると安心です。
Googleタグマネージャーには、実装したタグが意図どおりに動作しているかを検証する仕組みが用意されています。プレビュー画面では、ユーザーの行動に応じてどのタグが発火したか、どのような値が送信されたかを実際に目視で確認できます。サーバーサイドGTMを通じてコンバージョンAPIを実装した際も、この仕組みを活用することで、設定ミスや条件分岐の不備を本番稼働前に洗い出せるでしょう。複数媒体に対してデータを送る構成の場合はとくに、各タグの挙動を個別にチェックする運用が有効です。
送信されたパラメータの整合性とデータ品質の確認
送信したパラメータが仕様どおりに届いているかを点検し、データ品質そのものを担保する工程が欠かせません。イベント名や発生日時、顧客情報といった項目は、それぞれMeta側が定める形式に沿って送信されなければなりません。
たとえばメールアドレスや電話番号はハッシュ化が必要で、名前や住所なども指定の方式で処理しなければ正しくマッチングされない場合があります。想定通りにパラメータが届いていない状態では、せっかくの実装も精度向上に結びつきません。設定直後だけでなく運用中も継続して、送信内容の整合性とデータ品質を検証する体制を整えておく必要があります。
広告管理画面と基幹システムのデータ乖離の検証
広告管理画面に表示される数値と、自社の基幹システムに記録されたデータとの乖離を定期的に確認することが重要です。Cookie規制の影響により、Facebook広告管理画面と社内の基幹システムのコンバージョンデータで最大58%ものデータ乖離が発生していた事例も報告されています。
乖離が大きい状態では広告成果を正しく把握できず、誤った投資判断を招きかねません。コンバージョンAPIを導入したあとも、管理画面と基幹システムの数値を突き合わせて差分を確認し、異常があれば早期に原因を調査する運用が欠かせないでしょう。継続的な検証が意思決定の信頼性を支えます。
APIの認証情報やアクセストークンの安全な管理
コンバージョンAPIを手動で実装する場合、アクセストークンなどの認証情報を厳格に管理する運用が前提となります。手動でAPIを直接実装する際には、サーバー環境へのアクセス権やアクセストークンの取得が必要となります。これらの認証情報が外部に漏れると、不正なデータ送信や情報流出のリスクが生じるでしょう。
保管場所を限定し、アクセス権限を持つ担当者を絞り込むなど、基本的なセキュリティ運用を徹底することが求められます。トークンの有効期限管理や、万が一漏洩した場合の再発行フローもあらかじめ整備しておくと安心です。機密情報の扱いを軽視しない姿勢が、安定運用の土台となります。
YouTubeやGA4など他プラットフォームとの連携設定
サーバーサイドGTMを活用すれば、Meta広告だけでなくGoogle広告やGA4など他プラットフォームとの連携も同じ基盤で実現できます。
サーバーサイドGTMで構築した計測環境は、Facebookの広告計測だけでなくGoogle側の広告計測にも対応可能です。コンバージョンAPIに対応している主要媒体にはFacebook・Instagram・Yahoo!・X・LINE・TikTok・Pinterestなどが含まれており、複数の媒体にまたがって計測したい場合に有効な手段となります。媒体ごとに個別の仕組みを構築するより工数を抑えられるため、運用負荷の軽減にもつながるでしょう。利用媒体の対応状況を事前に整理しておくことが大切です。
定期的なデータ送信状況のモニタリング体制
導入後は終わりではなく、データ送信の状況を定期的にモニタリングし続ける体制が運用品質を左右します。広告媒体側の仕様変更やサーバー環境のアップデートによって、ある日突然データ送信が止まってしまうケースも起こり得ます。こうした事態を早期に検知するには、管理画面の数値や送信ログを定期的に確認する仕組みが欠かせません。異常値やエラーが発生した際の連絡フローを事前に整えておけば、対応の遅れを最小限に抑えられます。広告プラットフォームに対して正しくシグナルデータを送り続け、機械学習機能や最適化機能のチューニングを継続する運用こそが、長期的な成果を生み出す基盤となるでしょう。
コンバージョンAPIの実装に伴う技術的課題と法的リスクへの対策

コンバージョンAPIの導入では、技術面の課題だけでなく個人情報の取り扱いに関する法的な対応も同時に進める必要があります。エンジニアの確保や法務部門との調整、代理店との連携など、社内外の関係者を巻き込んだ準備が欠かせません。
ここからは、導入時に押さえておきたい課題と対策を順に整理していきます。
専門知識を持つエンジニアのリソース確保と体制整備
コンバージョンAPIの導入には、サーバーやAPIに関する専門知識を持つエンジニアの関与が不可欠です。一般的なマーケティング担当者のみでは設計から実装、運用までを完結させることが難しく、社内または外部にエンジニアリソースを確保する必要があります。コンバージョンAPIの実装には専門的なWebエンジニアリングの技術や、場合によってはクラウドコンピューティングの知識まで求められるため、難易度が高めの領域といえるでしょう。
自社で人材を手配できない場合は、実装支援を行う外部パートナーやマーケター向けの広告効果測定ツールの活用を検討する選択肢も考えられます。早い段階から体制を固めておくことがスムーズな導入につながります。
個人情報の第三者提供に関する法務確認とポリシーの調整
コンバージョンAPIでは顧客情報を広告媒体側に送信するため、個人情報の第三者提供に関する法務確認が欠かせません。
メールアドレスや電話番号などのファーストパーティデータをハッシュ化して送信する仕組みではあるものの、個人情報の第三者提供に該当する可能性が高いとされています。個人情報保護法やGDPR(EU一般データ保護規則)などの法規制を遵守する観点から、社内の法務部門と連携してデータの取り扱い範囲を整理する必要があるでしょう。プライバシーポリシーの見直しや、同意管理ツールの導入が求められる場合もあります。送信する情報の範囲や保存期間、削除方法まで含めて、早めに方針を固めておくことが大切です。
外部の広告代理店や運用会社と連携した検証フローの構築
デジタルマーケティングを外部委託している場合は、代理店や運用会社を含めた検証フローをあらかじめ構築しておく必要があります。コンバージョンAPIの実装や運用は、社内のマーケティング担当と法務部門だけで完結するものではありません。広告運用を外部代理店に委託しているケースでは、その代理店との情報共有や設定内容のすり合わせも必要になります。関係者が増えるほど調整に時間がかかりやすいため、早い段階から代理店を巻き込んで協力を仰ぐのがスムーズな進め方といえるでしょう。
社内で対応が難しい場合は、思い切って専門家に相談する選択肢も有効です。役割分担と連絡経路を事前に明確化することで、検証作業を効率的に進められます。
ユーザーの同意取得状況(CMP)と計測制限の整合性確保
コンバージョンAPIを運用する際は、ユーザーから適切に同意を取得したうえで計測範囲を調整する姿勢が求められます。
日本では2022年4月に施行された改正個人情報保護法において、Cookie情報は単体では個人情報に該当しないものの「個人関連情報」に分類され、提供先で個人情報と紐付けて利用される場合は事前の同意取得が必要になりました。
EUのGDPRやカリフォルニア州のCPRAなど海外の法令でも、同意取得やオプトアウト措置が厳格に求められています。同意管理プラットフォーム(CMP)を活用しながら、取得した同意の範囲と実際の計測内容が乖離しないよう整合性を保つ運用が欠かせません。
基幹システム側の改修やデータ抽出ロジックの整理
基幹システムから必要なデータを抽出する仕組みを整備することが、コンバージョンAPIを正しく機能させる前提となります。コンバージョンAPIでは、広告主側のサーバーからMeta社の広告サーバーへ直接データを送信するため、社内に蓄積されているマーケティングデータとの連携が鍵となります。
オフラインの受注履歴や実店舗の購買データといった情報を広告媒体に届けるには、基幹システム側で抽出ロジックを整理しなければなりません。ファーストパーティデータの取得内容や利用ツール、タグまわりの計測状況を事前に整理しておけば、実装作業を円滑に進められます。システム改修を伴う場合はスケジュールに余裕を持たせ、関連部署と連携して進めることが重要です。
まとめ
コンバージョンAPIは、Cookie規制が進む環境下で広告効果を正確に計測し続けるための重要な技術です。サーバー間通信によってブラウザや広告ブロッカーの影響を受けずに計測できるうえ、オフラインのコンバージョンも取り込めるため、広告配信の最適化やCPA削減にもつながります。実装方法はパートナー統合やサーバーサイドGTM、外部ツール、自社開発など複数あり、リソースや運用環境に応じた選択が欠かせません。技術的な課題と法的リスクの両面を押さえ、社内外の関係者と連携しながら導入を進めることが、成果を最大化する近道といえるでしょう。
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コンバージョンAPIを活用した計測精度の向上だけでなく、獲得単価(CPA)の削減や広告運用全体の改善までワンストップで対応可能です。「計測データが欠損していて正しい判断ができない」「広告の成果が伸び悩んでいる」といったお悩みをお持ちの方は、まずはお気軽にDYMまでお問い合わせください。
【筆者・監修者企業】
【筆者・監修者企業】
「世界で一番社会を変える会社を創る」というビジョンのもと、WEB事業、人材事業、医療事業を中心に多角的に事業を展開し、世界で一番社会貢献のできる会社を目指しています。時代の変化に合わせた新規事業を生み出しながら世界中を変革できる「世界を代表するメガベンチャー」を目指し、日々奮闘しています。